ハンター×ピース   作:アラスカ帰り

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第二話 足りない人

俺は考える。

多分“考える人”より考えている。

俺が考えている事はただ一つ。

この世界をどう生きるか?だ。

ほら、良く二次創作の小説のあらすじで、“主人公は○○の世界に転生した。これからその主人公はその世界で何を成すのか・・・。”

 

そんなあらすじ見た事ないかね?

考えている事はまさにそれ。

 

まぁ、要は将来をどうしよう?赤ちゃんが考える将来設計!!って奴を考え中なのさ。

まず考えなきゃならんのは・・・・まぁあの恐竜だわな・・・。

 

ビル三階に匹敵するティラノサウルスの頭を持った、トリケラトプスだ。

頭はティラノサウルスなのに体はトリケラトプスとは、これいかに?

だが、そう表現するのが一番しっくり来る。

 

四足歩行で尻尾にトゲトゲついてるんだもん・・・。

いや、見た目が四足歩行で歩きそうなだけで、もしかしたら二足歩行かも知れないけどさ・・・いやいや、ないな・・・不格好すぎる。

だが、恐竜自体は、良くは無いが、今は良い。

 

問題は、そのティラノトプス(命名)の尻尾を掴んで引きずってきた化け物だ。

たった一人で何tも・・・いや何十tもあるであろう恐竜を片手で引きずっていたのだ。

 

ピエロのコスプレをして!ピエロのコスプレをして!!

 

 

どう考えてもおかしいだろ!?物理法則仕事しろ!!

そのピエロは、恐竜を引きずりながら村に平然と入ってきた。

その様子を見た村人達はそのピエロに歓声を上げて、嬉々として村の中央で恐竜をさばき始めた。

もうね、あの時の事が忘れられないよ・・・。

 

ベビーベッドが窓際だから、外の世界を観察してたら、ソレだぜ?

恐竜がいることも、それをピエロが片手で引きずってきた事も驚いたけどさ・・・

嬉々として、全身血みどろになりながら、恐竜の腸を引きずり出す十数人の男達・・・。

ぶっちゃけ、どん引きですよ・・・。

っと、まぁこの世界を生きていくなら、俺は真剣にこの事を考察しなきゃならん訳だ。

 

まず、この世界は恐竜がいる。

村の中央に骨だけになってる恐竜の死骸がその証明だね。

チラっと窓から覗くと、中央に佇む恐竜の頭蓋骨が目に入る。

 

って!もう骨だけかよ!解体してたの昨日の事だろ!?

なんで骨だけになってんだよ!?

食ったのか!?もう全部食ったのか!?このいやしんぼさんめ!!

ちくしょう・・・この世界は俺の常識を尽く崩してきやがる・・・。

まぁ、良い。今は捨て置こう。

 

 

次に考えるべきは、ピエロだ。

はっきり言ってアレはヤバイ。

 

俺の冴えわたる推理力から言って、あのピエロはこの村に食糧として恐竜を持ってきた。

しかもどっかから買って、持って来たと考えるより、ぶっ倒して持ってきた可能性がすこぶる濃厚。持ってきたのが台車に乗せてってなら、買ってきた可能性も上がるんだけどな・・・。

クソ!このピエロの存在が疫病神すぎる!

 

引きずって来た時、血の後とかなかったことから打撃で仕留めた可能性が濃厚。

そしてヤツは武器らしい物を持ってないように見えた。

 

俺の明晰な頭脳が警鐘を鳴らしてる。ヤバイと。

あぁ~ちくしょう・・・マジかよ・・・マジヤバイ・・オニヤバイ・・・どんだけぇ~。

ックッソ!考えたくはないが・・・ありゃ多分・・・素手で仕留めてやがる・・・どこのサイヤ人だよ・・ちくしょうめ・・・。

 

 

