しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

11 / 63
第九話:アバンチュールとはいかせない

 

 

 はい♪ やってまいりました海水浴!

 

 いやぁまさか学園物のこの物語で二回目のイベントが友人たちとの日帰り海水浴になるだなんて思いもしませんでしたよ。

 

 初めての休日なんだし別に普通に寮の自室でだらだら過ごすのも悪くないんですけどねぇ。

 

 しかしノレッジちゃんったら物凄い乗り気ですし、断りづらいというか……

 

 本当に私の水着が見たかったのですね。

 

 

「うーみ海海うーみー♪」

 

 

「あんまり騒いでると落っこちちゃいますよノレッジちゃん」

 

 

「けどこの天気だぜ? シャルラ。

 ノレッジのはしゃぎたくなる気持ちもよ~っく分かるってもんさ」

 

 

「僕も同感ですね。

 なんせ海というのは水着の女子を見るための場所でありそれ以上でもそれ以下でもないのですからはしゃぐのは当然でしょう!(断言)」

 

 

 はふぅ、ダイヤージ君は単純に熱血モードに。フィズ君はエロモードに。

 

 そして超エロエロモードになっているノレッジちゃん。

 

 こんなメンバーをリーダーをして指揮するなんて本当に私に出来るんでしょうか。

 

 あ、ちなみに今は海に向かう大型の竜車に乗せてもらっているところです。

 

 朝、ノレッジちゃんがテレパシーで集合の合図を男子二人に送ったら本当にメッセージが届いていたみたいで遅刻する人も居らず、全員揃っての海水浴です。

 

 

「テンションだって高くなるわよシャルラちゃん。

 だってシャルラちゃんの水着姿が見れるよ!?

 背低いのに出るところが出てて露出多いだなんて、もうそれだけで最ッ高に可愛いあなたが海で濡れ濡れの姿がもうじき見れるのよ!?

 私はそれが楽しみで楽しみで仕方ないの!」

 

 

「実にいい趣味をしているじゃないですかノレッジさん。

 そう! シャルラさんの水着はまさに同じ重さの金よりも高価なものです。

 どーんーなー、悪魔でも裸で逃げ惑う~、悪魔的な可愛らしさと愛マニアの天使すら敵わない清楚な美しさがあるのです!」

 

 

 エロトークで盛り上がる二人は私を無視してエロ談義に花を咲かせ始めました。

 

 というか愛マニアの天使ってあまり清楚なイメージがないんですけど。

 

 

「シャルラよぉ~。

 お前の水着マジでエロカッコ良かったしあいつらが盛り上がんのも仕方ねぇと思っとけよ。

 疲れるだけだぜ」

 

 

「まともなのはダイヤージ君だけですか。

 ところでその手に持っているのはなんですか?」

 

 

 ダイヤージ君の手には風呂敷に包まれた箱状のもの。

 

 

「これは弁当だ。

 ノレッジは意外なところで抜けてっから弁当なんて用意してねぇだろーと思ってよ。

 俺の手作りだが味は保証するぜ」

 

 

「そうでしたか。

 確かに私もお弁当のことは失念していましたね。

 ありがとうございます」

 

 

 ノレッジちゃんは『海』に『行って』、『私の水着姿』を『見るためだけ』に今回の海水浴を計画していたようですから忘れていたのでしょうね。

 

 そうこうしているうちに竜車は海に着いたようです。

 

 

「お客さん海に着いたよ。

 気が変わってこの先に行きたいならもう100ゼニー払ってもらわにゃいかんよ」

 

 

「誰がこれ以上先に行くかー!」

 

 

「僕たちは可愛らしい女の子の水着を見るためだけに来たんじゃー!」

 

 

 ドゴン、という鈍い音を立てながら竜車の御者さんを殴り飛ばしてしまった二人。

 

 あ~あ~、まったく殺気だっちゃって。

 子どもか!? って突っ込んでも無駄なんでしょうね。

 

 

「さぁ、海に着いたわよ! それぞれに更衣室に直行!

 海に飛び出すわよ!」

 

 

「了解ノレッジさん!

