東幻学園サッカー部
やはり登校時は少し寂しさを感じる。
……と、中学生の時は感じていた。
今は、全然寂しさを感じない。
何故なら……
「御早うなんだぜ! 龍牙!」
こいつがいるからだ。
こいつは霧雨魔理沙。
高校に通ってから、部活が同じで知り合った。
「御早う、龍兄」
こいつは博麗霊夢。
俺とは、幼馴染みで龍兄と呼ばれているが、兄弟でもないし、年上という訳でもない。
本人によると、私を龍兄の妹の様に可愛がってくれたから、だそうだ。
「御早う、龍牙」
こいつは、アリス・マーガトロイド。
外国人の様な名前をしているが日本人だ。
因みに三人共、サッカー部だ。
「そう言えば、今日はテストだったな……ちゃんとテスト勉やったか?」
俺は、チラッと魔理沙を見る。
魔理沙は胸を張り、
「大丈夫なんだぜ! しっかりやって来たんだぜ!」
自信満々じゃないか……
相当、やる気みたいだな……
「龍牙こそ、テスト勉やったのか~?」
魔理沙はチラッと俺を見る。
其処に霊夢が割り込み、
「龍兄は必要無いじゃない。授業いつもいつもサボってる癖に、テスト毎回毎回百点よ?」
「うぐっ!……でも、今日は高得点の自信あるんだぜ! 何なら何か賭けてあげても良いんだぜ?」
「もし、高得点じゃなかったら、キャプテンに言ってレギュラーから外してもらうぜ?」
魔理沙は自慢気にまた、胸を張り、
「其れで良いんだぜ!」
ほう……
クク、レギュラー外された時の魔理沙の顔が楽しみだ。
「龍兄、何笑ってるの?」
「いや? 何でもない」
と、そんなやりとりをしてる間に校門に着いた。
校門を過ぎて、入り口に入る。
靴を靴箱の中に入れる。
上履きを履き、教室に向かう。
俺の教室は、1-A。
一年生の教室は、三階にあるので階段を上っていく。
「はぁ~、一年生の教室一階にしてほしいんだぜ……」
魔理沙が、溜め息をついて文句を言う。
「あら? 御早う御座います。龍牙」
「御早う御座います、キャプテン」
この人こそ、東幻学園サッカー部キャプテン、四季映姫だ。
高校二年生だけど、三年生がいないので任されている。
まあ、統率力あるし、キャプテンとしては申し分の無い実力者だ。
因みに、東幻学園は毎年全国へいく程の、強豪チームだ。
紫様も、前は此処に通っていて、サッカー日本代表に選ばれる程強かったらしい。
「あ、そうだ」
魔理沙の事を言わなきゃ……
「キャプテン、魔理沙がもし今日のテスト高得点じゃなかったら、レギュラー外してもらって構わないそうです」
「いい度胸してるじゃないですか……分かりました。では」
キャプテンは、自分の教室に入っていく。
「「「「……」」」」
無言タイムが続く。
誰か何か言えよ……
魔理沙とか魔理沙とか魔理沙とか
「そ、そう言えば龍牙! 一次トーナメント、初戦何処だ!?」
其れを察したかの様に、魔理沙が話し掛けてくる。
「鯉城学園だ」
「鯉城学園? 前、練習試合で5対0で負かした相手じゃない」
霊夢も、口を開く。
「でも、油断は禁物よ?」
アリスも口を開く。
と、三階に着いた。
俺達四人組は見事に、クラスが同じで班も同じだ。
俺は、1-Aの教室に入り、
「御早う!」
挨拶する。
「御早う! 龍牙!」
こいつは、伊吹萃香。
サッカー部で、GKをやっている。
運動神経が良く、セービングに優れている。
「で? 一回戦の相手は何処だい?」
「お前の期待してる様な相手じゃない。鯉城学園だ」
「ふ~ん」
つまらなそうだな……
萃香の奴。
確かに鯉城学園相手だと、萃香の出番は無いに等しい。
因みに、俺達は全員レギュラーだ。
霊夢と、俺はFW。
魔理沙とキャプテンは、MF。
アリスはDF。
「ま、FWさんは楽しそうで良いね~」
「ごもっとも」
俺は席に座る。
鞄を、机の横に掛ける。
霊夢達も、どうやら鞄を置いたらしく此方に集まってくる。
「龍兄、鯉城学園ってどいう所だっけ? 」
霊夢が俺に、聞いてくる。
「守備には、少し評判がある。でも、其処まで強くはないな」
急に扉が開く。
「御早う。HRを始めよう」
霊夢達は、自分の席に着く。
扉を開けて入ってきたのは、藍様。
藍様は東幻学園で、教師をやっている。
紫様は、理事長だ。
「さあ、始めよう」
少年少女HR中~
「これで、HRを終了する。龍牙、弁当だ」
藍様は、俺の机の上に弁当を置いて、教室を出ていく。
が、扉の前で止まり、
「龍牙、もし今日も授業サボったら……犯すからな?」
「は、はいいいっ!?」
駄目だ……
今日、授業サボれねぇ……
「ドンマイだぜ! 龍牙!」
魔理沙がニヤケながら言う。
正直ウザイ。
「其れでは授業を始めますよ」
扉を開けて入ってきたのは、聖白蓮。
サッカー日本代表、MF。
今は、古典の教師だ。
「では早速問題です」
早速過ぎるよ?
