しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 長かったギルドナイトとの騒動編もようやく終わりですね。

 しばらくは時間稼ぎのターンとしてギャグに走ろうと思います。




第29話:ギルドナイトを支配

 私の魅力は世界を、文字通り魅了して支配する力なのですッ!

 

 

 ……と言うのは勿論今のところは冗談です。

 

 さすがに今の私に世界を支配下におけるほどの魅力はありませんよ。まだ15歳ですし。

 

 さて、リッキー君の試合が終わり、ついに私の作戦の準備が全て終わりました。

 

 細工は流々、あとは決行するのみ。

 

 

「それじゃウチらはどうすればいいッスかね?」

 

 

「ルナさん達は……そうですね。

 ギルドナイト本部の裏口で待機しておいてください。

 一応暴力もお金も使わず正々堂々と話し合いで解決するつもりですがもしものために保険としてですけど」

 

 

「それがシャルラちゃんの望みなら断るつもりはないッスけどもっと難易度の高いお願いしてくれッス。

 もっとこう、さぁ。

 ウチの手とか口とか穴を使うようなお願いしてくれないッスか?」

 

 

「いえ、ルナさんの期待するようなことをお願いする機会はないと思います」

 

 

 どうにも百合チックな展開を求めているようですが今はストーリー本編の山場の二、三歩手前のイベントをこなしているんですからあと少しだけ真面目な展開で行きたいと思います。

 

 そろそろ馬鹿馬鹿しい小話や学園物らしい話も入れたいですし早くこのイベントを終えなければいけませんね。

 

 とりあえずルナさんも自分の任された仕事をこなすために行ったあとは私が行動するだけで全て終わります。そしてその行動こそ私のたった一つの仕事。

 

 用意しておいた保険もいつでも使用可能な状況にして向かうはギルドナイト本部。

 

 一般人の立ち入りを禁じている場所ですがすでに大老殿にて許可証をもらっているので入るのは可能です。

 

 さぁ、相手が馬鹿でなければ上手い事全てを私のものとしてみましょう♪

 

 ちなみに保険は保険ですからね。

 使うつもりはありませんので期待しないでくださいね。

 

 

……

 

…………

 

 

ギルドナイト本部。

 

 入口で門番をしているギルドナイトの人に許可証を見せて中に入る。

 

 お母さんから受け継いだ能力である『風』の能力で建物内の空気の流れから人の数を調べてみるとどうやら入口の門番も含めて5人ですね。

 ちなみに一人は私の案内役として目の前にいます。

 

 今日は大老殿から大長老直々に仕事が多く来ているから『ギルドナイト』の本部には人がいないんですよね。

 

 もちろんそれも私が大長老に直接頼んでそうしてもらったので計画の内ですが、そんなこんなで建物内に残っている職員もそれぞれの部署での仕事をしているようです。

 

 私の目的であるギルドナイト指揮官の部屋は建物の一番上にあるそうですがそこでの人の気配は一人。

 

 ここまで予定通りに進むと気持ちいいですね。

 

 そうして最上階のギルドナイト指揮官の部屋に辿りつく。

 

 案内役の人はドアの側に無表情のまま立ちつくします。

 逃げないようにというつもりでしょう。

 

 次に私がその扉を出るときは命の危険がなくなった時ですので無駄なことなのですが。

 

 

「一応はじめましてど言っておきましょうか。

 私はシャルラ・アーサー。

 あなた方が暗殺しようとしている者です」

 

 

「始めましてシャルラお嬢ちゃん。

 ワシはギルドナイト指揮官ラスコー・ビトーじゃ」

 

 

 否定はしないようですね。

 それともこの場所でなら二人がかりで私を殺せるとでも思っているのでしょうか?

 

 見た目はただの人の良さそうなお爺さん、といった感じですから心を隠すのが実に上手いですね。

 

 

「とりあえず話をしにきました。

 単刀直入に言いますと否定しないようですがあなたの私への暗殺依頼などその他諸々の不正の証拠もすでに私の派閥の調査で掴んでいます。

 ここで私の味方をしてくれるのであればその情報は公開しませんし今の地位もそのままあなたにあげますがどうしますか?」

 

 

 ラスコーさんでしたか、この人も色々と自分の懐を温めるために地方勤務で出世してきそうな優秀な人材を潰したり横領などの不正を繰り返していたみたいですが正直そういうのはどうでもいいんです。

 

 そんな事をしつつもこれまでバレずに今の地位にふんぞり返ってこれた実力は評価していますので私の派閥に組み込めれば上手く利用出来ると思ったので今日ここに来たのもこの人を味方につけるためです。

 

 勿論監視役としてルナさんをさらに出世させてラスコーさんに付けるつもりですが優秀な手駒はいくらいても困るものではありませんしね。

 

 私に忠実であるならば。

 

 

「……シャルラちゃんや。

 確かに君の言うとおりワシは君の暗殺依頼を受けたし不正もしてきた。

 それはワシの地位を守るためじゃしその事に後悔はない。

 じゃから君の派閥に付いたらワシの地位を今のままと約束してくれるという君の提案は実にすばらしいものじゃ。

 ……しかしのぅ、ワシは君のような優秀すぎる若者が存在するという事自体に安心出来んのじゃ」

 

