しょしたい!   作:ヨイヤサ・リングマスター

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第51話:みんなのシャルラ

 

 

 ロンside

 

 

 ギルドナイトのラスコー指揮官が逮捕され、総崩れになって大分時間はかかったが、なんとか私の派閥の人間をまとめることは出来た。

 

 その数は大きく減ってしまったのだがな。

 

 さすがに表立って私に逆らう者はまだシャルラ派にもいないが、それも時間の問題だろう。

 

 日和見主義だったどっちつかずの者はシャルラ派に付き、その室だけでなく、数ですら私の派閥に迫る勢いを見せている。

 

 私の地位を支えていたのは何と言ってもギルドナイトという死の恐怖を与えることのできる暴力的手段を私が有していたからに他ならない。

 

 その手段を失ってしまったのならば次の手を考える必要がある。

 

 しかし『ギルドナイト』以外となると大長老直属の『ガーディアン』ということになるが、さすがに大長老の手の者を味方につけるのは難しいと言わざるを得ない。

 

 あの大長老、自然と人間の共存という目的を持って行動しているだけあって、シャルラ・アーサーよりも面倒な相手だ。

 

 むしろシャルラ・アーサーを応援しているような節さえある。

 

 だが……私が大長老を追い詰め、その地位を得ることは敵わずとも、権力の一部を奪い取ることが出来ればどうだ?

 

 シャルラ派の者を一掃するためにもさらなる権力を手に入れなければならないのだ。

 

 ここらで少しばかり無理をしていく必要がある。

 

 残った私の手の者では腹心であるジェリーくらいしかいないが、まだ何とか立て直せるはずだ。

 

 書士隊長はこの私、ギュスターブ・ロンなのだからな!

 

 

 

 

 

 

 

 シャルラside

 

 

 む、何やら現・書士隊長が何かしてきそうな雰囲気ですね。

 

 

「シャルラちゃんどうかしたの?」

 

 

「いえいえ、何でもないですよ。

 それよりも、今日のお昼ご飯を何にするかが今の最大の問題だと思うのですよ」

 

 

 いつも通りの変わらぬ日常のありがたさを感じ、窓際から差し込む明るい光に眠気を誘われながらも空腹が勝っているために居眠りをしていないという昼休みの前の授業の最中。

 

 ハリー先生は相変わらず暑苦しい授業を熱心にやっていますので、一応言っていることを一字一句漏らさず頭に入れといてあげてます。

 

 私ってばテストで満点を取らなければ文句言われるくらいに授業態度の評価は悪いですからね。

 

 

「うーん、平和ですね~……」

 

 

 ここ最近はギルドナイトの総崩れでロン派との、いざこざもありませんし、平和な日常が続いています。

 

 すでにギルドナイトは新指揮官のルナさんの頑張りによって立て直しに成功し(後からご褒美をねだられましたが)、私の手足として、日々のロン派の情報収集もだいぶ楽になってきました。

 

 しばらくは向こうも行動に移せないでしょうから私の方から動いてもいいんですが、正直面倒くさいんですよね。

 

 今日のお昼ご飯も何を食べるかまだ決めていませんし。

 

 

「そういえば今日の学食の日替わりメニューはなんでしたっけ?」

 

 

「今日の日替わりメニューは黄金芋酒と幻獣チーズね。

 人によっては毎日頼む人もいるみたいだけど、私はお酒の美味しさはまだ分からないわ」

 

 

 ノレッジちゃんはお酒に弱いみたいです。

 

 この世界では15歳ともなれば自己責任でお酒を飲むのは問題ないのですが、私もお酒はまだ美味しく感じないので飲むつもりはありません。

 

 と言いますか、学院の日替わりメニューにお酒を入れる辺り食堂のシェフは随分と酒飲みなんですね。

 

 ならば他のメニューにするか学院の外に食べに行くかですが……。

 

 そうだ♪

 

 

「……ノレッジちゃん。私少し用事ができましたので今日のお昼は一人で食べてください。

 少し出かけてきますので」

 

 

「え? 私との食事嫌になっちゃったの!?」

 

 

「いえ、そういう訳ではありませんが……」

 

 

「二人で築いてきた関係を一人で一方的に終わらせるって言うの!?」

 

 

「いえ、違いますってば。

 ただ少し、面白いことを思いついたので、たまには私から手を打つのも悪くないと思いましてね。

 今後の憂いを晴らすためにも今から行動しておくと、より面白いことになりそうな問題があるのですよ」

 

 

 自分から手を出すのは面倒、という前言はノリで撤回です。

 

 今回は最終章ということですし私の方から行動しちゃいましょう。

 

 

「シャルラちゃんノリわる~い、もう少しギャグっぽい展開に付き合ってくれてもいいのに。

 でも分かったわ。

 その代わり、明日のお昼は一緒に食べること!

