しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 馬鹿は馬鹿でも、『釣りバカ』とか『空手バカ』とかならカッコいいのですが、本当にただの馬鹿ってのはいけませんよね。

 あ、別に男子二人を排除するわけではありませんよ。まだ。


第46話:私の班に馬鹿はいりません

 

 美味しいご飯というのは体力気力、ともに回復できるのがいいですね。

 

 それもクラーマさんの愛がプラスされて効果は絶大の即効性とくればさらに素晴らしい。

 

 熱い料理バトルなノリでスタートしようかとも思いましたが、調理風景を描写するのが面倒なので、食事の後、男子二人が帰るというので玄関で見送るというところから今日の話はスタートです♪

 

 

「ふぅ~、それじゃ飯旨かったですクラーマさん。

 それにしても、俺以外にここまで料理上手の人がいるだなんて思わなかったぜ」

 

 

「僕も久し振りにまともな料理が食べられた気がするよ。

 家に帰っても、うちはパパもママも共働きで冷たいご飯しかないからね」

 

 

 きっちりクラーマさんお手製の晩御飯を食べたあと、別に勉強なんてしなくても私たちの班が赤点を取るはずがないのでは? という結論に至って勉強もせずに解散しようという流れになりました。

 

 見ての通りですが、究極の美少女である私は一度でも見聞きし、経験したことは完全に暗記することが出来るので教科書も、半分以上寝ていた授業中の先生の言葉も全て一字一句漏らさず覚えています。

 

 他のみんなも似たようなものらしいので大丈夫でしょう。

 

 

「それじゃお二人とも気を付けて帰ってくださいね。

 あ、それとこれ、サイリちゃんから二人に渡すように頼まれたお土産です」

 

 

 サイリちゃんは晩ごはんを食べた後すぐに、急遽用意した自分の部屋に籠って寝てしまったようです。

 

 それで渡されたものなんですが……

 

 

「……『チョコバナナ』ならぬ『銃(チャカ)バナナ』ってか?」

 

 

「これを僕らにどうしろと……」

 

 

 サイリちゃんったら……、さすがにこれはやりすぎですし注意した方がいいのではないでしょうか?

 

 見事なまでの笑顔は今のところ私とノレッジちゃん、それにクラーマさんにしか見せていませんし。

 

 まぁ、きっちり、このお土産を渡すことを了承した時点で私はこのノリを楽しんでいるのでしょうけどね。

 

 可愛いあの子が百合の片鱗を開花させてるんですから邪魔なんてしませんとも。

 

 えぇ、しませんとも。

 

 

「まぁ、とりあえずこういうのはフィズの役目だしよー、……喰っちまえば?」

 

 

 嫌なことを全て人に丸投げするダイヤージ君。

 

 だいぶいい感じにキャラが壊れてきていますね。

 

 私が言えることではないのですが。

 

 

「まさかフィズ。可愛い女の子が作った手料理を残すだなんて、しないわよねぇ~?」

 

 

 ノレッジちゃんも悪ノリしちゃってますし。

 

 私も勿論その考えには同意しますけど、そう言われて断れるフィズ君じゃないんですよね~♪

 

 

「くっ、ならば僕が男らしさというものを見せてあげようじゃないか!

 例え嫌われていたとしても、殺意の現れだとしても、可愛らしい女の子が作った手料理(?)を残すなんて男じゃないからね!」

 

 

 やめときゃいいのに意地になったフィズ君はチャカバナナを口に。

 

 それを見ていたダイヤージ君がせめて自分も何かしようと思ったのでしょう、

 

 

「俺に出来ることは限られてッけどよー。

 サイリちゃんの手料理を渡すように頼まれるのはシャルラがする。

 それを食べるようにはやし立てる役はノレッジがする。

 その引き金に指をかけるのは俺がしてやる。

 だがフィズ。

 そのチャカバナナを美味しく戴くのはお前の意思だぜ」

 

 

 面白そうに銃の引き金に指をかけるダイヤージ君。

 

 たぶん本物の銃だと思っていないのかもしれませんがそれにしても喜々とした表情は異常者のそれに近いものがありますよ。

 

 そして引かれた引き金。

 

 

パァン!

 

 乾いた音とともに銃弾が発射され、それはフィズ君の上あごを砕き、脳髄をブチ撒け、リアルに部屋を血の色一触に染めた……

 

 静寂ののちに訪れるフィズ君の死という現実。

 

 

「えーと……死んじゃいました?」

 

 

 死体を突っついてみても反応がありません。

 

 

「いやいやいや、この作品は百合である以前にギャグだし、銃で頭を吹き飛ばされたくらいで死ぬとは思えないんだけどねぇ~……」

 

 

「俺は引き金を引いただけでフィズの自殺として始末出来るかもな。

 クラーマさん、死体の処理が出来る知り合いっていないすか?」

 

 

「居なくはないけど、あなた達の班はこの先三人でやってくつもり?

 そりゃサイリちゃんは可愛いし百合要素を出すためならキャラが薄いフィズ君が消えてサイリちゃんを新しい四人目に組み込んだ百合百合ルートにするのもいいけど」

 

 

 その場合は男子がダイヤージ君一人になって、死ぬよりも酷い仕打ち(出番オールカット)を受けることになりそうですが。

 

 確かに最近のフィズ君は特にキャラが薄かったですしね。

 

 ダイヤージ君が変態紳士にジョブチェンジしたのならもう必要ないような。

 

 サイリちゃんの可愛さによる百合の重要の方が多いでしょうし。

 

 と、考えたところでフィズ君の体が普通に起き上がった。

 

 

「僕は死にましぇん!!!!!」

 

 

 どうやらフィズ君は生きていたようです。

 

 チッ。

 

 

「いま舌打ちしませんでしたか?

