そんな感じの話ですね。
まぁ、「人を利用する人間は自分も誰かに利用されている」って言葉もありますが美少女は例外!
可愛いは正義です!!!
シャルラside
「それでこれからどこに向かうッスか?」
「着けば分かりますよ。
あなたの上司をドンドルマから追放し、かつ私を殺さずに済む方法のために助力を願いたい方たちがいるのです」
私の暗殺依頼を受けたルナさん達を引き連れて向かっているのはアリーナ。
ドンドルマにおける観光の目玉とも言うべき場所です。
すでにお父さんの古い知り合いやジョン派の人たちへの連絡はクラーマさんを通じて済ませてあります。
まぁ、ジョン派の人たちは過激ですので勝手な行動を起こさないように言ってありますが心配ではありますね。
とりあえずここから先は私が自分で作った人脈を使う番です。
ただ本当に今回の保険的な作戦の要の人から得られる助力は暴力的な力によるものですし、相手がまともな人間ならその手段を使わなくとも話し合いで十分解決出来ると思うんですけどね。
それでももしもの時に備えて保険を用意しておくことが成功の秘結なんですよ。
どうせ向こうさんも同じことを考えて私の暗殺なんか計画したのでしょうし、美少女とむさいオッサン、どちらが価値が上かを思い知らせてやります。
まぁ、これからすることは保険に近いものなので利用せずに済む可能性が高いのですし、この保険を使う前にその前にまず間違いなく敵さんは降参するでしょう。
個人的には最終的に生きてようが死んでようが構いませんし、ギルドナイト指揮官ってのもこれまであくどい事をしながらも生き残ってきてる実力がある人のようですし私の見方に付くなら活かしておいてもいいと思っているんですけどね。
でも「相手が降参しなかった」という大義名分が出来た時に始末出来るように今回の保険は必要になってくるのですよ。
『争いは何も生まない』なーんて言葉もありますけど、敵を全て排除してしまえば争いようがないじゃないですか。
まったくこの言葉を考えた人は何を考えていたんでしょうかね。
書士隊長の味方なんて所詮は金で味方してるだけの数しかいない派閥ですしね。
最近はリッキー君も人気が上がったので最初ほどオッズは高くありませんが、それでも相手側が百戦錬磨の強者ばかりでリッキー君自身が弱そうなために私もそれなりには儲けさせてもらってますしお金はあります。
ファイトマネーだけでも相当なものがありますけど。
っと、そうこうしているうちに街中を抜けて慣れ親しんだ関係者用の狭い通路も抜ける。
「やぁシャルラちゃん。君の方から来てくれるなんてどうしたんだい?
まだ次の試合までは日があるけど」
親しげに声をかけてくる若い男性。
「ええ、その事なんですがそろそろあなたのモンスターとの試合を組んでいただきたいと思いまして」
この人はこのアリーナの最高責任者でもある管理人のクルト・リーさん。
そして実力主義のこのアリーナにおける現・チャンピオンの主人でもあります。
今回私が来たのはこの人とこの人のモンスターを私の味方として引き込むためです。
「とうとう来たか。その試合を組む時が。
アリーナの王者と新進気鋭の若手選手リッキー君の試合ともなれば街の人は観光客も含めて全員が集まると言っても過言じゃないからね。
きっと物凄いお金が稼げる」
「そうですね。でもその試合の前にクルトさんに聞いておきたいことが他にあるんです。
ちょっと大変なことをお願いするんですが。
……私の派閥に入ってもらえませんか? ロン派の幹部クルトさん」
軽い会話の流れから突然表情を消したクルトさん。
やはり間違いないようですね。
「……いつから気付いていたのかな?」
「最初から、ですね。初めて会った日から。
でもあなたは他のロン派の人と違ってロン書士隊長を盲信しているわけではなく、むしろ今の書士隊長のやり方にかなりの不満を持っているようですから誘わせてもらいました」
街に来たばかりの時に私が最初にしたのはクラーマさんに頼んで街の重要な役職に就いている人たちの情報を頭に叩き込むこと。
その中で気になったのがこのアリーナの管理人のクルトさん。
調べたところこの人は数年前に捕まえたモンスターをアリーナに出したところそれが連戦連勝で大儲け。あっという間にチャンピオンになったそうです。
