暖かい目でご覧ください。
全国大会決勝戦……
東幻学園VS夢想学園
これまでの道のりは苦しかった。
だけど、監督が此処まで導いてくれた。
今度は俺達が、優勝トロフィーまで、導く番だ!
物心ついた時には、僕に親なんて居なかった。
名前も無かった。
ただ、路地裏でゴミの中に埋もれていた。
時々通る子供が僕を見て大笑いしたり、時には石を投げつけてきた事もあった。
僕は、そんな毎日だった。
腹が減っては食料を盗んだりと……
そこへ、女がやって来てこう言った。
「家に来なさい」
……と。
そして、連れてこられたのは、大きな和風の屋敷だった。
周りは、全てビルばかりなのに、此処だけ……
「あ、あの……」
「? なにかしら?」
「何で此処だけ屋敷何ですか?」
僕は、疑問に思った事を言う。
「私たちは、昭和からずっとこうなの……前は、ここら辺もビル何て、無かったのよ?」
「……」
「あ、私の名前は八雲紫。貴方は?」
「名前……無い」
「名前無いの? じゃあ私が付けてあげるわ」
紫さんは、口に手を当てて考え込んでいる。
「龍牙……何て、どうかしら?」
「龍牙……これが良いです! ありがとうございます! 紫さん!」
そう言うと、紫さんは、クスクス笑い、
「紫さんはいらないわよ?」
「じゃ、じゃあ紫様!」
そう言うと、また紫様はクスクス笑い、
「それで良いわ」
そう言うと紫様は、屋敷の中へと入っていった。
僕も慌てて中に入る。
「お帰りなさい。紫様」
「ただいま、藍」
藍と呼ばれた女は、ペコリとお辞儀し俺を見る。
「彼は?」
「龍牙よ。新たな私達の家族よ」
「あ、あの……宜しくお願いします! 藍様!」
藍様は僕に近付くと、じ~っと、見つめてくる。
「赤くて綺麗な髪だ……」
「あ、ありがとうございます!」
「しかし、ゴミが付いてて汚いな……龍牙、体を洗おうか」
其処に紫様が割り込む。
「其れは私がやるわ! 藍は昼食の支度をしなさい!」
「……分かりました」
藍様は、トボトボ歩いて行ってしまった。
「さ、行きましょうか?」
「は、はい!」
僕は先に進む、紫様についていく。
少し廊下を進み、左側にある襖を開いて中に入っていく。
「服を脱ぎましょうか」
紫様は、僕の服を脱がすと、先に風呂場に入っていった。
僕も後に続き、風呂場に入る。
勿論、紫様は、服を脱がずに。
~少年シャワー中~
「綺麗になったわ、見なさい! この美しい赤髪を!」
紫様は、僕の頭を撫でながら言う。
藍様は、見とれているのか、僕を見てボーッ、としている。
「藍様? どうかしたんですか?」
「あ、な、何でもない」
藍様は、慌てて御飯を食べ始める。
と、この様な事があったが俺は今、東幻学園の高校一年生。
変わったことは特に無い。
強いて言えば、一人称が僕から俺に変わった事だ。
何故って? カッコいいから。
もうひとつは……
「龍牙~、ヤりましょう?」
と、高校一年生になったのを境に、紫様と……
「龍牙、我慢出来ないのだ……」
藍様が変態に成ってきた事だ。
「嫌です」
俺はその場から逃げるように学校に向かった。