しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 サブタイもこうやって書くと真面目っぽくなりますね。

 それとまたもや前作のキャラが出ちゃいますw




第23話:裏切りの百合

 ????side

 

 

 まったくウチも暇じゃないってのに仕事押し付けてこんな所まで転勤させるだなんて上は何してるんッスかねぇ~……。

 

 あ、上で『????side』とか書いておきながらいきなりッスけど自己紹介するとウチは『ギルドナイト』所属のルナ・ギドイトってもんッス。

 

 こないだまでトイダーヴァって街の周辺で仕事してたッスけどギルドナイトの中では千人隊長というかなりの上位に位置する幹部なんでいい加減ギルドナイトの本部でもあるドンドルマの街に来いと言われて今日からドンドルマ勤務になったんスよ。

 

 はぁ~、補佐官として一緒にドンドルマの街に引っ張ってきた部下は二人だけ。

 

 さすがに部下全員を連れてくることは出来ず、前の勤務地だったトイダーヴァの街に愛する部下たちを置いてきてしまったのがさみしいッスねぇ~。(ちなみにほとんどが女の子だったりする。ウチはレズなのだ)

 

 もう駄目だ。女の子分が足りないからウチは仕事なんて出来ないッスよ。

 

 

「たいちょ~、元気出してくださいよ。

 あたしらはずっと一緒にいますから。ね?」

 

 

「そうよ。隊長が辛いのは分かりますけど……わ、私がいるのにいつまでも落ち込んでちゃダメなんだからねッ!」

 

 

「あぁ、二人とも……ウチの心を癒しておくれ。

 その豊かな双丘で癒してくれッス!」

 

 

 二人の部下、イコルとミガカ。

 ギルドナイトの中でもウチに次ぐ変態性の持ち主でその筋からは大人気の自慢の部下ッス。

 

 ただイコルはパンツ好きで仕事中でもウチや他の隊員にもくんかくんかするし(二人きりの時なら大歓迎ッスけど)、ミガカはツンデレだから滅多に抱かせてくれないし(だけどそのじれったさが堪らなかったりするッス)。

 

 でもそんな二人が大好きなんスよ! 愛してると言ってもいいッスね!!

 

 ちょっぴりマゾっ気もあるウチだけど、顔立ちは可愛いよりもカッコいい系なもんだから部下たちとにゃんにゃんする時も攻めに回ることが多いんスよ。

 

 けどこの二人が相手の時はウチもMの本性をさらけ出すことが出来るから楽しいんスよね♪

 

 

「……まぁ、目的地でもあったドンドルマの街が見えてきたしイチャイチャするのは夜までお預けッスね。

 二人とも今夜は寝かせないッスよ♪」

 

 

「「はいルナ隊長♪」」

 

 

 うっひょひょひょ。この二人がいるだけで最高にウチは幸せッスよォー!

 

 どうせトイダーヴァの街に置いてきた他の部下たちも転勤願いを出すなり仕事を辞めるなりしてすぐにウチに会いに来てくれそうだし少しの間くらい我慢しまスか。

 

 

 で、ドンドルマにあるギルドナイトの詰め所に入るウチなのでした。

 

……

 

…………

 

 

「よく来てくれたのぅ、千人隊長ルナ・ギドイト殿」

 

 

「いえ、仕事とあればどこにでも向かうのがギルドナイトであるウチの使命だと思ってるッス」

 

 

 どうやら目の前のしょぼくれたジジイがドンドルマの街における『ギルドナイト』におけるトップのようッスね。

 

 ウチをわざわざ呼んだってことはそろそろ裏の仕事でも任せようって魂胆ッスか?

 

 ギルドナイトとしては表の仕事しかしたこと無いッスけど。まぁ、前の街では問題なかったしここでもイケるっしょ。

 

 

「来てもらって早速だがこの街に慣れてもらうために君にはある仕事を任せたいのだ。

 受けてもらえるかね?」

 

 

「それがギルドナイトの仕事ならば引き受けるッス」

 

 

 ちなみに口調は変えるつもりはないッス。

 

 相手が誰であっても自分を曲げないというやり方でこれまでやって来たんスから転勤したから、という理由で自分のキャラを曲げたりはしないッス。

 

 前の街でも口調はいつもこれだったので問題ないッス。

 

 

「では詳しい話をしよう。

 側近のお二人にはここで待っていてもらえるかのぅ?」

 

 

「イコル、ミガカ。二人は先に部屋に行って荷物の整理をしておいてくれッス」

 

 

「「了解しました」」

 

 

 さて、ではウチのドンドルマでの初めての仕事は一体どんなことなんスかねぇ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……やはり暗殺でした。

 

 それも殺害対象はただの学生。もらった資料に目を通すとどうやらジョン・アーサーの娘だから、という理由で現書士隊隊長から暗殺依頼が来たみたいッス。

 

 とりあえずその場では引き受けたと言ってジジイ(そう言えばまだ名前聞いてないッスね。ここの指揮官殿)の部屋から退室し、この街であてがわれたウチの部屋に向かうものの気分は最悪ッス。

 

 とうとう来た暗殺の依頼が可愛らしい少女だなんてねぇ~……

 

 しかも期限が一週間以内とかぶっちゃけありえないッス。裏の仕事は初めてだっつの。

 

 

「あ、お帰りなさいルナ隊長。

 ご飯にしますか? お風呂にしますか? それともあ・た・し?」

 