あまりに強すぎるうえにリッキー君と違って『凄み』があるから試合自体はなかなか組めなかったみたいですけどそれでも年に何回かは行われる王者決定戦ではかなりのお金を儲けていたみたいですね。
ただそれに目をつけた書士隊長ギュスターブ・ロンの汚い策略によりその稼ぎの大半を取られる契約を結んでしまった。
契約自体は本物で上手く逃れられないようになっており、逆らえばモンスターも財産も今の役職も全て奪われてしまうでしょう。
勿論それをきっかけにロン派という派閥の中でそれなりに優遇される権利ももらったそうですがそんなもの本来の稼ぎに比べれば微々たるものです。
そんな状況が何年も続いているとなれば私の味方をしてくれると判断しての考えです。
……というのは建前で、本音を言うとこの人は根はお人好しですから頼めば断れないみたいなんですよね。
だからそこを『美少女』が『悪を成敗』するのに協力してほしいと言えばまず断れないと思っての行動だったりもします。
「確かに僕は書士隊長、ひいてはロン派の人々に対して少なからず恨みもあるしシャルラちゃんの素質は買っている。
だが連中に逆らうことが出来ない今、立場上はロン派である僕は君の味方をすることは出来ないよ」
「ええ、ですがあなたの立場を監視をしているのは書士隊長と言うよりもギルドナイトのようですし、ギルドナイトのトップが私の手の者に入れ替わったらどうでしょう?
ロン派の権力が大きいのもギルドナイトと手を組んでいるのが理由の大半ですしそのギルドナイトを私の派閥に組み込むことができればあなたはだいぶ自由に動けるようになる」
「……確かにそれは魅力的だし、君自身を信頼している僕は君が嘘を言っているとは思わない。
けど、それでも連中との契約がある以上僕自身が手を貸すことは出来ない」
やはり真面目な人ですね。
それに頭もいい。脳筋の人なら契約があろうが無かろうが私の見方に付いてロン派を倒そうとして真っ先に討ち死にするのが関の山でしょうがこの人は用心深さも持っている。
本当に味方につけることができれば頼りになりそうです。
「だけど君はモンスターと話が出来るそうだね?
なら僕のモンスターを貸そう。
あいつは強者との闘いさえあれば誰が相手でも味方になってくれるはずだ」
それでもやはり私の味方をしてくれるようです。
顔こそモブ顔ですがやっぱりいい人なんですよね。
「あなたの助力に感謝します。
クルトさんの事も悪いようにはしません。
ただ彼を貸してくださることと、私が書士隊のトップに就いた時に味方してくれればそれでいいのです」
「ああ、ただし僕も君よりは大人のつもりだ。
どの道機会があればいつでもロン派からは抜けるつもりだったから今この瞬間から僕は君の味方だ。
まぁ、立場上ギルドナイトのトップが君の手の者に代わっても裏切りがバレたら即全てを奪われるから君が書士隊の隊長に就任するまでの間はバレない程度にしか協力出来ないけどね」
「ありがとうございます。
必ず悪いようにはしませんので」
これにてクルトさんとの交渉は終了。
やはり根はいい人なんですよね。
いささか単純なので敵の組織力を甘く見ているようにも楽観視しているようにも軽く考えているようにも見えますがその辺は私がフォローしましょう。
ぶっちゃけギルドナイトのトップを交代させてしまえばロン派なんて烏合の衆とすら呼べなくなりますしね。
あとはアリーナのチャンピオンとの交渉を成功させればクラーマさんの方はすでに根回しは済んでいるでしょうし連中を潰す算段はすでに終わったようなものです。
さぁ、ショーの準備をしましょうか。
シャルラもジョン派ではなく自分の派閥を立ち上げることに。
私は命の重さは虫も動物も植物も全ての生き物は平等だと思いますが、それでも価値は違うと思っています。あと命の強さ。
確かに命は重いものなんでしょうが、価値がないものが邪魔をしてくるのなら生きるうえで排除するのも止むなしだと思います。
とまぁ、私の考えはともかく、この話は最初ギルドナイトの指揮官をぶちっ殺して終わりにするつもりでしたが、それだと本当にその話だけになって面白くないのでかなりプロットを変更しました。
なのでおかしなところが出るかもしれませんが私がしたいことを描いていきます。
具体的に言うとバトル要素です♪
一応、ロン現・書士隊長もハッピーになる、全員がハッピーなエンドになります。……一応。