しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 『デモンズソウル』の塔のラトリア3のデーモン『黄衣の翁』があのターバンを黒ファンに巻きつけたあとのセリフが日本語で「返して」に聞こえる不思議。



第22話:裏の会合

 前回まで三話にわたってダイヤージ君の過去編が何の脈絡もなく入りましたがこの物語の本筋は私が書士隊のトップに就いて色々とするのが目的の物語なのですからこれから起こることが本編です。

 

 久し振りの本編、と言っても毎日更新なのでさほど久し振り感もありませんがストーリーを進めていきたいと思います。

 

 それと勿論今回も語り部はこの私、シャルラ・アーサーがお送りさせていただきます。

 

 

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「シャ~ル~ラ~ちゃぁぁぁーん♪」

 

 

 それは突然嵐のような出来事でした。

 

 クシャルダオラの娘である私が嵐を比喩に使うのも変な気もしますけどある意味その性格は嵐としか言いようのない人が私の身近にいるのですよ。

 

 そしてその声の主は言葉の通りその身体に嵐を纏いながら私が珍しく一人で学院内の散歩(私だっていつもノレッジちゃんと一緒にいるわけではないのですよ)をしていると背後から跳び付いてきたというわけです。

 

 

「王立学術院美人受付嬢兼女子寮美人寮長にして『シャルラちゃんを愛(め)で隊』名誉隊長のクラーマ・ネーデシュアーレ、久し振りに登場よぉ~ん♪」

 

 

「のっけからいきなりそのテンションとは相変わらずですね王立学術院美人受付嬢兼女子寮美人寮長のクラーマさん。

 肩書がまた一つ増えてますけど勝手に変な組織を作らないでください」

 

 

「もう冷たいわねシャルラちゃん。最初の頃の耳をはみはみされて涙目だった恥ずかしがり屋というキャラはどこへいったのだか……

 あと『シャルラちゃんを愛で隊』は私とノレッジちゃんしか今はメンバーいないから何の問題もないわ。

 厳しい試験を乗り越えられる猛者しか入れないエリート集団を目指しているし迷惑はかけないから」

 

 

「ならいいんですけどね。

 それよりいきなりどうしたんですか?

 ここ最近ダイヤージ君の過去話だったから登場シーンがなくて寂しくなって無理矢理出てきたとかじゃないですよね?」

 

 

 まぁ、この人ならそれを理由に一話丸々そういう何もオチのない話にしてもおかしくはありませんが。

 

 それにしてもノレッジちゃんまで私のファンクラブみたいなのに入っているだなんて陰で何をしているか分からない人ですね。

 

 

「実はね。さっきまで書士隊隊長のギュスターブ・ロンの奴に呼ばれて学院の全職員を一同に集めた会議があったんだけどその席でロンの馬鹿がシャルラちゃんを問題視するようなこと言うもんだから喧嘩売っちゃった。テヘッ♪」

 

 

「……喧嘩売るのはいいですけどいい加減年を考えた方がいいですよクラーマさん。

 あなたハリー先生や私のお父さんと同級生だったんですよね?

 なら実年齢も4「だぁー! 私はいつまでも心は乙女なの! 永遠の十七歳なんだからっ!」……そういうことにしておきましょうか。実際見た目は若々しいですしね」

 

 

 ぶっちゃけ竜人族という長命種がいるこの世界ではちょっとくらい若く見える人がいてもおかしくないですしね。

 

 クラーマさんもどこかの忍者の里の五代目の長とかの隠れ設定があるのかもしれませんし、あり得なくはないのかもしれません。

 

 もしくは本当に人間以外の種族だとか……。

 

 

「そんなことよりさぁ~、ロン隊長とその派閥の連中だけでなくジョン派の連中までシャルラちゃんをただの旗印としか認識せずに自分こそが正しいんだ、ってな無意味な討論してたからキレちゃってねー、うるおいが欲しいの。

 シャルラちゃん、色々させて♪」

 

 

 お父さんを尊敬する人たちの派閥が私個人でなく私が『ジョン・アーサーの娘』だから味方についているってことなら私自身は最初から気付いていたことですがクラーマさんはそれが許せなかったんですね。

 

 可愛らしいというか、乙女チックというか。

 まぁ私個人を認めてくれている辺りは信頼は出来ますけどね。

 

 

「はぁ、色々って何をする気ですか?

