しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 はじめましての人ははじめまして。
 久し振りの人はお久しぶりです。

 はい、またもや始まるヨイヤサ劇場。ギャグこそ至高だと考えるヨイヤサです。

 真面目な話もありますがあまりシリアスな展開は期待しないでくださいね。あと独自解釈もありますし人死にがないハッピーエンドにするつもりです。

 とりあえずはじまりはじまり~♪


プロローグ:始まりが始まる

 ……それは、ひどい吹雪の夜だった。

 

 大陸の最北端に位置する『雪山』と称される狩り場。フラヒヤ山脈。

 

 雪の降らない日の方が珍しい、一年を通して寒い土地。この山に一人の男が訪れていた。

 

 さらに男は変わり者なことに、地元の人間すら入るのを躊躇う程の猛吹雪の日に山に入ったのだ。

 

 一歩踏み出す度に吹き荒ぶ氷雪が顔に張り付くのを鬱陶しそうに払い落とす男。

 

 

「この吹雪……本当に龍の怒りなのかもな。

 地図すら読めないが方角はたぶん、こっちであっているだろう」

 

 

 取り出してみたものの、吹雪と夜の闇で広げられない地図を懐にしまう。

 

 すでに勘で山道を進んでいる訳だが、この吹雪の中を突き進む理由が男にはある。

 

 この世界で目撃例が極端に低い<古龍>が現れたという噂を耳にしたからだ。

 

 それだけが男の探求心に火をつけた。

 

 だがこの吹雪。周りの者たちは雪山に踏み入るのは危険だと止めたのだが、それを聞かずにこうして山の頂を一人で目指していたのだ。

 

 

「……ここを登れば頂上だな」

 

 

 吹雪だけでなく、夜ということもあり視界も悪いが迷うことなく進んで行く。どうやら地図は見れなくとも邦楽は合っていたようだ。

 

 そこで男は、ふと思い出したように腰に付けられた鞄から小さな小瓶を取り出し、中身を一気に飲み干した。

 

 砂漠の夜や雪山といった寒冷地で活動するための必須アイテムであるホットドリンクは体を芯から暖めてくれる。

 

 もちろん、それで肌を刺すような冷たい吹雪が平気になるわけではないが寒さを少しは緩和してくれる。飲まなければ数分もしないうちに凍死するだろう。

 

 

「この先に……、この先に私が求めるものがあるかもしれないんだ」

 

 

 男を支えるのは自分の生き方を肯定するための根性なのか、それとも学者としての使命感なのか、誰にも分からないが吹雪の雪山、それも夜の雪山に無理をしてまで登る価値が男にはあるのだろう。

 

 少なくとも男にとって古龍の噂は何を置いても突き進む価値があるのだ。

 

 そして雪山の頂上まで上りつめた男はついに見た。

 

 銀色に輝く美しい鱗を持つ古龍、クシャルダオラを。

 

 

「美しい……」

 

 

 男の口から出たのはその一言だけだった。

 

 だがその一言しか考えられなかった。

 

 男はそのあまりの美しさに…………恋に落ちたのだ。

 

 自然の雄大さ。人間というちっぽけで脆弱な生物とは比べものにならない古龍の存在感。畏怖、恐怖、そして……恋。

 

 だが、その感情は男だけではなかった。

 

 目の前の古龍クシャルダオラも男と目があった瞬間に全く同じことを思った。

 

 

『なんて素敵な殿方……』

 

 

 クシャルダオラも男を見てそう感じた。

 

 永い時を群れることも番(つが)いを作ることもせず生きてきたクシャルダオラにとってそれは、初めての恋だった。

 

 

「『惚れた!』」

 

 

 両者は会話をするでもなく、目を見て互いの気持ちに気づき、そうして他の人間もモンスターすらいない夜の雪山で一人と一頭は愛を営んだ

 

 当初の探求心という目的など男には無く、人間という存在をただの弱者としてしか見てこなかったクシャルダオラにも敵意はなく、あるのは愛だけだった。

 

 これは男、王立古生物書士隊隊長ジョン・アーサーにとって生まれて初めての恋だった。

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

 その後、朝になって吹雪が止んだことで山の中腹に位置するポッケ村からジョン・アーサーの捜索のためにハンターが訪れたが、ジョンの足跡は見つけられなかった。

 

 しばらくして王立古生物書士隊の人間やギルドナイトまでも動き出す騒動になったのだが、それでもジョンを見つけられず、完全に死んだことになってしまった。

 

 王立古生物書士隊では多くの隊員が隊長であるジョンの死を悼み、学者としてだけでなくハンターとしても自らが狩り場に赴くやり方を取っていたジョンに憧れる者たちにより東と西、両シュレイド王国全体を巻き込んだ国葬が行われた。

 

 それだけ王立古生物書士隊隊長は誰からも慕われる人物だったそうだ。

 

 

 ……だが。

 

 物語はここから始まる。

 

 ジョンが消えてから15年。

 

 ジョン・アーサーの教えを引き継いだ当時学者の卵だった者たちも立派な学者へと成長していった。

 

 そしてその中で、ジョンの教えだけでなく、血を受け継いだ者がいた。

 

 ジョンが消えてからどれだけの時間が過ぎようと彼女にとっては関係ない。

 

 何故なら彼女にとってジョン・アーサーという男は、世に言う英雄などではなく、実の父親なのだから。

 

 そうして少女、シャルラ・アーサーは今日、ドンドルマにある学者の育成機関『王立学術院』の戸を叩いた。




 結構設定は都合のいいようにいじってます。

 シュレイド王国はミラボレアスが原因で、かつてのシュレイド城を境に西と東に分かれて2つの国になったという設定があります。

 ジョン・アーサーは確か無印の頃から出てますから無印やGで出たミナガルデの街は西シュレイド王国領ですがMH2から出てきたドンドルマの街(東シュレイド領)をこの作品の舞台にしたかったので国境無き学者って感じで書いています。両国の仲も悪くないみたいですし。

 MHP2Gのトレジャーアイテムでジョン・アーサーの最後の日誌みたいなのが火山で見つかっているのでゲームの方ではジョンは火山で死んだのでは? ともとれますがこの作品では雪山で行方不明となったという設定でもあります。そして生きています。

 とりあえずプロローグは主人公の女の子シャルラの両親が出会って恋に落ちるまでの話ですね。
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