走れなくなった馬がやがてその命を失うように、人も歩みを止めては生きられない。
彼らは新たな道を、新たな力を求め、ただ黙々と足跡を刻む。
鉄(くろがね)の器具は特殊な趣味嗜好を満たすために進化し、天を貫くがごとし貴い百合の精神は人の心にその花を咲かせ、身に纏う鎧は互いの体温をより感じられるようにと、脱ぎやすさに特化し、愛によって世界は満たされる。
…………。
「……という始まり方は斬新かもしれませんね♪」
「グッジョブ、シャルラちゃん♪
まさかPS2版『モンハンG』のプロローグをこうまで素敵に愉快に改編しちゃうだなんていいじゃないの♪」
「いや、あえて突っ込ませてもらうとよー、この物語はドンドルマの街を拠点に展開されていってんのに何でオンライン上の拠点がミナガルデの街の『モンハンG』のプロローグから初めてんだよ?」
「いやいやいや、ダイヤージこそ、ツッコム所そこかい!?
僕としてはこの世界にこれ以上百合が広まっては僕に、なびく女性が減ってしまうというところに問題があるんだけど!!」
……はい、いつも通りにハートバクバク、元気ガンガンのシャルラ・アーサーです。
ダイヤージ君やフィズ君のツッコミはどちらも的外れなのでスルーしちゃってください。
読者の皆様が感じているであろう違和感について私が説明しますと、作者が一番遊んだ据え置き機のモンハンが『モンスターハンターG(PS2版)』なのでこういう始まり方にしちゃいました♪
ついでに補足しておきますと、この世界には『Ⅹ(エクス)・セーシャ&トーリップ・イサイオンジ』という謎の二人組が『プレイステーション2』というゲーム機をこの世界に広めたために、世界各地でこのゲームが今ブームなのですよ。
このドンドルマの街にも電信柱という電気を各家庭に提供するためのものが立てられ始めていますし、最近発展が目覚ましいんですよね。
まっ、そんな本編に関係ないことは放っといて第50話のはじまりはじまり~♪
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「今更すぎるけど今更な問題に気づきました……」
学院中庭の地下ダンジョンに潜って期末テストの問題用紙を手に入れた私たちは、エレベーターで地上まで一気に帰還し、それではテストの問題を解いて明日のテストに備えましょうか、と話していた時にフィズ君がそう言いました。
「問題用紙は確かに手に入れました。
その問題もシャルラさん、ノレッジさん、ダイヤージの三人が揃えば難なく解けるのでしょう。
ですが、解いた問題を僕が覚えきることが出来るかどうかが問題なのですっ!」
あー、そう言えばフィズ君は馬鹿なんでしたっけね。
当たり前すぎてうっかり失念していましたが問題を解いて答えを事前に教えても覚えられないくらいに馬鹿なんですよね。
「……俺も気づかなかったが、そりゃマジでヤバいんじゃねぇのか?
よく考えりゃ最終的にはフィズが覚えてくんねーと意味ねーじゃねぇか」
「うーん、とりあえず答えが分かれば最小サイズのカンぺなら作れますけど……」
ハリー先生がカンぺを見逃すようなミスをするとは思えませんので、カンぺの大きさに関係なく論外な策ですね。
どうしましょう? 私の明晰な頭脳で考えて……、方法は一つあります。
「それじゃ手に入れた問題用紙ではなく、回答用紙の方を使いましょう。
明日のテストではカーボン紙を使って私が二人分問題を解けばフィズ君もいい点がとれるはずです」
そもそもフィズ君が馬鹿なのを理由に落第するのを防げればいいんですし、真面目に勉強を教える必要はないんですよね。
なので今日は四人それぞれに別れて寮に戻り、明日のテストのためにしっかりと睡眠をとります。
……ノレッジちゃんの誘いは別腹ですが♪
……
…………
………………
そして翌朝。
「私としたことがうっかりしてました……」
朝、目を覚ました私はベッドから体を起こして枕もとを見てみるとそこにはグシャグシャに破れた昨日とってきたテストの回答用紙が。
えーと、ちょっと待ってください。
今思いだしますので……。
