その眼は何を語るのか 作:また抜き
食事を終えた二人はともに家を出る。
家は一応裕福に値する家でこれはユウキとユイが賞金首狩りで集めた金で建てたものだ。そのため正確には家というよりは拠点という感じだ。
そしてその家の前には指一本で逆立ち歩きをしている、珍獣二匹の姿がある。
「よぉ!!久しぶりだな二人共!!!!」
「「…マイト・ガイ」」
ユウキとユイが面倒くさそうな顔をしながら叫んだ男ーーーマイト・ガイの方を見る。
「何の用だよ…人ん家の前で逆立ちなんかしやがって!つーかお前の横のミニゲジ眉毛のおかっぱガキはなんだ!?お前の子か!?」
ガイの横にいるのはガイによく似た、おかっぱ頭で濃すぎる眉毛、そして全身緑タイツの少年…どう見ても普通ではない。
「おぉ!そういえばまだ話していなかったな。リー、自己紹介だ!」
ガイがうっかりしていたな、と言いリーと呼ばれた少年がユウキとユイに礼をしながら名前を言う。
「僕の名前はロック・リーです!!お二方の伝説はよく知っております!!あ…僕はガイ先生の班の下忍です。よろしくお願いします。」
「そういうことだ!さてリー、そろそろ修行を再開するぞ!!!」
ガイからの言葉に「オス!」と答えてリーは指一本での逆立ちとは思えない速さで進み出す。ガイはそれをも超える速度でリーを抜かして飛んでいく。
残されたユウキとユイは口を挟むことすらできずただ呆然としているだけだった。
「…気を取り直して行こうか。」
「…そうね。いきなりあいつと会ったのは不運だったわ。」
二人は気を取り直して歩いていく、アカデミーまではそれなりに距離があり徒歩でなら10分ほどかかる。
「それにしても、随分と最近は物騒だよな。例の組織にしても、木の葉周辺のいざこざに関しても。」
「そうね。例の組織はs級犯罪者で固められた最悪の組織、この辺りでは波の国が怪しいわね。」
「ガトー…だったか?」
「ええ。まぁただの商売人だし、気にとめる必要はないけどね。」
「そうだな、そんな奴より問題というか警戒しなければならないのは大蛇丸だよな…サスケもそろそろ下忍だ、今はおれやお前がいるから安全だが…サスケの担当上忍が使える奴であることを願おうぜ。」
ユイの言葉を聞いたユイは鼻で笑う。
「願う必要なんてないわよ。私たちもついて行けばいいじゃない。確かに問題にはなるだろうけど仮にもうちはの生き残り…それくらいは許してくれるわよ三代目も。」
「…そう簡単にいくか?まぁ、サスケは確実に嫌がるだろうな。」
「ふふふ、そうね。最近は生意気だからね。」
ユウキとユイがこれからのことやサスケのことを話して歩いているとアカデミーの門が見えてくる。
「久しぶりだな、アカデミーも…」
ユウキが感慨深そうにアカデミーの門を見上げながら言う。
「ふふふ、そう?あなたは飛び級したからそんなに思い出ないんじゃないの?」
「うるせぇな、言ってみたかっただけだって。」
そういいながらユウキとユイが中に入っていく、中には試験を受けている生徒たちとそれを見守っている親がいてかなりの熱気を発している。
「…暑苦しいわ、ユウキ。」
ユイがユウキの方を見て何かをするように催促する。
「…わかったよ。水遁水飛沫の術」
ユウキが手を広げながら上に上げる、すると手から霧が出てくる。それはユウキを中心に試験会場全体に散布していき…少しずつ会場の熱が下がっていく。
ユウキとユイ以外、誰もそれに気づかなかったが…
「お!やってるやってる、今は手裏剣術の試験か…」
ユウキとユイが懐かしいなぁと試験を眺める。
試験内容は簡単で8つの手裏剣を円形の的に的中させるというものだ。試験の評価は主によくできる、できる、がんばろう、もっとがんばろう、だ。例外として完璧というものがあるがこれはもう数年間誰もとったことのない評価でもある。