 

 その言葉が合図だったのか私の後ろでここまでの案内をしてくれた人が私に襲いかかり、それと同時にラスコーさんは部屋の端に駆け寄ると隠し扉から逃げ出しました。

 

 まったく保険をさっそく使うことになるだなんてラスコーさんは馬鹿だったってことですね。

 

 やっちゃってください……ミギンマルさん。

 

 

『おめーはシャルラに近づけない』

 

 

 私に迫っていた案内人さんはミギンマルさんの拳でものの見事に吹き飛ばされました。

 

 ミギンマルさんには鉄分を磁力で操作して景色と同化して付いてきてもらっていたので気づかなかったのでしょうね。

 

 しかしそれにしても……。はふぅ、まったく本当にまったくですよ。

 

 本当に保険を使うことになるとは思いませんでしたね。

 

 保険は保険ですしここまで「使うつもりはない」と言ってきたのにそれがフリだったみたいじゃないですか。

 

 私の今回の作戦はギルドナイトを私の派閥に組み込むことで暗殺阻止+敵勢力の削減が狙いだったのですがどうやら敵さんは私に従うことが出来ないようですね。

 

 いくら口で地位を保障しても自分よりも優秀な人間の存在を許せないだなんてなんて度量の小さな指揮官なんでしょう。

 

 

『ミギンマルさん。その人は任せました。

 私はラスコーさんを追いますので』

 

 

『おう、行ってこいシャルラ。

 儂もまさかここまで度し難い馬鹿な奴らとは思わなかったが約束通り手伝わせてもらうからよ』

 

 

 こうなったら多少荒っぽい手段になりますが力づくで私の夢を実現させるルートへ軌道修正しましょう。

 

 こんなこともあろうかとすでに手は打ってありますので。

 

 

 

 

 ラスコーside

 

 

 クソッ、このワシが逃げる羽目になるとはっ!

 

 あの小娘の下に付けば今の地位は確実なのかもしれんがそれでも安心はできん!

 

 あれは自分が強いことも賢いことも理解した上で権力まで手に入れようとしている龍の如き娘じゃ!

 

 逃げるために足止めに使った部下では勝てんじゃろうがそれでもワシが逃げ切れれば、時間さえ稼げればあの娘を数で始末し、元通りの生活が待っておる。

 

 

「おっとそうは行かせないッスよ。ラスコー指揮官殿」

 

 

 裏口から逃げ出したワシを出迎えたのはまるで待っていたと言わんばかりに狂喜に顔を歪めた暗殺予定だった女、ルナだった。

 

 

 

「ルナ・ギドイトっ!

 貴様裏切りの素振りがないから失念しておったがここにいるということはワシを裏切るつもりか!?」

 

 

「今更な物言いッスね。ラスコー指揮官殿。

 シャルラちゃんの『風』を操作する能力でウチを監視していた奴からは暗殺をするために近づいたように自然な会話しかしていないように報告を受けていたんでしょうが実際には最初からあんたを裏切る気満々だったッス!」

 

 

「そしてルナ隊長と心を同じくする我らも指揮官殿を潰すのに抵抗はありません」

 

 

「でもここに逃げてくるだなんてシャルラちゃんの読みは凄いですね」

 

 

 こいつらはルナの部下のミガカとイコル。

 

 まさか、まさかワシの平穏がこんなところで潰えるというのか……

 

 

 

 

 シャルラside

 

 

 私が裏口に駆けつけるとそこにはすでにルナさん達に拘束されたラスコー指揮官がいました。

 

 もう少し利口な人だと思ったのですが地位を守るという大義名分を掲げておきながら自分の地位を脅かす可能性があるというだけで全てを捨ててしまうだなんて馬鹿な人ですね。

 

 本当に私はこの人の裏の能力に関しては評価していましたのに。

 

 

「さぁ、シャルラちゃん。ウチは言われた通りに捕まえたッスけどこれからどうするッスか?

 ここですぐに始末すると問題になりそうだし大長老にでも処分を任せるッスか?」

 

 

「いえいえ、こんな人でもその人脈には侮れないものがあります。

 この人には自分の意思で職を辞してもらう必要がありますのでちょっと付いてきてもらえますか?」

 

 

 私に従わないのなら幾ら優秀でもラスコーさんは要りません。

 

 しかしギルドナイトという巨大な組織の全権を握る彼を殺して終わりにするなどもったいないですからね。

 

 保険として連れてきたミギンマルさんをここでも頼っちゃいましょう。

 

 あーもー本当に保険のつもりだったんですけどね。

 

 

『おうシャルラ。こっちはすでに終わったぞ』

 

 

 ギルドナイト本部の最上階。指揮官室の中では先ほど私を殺そうとしてきた人を捕まえたミギンマルさんがソファーに座ってくつろいでいました。

 

 

 

『ありがとうございますミギンマルさん。

 でもその人は大した情報を持っていないようなのでラスコー指揮官と一緒に排除するので廃人にするだけでいいですよ』

 

 

 と言っても本当に壊すという訳ではないんですがね。

 

 

 

「ワ、ワシは悪くないっ!