 内容によっては甘えさせてあげますよ」

 

 

「そりゃー……抱いて撫でて舐めて吸って揉んでやんよ! ってなノリ?」

 

 

スパァァーン!

 

「いったぁ~、いきなりハリセンツッコミはひどいわよシャルラちゃん」

 

 

「この物語はほとんど全ての人が最初の頃の面影がないってのに何一人だけ初志貫徹でエロエロなキャラを貫こうとしてるんですか!?

 あんまりふざけたこと言ってますと私のハリセン【シメルワヨ零号】が火を吹きますよっ!」

 

 

 まったく、この人は本当にまったく……

 

 でも私のために今の書士隊長であるギュスターブ・ロンに喧嘩売ってくれるなんて私のことを考えての行動なんですよね。

 

 その点は感謝してますけどその感謝してすぐあとにこの行動なんですよねぇ~。

 

 とりあえず今日はこのまま駄弁りますか。いつも通りオチのないのんびりモード突入です。

 

 ……それにしても一応『現書士隊長』に喧嘩売っちゃっただなんてこの後絶対何かあるでしょうね。

 

 もしも何か事が起こるようなら私の方からも行動を起こせるように準備はしておかなくてはいけません。

 

 色々と利用させてもらいますよ。クラーマさん。

 

 

 

 

 

 ロンside

 

 

 表通りから少し離れただけで日の光も当たらない薄暗い通りがある。

 

 こうして私自身がこの道を通るのは久方ぶりなのだがまたもここに来ることになるとはな。

 

 ここの連中を頼るのも金がかかるだけでなく弱みを増やすことにつながるからあまり望ましくはないのだが私自信が手を汚さずに、かつ確実に対象を処分するにはメリットの方が大きい。

 

 そう思いながら通り慣れた薄暗い路地を迷うことなく進み続ける。

 

 

「お待ちください。ここより先は許可証がない方を通すわけにはいきません。

 許可証と身分を証明できるものを一緒に提示していただきます」

 

 

 フードを目深に被り私の目的の建物の前で番人をする男が見た目に似合わぬ丁寧な口調で言ってくる。

 

 ふん、何度来てもいつも同じように立ち、一字一句同じ言葉を言うだけの男だがその職務に忠実な所とたった一人でこの建物の門番を任せられている実力は私の部下にほしいものだな。

 

 だが実際には私の部下は『数』しか取り柄のない無能揃いだ。

 

 

「ああ、これでいいか」

 

 

 私は懐に入れていた許可証と王立学術院所属の研究員証を提示する。

 

 

「……確かに確認しました。

 どうぞ奥へお進みください」

 

 

「ありがとう」

 

 

 一応形だけの礼を言って建物の中に入る。

 

 前回の仕事の依頼で最後にしたかったが私の生き方には敵が多すぎる。

 

 すでに決めていたことだが今回もここの連中に頼ることになるのは不愉快だな。

 

 

「久し振りじゃのぅ、書士隊隊長ギュスターブ・ロン殿。待ちわびておったよ。

 今回も仕事の依頼かの?」

 

 

「……また仕事だ。暗殺のな。

 『ギルドナイト』指揮官ラスコー・ビトー殿」

 

 

 ニヤリと薄気味悪く口角をゆがめる老人。

 年のためにすでにギルドナイトとしての仕事は引退しているが組織の長としてはその力は今だに顕在。

 

 その証拠に長く伸ばした髭を愛しそうに撫でながらも油断なくこちらを見据えてくるその瞳には老いが感じられず誰が見てもその力強さは現役のそれだろう。

 