「鳴かぬなら○○○○○○○ホトトギス。全部言ってくださいね?」
常識問題、魔理沙に任せよう。
俺はチラッと魔理沙を見る。
何か変な汗掻いてる!?
まさか分からないとかじゃないよな?
小学生レベルの問題だぞ?
「鳴かぬなら! 鳴かせてみよう! ホトトギス!」
あれ?
分かるじゃんか?
俺も言おっと。
「鳴かぬなら、殺してしまえ、ホトトギス 」
織田信長の俳句を言う。
「鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ホトトギス」
最後に霊夢。
徳川家康。
「正解! 茶番は此れ位にして、授業を始めますよ!」
放課後。
「授業終わった! 練習行こうぜ!」
「張り切ってるね。龍兄」
俺は部室に向かう。
「次は一次トーナメントだからな! 気合い入れなきゃ!」
俺は階段を走って下る。
霊夢達も後から付いてくる。
一階に着いて、学校を出る。
校庭の左隅にある、少し高級な雰囲気の建物がサッカー部室だ。
俺はサッカー部室のドアを勢いよく開く。
バンッ!!
「チャース♪」
「易しく開けて下さい、龍牙」
「すみません、キャプテン」
勢いよくドアを開けた事を指摘してくるキャプテンに、一言謝って、自分の更衣室に行く。
実は、このサッカー部……
俺以外、全員女だ。
紫様の時代もそうだったそうだ。
ただ、男がいなかった……
其れだけ。
まず、制服を脱ぎ、練習着に着替える。
制服はハンガーに掛けて、ロッカーの中に掛けておく。
此処の更衣室は、裏口があるので、其処から出てグラウンドに行く。
グラウンドでは、一人で人足先にグラウンドを走っているキャプテンがいた。
俺はキャプテンに近付き、
「張り切ってるスね」
キャプテンは走るのをを一度止め、
「ええ、もうすぐ一次トーナメントが始まるので。今年こそ、全国制覇したいんですよ」
去年は決勝までいったらしいが、惜しくも負けたらしい。
「そっスね」
キャプテンがグラウンドを走るので、俺もキャプテンの横に並び一緒に走る。
いつも、練習をする前にグラウンドを十周走る。
体力作りの為だ。
「あ、そう言えば、一回戦の相手は、鯉城学園です」
「鯉城学園……負けることは無いと思いますが、油断は禁物ですね……」
「其れは皆、分かってますよ」
丁度、一周走り終えた頃に、皆来た。
「あやややや! 私達も速く走らなければ!」
こいつは、射命丸文。
ポジションは、MFの右サイドで、学園一の俊足の持ち主。
新聞部兼サッカー部をやっている。
「いっきま~す!」
そう言うと文は、走り始めた。
「文の奴、張り切ってるんだぜ♪」
魔理沙達も来て、走り始める。
俺も其れに続き、走る。
後ろからは、キャプテンも付いてくる。
余りにもスピードが遅いので、合わせるのも面倒くさくなってきた。
いつものペースで走ろう。
「龍牙」
そのスピードにアリスが追い付いてきて、
「練習が終わった後、少し話があるの。校舎裏に来てね?」
そう言って、魔理沙達の方へと戻っていく。
「校舎裏……ねぇ……」
少年少女体力作り中~
「あ~、終わった。さっさと紅白戦やりましょうよ?」
俺は水筒の水を飲み、キャプテンに言う。
「ええ、其れでは皆、マーカーを持ってきてください!」
其れに魔理沙がマーカーを取りに行く。
少しして、魔理沙がマーカーを長方形になるように置いていく。
「其れでは始めましょう。レギュラー組は、赤のビブスを来てください」
「必殺技は?」
「禁止です」
俺は、キャプテンに赤いビブスを渡される。
皆、自分のポジションに着く。
先ずは、ベンチ組のスタートだ。
「始め!」
キャプテンの掛け声と同時に始まる。
FWが右サイドにパスを出す。
勿論、俺は読んでいたので、パスカットする。
そのまま、中にいる霊夢に折り返す。
「ナイスカット龍兄」
俺のパスをトラップし、霊夢は言う。
俺は、ギリギリオフサイドラインの位置に、いつでも飛び出せる様に構える。
「文!」
霊夢は、右サイドをかけ上がっていた文にパスを出す。
「ナイスパス!」
文は其れを綺麗にトラップし、グラウンドを深くえぐっていく。
俺は、ペナルティエリアに入る。
「龍牙さん!」
文は、センタリングしてくる。
しかし、高い。
「すみません! 龍牙さん!」
「大丈夫だ!」
俺は思いっきり踏み込み、ジャンプする。
「オーバーヘッドキックだぁ!!」
頭が地面を向いた体勢になるが、俺はそのままボールを蹴る。
ドサッ!!
俺は地面に倒れ込むが、すぐ立ち上がる。
「ナイッシューだぜ! 龍牙!」
魔理沙が拍手をしてくる。
……紫様と出会えて良かった。
俺は此処で、皆と楽しくサッカーをやっている!