その眼は何を語るのか 作:また抜き
最近ナルトのスマホゲームの忍者コレクションにハマってて書く時間がなかったです。
「それでは異論はないか?」
目の前で爺さんーーー三代目火影猿飛ヒルゼンが俺を含めた上忍たちに確認を取る。それに返事をして今回の担当上忍の話は終わった。
「思った以上に簡単だったわね。」
ユイが悪どい顔をして笑う。
「まぁな、爺さんはサスケを気にかけてるしな。それにカカシも協力してくれたしな。まぁ理由はめんどくさいのを押し付けるためだろうが…」
カカシは俺とユイの意見である、サスケの護衛を支持した1人だ。もともとユイはともかく俺は隠密には向かないし、そもそも万が一があってはならない。そう強引に爺さんに詰め寄って認めてもらった。
「これからよろしく頼むよ、お二人さん。」
帰ろうとしていた俺たちの前にカカシがやってくる。
やはりこいつは俺たちに面倒事を押し付けるつもりだったのだろう。
「ざんねんだが、俺たちはサスケ以外には手助けしないぞ?」
「うちはサスケか、今年のアカデミー主席だろ?全くなんでそんなめんどくさいのがうちに来るんだか…」
カカシがため息をつきながら呟く、全くこいつは昔からこんな感じだったな。
横で静観しているユイも呆れた顔で見てるぞ。
「まぁ、サスケ以上に面倒な奴がいるじゃねぇか。九尾の妖狐…うずまきナルトがよ。」
「…何で俺なんかが選ばれたのかねぇ、うちはに人柱力なんて、そんなイレギュラー普通一緒にしていいもんじゃないでしょうに。」
「まぁでも見た感じナルトは雑魚だったし、サスケも個人プレーに目をつぶればそれなりにはできる。唯一の救いは春野サクラだよな。」
「あぁ、うちはに人柱力とヤバい奴らに囲まれた俺の唯一の救いになってくれそうだよ。」
春野サクラ、実物は見たことないがアカデミーではそれなりの成績だったらしいな。実技はともかく勉強に関してはトップクラスだったらしいからな。秀才ってとこかな?
そのあとは適当にカカシと駄弁り、別れた。ちなみにユイは一言もしゃべらなかった。
「明日が顔合わせだな、ユイ。」
「…少し遅れていくわよ、カカシもどうせ遅刻でしょうし。」
自宅に戻った俺たちは明日の予定を決めていた。明日はサスケ以外の奴らとの顔合わせの日だ。多分カカシの奴は遅刻するんだろう。
ユイも何度かアホみたいに待たされた経験があるから明日は遅刻していくと言っているんだろう。
俺は基本的に待たすのはいいが待たされるのは嫌だ。
だから明日は遅刻していったほうがいいだろう。
「そうだな、サスケは朝早く行かせようぜ。」
「そうね、先に下忍同士仲を深め合う場と時間を提供してあげるんだから感謝してほしいわね。」
「そうだな。俺たちも久しぶりに楽しめそうだよな。最近はほとんど引きこもってニートやってたし、たまには汗水流して働くのもいいかもな。」
「私たちがニートだったのは働く必要がないくらい稼いだからでしょ?それに数年前まではひたすら任務受けてたし…」
「…あぁ、あの頃はマジでしんどかったな。寝る間もないくらい働きづめだったし、ちょうど帰ってこられたと思ったらあの事件が起きるしで…嫌な思い出しかねぇな。」
本当にあの頃は嫌な思い出しかない。俺と敵対し戦ったイタチ、そしてそのイタチが手を組んでいたうちはマダラと名乗る仮面の男。
そして傷心していたサスケと里の連中の同情の目。
あの頃はまだまだ未熟だったのもあったが、うちはマダラの正体を知ることができなかったのは本当に痛恨のミスだ。
今の俺なら確実にとは言わないがそれが可能だ。今イタチは例の組織に身を置いているらしい。しかしあの仮面の男がどこにいるのかはわからない。
もしかするともう手を組んでいないのかもしれないし、死んでいるのかもしれない。
うちはマダラのことは三代目の爺さんにしか話していない。奴のことをむやみやたらに話すのは何故か危険に思えたからだ。
特にユイには話せなかった。あいつはサスケ同様イタチを憎んでいる。そのイタチの仲間をそそのかしていた可能性のある奴なんて知れば今すぐにでも殺しにかかるかもしれない。
サスケも同じ理由で危険だ、むしろ肉親の情がある分サスケのほうが暴走してしまうだろう。しかもユイとは違い弱いからマダラに返り討ちにされるのがオチだろう。
今のサスケじゃイタチに触れるのも難しいだろう。
明日はうずまきナルトと春野サクラとの顔合わせの日だ。
ナルトに関しては里一番の問題児やら化け物やらバカやら落ちこぼれやらいい噂は聞かない。