 こいつとは私が書士隊の隊長になってからの付き合いだがこれまで幾度となく裏の仕事の依頼をした人物だ。

 

 金さえ出すなら誰でも殺す。

 能力だけは信用出来る人物ためにギルドナイトの中では私と同じようにあくどいやり方でのし上がっているため裏の世界では味方が多いそうだ。

 

 私とは持ちつ持たれつの関係……いや、お互いにお互いを都合良く利用しあってはいるが心の底ではこいつほど油断ならない者はいないとお互いに思っているだろう。

 

 ただお互いにお互いの弱みを握りあい、利害が一致することが多いために協力する機会が多いだけで信頼などまるで出来ないジジイだ。

 

 私自身も何度かこのジジイに反論する表の連中を書士隊の隊長という表の権力で潰してきたこともあるから連中にとっても私と私の王国直属である学術院と書士隊のトップの地位、それに王家や貴族への人脈の広さは捨ておけないのだろう。

 

 要は殺す理由より生かす理由が勝っているから殺さないだけだ。

 

 最もそう易々と殺すことが出来ないから殺さないというのもあるのだろうが。

 

 

「ほっほっほ、お互いが敵であっても争う理由がなければそれまでの間は味方でいるのも悪くないじゃろ。

 たとえ仮初じゃとしてものぅ」

 

 

「ああそうだな。表と裏に影響力のある二つの組織の協力というのはたとえ仮初でも強力だからな。

 なんせどちらかが潰れればもう片方までも危ぶまれるのだ。下手に裏切ることも出来ん」

 

 

 まぁ、私は私にとっても平穏なる生き方の邪魔になるこのジジイとギルドナイトの暗部の連中は残らず消してやりたい気持ちはあるのだがな。

 

 少なくとも今は無理だ。

 

 

「とりあえず今日は依頼があってここに来た」

 

 

 いつの日かこいつらを潰して表も裏も全て私が支配してやる!

 

 それを年老いて死ぬまで続けることで初めて私は誰よりも心穏やかでいられるのだ。

 

 

「まず依頼内容は暗殺。殺害対象は王立学術院の今年度から入学した新入生、シャルラ・アーサーという娘だ。

 報酬は前払いで100万ゼニーをすでに持ってきている。

 手段を問わず確実に殺してくれ。ある程度のサポートや情報処理も担当しよう。

 この娘は学院を追い出すだけでは駄目だ。

 私も個人的に調べたが味方には出来そうにない。

 殺し、存在を完全に抹消しなければ私は安心できないのでな。

 ジョン・アーサーの一人娘ということもあり最近の学院内のジョン派の動きが私には目ざわりなのだよ」

 

 

「そこまで感情的にならずとも引き受けるさギュスターブ・ロン殿。

 君はワシとって今のところ欠かすことのできないお得意様じゃからのう。

 そんな君の平穏を乱すような輩なら確実に始末してあげようじゃないか」

 

 

 このジジイもどうせ私と同じく表と裏の両方の権力を自分のものとしたがっているのだろうな。

 

 だが今はまだ利用してやる。確実にあの娘、シャルラ・アーサーを始末してくれるのならな。

 

 誰だろうと、わたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない。

 決して、確実に消え去ってもらう。

 




クラーマ
 「ハリセンに名前なんかつけてるんだ」

シャルラ
 「ええ、とある国の人形姫のお母さんが憑依していた人形が使っていたハリセンをリスペクトして作成しました」

 ……追記しておきますと『マール王国の人形姫』というゲームに出てくるクルルという妖精型人形が愛用する武器のハリセンには「シメルワヨ壱号」という名前が付いていたりします。なのでそれを思い出したためにハリセンツッコミというツッコミの定番を出してみましたとさ。

 熱湯風呂のフリとかも出そうかな……

 さて、真面目な後書きですが、今回の話はドンドルマのギルドナイトは真っ黒だった、という感じですね。

 ギャグ好きの私ですが今回は割と後半からギャグが薄めの真面目な感じになりました。
 しばらくはのんびり路線の話にはならないですね。
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