 ねぇ、今舌うちしましたよね?

 そんなに僕が生きているのが不満ですか?」

 

 

「知りませんよ。気のせいですよ。

 そのまま死んだままでも全然一向に構わなかっただなんて思っていませんよ」

 

 

 これは本音。少しだけ思ってますけど。

 

 

「まぁいいですよ。

 女性には優しくするのが男として当然だしね。

 では一応説明すると実はチャカバナナの引き金を引く前に影分身の術で入れ替わっておいたのさ。

 さすがに僕も脳漿(のうしょう)ぶち撒けて生きていられるほど人間をやめてないですからね」

 

 

「いえ、影分身の術なんて非現実的なことが出来る時点で人間やめてないですか?」

 

 

 まぁ、そういうことならこれからも私たちは四人班でやっていきましょう。

 

 サイリちゃんが可愛いという事実は変わりませんので、いつか本気で男子二人を追い出して新しい百合の四人班を再結成してもいいですけど。

 

 では少しばかりダレてきましたので、時間を飛ばして翌日へ行くとしましょう。

 

 久し振りの『シャルラクリムゾン』!

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「それでは期末テスト一日目終了だぁぁぁ~↑」

 

 

 ハリー先生の絶叫が教室に響く。

 

 私たちは無事にテストを終えました。

 

 まだ明日以降もテストはあるんですが、今日の分は終わりです。

 

 テストの日は半ドンですので昼までに帰れるのがいいですね。

 

 サボり魔の私にとって、学院を早くに帰れるのは何物にも代えがたい幸せを感じさせてくれるのです。

 

 

「おう、お前らどうだった?

 俺は自己採点したところ99点だったぜ」

 

 

「私は満点ですね」

 

 

「私もダイヤージと同じく99点のはずよ。

 最後の選択問題の答えが『L』、『O』、『V』、『E』になったから、その前の問題の答えに『シャルラ』って書いちゃったからさ~。てへへ♪」

 

 

 いや、確かに最後の選択問題四問の答えは『L,O,V,E』になりましたけど、それはハリー先生の遊び心でしょうに。

 

 それを点数を下げてまで私の名前書くだなんて、どこまで変態なんですか。

 

 

「さすがはノレッジだな。

 実は俺も最後の問題の答えがLOVEだったもんだから選択問題の前の問題の答えを『シャルラ』にしちまったんだよ。

 やっぱあんな問題来たらシャルラが好きって書くよな♪」

 

 

 ダイヤージ君も……

 

 ちなみに二人が私の名前を書いた問題の答えは『ハリー』だったりします。

 

 『ハリーLOVE』……。

 

 ハリー先生もテストの問題にこんな答えを用意するだなんて変態ですね。

 

 

「ところでフィズ君はどうだったんですか?」

 

 

 ここでみんなの視線が先ほどから黙り込んだフィズ君に向く。

 

 

「……」

 

 

「おいフィズ、お前もしかしてチームシャルラの一員のくせして最後の選択問題のLOVEの前の答えに正答を書いたんじゃねぇよな?」

 

 

「そんな訳ないわよダイヤージ。

 シャルラちゃんの可愛さを普段から口にしているフィズに限ってあの問題の答えを『シャルラ,L,O,V,E』にしない訳ないじゃない」

 

 

 確かにフィズ君なら真っ先にそう言ってきそうですけどね。

 

 私は自分の名前を入れるだなんて恥ずかしいのでしませんが。

 

 

「……一問も分からなかったんだ」

 

 

 …………。

 

 

「「「は?」」」

 

 

「実はね。僕はね。テストだなんて普段勉強していれば楽勝だと思ったんだよ。

 でもその結果が一問も分からなったんだ……」

 

 

 ……それはつまり0点ということですか?

 

 もしかしてフィズ君が馬鹿だと言うことになるのでしょうか?

 

 

「これは仕方がありませんね。

 班のリーダーとして見過ごすわけにはいきませんし今日は本当に勉強会でもしましょうか」

 

 

「そうね。まさかシャルラちゃんの班から赤点補習者が出るだなんてカッコ悪いもの」

 

 

「面倒だが俺も手伝わないわけにはいかねーよな。

 よっしゃフィズ。俺が教えてやっから明日以降のテストで満点が取れるようにバッチシ教育してやんよ!」

 

 

 まさか余裕のよっちゃんで勉強会をせずに済ませるつもりだった今回の期末テストイベントで、本当に勉強会をすることになるだなんて……

 

 私は、やると決めた時には必ずやる、『凄み』があるんですからフィズ君も覚悟してくださいね。

 

 途中で血へど吐こうとも私は手加減なんてするつもりはありませんので。

 

 こうして私たちの『本気』の勉強会が始まるのでした。

 

 ちなみに勉強会を開く理由は面白全部ですので♪

 




「いいか、男ってのはなぁ、女を大切にしなきゃいけないんだ」

 ゲーム『アザーライフアザードリームス』の主人公の父親のセリフだったかな。

 私は女性に女らしさ、女性らしさは一切求めません。(別に可愛らしい女の子が嫌いという訳ではありません。大好きです)

 むしろ男勝りでカッコいい女性にときめきますが、男らしくない男ってのだけはどうにも好きになれない。

 まぁ、ハーレム体質でも、全員を幸せに出来る甲斐性がある男なら好感が持てますが、女性を不幸にするような男キャラは大嫌いです。

 そういえば私の嫌いな主人公は、どいつもこいつも流されやすく、女たらしで優柔不断だったりするんですよねぇ~。

 主人公が嫌いな作品で主人公が嫌いな理由には、他の脇役が魅力的すぎるから、という理由もあるのでしょうが。
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