しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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第二十話:ダイヤージの過去2

「さぁ、今日こそダイヤージ君の過去話を完結してもらいますよ!」

 

 

「確かに1話が長くなりすぎないように配慮するのも大事かもしれないけどギャグの基本は一話完結タイプの話なんだからあんまり延ばしちゃ駄目よ」

 

 

「さぁ、可愛らしい少女の話をハリー! ハリーハリー!! ハリーハリーハリー!!!」

 

 

 やっぱ話さなきゃ良かったかな。予想以上に食い付いてきやがる。

 

 まっ、俺の夢はシャルラの夢の実現にもつながるわけだしここらで話しておくのも悪くないだろ。

 

 その辺はキャラ設定の話でも読み返してみてくれ。

 

 ではスタート!

 

 

__________________________________________________________________________________

 

 

 

 

 前回の続きは……確か同年代の文通相手が出来て喜んでいるレイコちゃんってところまで話したっけな。

 

 それから数日したある日、俺はいつものように病院に向かったんだがレイコちゃんは暗い表情をしていたんだ。

 

 

「おいおい、どうしたんだよレイコちゃん」

 

 

「あ、ダイヤージお兄ちゃん……」

 

 

 俺が来たらそれだけで明るくなってたってのに表情は相変わらず晴れず、俺が来る前の塞ぎこんだ状態に戻ってしまったかのようだ。

 

 

「あのね。この間話した文通の子だけど、あれから連絡がないんだ。

 今日が手紙で聞いていた村に到着予定の約束の日なのに……、まだ村にまだ来ていないんでしょ?」

 

 

「……ああ、今日は余所から来た行商人の話は聞かねーな。

 だけど一日や二日の誤差くらい普通だろうし手紙だって配達が遅れているとかじゃねーのか?」

 

 

「でもお母さんが頼みこんで無理矢理に古龍観測所専用の鳥便を使わせてもらったからそんなはずないわ。

 護衛している商隊が村に着くのが遅れるならその事を手紙にして出していればもう届いているはずだもの……」

 

 

 うーん、村に来るのが遅れているだけってんならともかく、鳥で送った手紙への返事もないってのはひょっとすると最悪の結果になってるかもな。

 

 大型モンスターが現れて遠回りをしているとかなら少なくとも返事はすぐに出しているはずだ。

 

 それさえも来ないとなると……

 

 いや、暗くなるな俺! この子のためにも俺だけは笑顔でい続けなくちゃなんねぇんだ!!

 

 

「大丈夫だレイコちゃん。

 手紙もその相手の子もすぐに来るって!

 きっと手紙を運んでいる鳥の奴どこかで寄り道してんだよ。

 今度帰ってきたら俺がとっちめてやるから元気出せっ! なっ!!」

 

 

「うん……」

 

 

 その日は何とかそう言って励ましたが次の日も、その次の日も手紙の返事も行商人のキャラバンも村に来なかった。

 

 

「もう二日か……。こないのかな……。

 手紙での約束なんてウソだったのかな……。

 うわべだけで私の事なんかなんとも思ってなかったのかな……」

 

 

 日に日に元気をなくしていくレイコちゃんに俺は何も出来なかった。

 

 その頃から病状も悪化してきているようで看護師さんから聞いたところレイコちゃんのお母さんも貴族の家柄を捨ててこの村に来たために金に困り、金策のために病院に来る機会も減っているためにますますレイコちゃんは落ち込んで行くっつー悪循環らしい……

 

 

「…………。

 信じていたのに……」

 

 

「レイコちゃん……」

 

 

 俺がこの子にしてやれること。一体何がある? 俺は田舎の不良少年でしかないんだ。

 

 だが、目の前の女の子一人救えないのを見捨てられるわけがねえ。

 

 俺が俺であり続けるためには俺が俺であるための行動をする必要がある!

 

 

「……レイコちゃん。

 俺がその文通相手の子の様子を見に行ってくる」

 

 

「……え?」

 

 

 無茶だ無謀だって意見は聞いちゃいねぇ。

 

 この辺りは田舎だからモンスターも多いしハンターの護衛もなしに村の外に出るのは危険かも知れねぇがここでこのまま黙って見ているなんて出来るわきゃねぇだろ。

 

 

「レイコちゃんはゆっくり休んで病気を治すんだ!

 俺は無敵のダイヤージだぜ。

 今までどんな困難でもこの両の拳のみで乗り越えてきたんだ。

 どうせレイコちゃんの友達の護衛している商隊も大型モンスターによって足止めを食らって立ち往生をしているとかに違ぇねぇ!

 俺が何とかしてやる!!!」

 

 

「でも、それじゃダイヤージお兄ちゃんが危険だよっ!」

 

 

「俺が死ぬかっつーの。

 レイコちゃんが待っていてくれる限り俺は死なねぇよ。

 まっ、期待して待ってろよ」

 

 

 そう。約束をしたときの俺は何よりも誰よりもつえぇ!

 

 何よりも最近のレイコちゃんは目に見えて衰弱が激しすぎる。

 これ以上待っていたら精神的に弱っている今、いつ死んじまってもおかしくねえ。

 

 待ってろよレイコちゃん。必ず俺が何とかしてやる!

