しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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第47話:真の勉強会

 

 期末テスト初日。

 

 私たち勉強出来るしテスト勉強なんてしなくてもいいですよね♪ なーんて言ってたら一番テスト勉強を真面目にする気のなかったフィズ君が初日からテストの問題が一問も解けなかったと言いやがったのですよ。

 

 なので、急遽勉強会を本気で本当に開こうという流れになった次第です。

 

 今回も場所は女子寮の中の私とノレッジちゃんの部屋。

 

 幸いなことにサイリちゃんは今日は引っ越しの手続きだなんだでクラーマさんとお出かけしているので私たちは四人だけです。

 

 サイリちゃんが馬鹿なフィズ君を見たらまた私たちとの仲好し時間が削られる! とか言ってフィズ君を削ろうとするかもしれませんからね。

 

 別にフィズ君を削ることには反対しませんが、私たちの部屋で殺人事件が発生しては後始末に困りますし。

 

 

「さて、今日のテストは俺らの頭の出来の良さを考慮しても比較的見易い問題ばかりだった。

 そんな問題でさえ一問も解けなかったっつーなら、こりゃもう生半可な方法じゃ駄目なんじゃねぇのか?」

 

 

「そうね。私は人に教えるのは得意じゃないけど明日までに平均点がとれるくらいには勉強が出来るようになってもらわないと間違いなく赤点で補習になるわね。

 シャルラちゃん何か考えある?」

 

 

「私がこれまで見てきた本に載っていた勉強方法を片っ端から仕込んでいきましょう。

 とりあえず、あまり多くは望みませんが平均点を取るというのが最低ラインでしょう。

 というか取りなさい!」

 

 

 面白半分、むしろ面白全部という気持ちではありますが、必至になってフィズ君の勉強を見てあげようと私たちがアイデアを出し合っているというのに、

 

 

「それにしても今日は天気がいいですね。

 そんなテスト勉強なんて放っといて遊びませんか?

 僕は友達と遊ぶときは昔っからパシリだったからボードゲームとか暇を潰せるものや買いだしを頼まれそうなものを常に携帯してるんだけどさぁ♪」

 

 

 などと言いやがる馬鹿が一人。

 

 服の袖からトランプをバラバラと出し、どこからか取り出したのか氷結晶を敷き詰めたクーラーボックスからジュースを取り出したりと休日の学生っぽい風情を感じさせるフィズ君。

 

 あなたのために勉強会を開くことになったのに何とも思っていないのでしょうか?

 

 

「こりゃもう荒療治するっきゃねーんじゃねーのか?

 俺もこれでも昔は不良のレッテル貼られてたし、力づくで解決してもいいっつーなら、拳に知識を詰め込んだ『学習パンチ』で文字通りテスト範囲の問題を頭に叩き込んでやろうか?」

 

 

「まったくダイヤージは乱暴ね。

 そんなテストが終わったら忘れるようなやり方よりも、額に剣山とかスタンガンを鉢巻で固定して寝かせない勉強方法の方が今後のためになるんじゃない?

 痛みで覚えさせるのではなく苦痛で、痛みと苦しみで覚えさせた方が効率がいいに決まってるもの」

 

 

「うーん、私としてはアリーナにいる雷使いのミギンマルさんに脳細胞をいじってもらって、教科書の中身を文字通り頭に焼き付けるやり方がいいと思うのですよ」

 

 

 それかいっそ、替え玉テストという手もありますが、フィズ君ってば無駄にイケメンという設定を持ってますから代役なんて見つかりそうにありませんし。

 

 

「僕はテストの点なんて気にしませんよ。

 それよりも折角半ドンで帰れたんだしシャルラさんやノレッジさんと遊びたいと思うのですよ。

 おっと、すぐ傍にはベッドがありますし一休みませんか?」

 

 

 フィズ君の意見は無視。

 

 だってどうせ楽をしようとあの手この手で私たちまで悪い点をとらせようとしてきそうですから。

 

 そして結論ですが、

 

 

「なぁ、もう全部やっちまえばいいんじゃね?」

 

 

「確かにフィズはびっくりするくらい頭悪いもんね」

 

 

「それじゃあアリーナに連絡入れておきますね」

 

 

 そう、今言った作戦を全て実行すれば大丈夫だと思ったのですよ。

 

 だって火傷の跡ってなかなか消えないでしょ?

 

 だから脳細胞に直接焼き付けるような、やり方でテストの点が上がらないだなんて思えないじゃないですか。

 

 ですが違いました。

 

 フィズ君はそんじょそこらの馬鹿ではなかったのです。

 

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「……で、今日のテストも一問も解けなかったのですか?」

 

 

「その通りです、とフィズはフィズはシャルラさんの発言を肯定してみたり~♪」

 

 

 いや、可愛くないですから。

 

 それも小さい方のモノマネだなんて、似せる気皆無のモノマネを披露されるこちらの気持ちにもなってもらいたいものですね。

 

 昨日は一日かけてあらゆる方法でフィズ君の頭にテスト勉強を叩き込んだにも関わらず今日のテストでもまた一問も解けなかったそうです。

 

 本当に世話が焼ける人ですね。

 

 

「シャルラさんやノレッジさんと一緒に個室で勉強会をするのが楽しくて、また一緒に勉強ができればいいなぁ~、という思いからわざと解かなかっただけ「じゃないですよね?」……勿論冗談です!

 僕が馬鹿なだけです!

 カッコつけてすいませんっしたー!!!」

 

 

 いえ、『女の子と一緒にいたいからわざと0点をとった』って方がカッコ悪いと思いますけど。

 

 元々勉強が出来ないのもあるのでしょうが、脳細胞に直接たたき込んでも覚えられないだなんて脳みそ腐ってるんじゃないでしょうか?

 

 

「しっかしよー、俺らの考えうる限りの勉強法は教えて試して体に叩き込んだし、もう諦めっか?」

 

 

「確かに私もここ最近シャルラちゅあ~んと一緒に百合百合しい展開を描いていきたいし、こんな馬鹿フィズの話に付き合っていたくないんだけど」

 

 

 打つ手なし、ですね。

 

 ですが困った時のクラーマさん頼りという手が残っています。

 

 

「ではこうなったらフィズ君は黙って私についてきてください。

 これまで私たちが教えてきた勉強が分からないってことは分かる必要がないことなんですよ。

 なのでもう勉強を教えるのはやめです」

 

 

「僕はシャルラさんの優しい甘い言葉で耳元で囁かれたら100点とれると思うんだけどなぁ~(チラッ)」

 

 

 そんな目で見ても駄目です。

 

 私はもう、あなたに勉強を教えるということに飽きました。(ようするに遊び半分で勉強を見ていただけなのです)

 

 テストは明日が最終日。ここまでのフィズ君の戦績はオール0点。

 

 よし! ここは若者の青春らしく夜中に学院に忍び込んでテストの問題用紙を盗んでくるという手で行きましょう!

 

 学園物では勉強会で真面目にするか、テストの問題用紙を盗み見るなりカンニングをするなりして不正なやり方でテストに臨むというのがお約束なのですから!

 

 ふふふ。楽しみです♪




 これもまたお約束ですね。

 これが普通の恋愛物だったらご褒美で頑張らせるという手法も使えるのでしょうが、百合の作品に男なんていりませんからね。
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