そんな事が出来る人間が、決して大きくないこの村に存在する。

皆分かるかい?このヤバさが。

この村が世界で最も発展していて、最大の都市ならまだ許容範囲さ。

だけど、俺にはこの村がそんな御大層な所とは、到底思えないんだよね。

村の敷地のほとんどが畑だしさ・・・。

多分ここは、俺の印象道理の田舎さ。そしてそんな田舎に恐竜を素手で殴り殺せる化け物がいるのさ。

世界の広さは赤ん坊の俺には分からないけどさ、そんな奴が田舎にいる・・・じゃあ世界ではどうなんだい?って話だよな。

そして俺が出した結論は・・・・。

 

 

 

“ビル三階に匹敵する恐竜を素手で殺せる奴なんて、世界には掃いて捨てるほどいる”

 

 

 

これが俺の結論だ。

 

村の奴らがピエロに歓声を送っていた事から、中々出来る事では無いんだろう。

だが所詮、中々出来ない程度の話・・・。

世界規模で見れば・・・・。

 

あぁ最悪だね。そんな人間が世界を跋扈してるなんてさ。

そしてもう一つの問題、あの恐竜を食糧として引きずって来た事。

つまり、村の近くに恐竜が生息してる可能性が高いって事だ・・・。

ほんと嫌になる話だわ。

 

何も考えずにずっと授乳していたい・・・。

でもそんな事も言ってられないんだろうな・・・。

強くならなきゃ死ぬ可能性がバカ高い世界。

 

これが俺が転生した世界なのだろう。

 

だったら、死なない様に赤ん坊の頃から修行しよう!

っと、そう思ったアナタ・・・アホですか?

 

元現代人のシティボーイがそんな事出来る訳ないでしょ?

良く千年やら万年やら隔離空間で修行して俺最強!!とかやってるけどさ!!

無理だよ!!腹筋すら3カ月続けらんねぇよ!一般人なめんなよ!

 

娯楽が少ない世界だから、修行に身が入るとか、ねぇから!

むしろ、せっせと双六作ってる自分の姿が目に浮かぶよ!!

 

その作った双六や娯楽品を売って金銭チートしようぜ、だって?

そりゃナンセンスだろ。こんな片田舎の人間がヒット商品出そう物なら、時の権力者が、“あ、それ今日から俺のね。ついでに今まで稼いだ金も俺のね。”って横から分捕られるのが目に見えてる・・・むしろ商会辺りが横やり入れてくるだろうな・・・。

 

誰からも横やりが入らず、穏便に事が進んで行った場合も、その先にあるのはマネーゲームだ、ホームが田舎の時点で勝ち様がねぇ・・・。

 

じゃあ内政チートするか?それこそナンセンス。税制かどうか知らんが確実に目をつけられるのは分かりきってる。特に畑の収穫高を上げる、これはヤバイ。最悪、隠し畑の容疑で首吊りもんだ。この近世レベルの文明で論理的思考など出来やしないだろう、あるのは感情論のみ、話なんて通じやしないだろうな。現代ですら話の道理が通じねぇ国家や集団があるんだからな。

 

さて、そうなるとだ。

修行は出来る根性がない。

金銭チートは敗北必至。

内政チートは臭い飯か、死亡。

 

うん、俺に出来る事は乳を吸う事だけだな。

今日も俺は授乳する。

将来の不安を携えながら。

 

だが、体は鍛えておこうとは、思う。

出来る範囲でだけどさ。

マラソンしたり腹筋や腕立てしたりしてさ。

どこのワンパンで最強でハゲのヒーローだって感じだけど。

 

いや、もしかしたら、俺もその程度の修行?で強くなれるチートボディかも知れない!

男なら何でも試してみるもんだって言うしな!

少しがんばってみよう!!

 

俺は決意する、この世界をそこそこ生きる事を。

 

 

 

 

 

そして、それから数カ月後。

 

 

俺はこの世界の真実を知る。

ママンに抱っこされながら部屋を出て、リビングを通った時に。

そこには在った。

 

 

 

(この世界テレビあるのかよ・・・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

       テレビに映し出された画面にはこう描かれていた。

 

       “第275期ハンター試験 締め切り間近”

 

 

 

 

 

 

 

 

(何て書いてあるんだ?)

テレビに映し出されている文字にどこか見覚えがありながら、凝視していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼がH×Hの世界だと気付くのは2年後の事だった。

 

 

 

 

 

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