 いいわね?」

 

 

「勿論ですよ。

 何を置いても私はノレッジちゃんの一番のお友達(恋人)なんですから」

 

 

「うん、よろしい。

 明日の口移しでのお昼ご飯を楽しみにしているわね♪

 私の大切なお友達(恋人)のシャルラちゃん♪」

 

 

 食べさせあうのは友人同士として当然のこと。

 

 ならば私たちはその上を行くために口移しでの食事というのも当然!

 

 そして授業に戻りますがその前に一言。

 

 

「それと一つ言っておきますと、私がノレッジちゃんと付き合うのは普段からのことですが、……本気で一緒になりたいときはベッドにいる時だけですのでその時には甘えさせてくださいね♪」

 

 

 少しばかりデレのサービスを。

 

 

「さすがはシャルラちゃん!

 私の扱いを実に心得ちゃってるんだからぁ~♪

 もうシャルラちゃんから離れられないよぉ~う♪♪♪」

 

 

 私のノリは夜に発揮されます。また今夜も楽しみですね♪

 

 

 その後、授業を終えた私はすぐにある場所へと向かう。

 

 途中、受付で手作りのお弁当を持ってきていたサイリちゃんに一緒に食べないかと誘われましたがそれも断ります。

 

 正直クラーマさんと一緒にサイリちゃんの手作り弁当を食べたい気持ちもありますが今はまだ我慢です。

 

 本当に残念ですが、これからの行動をしておくと、もっと楽しい時間が得られるのですよ……。

 

 

 そして私を惑わすサイリちゃんの誘惑を断ち切るために少し早足で私は歩き続け、ある部屋の前で止まる。

 

 

コンコン

 

「……はい」

 

 

 部屋の戸をノックすると少しして返事がありました。

 

 何処かへ出かけられていては探すのが大変でしたのでこの部屋で見つかってよかったです。

 

 

「失礼します。学院生徒、シャルラ・アーサーと申します。

 少しお話があるのですがお時間よろしいでしょうか」

 

 

 戸を開けて中の人物にまずは自分から名乗る。

 

 部屋の主は、私の名前に多少身構えたような動作を取りながらも部屋の中に入れてくれました。

 

 

「では少し話をしましょう。

 そんなに身構えなくとも大丈夫ですよ。

 ロン派の幹部、ジェリー・クロムアーマーさん」

 

 

 彼女、ジェリーさんとは一度お話をしておきたかったのですよ。

 

 さぁ、そろそろ物語の最終話に向けて話を進めていきましょう。

 

 今回は私が攻勢に回る番ですからね。

 

 ギュスターブ・ロン氏からは全てを奪わなくては気が済みません。

 

 まずはあの人の腹心から頂きましょう。

 

 狂わせてもらいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ノレッジside

 

 

 シャルラちゃんにはシャルラちゃんの事情があるし、それを無視してまで引き留めるのは私には出来ない。

 

 だから面倒くさがりの(そこが可愛いんだけど♪)シャルラちゃんが、今後のために自分から何か行動を起こすと言うのなら、黙って応援するのが私の友達(恋人)としての役目!

 

 シャルラちゃんは本当にピンチの時に人を頼れないほど、子どもじゃないし、いざとなれば頼ってくれる。

 

 だから私は安心して、シャルラちゃんが笑顔で体を任せてくれる場所を守り続けるだけなのよ。

 

 

「と、考えながら常に持ち歩いているシャルラちゃんの昨日履いて脱衣籠に入れてあったパンツの匂いでも嗅いで寂しさを我慢するか」

 

 

 今私がいるのは教室の自分の席。

 

 シャルラちゃんは授業が終わってすぐに教室から出て行ってしまったから、その寂しさを紛らわせるために彼女のパンツを嗅いでいただけ。

 

 ええ、そうよ。寂しいものは寂しいんだから。

 

 だってシャルラちゃんったら何でも一人で解決しちゃうんだもの。

 

 もう、ロン書士隊長も少しくらいシャルラちゃんをピンチにしてみなさいよ!!