 悪いのは全てルナじゃ!

 あいつこそ裏切り者じゃ!

 ワシは何もしとらん……」

 

 

 クスッ。今更そんな言い訳をするだなんて私も随分とこの人を過大評価していたみたいですね。

 

 

「あなたが悪いんですよラスコーさん。

 あなたが最初から私に従って馬車馬のように一生下僕でいることを誓ってさえいれば地位も名誉も財産も全て保障してあげたのにあなたの方から私を裏切ったんですよ」

 

 裏切ったと言ってもまだ仲間にすらなっていませんでしたし全く信用していなかったんですけどね。

 

 でもまっ、もうあなたなんて要りませんよ。ラスコーさん。

 

 

「闇に惑いし哀れな影よ。

 人を傷つけ貶めて、罪に溺れし業の魂。

 いっぺん、死んでみ……っと、別に殺すわけでも地獄送りにするわけでもないのでこのセリフは少し違いますね。駄目、ぶーです。

 とにかくラスコー元指揮官さん。私のためにあなたのこの街での全権力を譲渡してもらいます。

 『ミギンマルさん。お願いします』」

 

 

『あいよ』

 

 

 ルナさんからラスコー指揮官を受け取ったミギンマルさんはその雷を操る能力を行使し始めました。

 

 彼の能力『雷』を操る能力は磁力だけでなく生物の生体電気の操作にも使えるのです。

 

 と、言う訳でラスコーさんの人格データをいじくらせてもらおうというわけです。

 

 彼が私の味方についてくれればこんな手段を取らずに済んだのでしょうが結局は人を信用できないラスコーさん自身の心の弱さが招いたことなのでスッパリ割り切りましょう。

 

 

『情報操作しゅうりょ~う♪

 シャルラ、これでこいつはおめーの命令を何でもこなす操り人形だ』

 

 

『ありがとうございますミギンマルさん。

 あなたには保険としてついてきてもらいましたがけっこう働かせてしまってすいませんでした』

 

 

『なぁに気にするな。

 おかげで儂も自分の能力の新たな使い方が知れたしな。

 礼と言うならまたリッキーとの試合を早いうちに組んでくれ。

 もしくはおめーの母親をここに呼んでバトらせてくれや』

 

 

 さすがに私のお母さんを街に呼ぶのは難しいですけどリッキー君との試合ならできる限り早いうちにまた組みましょうかね。

 

 お母さんは古龍ですし見つかり次第即討伐隊が組まれてしまいそうですし人里には近づけませんし。

 

 

「シャルラちゃんってけっこうえげつないッスねぇ~。

 まぁウチも美少女を殺そうとする人間に同情なんてするつもりはないッスけど」

 

 

「そんな呑気な事言ってる場合じゃありませんよルナさん。

 私がラスコーさんに引退させた後にねじ込ませる次のギルドナイト指揮官はあなたにするつもりですので」

 

 

「え?」

 

 

 驚いたようなルナさん。

 

 まぁ、言ってませんでしたしね。

 

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 どうにか全て丸く収まった今回の騒動。

 

 物的証拠がない以上書士隊長のギュスターブ・ロン氏をその地位から追い落とすのは無理でしたが今回のことでギルドナイトそのものが私の手中に収まりました。

 

 これで勢力の規模は量では互角。質ではこちらの方が上。

 

 さぁ、どう出ますかロン隊長?

 




 本当にミギンマルは保険のつもりでした。

 この辺りの話を描いている時、突然バトル要素が書きたくなったので登場させ、保険役として混ぜたのですが本当に保険のままではあまりにも勿体ないと思いミギンマルには活躍させちゃいましたw

 ラスコーは信頼は出来ずとも信用は出来るくらいに仕事能力はあるので味方につければ書士隊長のロンとも渡り合えるのでしょうが、むさい爺さんを出すよりはルナを新指揮官に据えた方が百合の花が出てくるかと思ったのですよ。

 それと雷の操作ってかなり万能だと思います。

 『金色のガッシュ』のゼオンや『めだかボックス』の都城王土とか、頭の中をいじれるキャラ多いですし。

 ミギンマルの元になったキャラは私が一番好きな漫画の一番好きなキャラですので他の属性攻撃も可能な最強無敵のキャラへと成長させていこうと思います。
 火が吹けるようになるのは絶対条件ですね!
 それとも口に三本の刀でも突き刺してみようかな……

 ちなみに人格データは適当に消去しまくっただけなのでラスコーは廃人になりました。
 口や喉の筋肉を操作して言わせたいことを言わせたりは出来ますし本人の筆跡で文字を書かせることも可能ですので文章に色々と書かせたあと、大長老に丸投げって感じですね。

 なのでシャルラが当初の予定よりも黒くなってしまったので平気でこういう手も使える子になってしまったのですw
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