逆に春野サクラなんで名前は全く聞いたことがない。
濃い奴ら2人に囲まれて可哀想だが、これも運命だろう。
「そういえばサスケは?まだ帰ってないのか?」
今の時間は7時頃、この時間なら帰ってきてるはずなんだがいない。
「多分木の葉の森で修行してるんじゃない?」
「あー、あり得るな。アカデミー生最後の修行だとか言って張り切ってるかもな。ちょっと見てくるから先に飯食ってていいよ。」
そう言って家の外に出て木の葉の森を目指して歩き始めた、
明日から俺はようやく下忍だ。
目の前の的の中心にあるクナイ、こいつをここに刺すのにどれだけの修行をし、どれだけ汗を流したのか。
始まりは兄貴による一族虐殺。そして俺はあいつらに拾われた。うちは最強の忍びと言われていたあの二人は重要任務を一時中断し、しばらく俺に付きっ切りで面倒を見た。
今思えばあの頃の俺は憤怒と絶望に満ちていたんだろう、必死に何かを求め、兄貴を憎み、そして強くなろうとした。
俺を預かった二人、
一人はうちはユウキ、木の葉では次期火影候補として真っ先に名前が挙がるほどの男だ。その実力は俺もよく知ってる。
今まで修行中であいつに攻撃を当てることができたことはないし、あいつは無数の術を知っている。
それに三代目火影と同様5つの属性全てを使いこなせる忍びだ。
もう一人がうちはユイ、現在木の葉最強の女忍者と呼ばれている女で水遁に関して言えば右に出る者はいないらしい。
しかも数年前に犯罪者集団を抱えた犯罪国家を落としたという伝説もある。ユウキからも俺より強いかもと言われていた。
そしてこの二人に鍛えられている俺は今ようやく下忍になった。兄貴には劣るらしいが俺も天才というものらしくユウキ曰く並みの下忍レベルになっているらしい。
…だが、並みの下忍じゃ兄貴には絶対に勝てない。
眼だ。今の俺に足りないのは『写輪眼』だ。
しかも兄貴の眼は特殊な写輪眼『万華鏡写輪眼』。
とてもじゃないがあの眼に勝てるとは思えねぇ。
今の俺は弱い。復讐者である俺はもっと力が必要だ。
ユウキは修行の時に力を貸してはくれるが復讐には賛成しないらしい、ユイの方は殺しに行くときは私も呼べと言われているが…
だが二人とも俺に術を教え、力をくれた。
ユウキ曰くうちはは里の嫌われ者らしい。うちはが滅びた時、幼かった俺に向けられた同情と嘲笑、そしてわずかな喜びの眼は今でも覚えている。
だがそんなものはどうでもいい、俺が今求めているのは兄貴を殺す力だ。それ以外は何もいらない。
そう、あの日俺は誓ったんだ。
必ず兄貴をーーイタチを殺すと。
明日からは俺も一人前の忍びだ。自宅を守っている自称自宅警備隊のあの二人は常に暇だろうが俺はこれから仕事が舞い込んでくるだろう。
そうなれば修行時間も減る。
せめてチームのメンバーが足を引っ張らないそれなりに対抗し合える奴等なら良かったが、残念なことに脳内お花畑の春野にあのドベでウスラトンカチのナルト。
担当上忍はわからんから特に言えないが、とてもじゃないがこいつらが俺が強くなるための役に立つとは思えない。
しかもこれからは任務で修行時間が減る。今日がアカデミー生最後の修行か。
「まだやってんなサスケ。」
突然後ろから声をかけられる、振り返ってみてみるとやはりユウキだった。何故かニヤニヤしながら俺を見てくる。ちょうどいい…
「あぁ、ちょうどいいあんたは豪炎陣の術を使えるんだろ?」
「は?豪炎陣?使えるけどまさかお前、今それの練習してたのか?」
「あぁ、豪火球はマスターした。そろそろ次の術が欲しいんだよ。一度やってくれ。」
「…うーん、まぁあれだ。お前にはまだ早いな。チャクラの量が足りないし、練度も全く足りてない。」
「なんだと?」
「そうだな…俺に触れること、または攻撃を当てることができたら見せてやるよ。制限時間は5分、俺からは何もしない、お前は何でもありだ。いいか?」
ユウキがまたニヤニヤしながら俺に提案してくる。おもしれぇ、俺の限界を知るのにもちょうどいい。それにこいつにも見せつけてやるか、今の俺の本気ってやつを…
「あぁ、行くぞ!」
クナイを両手にとり右手のクナイをユウキに投げる。
当然首を軽くひねってユウキは避ける。
やはり飛び道具系は通用しにくい。
この戦いでは使わないだろうがユウキは写輪眼持ちだ。
それに本人の身体能力も恐ろしく高い。力に早さを兼ね備えたこいつに手裏剣やクナイを当てるにはまだスピードと威力が足りない。
だが幸いなことにあいつは俺に触れたら負け、手を出してこない。なら接近に持ち込めばいいだけだ!