「うずまきナルト!」
アカデミーの教師が生徒の名前を呼ぶ。
呼ばれた生徒は緊張しているようで手裏剣を持つ手が震えている。
「早速見たかった奴の一人だぜ?ユイ」
「私は別に興味ないけど…例の九尾の人柱力ってこと以外は。」
「ミナトさんの子だ。見る価値は十二分にある。」
ユウキとユイが話しているとナルトが手裏剣を投げる。
それらは中心にあたることこそなかったが一つも的を外さずに当たっている。
「やったってばよ!見たかサスケ!これがおれの実力だってばよ!!」
「それがどうしたよ、ウスラトンカチが。」
その場で飛び跳ねながら喜ぶナルトを見て、興味もなさそうに答える。それに対してナルトが起こっていたのは別の話。
「まぁ、普通…だな。」
ユウキが呆然としながら言う。
「そうね。まぁしょうがないんじゃないの?才能って奴よ。それにあれなら合格点はもらえるだろうし、本人は満足そうだしいいんじゃない?」
「そうなんだが…う〜ん」
ユウキが腑に落ちないと考え込んでいると教師の先生が次の生徒を呼ぶ
「次で最後だ。うちはサスケ!」
サスケが呼ばれる。女生徒たちは皆歓声を上げている。
そしてその歓声の中をゆっくりと歩いていくサスケ。
「次で最後だったのか…まぁいいか。お手並み拝見といこうかサスケ。」
ユウキの言葉を聞いていたのか、サスケが少し笑い手裏剣を投げる。
教師生徒親問わず全員が大歓声を上げる。
「おぉ!やるなぁ…」
サスケが投げた手裏剣は全て的の中心に当たっていた。
「あ、ありえないってばよ…」
周りの人間が困惑し、何が起きたのかわからないというものさえいる中サスケは堂々と完璧の評価を得た。
■◆■◆
「…イタチ以来の完璧だな、ユイ」
目の前でサスケが投げた手裏剣は全て的の中心に当たるとい信じられない結果だった。
「…そうね、サスケの手裏剣術は精度だけならこの里でも有数のものよ。私やあなたをはるかに超えてるもの。それに先日からかなりの練習してたみたいだし。」
ユイがため息をつきながら言う。俺やユイも手裏剣術の試験ではよくできるを獲得したが、完璧は無理だった。
やはりイタチの弟か…
「試験終わったみたいだけどどうする?サスケも呼んで飯でも行くか?」
「良いわね、じゃあ私はサスケを連れてくるわね。」
ユイがサスケを呼びに行っている間俺は先のサスケの手裏剣術のことを思い出す。
似ていた…兄弟だから、かつて共に鍛えていたから、そしてサスケがイタチを追い続けているから。
復讐者として…
「…とりあえず今度写輪眼の使い方を教えてやるか。」
そうしなければいずれあいつ力を求めては里を抜ける。イタチを追い、そして殺すまであいつは鬼になり続けるだろう。
それは止めなければならない。
「全く…相変わらず面倒なもんだな…」
「何が面倒なの?」
ウスロから声がかけられたので見てみるとユイとサスケだった。どうやらもう呼んできたらしい。
「いや、今度サスケに写輪眼の使い方を教えてやろうと思ってよ。」
「な!本当か!?」
何だ、と興味なさげにするユイと対照的に写輪眼という言葉に過剰にサスケが反応する。
実はサスケはまだ写輪眼を開眼させられていない。イタチに追いつきたいが未だに万華鏡どころか通常の写輪眼すら開眼できていない事に焦り始めている。
「まぁな、お前が開眼させられたらの話だ。」
「ふん、見てろよ。すぐに開眼させてやる。」
サスケがドヤ顔で俺を見てくる。おそらく先ほどの手裏剣術の件で少し優越感に浸っているんだろう。
「ま、がんばれよ。」
とりあえずこれでサスケも下忍…楽しくなってきたぜ。