しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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第48話:ハリーの領域

 私ってば、けっこうガムを噛むってのが好きなんですよ。

 

 風船ガムをぷーっと膨らませてパチンと割って。

 

 そんな意味のないことを繰り返すのが好きだったりするのですよ。

 

 ポケットには常にガムを仕込み、歯を使わずに口の中に小型の竜巻を発生させることで授業中もバレずにごく自然に噛んで(?)いたりするのですよ。

 

 え? この前振りが今回の話に何の関係があるのかって?

 

 学園物かつギャグ物語に意味なんて求めちゃいけませんよ。

 

 娯楽とは意味がない事に意味があるのですから。

 

 そんな訳で今回は学院に忍び込んで明日行われるテストの問題用紙を盗みとってくるというミッションに挑む私たち『チームシャルラ』の物語なのです♪

 

 はじまりはじまり~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは今回のミッションについて確認をしましょう」

 

 

 闇に紛れて普段通い慣れた学院の廊下を歩く私たち『チームシャルラ』の四人。

 

 それぞれに忍シリーズの衣装を身に纏い、おまけとしてニンジャソードを腰に提げていたりします。

 

 雰囲気作りですね。

 

 

「目標である明日の期末テストの問題用紙は職員室のハリー先生の机の引き出しにあるそうです。

 警備員はクラーマさんが足止めしてくれているはずですから園間に職員室に忍び込みましょう」

 

 

「しっかしよー、テストの問題用紙が入ってるような引きだしっつーのは大抵鍵かかってんじゃねぇのか?

 開ける手段あんのか?」

 

 

「大丈夫よダイヤージ。それも事前にクラーマさんが合鍵を作っておいてくれたハリー先生の引き出しの鍵があるから問題ないわ」

 

 

 そう、今回のフィズ君にテストで赤点をとらせないようにしよう大作戦の影ではかなりクラーマさんが働いてくれているのです。

 

 クラーマさん頼み、というのはこういう頼み方のことです。

 

 あの人、私が頼んだら何でも言うこと聞いてくれますが、さすがにフィズ君に勉強を教えるのは無理そうですからね。

 

 それでまぁ、無事に職員室に辿りついたのはいいのですが……

 

 

「これは……」

 

 

 困りましたね、と続きの言葉を言いたかったのですが、それは飲み込みます。

 

 

「ハリー先生も馬鹿じゃねーってことだな」

 

 

「それにしてもこれは超展開だわ……」

 

 

「ハリー先生は僕みたいな生徒がテストでいい点とれないから今夜辺り試験問題を盗みに来るとでも思ったんですかね?」

 

 

 みんなも同じ意見のようです。

 

 だって普通こんなことになっていたら驚いちゃいますもん。

 

 私たちが来ることを予想していたかのような対策がなされているんですから。

 

 職員室のハリー先生の机の前で固まる私たち四人。

 

 誰にも見つからずに職員室に侵入し、引き出しを無事に開けたまでは良かったのですが中にはハリー先生の挑発的なメッセージが残されているだけで肝心の問題用紙はありませんでした。

 

 

「『テスト問題が盗みたければこの学院の地下ダンジョンに行くべし』……って、学園物であるこの作品でダンジョンRPGでもしろってことなんでしょうか。

 ハリー先生も用意がいいのか暇なのか」

 

 

「暇なんじゃないの?

 というかシャルラちゃんも含めた私らの班って問題行動多いし、テスト問題を盗みに入ることも当然のように予測されていたのかもしれないわね」

 

 

「まっ、ハリー先生も生徒の自主性を尊重って感じの人だしな。

 自主的に学院に忍び込んでテスト問題を盗むのは構わないけど楽して手に入れるってのは面白くねーとでも思ったんじゃね?

 つーか俺らに自主性があると見抜いてこんな策を用意するだなんて、どんだけ人を見る目があんだよ、あの先生」

 

 

「ほら、面倒ですし今日のところはもう帰りましょう。

 テストなんてどこ吹く風さ、ですよ」

 

 

 ハリー先生の行動(問題用紙を隠す行為)の理由ですが教育者として生徒が問題用紙を盗むようなやり方に反対なため……ってのはありえませんね。

 

 どう考えてもダイヤージ君の言うようにテスト問題を盗むのは若気の至りってことで認めてはいても面白くないのは若者の青春に良くないとでも思ったのでしょう。

 

 相変わらず間違った方向に熱血な人ですね。

 

 それとフィズ君は無視します。

 

 

「それじゃ地下ダンジョンに潜るしかありませんね。

 幸いにも学院の地図は用意して来てますし中庭にある、いかにもなダンジョンの入り口を潜って地下5階にあるというテストの問題用紙を手に入れましょう」

 

 

 ちなみに言っておきますが学院にあるダンジョンは『不思議のダンジョン』などではありません。

 

 この世界に入るたびに形の変わるダンジョンだなんてあるわけがないじゃないですか。

 

 普通に墓としても使われていたごく普通の地下五階のダンジョンが将来、書士隊員として働くであろう生徒たちの練習用として中庭に作られているのです。

 

 

「いや、墓ってだけで普通のダンジョンとは言えないんじゃないかな?

 シャルラちゃんはそういうの平気なの?」

 

 

「……ノレッジちゃん、もしかして怖いんですか?

 私は昔からお母さんに連れられて世界各地の遺跡やお墓も荒らしまわっていましたし、存在しないものに恐怖を感じることはありませんよ。

 そ・れ・と・も~、私に守ってほしいのですかにゃ?」

 

 

 くふ♪ ノレッジちゃんったら実は怖がりで甘えん坊で私に対する普段の百合行為も私が大好きであるだけでなく夜一人で寝るのが怖かったという理由があるのも私は知っていますよ。

 

 目を逸らし慌てて否定しようとしますが上手くいかないノレッジちゃんったら本当に可愛いですね♪

 

 こういう何気ない可愛い態度が私をさらなる百合の世界へと引き込んで行っているということに自覚はあるのでしょうか?

 

 

「私が実はSっ気があってお母さんたちと大自然で暮らしていた時はモンスターのお友達からは『Sっ子シャルちゃん』と言われていた過去があったりするのですがこれは、いじめちゃってもいいですよね?」

 

 

「……おい、シャルラ。なんか思考が駄々洩れになってっから一人ごとは控えた方がいいぞ」

 

 

「おっと、地の文のつもりでしたが、あまりにもノレッジちゃんが『お化け怖~い』ってな可愛いこと言うものですからついノリノリでいじめちゃいそうになりましたよ」

 

 

 ですがこれはもう事態はフィズ君のテストのみに収まりません。

 

 一刻も早く地下ダンジョンに潜りノレッジちゃんの実はお化けが怖い属性をいじめ抜いて遊んであげなければ!

 

 では次回! 『恐怖、地下ダンジョンへ行こうの巻』お楽しみに♪

 




 ダンジョン物も書いてみたい気もしますが、一つの作品のテーマとしては書きたくないのでこの作品内で書いちゃいますw

 他作品と被るのもそうですが、王道ストーリーはオリジナル要素が出しにくく、かつ活かしにくいですからね。

 フロムソフトウェアは本当に私にゲームの楽しさを教えてくれた素晴らしい超会社ですよ♪
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