 

 

 

 病院を出た俺はまず村にあるギルドに向かう。

 

 この村に向かっている商隊の情報と近場のモンスターの情報を手に入れるためだ。

 

 

「おいマコ今日も暇してるんだろ!?

 さっさと出てこいよッ!」

 

 

「おや? ダイヤージか。

 ギルドが暇なのはモンスターによる被害がない証拠。平和な証拠だね、うん。

 で、何か用なのかい?」

 

 

 俺の怒声にも気にした様子もなく軽い返事をしたのはこの村のギルドでギルドマスター兼受付嬢のマコ・バーロ。

 

 俺がガキの頃からここでギルドマスターをしている竜人族の暇人だ。

 

 なんせこの村では飼育しているアプトノスがリオレウスを撃退出来るくらいに強いからハンターが必要ないもんでハンターに仕事を斡旋するギルド自体存在価値がないからだ。

 

 ちなみに酒場も兼ねているが酒だけでなく料理も自分で作る必要がある完全にセルフサービスの店だからマコが働いているところを見たことは一度もねぇな。

 

 

「ダイヤージがここに来るってことは、どうせレイコちゃんの待ち人についてだろ?

 その情報なら来ているさ、うん」

 

 

「ならさっさと教えろ!」

 

 

「うるさいねぇ全く。

 せっかちな男はモテないよ、うん」

 

 

「俺は今のところ恋愛に興味はねぇからいーんだよ!

 それよりもさっさと情報寄こせッ!」

 

 

 今はこいつののらりくらりとした戯言に付き合ってる暇はねぇってのに、ったくこっちが緊張しているのでも見抜いたのかねぇ。

 

 だがレイコちゃんにはあまり時間がないんだ。

 

 もしかしたらこのまま病気で死んじまってもおかしくはねぇんだぞ!

 

 

「じゃあ情報について教えるけどさ。

 かなりヤバいよ、うん。

 なんせ古龍テオ・テスカトルが現れてレイコちゃんの待ち人の護衛しているキャラバンは足止めをくっているらしいからね。

 一応そのキャラバンは近くには来ているらしいけどテオ・テスカトルの討伐依頼を受けられるようなハンターがなかなか見つからないから時間がかかるみたいだね、うん」

 

 

「相手が何だろうと知ったことかよ。

 俺が連れてきたいのはそのキャラバンの全員ではなく、レイコちゃんの友達だ。

 もしくはその子の手紙の返事だ。それだけなら逃げることに全力を出せば上手くいくだろ」

 

 

 俺の言葉を聞いてやれやれ、と言った感じでマコはそのキャラバンがいるであろう場所の地図と村で最速の騎乗用のアプトノスを貸してくれた。

 

 ガキの頃から俺を見てきただけあって俺の性格もお見通しなんだな。

 

 そう! 俺は困難の大きさを理由に目標を断念することはない!

 

 

「それじゃあなマコ」

 

 

「死ぬんじゃないよダイヤージ。

 お前も喧嘩で腕っ節は強いつもりだろうけど相手はモンスター。

 それも生態系のトップである古龍と戦おうなんて考えちゃ駄目だよ、うん」

 

 

 はっ、俺も古龍の恐ろしさならお前からの昔話でガキの頃から何度も聞いたっての。

 

 だが、この村には俺の帰りを待ってくれる奴らがたくさんいる。

 

 それだけで俺は何倍も強くなれる。人間強度は守りたい人間の数だけ強くなるのさっ!

 

 

……

 

…………

 

………………

 

「さて、現在地は沼地か。

 情報によりゃこの辺りの村でテオ・テスカトルが去るか討伐依頼を受けたハンターが到着するまで近くの村で足止めされてるらしいからその村を探して事情を聞いて手紙、できればその文通相手を掻っ攫って即帰還ってのが望ましいわな」

 

 

 時刻は夜。こちらの装備は着のみ着のままなためにガブラスの皮で作った学ランのみ。武器はない。

 

 万が一にもテオ・テスカトルに見つかったら嬲り殺しは間違いないなこりゃ。

 

 そんな事を考えながらアプトノスの歩みを速めて目的の村まで急いでいたところ女の子の悲鳴が聞こえたんだ。

 

 

「クソッ、キャラバンのいる村まであと少しってのに誰か古龍にでも襲われてるってのかぁ!?」

 

 

 俺の目的はレイコちゃんの友達だ。

 

 だがどこの誰だか知らねぇが少女の悲鳴を無視して自分を優先するような奴ぁ男じゃねぇ!

 

 俺は一も二もなくその声の元に走りだしたんだ。




 ダイヤージは正義の心をきちんと持っているので何があろうと信念を曲げるようなことはしません。

 あとこの頃はまだ紳士にあこがれていた訳ではないのでただのガキっぽさがあるかもしれませんがそこは意図して描写してますので青臭いガキの青春とでも思ってください。

 勿論私はそういう青臭い正義感が大好きですし小説という作り物の世界の中で位、誰もが幸せになって当たり前に平和に暮らせる物語を書いていきます。

 私の意思一つで筋書きを自由に変えられるというのなら絶対に誰かを不幸なまま死なせたりはしません!
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