 僕はすでに水着はズボンの下に履いてきてますので拠点となるベースキャンプを設営しておきます!」

 

 

「ノレッジちゃんもフィズ君も熱くなりすぎですよ~。

 プライベートビーチじゃあるまいし精々ビーチパラソル程度にしておかないと他のお客さんから苦情が来ますよ~」

 

 

「「ヒーハー!」」

 

 

 聞いてないし……

 

 ノリがいいのも良し悪しですね。

 

 テンションが高すぎて付いていけないです。

 

 ダイヤージ君はすでに諦めているようでやれやれ、と言った表情ですし。

 

 とりあえず着替えを済ませますか、と思って更衣室に入ったのですが何故か一緒に同じ個室に入ってきたノレッジちゃんは物凄い形相で私をガン見してきます。

 

 というか個別に鍵が掛けられる一人用の更衣室に二人一緒に入るってのはどうなんでしょう?

 

 両隣の更衣室はどちらも空いていたのに私の選んだ更衣室に何のためらいもなく一緒に入ってくるあたりはさすがといいますか、呆れるばかりですね。

 

 

「えーと、ノレッジちゃん……

 恥ずかしいからあまりじろじろ見ないでほしいんですけど」

 

 

「大丈夫!

 何もしないから!

 見るだけだから!!」

 

 

「いえ、そう言う人こそ信用できないのが世の常と言いますか……」

 

 

 仕方がないですね。

 これはノレッジちゃんのせいなのですからこの後どうなっても恨まないでくださいよ。

 

 閃光玉使用!

 

カッ

 

 

「うわぁ! 目がァ~、目がァ~!!」

 

 

 モンスターの眼をくらませることが出来る閃光って人間の眼球なら完全に潰れたりしそうですけど大丈夫なんですかね?

 

 でも自業自得とも言える状況ですし、その隙に着替えを済ませるとしましょうか。

 

 

「……もういいですよノレッジちゃん。着替えは終わりました」

 

 

「……くっ、終わっちゃったか……って、何よシャルラちゃんその水着!?」

 

 

 心の底から驚いた顔で愕然となっているノレッジちゃん。

 

 

「ふふふっ、水着を買う時に最初に店で試着したエロい水着を見せたからってあの水着を今日も着るとは限らないでしょう?」

 

 

 そう、私がいま着ているのは昨日水着屋さんで試着したブラジル水着ではなく、スキューバダイビングで使うような全身を覆ったウェットスーツ。

 

 ふふっ、ノレッジちゃんったら驚いていますね♪

 

 

「す、すすすす……凄い可愛い♪」

 

 

 へっ?

 

 

「もうシャルラちゃんったら可愛すぎ♪

 昨日あんなにその綺麗な肌を惜しげもなく見せつけといて今日はそんな全身を隠すかのような水着を着るなんてギャップ萌えよ! いや、ウェットスーツ萌えなのよ!!」

 

 

 ようするに私の水着姿ならなんでもいいというわけですか。

 

 それにしてもウェットスーツ萌えとは随分と変わった趣味ですね。

 

 

「私の水着は昨日の店で試着した赤いふんどしとサラシだけどシャルラちゃんのためなら幾らでも脱ぐから私が欲しい時は言ってね♪」

 

 

「いえ、私は同性同士というのは別に嫌いじゃありませんが展開としていきなりすぎるのでは?」

 

 

「いやいやいやいやいや!

 肉欲に縛られた異性同士の恋愛ってのは本物の恋でも愛でもないの!

 同性こそ至上の極みなのよ!」

 

 

「いやいやいやいやいや!

 例えそうだとしてもそんな事じゃあらゆる生き物は滅んでしまうじゃないですかっ!」

 

 

「まぁいいわ。

 とりあえず外で場所取りしているフィズとダイヤージにも見せてあげましょう。

 シャルラちゃんはガッカリさせるつもりで水着をウェットスーツに変更したんでしょうけど彼らもウェットスーツ萌えなはずよ。

 というかこの世の男は全てウェットスーツ萌えなの!」

 

 

 はぁ、つまり私の意見は求めてないと。

 

 それにそんなに断言しなくても……

 

 まぁ、フィズ君はともかく、ダイヤージ君は紳士であろうと心掛けているからそう簡単に落とせないとは思いますが二人をからかってみるというのは悪くないでしょう。

 




 ダイヤージは意外と家庭的なので料理なども得意です。

 今後活かされる機会があるかはわかりませんが。

 あと私もウェットスーツってけっこう好きだったりします。あの露出がこれでもかッ! ってくらいに少ないのが逆に想像力を刺激する感じが。

 でもまぁ、水族館のショーとかではイルカやシャチといった動物にしか視線がいかない程度の『好き』なんですよねw

 私は超・動物好きです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。