 

 本当に敵が弱すぎるってのも考えものね。

 

 そう思いつつも手に握るシャルラちゃんのパンツは決して離さない。

 

 あぁ~、これ本当にいい香りだわ♪

 

 このままずっとシャルラちゃんのパンツをくんかくんかしているだけの話で締めてもいいけど、それだけでは終われない。

 

 ここで教室に私を探しに来る可愛らしい幼女の姿を発見したのだから。

 

 

「あ、ノレッジお姉様。

 会いたかったですぅ~♪」

 

 

 もうお昼ごはんの代わりに昼休みの間ずっとシャルラちゃんのパンツ嗅いでおこうかと思っていたら、突然私の妹的存在のサイリちゃんが現れた。

 

 抱きつきのおまけ付きで。

 

 ぷにぷにの幼子特有の柔らかさと暖かさが、じゅくじゅくじゅるじゅると、私の欲望を刺激するけどまだ駄目よ私!

 

 さすがにクラスの他の女子はすでに関係を持っているから平気だけど、男子にまでサイリちゃんの裸を見せるわけにはいかないからね。

 

 

「どうしたのサイリちゃん。

 てか君は学院の生徒じゃないのにどうやって入ったのかな?」

 

 

「この学院の受付はクラーマお義母さんですので侵入に関しては無問題です。

 ほら、この腕章をしていれば学院内どこを歩いても咎められないと言われてますし」

 

 

 見ればサイリちゃんの腕には『学院受付クラーマ・ネーデシュアーレの許可証』と書かれているじゃないの。

 

 本当にこんな腕章一つで学院関係者以外は超一流のハンター位しか入れない王立の学術院の中を闊歩出来るんだからクラーマさんの権力って凄いものがあるわよね。

 

 

「それでお姉様。お昼ごはんですがもう食べちゃいましたか?」

 

 

「う~ん、食べたというよりは『嗅いだ』、かな?

 ほら、シャルラちゃんの昨日履いてたパンツで今日のお昼は済まそうかと思ってたのよ」

 

 

「うわ~♪ 本当にシャルラお姉様のパンツだぁ~♪

 あたしも嗅いでいい!?」

 

 

「いいわよ。存分に楽しんじゃって♪」

 

 

 幸せそうな顔で私の手からシャルラちゃんのパンツを受け取るサイリちゃん。

 

 ついでに私が今履いているパンツも脱いで渡してあげたら天にも昇らん勢いで嗅いじゃってる。

 

 本当に可愛いわね~、この子♪

 

 

「っと、そうでした。

 あたしとしたことが使命を忘れるとは不覚」

 

 

「お昼ごはんだっけ?

 サイリちゃんが作ったお弁当なら是非とも食べたいわね」

 

 

 実は今回の物語の冒頭から、私は読者視点で読んでいたので、サイリちゃんの手作りお弁当のくだりも知ってたりするわよ。

 

 やっぱ可愛い子の手作りお弁当は食べないわけにはいかないでしょ。

 

 

「あぁ~、でもあたしはお姉様達のパンツがあればもう満足です。

 このまま永遠に、こうしていたいです~♪」

 

 

 うっとりしちゃってまぁ。

 

 この子、本当に一流の百合を極める素質ああるわね。

 

 今夜にでも私たちの夜の集まりに混ぜてあげてもいいかも♪

 

 

「……とりあえずお弁当食べましょうか♪」

 

 

 夜のことを考えるのもいいけど今はお昼ごはんを考えましょう。

 

 いざ、サイリちゃんの手作りお弁当を食べに!

 




 久し振りのノレッジside。こういう話を書くと、自分が抑えにくいからか、単語や描写に気を使うだけで精一杯なので文字数がけっこう増えてしまうんですよねぇ~w

 最終話付近は私らしさが溢れすぎの気もしますが、それはいつものことなので流しましょう。

 本筋であるロン派の幹部、ジェリーとシャルラの接触については次話で纏めてあります。
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