 

「ちょっとイコル! そこは『私たち?』でしょーがッ!!」

 

 

「フフッ、やっぱり二人は最高に可愛いッスねウチの自慢の部下ッス……」

 

 

「隊長?」

 

 

 イコルが何か察したのだろう。

 

 ミガカも心配そうな目で見つめてくるがウチは正直迷っている。

 

 この仕事を引き受けるのは最早『ギルドナイト』という組織に所属している以上逃れられないということを。

 

 

「ここにきて最初の依頼を任されてきたッスけど……、どうにも裏の仕事らしいんスよ」

 

 

「それは今更かもしれませんね。

 むしろこれまでギルドナイトでありながら暗殺依頼がなかったのが不思議なくらいですし」

 

 

「そうですよ隊長。殺害がメインではないとは言え、私たち全員これまでに密猟者や犯罪組織の人間の捕縛任務なんかで結果的に何人か人を殺してきたことはあるんですし『殺し』そのものは初めてではないでしょう?」

 

 

「……それが子どもだとしてもそんな事が言えるッスか?」

 

 

 この一言に二人は黙ってしまう。

 

 二人もウチと同様に暗殺の仕事を受けたことはないみたいッスけどそれなりに殺しの経験は持っている一端のギルドナイトではあるッス。

 

 そもそも暗殺というのはリスクも高く、金で片がつかない時、ギルドの警告を無視し続けたようなハンターにのみ行われるものであり、依頼数自体そこまで多くない。

 

 だからその多くない依頼の中でも子どもが殺害対象になることはまずない。

 

 それはギルドナイトの暗殺任務の対象は総じてギルドに害を為す人物だからッス。

 

 殺しの仕事を受けることはいつかはあるだろうと思ってはいたけど、その最初の暗殺任務がまさか可愛らしい少女を殺すものになるとは…………この街は予想以上に腐ってるッスよ。

 

 

「二人も分かっているとは思うが任務を断ることは不可能ッス。

 かと言って今からギルドナイトを辞めるのも不可能。

 ならば仕事を受けて対象を殺すということになるッスけど……」

 

 

「それは私たちの存在意義を根底から破壊してしまいますね。

 女の子、それもこんなに愛らしい少女を殺せだなんて……」

 

 

「ルナ隊長は百合の風を『ギルドナイト』に吹かせ、新たな快楽の世界を私たちに教えてくれた大切な存在。

 あたしらが代われるものなら代わってあげたいけど……」

 

 

「そう、お前たち二人もすでにウチの影響で可愛い女の子が大好きな立派な百合っ娘。

 この依頼をウチの代わりにこなすなんて不可能ッス」

 

 

 まさに八方手詰まりといった状況ッスね。

 

 

「ウチのコネを利用するにしてもこの街に知り合いはいないし、ドンドルマの街は各出入り口に門番をつけているッス。

 誰にも気付かれずに他の街の知り合いに助けを求めるのは不可能。

 期限も一週間。

 どうやっても任務を受けざるをえない状況……」

 

 

 重たい沈黙が流れる。

 

 資料に添付されている写真には屈託なく笑う少女の写真。

 

 実際に街中で会ったら即ナンパしているだろうこの可愛らしい少女をウチ自らの手で殺さなければならないだなんて……

 

 あぁ~、まさかこんなことになるだなんて困ったッスね~!!

 

 

「仕方がない!

 ここは女らしく仕事を受けたフリをしてこの殺害対象のシャルラ・アーサーちゃんのところに向かって殺さずに助けるッス!」

 

 

「なっ!? そんなことをしたら私たちが消されてしまいますよ!?」

 

 

「そうですよ隊長!

 やはりここはどんなにかわいらしい少女だとしても仕事と自分のお命を優先させて……」

 

 

「しかしこの少女を殺すことはウチの矜持に関わるッス!

 ウチは仕事のために生きているのではなく、生きるために仕事をしているッス!!

 これからもウチらは生きていかなければならない。

 ならば楽なやり方ではなく後悔のない生き方でなければ駄目ッス。

 明日食べるパンが美少女の血で汚れたお金で買ったものだなんて死んだ方がマシってものッスよ」

 

 

 ウチの覚悟が伝わったのか二人もそれぞれに覚悟を決めたようッス。

 

 そう、ウチらは生半可な覚悟で百合道を極めようとしているわけじゃないッス。

 

 たとえ敵が強大であろうとも自分たちだけは最後まで正しいやり方を貫かなくちゃいけないんスよ!!!

 

 

 日がな一日娼館を駆けずり回るのは三流の証。

 真に偉大な者達は指先を愛液で少し濡らすだけ。

 体にはキスマークをつけて昼夜問わず愛を営むもの……

 

 人、それを『百合』という!

 

 

「さぁて、来て早速ッスけどドンドルマの街はこのルナ・ギドイトが変えてやるッスよォー!」

 




 今回からしばらくはストーリー本編を進めるのであまりギャグは入らないですが、やらないと先に進めないんですよね。

 でもまぁ、ギャグは少ないかもしれませんが面白くなるように書いてはいますので何かお気づきの点でもありましたらお知らせください。

 今回のイベントは本当に長くなっちゃってますので。
 その上作ったプロットが少しばかり物足りなかったのでアレコレ追加しまくってえらいことになっちゃってますw
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