もしも五部の舞台が日本で、ブチャラティが日本人だったならば、彼の決め台詞は「アリアリアリアリアリーヴェデルチ!」ではなく「さよさよさよさよさよならだ!」ってなってたんですかね?
「さよさよラッシュ」……。ありえない想像ですがスゴ味でもごまかせないくらいにカッコ悪いかもしれません。
私がお父さんの仕事のことを知ったのは5歳くらいの時だったでしょうか。
お父さんは人間ですがお母さんはモンスター。
それも古龍クシャルダオラと呼ばれる自然界でも上から数えた方が早いくらいに上位に位置するモンスター。
そんなお母さんと一緒に暮らすには人間のお父さんが合わせなければなりませんでしたがお父さんはその事を何とも思っていなかったようです。
あっさりと仕事を辞めて(辞表を出したりした訳ではないので世間では行方不明者扱いですが)私たちを鬱陶しいくらいに愛してくれていましたし、お母さんの背中に二人して乗ってあっちこっちを飛びまわり住処を季節ごとに変える生活もむしろ楽しんでいた節があります。
そんなお父さんを見ていた私は王立古生物書士隊の元隊長という立場はものすごく強くなければなれないのだと思い、そこで働いていたお父さんを尊敬していました。
口に出すと調子に乗りますし親馬鹿がエスカレートするでしょうから口には出しませんでしたが……
それで5歳くらいの時にお母さんと結婚する前の仕事についてお父さんに聞いたのですがその時お父さんは言っていました。
『私は愛する家族が側にいれば他には何もいらない。
だが唯一心配の種を書士隊に放置したままだったことが気になる』と。
お父さんの心配事が何なのかは幾ら聞いても教えてはもらえませんでした。
そのあとに『シャルラと母さんを愛しているからどうでもよくなっちまったよ♪』と言ってうやむやになってしまったので。本当に鬱陶しい。
私が学院に入学するまでお父さんに抱きしめられなかった日はありませんね。
お父さんにとって私は抱き枕みたいなものだったのでしょうか?
まぁ、そんなある日お父さんに連れられて街に行ったことがあるんです(お母さんは留守番です)。
いつも傍にいて鬱陶しいお父さんの目を盗んで一人で街の探索に出かけたのですがその時に王立学術院や書士隊についての話をお父さん以外の人から聞くことができました。
そうして聞いた話ではではお父さんの後釜として書士隊長の座に就いたギュスターブ・ロンという人はお父さんとは対照的に自らが狩り場に出ないやり方を推し進め、実際に狩り場に出る書士官を軽んじているというものでした。
自分は学術院に籠り、部下に危険な役目を押し付けて集めた情報を自分の名前で本としてまとめて売り出す。
王家や貴族、国の中枢にいる人たちはモンスターの被害を減らすための方法や、モンスターを殺すのに効率のいい方法を記した本を幾つも書き上げたロン新隊長を褒め称え、お父さんを尊敬する人たちは冷遇される。
そうして得たお金も全てロン新隊長個人の懐に入る。
それだけでも私は腹立たしかったというのにまだ私は許せない話を聞いた。
『モンスターは知能のない生物であり、人間が快適な生活をするためなら絶滅させても構わない』というロン新隊長の言葉です。
私はこれほどまでに怒りに臓腑(はらわた)が煮えくりかえったのはこの時が初めてでした。
お母さんがモンスターで、私自身モンスターと会話をすることが出来るからでしょう。
人里離れた山奥で暮らす私は人間の友達がいない代わりにモンスターの友達が幼い頃から常に傍にいました。
彼らは決して悪ではなく、知能を持たない生物などでは断じてありません!
それぞれにその日生きるための糧を殺し、喰い、そして精一杯に生きている。
肉食モンスターと草食モンスター同士、食うか食われるかの危険が常に身の回りにある自然界ではたとえ自分が自分よりも強いモンスターに食うために襲われても決して恨んだりはしません。
モンスター同士で生きるために争うことはあってもそこに怒りや恨みはなく、人間よりもずっと単純に、それでいて美しく生きていると私は思っています。
それなのにお父さんの後釜となったギュスターブ・ロンという男はモンスターを生きる価値がないかのように言う。
私にはそれがどうしても許せなかった!
その話を聞いた時は私の周りの全ての存在を侮辱された気がしました。
家族と友達。どちらも私の大切な存在。
子どもの私がどうにかしようにもどうしようもないことは分かっていましたが、それでも私は大切な家族を侮辱されて許せるほど大人しくもなければ弱くもない。
だから私はその時決めたんです。
いつか学術院に入学して私が世界を変えてみせると。
モンスターと人間が共存し合える誰もが幸せで互いに尊敬し合える世界を作ることを。
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「……ふーんそんな事があったんだ」
「お前も色々と考えてたんだな」
「話していただき感謝します。
僕もシャルラさんの夢を実現させるために出来ることがあれば微力ながらお手伝いさせていただきたいですね」
と、私が王立学術院や書士隊について知った時のエピソードを午前の授業が終わって昼休みの食事の席で話してみたのですが班のみんなの反応はそれぞれに私を理解してくれているようで嬉しい限りです。
書士隊のトップになるだけでなく、モンスターとの共存を目指す私の夢を無謀だと考える人も多いと考えていたのですが、少なくともこの三人は無用の同情や諦めることを勧めるような人たちでなかったことに感謝です。あとこの三人に出会えたことにも。
みんなそれぞれの思惑があってこの学院に入学したんでしょうし私もこの夢を実現させるために学院に入学しましたが思った以上に書士隊の現隊長ロン氏を嫌う人と父を尊敬する人が多いというのは私にとっては思わぬ僥倖。
ロン氏は汚いやり方で書士隊を自分の派閥に与する者以外排除し続けているというのにまだかなりの実力者が隠れながらもジョン派として書士隊内に居てくれているのですから。
友情は駆け引きではないと言いますし困ったときに打算なく助けてくれる友人たちを一番に得られたのは何物にも代えがたい幸運です。
私を支えてくれるこの三人に助けを求める日も来るかもしれませんが私自身もこの人たちを助けれるような立派な大人になっていきたいと思います。
私は書士隊のトップの座を奪い、必ずやモンスターと人間双方の平和な世界を気付いていきたいと思います!
この物語での敵はギュスターブ・ロンですね。
私は敵が居らず、全てを幸せにする話も好きですが時代劇みたいな勧善懲悪な話が大好きなので分かりやすい敵がいる話の方が書きやすいのですよ。
またロン視点で独白のような話もいつかは入れようと思います。
まぁ、その前に出しておきたいキャラや小話もいくつかありますけど。
とりあえずシャルラの夢は書士隊長の座を奪い取ることだけでなくモンスターと人間の相互扶助の関係を世界に広めていくことですね。
……真剣に考えるとシャルラは異種交配で出来た子どもですけど卵生か胎生か謎ですねw
ラオシャンロンの生態でも卵生か胎生かでモンハンの世界の学者の意見も対立しているようにクシャルダオラの生態も謎ですし語る必要はないかな。
ちなみに私は、ラオシャンロンは分裂で増えるのだと思います。