ユウキの裏を取るように回りながら近づいていく。
ユウキの方は未だにイラつく笑みを浮かべながら俺を見ている。
「はぁ!」
ユウキの後ろに行き、渾身の蹴りを放つ。
が、やはり格が違う。全く見えなかったが、しゃがんで避けられる。
そのまま回し蹴りの要領で連続して攻撃を続けるもかすりもしない。続いて連続でパンチを繰り出す。
「くくく、どうしたサスケ!そんなものか?」
さらに至近距離から手裏剣を8つ投げる。
ーーこれなら!!
「残念だが、遅すぎる。」
全ての手裏剣を指で止めながらユウキは俺の目を見つめる。何かを探るような目だ。
「今度はーーー火遁壱の術」
口から火の玉を吹き、ユウキへと飛ばす。これならあてられるーー!!
だがユウキは飛んできたそれをバク転でかわす。
ユウキは後ろを向いたままで俺を見ずに反応している。
「その程度か?サスケちゃん。」
「まだまだぁ!」
少し距離をとり、印を結ぶ。
「火遁!!豪火球の術!!」
今の俺が持ちうる最強の術の一つ。うちはではこれが使えるようになった時点で一人前と言われている術だ。
「へぇ、また威力が上がったな。まぁ避けるけど。」
ユウキの方に飛んでいく放火球はユウキのジャンプによって簡単にかわされる。
だがこれで俺の勝ちだ!!
「!これは…仕込み手裏剣か。」
放火球の中に仕込んだ数十枚の手裏剣は熱を発しながら空中で隙だらけのユウキに飛んでいく。本来これは鳳仙花の術で使うものだが、別に放火球では使えないという道理はない。ユウキも予想外だったらしく驚いている。
「これで終わりだ!」
「…悪いな、それはフラグだ。」
「バカな!」
系は熱を発しながら飛んで行った手裏剣は空中で無防備な状態のユウキに当たることはなかった。
「忍者ってのは裏の裏、さらにはその裏の裏の裏、そしてさらにその裏を読まなければならない。俺にとってさっきの攻撃は予想外だったが、対処できないものじゃない。」
「…くそ!」
あの時、空中で無防備だった筈のユウキは飛んでくる手裏剣を全てかわした。そして木の上に着地している。
これが上忍か…格の違いが分かるな。だがこの戦い、俺は負けるつもりはねぇ!
「火遁…火山柱の術!!!」
火遁火山柱、ユウキに教わった術の一つで火を上に上げる、主に自らよりも上にいる的に使うものだ。逆に言えばそれくらいしか使い道はないが…
だが今はこの術が最適だ。火の柱はうねりながらユウキのいる木を燃やす。
「甘いな、それは俺の作った術だ。俺に通用するかよ。」
ユウキは別の木に飛んで火の柱をことごとくかわしていく。
「そろそろチャクラがやばいんじゃないか?さっきの修行でお前疲労してただろ?」
「うる、せえよ。よそ見してると…当たるぜ?」
チャクラがもうほとんどないというのは事実だ。今の俺はこの術を持続させるのに限界で、しかももうそれも10秒ともたないだろう。
それに奴は今も軽く火の柱を避けている。
勝てるビジョンが全く思い浮かばないな…くそ。
「ぐ、はぁ、はぁ…はぁ…」
接近に変えるか、または駄目元で手裏剣で…
どうすればいい、考えろ。俺の持ちうる全てを奴にぶつける、そのためには…どうすればいいんだ。
「そろそろ限界か…」
上空でユウキが何か言ったが聞き取れない。
「はあ…はぁ…、まだまだぁ!」
俺もユウキの元まで飛んでいき、蹴りを放つ。
空中での蹴りはなかなかに難しく、やはり当たらない。ら
「そろそろ五分だぜ?」
くそ、こんな簡単な勝負に負けてたまるか。
そのままユウキと地上に着地し、すぐに殴りかかる。
連続してアカデミーでは高成績だった体術を使い、当てようとするがやはりまだ当たらない。
追いつかない、この眼が奴の避ける早さに反応できない。
『眼』
今の俺に足りないものだ。どうすればいい、見切るにはどうやればいい。あの『眼』はどうやれば開眼できる。
蹴りとパンチを交互に繰り返して攻撃するも当たらない、当たらないけどさっきよりは見える。俺は確実にこの戦闘で強くなっている。
そうだ、もっと、もっと力を!
「…ようやくか。」
「あぁ、この『眼』ならあんたの動きを見切れる。行くぞーーー!?」
そう言い、最後に蹴りを放とうとすすれば突然体が止まる。
「ざーんねん、時間切れでした。だがまぁ、よくやったなそれがお前の『写輪眼』だ。」
こいつ、初めから俺に豪炎陣を教える気が無かったな。
まぁいい、新しい力を手に入れたんだ。
ユウキは俺に手鏡を投げ渡す、なんでこんなもん持ってるのかはしらねぇが。
鏡を覗くといつもの俺とは違った。『写輪眼』これが俺の新たな力だ。この眼があれば俺はどこまでも強くなれる。
そしてイタチを殺せる。
「そろそろ帰るぞサスケ。」
ユウキはそう言いながら水遁で木の火を消してから森の外へと歩き出す。
待っていろよイタチ。
俺は必ずあんたの前に行き、あんたを殺す。
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