「昨夜はみんなと別れて、ノレッジちゃんと一緒のベッドで寝て、それから……それから……。
あ! そういえば昨夜はノレッジちゃんがティッシュがないからって代わりに使ったんでしたっけ」
何に使ったのかは言いません。
しかし使ったのはともかく、それでもベッドのシーツにシミが出来てしまうだなんて家政婦アイルーさん達には迷惑掛けちゃいますね。
「うわぁ~、どうしましょう。
これ濡れたどころか、ところどころ破けちゃってますし今日のテストの細工には使えませんね。
うん、でも、美味し♪」
指をつけるとまだ濡れたまま糸を引いていたので舐めとります。
ノレッジちゃんの味がしますね♪
しばし打開策を考えているとその内にノレッジちゃんも起き出し、
「あーあ、シャルラちゃんが濡れやすい体質だからこんなことになっちゃうなんて、災難よね~」
「何言ってるんですか。
私が人一倍濡れやすいのではなく、ノレッジちゃんの技が古龍とのハーフである私を屈伏させるほどのものだったからですよ。
それとこのテスト用紙を濡らしたのはノレッジちゃんじゃないですか」
「そうよね。私ってば段々百合としての技能が上がってきちゃってるし、もう流し眼とか使うだけで対外の女の子を濡らす位は出来るのよね~」
「そこまでとは思いませんでしたが流石ですね……」
テスト用紙を破いたことについては責任逃れですか。まぁいいんですけどね。
最近ノレッジちゃんの腕が上がったことでティッシュの消費量も増えていたから買い置きがちょうど切れてたんですよ。
でもそんなときに限って我慢できないほどの体の疼きを感じちゃうだなんてねぇ~。
まぁ、こうなってしまったものは仕方がないと諦めましょう。
いい加減にしないと私だけでは我慢が出来なくなったノレッジちゃんがクラスの他の子にまで手を出しかねないですからね。
ノレッジちゃんは私のものです!
「さて、とりあえず打開策が見つかりました。
フィズ君には実力でテストを受けてもらうことにしましょう。
それこそが正しい行いであり、本来あるべき姿なんですし」
そう、私たちは学生。
学生ならテストでいい点を取るために勉強会を開いたり学院に忍び込んでテスト問題を盗み出したりするのは当然!
ですが結局最後に問題を解決するのは自身の実力のみ。
「よくよく考えたら、私たちがフィズ君の面倒をそこまで見る必要はないんですよね」
大体フィズ君ってばキャラ薄いくせに出しゃばって、このまま空気みたいにいなくならないかなぁ~とか考えちゃったりします。
まぁ、それは冗談ですが。
いなくなるなら、きちんとした理由がないとスッキリ出来ませんし。
「それじゃ私たちも、これからもう一度しちゃう?」
「しちゃいましょう!」
こうして『フィズ君の赤点を防ごう作戦』は失敗に終わり、フィズ君は今日のテストも見事に0点を取ったそうです。
私とノレッジちゃんも朝から羽目を外してしまったために遅刻、もとい無断欠席をしてしまいましたので再試験を受ける羽目にはなりましたが。
ノレッジちゃんったら、その腕前はすでに神の領域で、失神ものなんですよね。
神だけに。
一応、お昼くらいに再び目が覚めましたが、わざわざ100点満点をとれて当たり前のテストを受けに行くのもばからしいと思って、あえて、試験を受けに行かずに一日ベッドで過ごしたんですし後悔はありません。
後日再試験で満点を取りましたがフィズ君は結局、全科目0点という、かつてない大記録を達成し、学院の歴史に名を残すとともに、それから暫く放課後をずっと補習に費やしましたとさ。
めでたしめでたし♪
いやぁ、本当にモンハンの世界に主人公のシャルラ達とは全く関係ない、異世界トリップやチート転生者を出して、プレステ2にゲームのモンハンまで広めちゃいましたw
それにしても電気袋とかってどうやって電気を出しているんでしょうね?
振動とか、少しの電力をもとにして、増幅して無限に電気を増やす仕掛けでもあるのかも。
なら半永久的に使えるから電柱や発電施設は必要ない気もしますけど、そこは日本人として電柱のない風景が寂しく思えるのですよw
ちなみに今回出た名前だけの新キャラは最終話のあとのキャラ設定にて詳しく語る予定です。