しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 今回から久し振りの一人称主人公視点で書いてみましたがいきなり暴走しそうでした。



第四話:放課後のお茶会

 今日から久し振りの作者の一人称暴走モードのスタートです。

 

 これまでの話は全てギャップを生むためだけのものですので実質この話からが第一話みたいなものですね。

 

 とりあえず気楽に読んでみてください。

 あと語り部たる一人称の主は勿論この私、シャルラ・アーサーですので。

 

 

 

 

「ふぅ~、たくさん買っちゃったわねぇ」

 

 

「えぇ、ちょっと買い過ぎなくらいですね」

 

 

 両手に買い物袋を抱えたノレッジちゃんは、それだけでも重そうなのに背中にも大荷物を背負っています。

 

 こんなに買っても食べきれないでしょうにどうするんでしょう?

 

 あ、それと彼女の呼び方ですが、聞いてみたらノレッジちゃんと私は同い年だそうなので『さん』付けで呼ぶのを禁止されました。

 

 なので、シャルラ&ノレッジのコンビは今日から親友なのです。

 

 

「あ、見えてきたわよ。

 あれが私が住んでる学生寮でこれからシャルラちゃんが住むことになるところでもあるのよ。

 といってもまぁ、私も学術院に入学したばかりだしこの辺りで知らない場所も多いんだけどね」

 

 

 ノレッジちゃんが指差す方向を見てみれば他の建物よりもひと際高い建物がありました。

 

 ドンドルマの街は山を利用して造られた街ですから地形的に学生寮よりも低い位置にある建物の日当たりが悪くなったりしないんでしょうかね。

 

 とりあえず生まれは別の村というノレッジちゃんですが慣れた様子で入口の戸を開き入っていくので私も遅れないようにすぐ後ろについていきます。

 

 するとノレッジちゃんは入口付近で箒をもって掃き掃除をしていた女性に声を掛けました。

 

 

「はぁ~い、クラーマさん。今日も綺麗ね」

 

 

「ふふん♪ ノレッジちゃんも若さ溢れるその肌艶が羨ましいわね。本当に羨ましいわ♪

 ……って、ん? 後ろにいるのはいま話題の新入生ちゃんだね」

 

 

「ええ、新入生のシャルラです。

 お姉さんは、確か私が学院に最初に来た時に受付にいた人ですよね?」

 

 

 この人、学術院の受付にいたからてっきり事務員でもやっているのかと思いましたが、ここの寮長もやっている、とかの流れですかね?

 

 

「ふふん♪ 君の考えてる通り私は王立学術院美人受付事務員兼学生寮美人寮長のクラーマ・ネーデシュアーレって言うんだけど…………むっきゃぁー♪ あなた本当に可愛いわねぇ!!

 もう抱き締めちゃいたいくらい!!!」

 

 

「って、え!? ちょ、ちょっとクラーマさ~ん」

 

 

「むっはぁ、シャルラちゃんて抱き心地最高じゃない♪

 それにこの耳! 竜人族みたいだし若い時期が長いっていいわねぇ~。

 ほら! ノレッジちゃんも一緒にどう?」

 

 

「あぁ、耳をはみはみしないでくださぁ~い……」

 

はみはみっ

 

はみはみはみはみはみはみはみはみっ

 

 

 はぅぅ、ファーストキスよりも先にファーストタッチを奪われるなんて……

 

 それにノレッジちゃんまで一緒になって耳を齧(かじ)ってくるし……

 

 

「とまぁ、冗談はさておき。はい、ノレッジちゃん。

 部屋の鍵よ」

 

 

「ありがとねクラーマさん。

 そのノリがいいところ、愛してるわ」

 

 

 似た者同士なんでしょうねこの二人。

 

 

「ほらシャルラちゃんも泣きやんだ?

 あんなの軽いジョークじゃないの」

 

 

「うぅぅ……ノレッジちゃんまで一緒になってはみはみするなんてひどいですぅ~

 こんなことする人だとは思いませんでした」

 

 

「あはは。まぁ、そこはおいおい学習していきましょ。

 とりあえず私の……っと、今日からは『私達の』部屋に向かいましょうか」

 

 

 部屋に向かう間に聞いてみるとこの学生寮では家政婦ネコが生徒が学院に通っている間に部屋の掃除をするために毎朝出る前に鍵を預けるんだそうです。

 

 一応どこかの天才鍛冶屋が作った絶対に合い鍵を作れない鍵を使っているらしいです。

 

 泥棒が鍵なしで入室するのは不可能なんですけど、その性質上マスターキーが作れないから鍵を無くしたら二度とその部屋に入れなくなっちゃうみたいですからね。

 

 それを防ぐために外で落とすことのないようにするのは意外と重要なことかもしれません。

 

 

「はい、着いた~♪

 今日は珍しいお茶の葉を見つけたんだけどね。

 『二十茶(トゥエンティー)』っていう飲むと服を脱ぎたくなるお茶と『甘茶(アマーティー)』っていう飲むと傍にいる人に誠実な愛を申し込んじゃう茶葉があるけどどっちにする?」

 

 

「……えーと、普通のをください」

 

 

「シャルラちゃんったら面白くないわね~。

 こうなったら両方混ぜちゃえ。えいっ♪」

 

 

「あぁ、そんなの駄目ですよ!

 おいしくないです」

 

 

 とか言いつつも興味はあります。

 

 なので好奇心から飲んでみたのですが……そこから先どうなったんでしたっけ?

 

 翌朝目を覚ました私たちはお互いに裸で抱き合って床で寝てしまったようですから朝方まで騒いでいたのかもしれません。

 

 お酒みたいな効果のあるお茶ですねコレ。

 

 ……ってそんな事よりも、もしかして私ってば勢いで女の子同士なのに誠実な愛を申し込んじゃったの!?

 

 首筋にはキスマークみたいなのまで付いてるし。

 

 うーあー、今日の授業はお休みしてこのまま寝ちゃいましょう! そうしましょう!

 

 あー、恥ずかしっ!!

 




ノ「それともそれともぉ。
   この私、ノレッジ・フォール特製のノレ茶なんてどう? どう? どう!?
   とあるギャング団が新入りを歓迎する時に淹れるお茶なんだけど!!
 その淹れ方ってのがねぇ~……」


 シ「……聞くからに恐ろしいので遠慮しときます」

 本文に混ぜても良かったですね。

 かつては百合表現を控える意味で省いていたみたいですが、段々と濃い百合小説も書くようになってきてますし。

 キャラ崩壊は意図して行っていきますが、主人公のシャルラには、『今日から俺は』の三橋くらい可愛げのある腹黒さを出していきたいと思っています。

 性格は良いけど意地が悪い子。
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