今も昔も、きっとこれから先も私の好きな漫画ランキングぶっちぎりの第一位であり続ける漫画だと思います。
ラスコーside(ギルドナイト指揮官)
「ラスコー指揮官。やはり来たばかりの者に暗殺の仕事を任せるのは大丈夫なのでしょうか?」
ルナ・ギドイトとの話を終えた直後に部下はこう言った。
「彼女は『ギルドナイト』の中ではかなりの実績を持ち、トイダーヴァの街では人望もかなりのものだそうですが裏の仕事は初めて。
そんな彼女に初めての暗殺任務など勤まるとは思えないのですが」
「君は実に馬鹿じゃのぉ~、ワシが何の考えもなしに来たばかりの彼女にギルドナイトの裏の仕事を任せると思うのか?」
こやつもワシの側近として表も裏もあらゆる仕事をこなしてきた優秀な男だが如何せん頭が固い。
ワシと同じくらいとは言わんが、せめてこの程度の事が理解できる位には柔軟に考えてくれんと困るのぅ。
「よいか? 実力があり人望もあるルナ・ギドイト千人隊長はこの『ギルドナイト』という組織の中でトップになりうる素質を持っておる。
それも近いうちに必ずなる!これは確信しておる。
そして現トップはワシじゃ。
その地位を脅かす危険な存在は排除しておきたいのじゃよ。
聞くところによると彼女はレズじゃ。それも筋金入りのな。
そんな奴がまだ幼さの残るあどけない少女を殺せるはずがなかろう」
なるほど、と肯く部下。
まったくこの程度の事にも考えが及ばんとはのぅ。
じゃが部下としてはそれなりに有能じゃしワシが隠居したあとの後任にならこやつを据えるのも悪くない。
じゃがルナ千人隊長だけはマズイ。早々に始末しなければ奴がワシの地位を狙う狙わないに関わらず必ずやワシの地位が脅かされる。
じゃが今回の任務、奴は絶対に殺せない。
こちらが裏切り者として始末する理由としては十分じゃろ。
もしかしたらすでに自分が殺される覚悟をして標的の少女の味方をしておるかもな。
ふぉ~っふぉっふぉっふぉ。
シャルラside
「何やら馬鹿笑いをして死亡フラグを立てている人がいる気がしますね」
「ん? ウチはフラグなんて立ててないッスよ。
シャルラちゃんの味方をすると決める以前からギルドナイトに入ってすぐに死ぬ覚悟は持ってるッスけどまだ死ねないッス」
「そうですねぇ~。隊長が死にそうになったら『気配を感じた』とかの理由で最強ハンターのハターン・モンスータさんがやってきてくれそうですし♪」
「確かにハターンさんはカッコいいですけど私としては三人のお弟子さんの方がいいな~。
三人とも最高に可愛くてカッコ良くて綺麗なんだもん♪」
何やらまったりした雰囲気ですが私に付くということ自体が死亡フラグだと分かっているんですかねこの人たち?
立場上は私はまだギルドナイトの暗殺依頼の標的にされ、尚且つ書士隊隊長率いる表の地位を持った人たちからも狙われているっていうのに。
まぁ、ルナさん達には今後の私自身のためにも死なせるつもりはありませんが人間死ぬ時は死ぬんですからもうちょっと危機感というか緊張感を持ってほしいんですけどね。
早くとも連中は私の暗殺依頼の期限である一週間はルナさん達を殺せないでしょうけど。
あ、ちなみに今私たちはアリーナの管理人のクルトさんとの交渉を終えた後、本来の目的を済ませるためにアリーナの地下に向かっているところです。
さすがに今回の騒動の保険にクルトさんみたいなロン派の資金源でしかない人を取り込んでおしまいにはしませんよ。
それにしてもここってカビ臭い空気と日の光の届かない場所なために陰気な雰囲気が漂ってますね。
蝋燭の明かりが心細く見えます。
「……ではこの先は私一人で行きます。
三人はここで待っていてください。かなり危険ですので」
地下への階段を降り切ったところで現れた扉の前で三人にそう言いました。
「何を言ってるスかシャルラちゃん。
危険な場所に可愛い女の子一人で送り出したとあっちゃあウチの名に傷が作ってもんッスよ!
そんなにウチらを置いていきたければウチを倒してからにしろ」
ではそうしましょう。バチバチッっと。
電撃袋によるスタンガンです。
「…………」
「それじゃ私は言ってきますのでルナさんの介抱をお願いしますね♪」
ルナさんの部下二人は素直に肯いてその場にとどまってくれました。
先ほどのルナさんの発言も私を心配しての言葉ではなく、隙あらば私の貞操をいただいちゃうぜ! ってな考えだったみたいですし。
とりあえず今回の本当の目的を果たすことにしましょう。
ぎぃぃぃぃぃぃぃ~
木製の質素な扉を開けて奥へと進むと暗闇に浮かびあがるように二つの灯りが格子ごしに私を見てくる。
『この檻を開けな嬢ちゃん……』
『いきなり話しかけてくるってことは私がハーフでモンスターの言葉が分かるのが分かるんですね。
やはりあなたはそんじょそこらのモンスターとはまさに格が違いますね』
一応おだててみる。
今回の下準備は正直保険なのでまず必要ない展開になるはずですがそれでも万が一に備えておくには彼(・)の助力が必要になると思うのです。
もちろん彼(・)と言うのは先ほど交渉をしたクルトさんの事ではなく、
『まぁ、今のは冗談さ、嬢ちゃん。
儂はここの生活にも満足してるし儂を満足させる強者なんぞそんなに数がおらんことも分かってる。
クルトの奴がそれなりに強い奴との闘いを用意してくれるから出ないだけだ。
出ようと思えばここからいつでも自分の力で出ていけるからな』
蝋燭の明かりを前に掲げるとようやく姿を確認できた圧倒的なまでの巨体。
特に小柄な体の私とは比べものにならない大きさながら真の強者に漂う本物の強さ。
アリーナの現チャンピオン。
『それより話を進めようか嬢ちゃん。
儂に何を望む? そしてその報酬は何だ?』
『では報酬から先に言いましょう。
私が提示するのは真の強者との闘い。
あなたよりも強い最強の挑戦者との試合を用意します』
『……ほぉ』
『あなたのことは知っていますよ。アリーナの現チャンピオンさん。
いえ、ラージャン種の頂点、“超電磁帝”ミギンマルさん』
その瞬間チャンピオン、ミギンマルさんがはっきりと笑った。
『その名で呼ばれるのは久しぶりだな。
モンスターの言葉が分かる人間がいなかったと言うのが理由なんだろうが今の儂はただのチャンピオン。
別に呼び方なんざどうでもいい』
『いえいえ、あなたは私のモンスターと闘って負けます。
チャンピオンを名乗れるのはあと少しでしょうし』
そこでまたニヤリと笑う。今度は私も一緒に。
『ならば闘おうじゃないか。
儂を越えるとまで言う挑戦者がいるのなら儂が断る理由なんぞないッ!』
思ったとおりいい意味で単純な方ですね。
ラージャン種最強のミギンマル。この名前はモンスターの中で知らぬ者無き絶対超越者として知られています。
私のお母さんから昔話として聞いていますが、かつてお母さんが闘って引き分けたほどの実力を持っているそうです。
何年か前に人間に捕まったと聞いた時は何かの冗談かと思っていましたがどうやら自分から捕まったみたいですね。
最強たる自分の存在を客観的に証明する手段として。
『それでは試合は明日。
私の望みは試合のあとにでも必要があれば頼むことにします。
保険程度のものですので』
『はーっはっはっはっは! この儂を保険として使うなんざ嬢ちゃん。おめーが初めてだよ。
いいだろう。とびっきりの試合を見せてやろう。
儂は楽しめればいいのだからな』
これにて今日の交渉は全て終了。
まず間違いなくミギンマルさんの助けは必要ないはずですが事前に出来る準備は全て完了。
あとは結果を見守るだけ。
……でも必要ないと思っているときに限って必要になったりするんですよね。
ギルドナイトのトップも馬鹿でなければそうなる前に降参するでしょうけど。
こう言うことを言ってると大抵相手は馬鹿なことをするもんなんですよね。
今回シャルラの保険として登場したミギンマルですが、本当に保険のつもりで久し振りのバトル要素を出したくて登場させただけのキャラだったりします。
話にあまり関係ないのに無理矢理捻じ込んだため、かなり違和感と言いますか話の進みが早いやら遅いやら訳の分からないテンションですが書きたかったのですよw
おまけにいかにも次回に続きますよ的な感じですが、毎日更新なのでこれもまたありかな、と♪
バトル最高♪
それと追記しますとミギンマルの一人称が「わし」ではなく「儂」なのは個人的に小説だと文章だけで読みにくいと思ったからです。