がっこうぐらし・らいじんぐ!   作:サボり王 ニート

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お待たせしました。ようやく投稿です。
あと、みーくんは貰っていきます。


CASE FINAL Graduate

カッカッカッと黒板に刻まれ、磨り減っていくチョーク。

白赤黄色の粉が、パラパラと黒板受けに落ちていく。

その光景をフランクは静かにカメラを構え、そして収めた。

 

「ちょっと違うかな?」

「先輩。字が下手ですって、それよりも卒業式くらい漢字で書いてください!」

「ご、ごめん……」

「そもそも何で書いたんだ?まだやることたくさんやる事あるだろ」

「卒業証書とか卒業旅行の準備もまだ終わってないでしょ?」

「え?じゃ何で書いたの?」

「りーさんの話を聞いてお前が勝手に始めたんだろ!?」

 

くるみの厳しいツッコミがゆきに入るも、普段と大して変わらず和気藹々と卒業式の準備を始める生活部。

そんな少女達をフランクは些細なことでも、フィルムが許す限りその姿を納めていく。

 

「うーんGood」

 

少女達には聞こえない程度の小声を添えて。

唐突に生活部やフランクが卒業式を始めたのか。

それは先日の出来事が起因している。

今まで生活部を支えていた設備が火事や爆発、その他様々な理由が加わり全てが壊れてしまった。

修理をしようにも生憎学校には修理する材料がない。備蓄された水と食料はともかく、電気は数日持つかどうかといった具合だ。

新たな拠点を探したほうが懸命、いやそうせざる終えないのだ。

 

――――――――――――

 

数日前。ヘリが墜落した翌日の朝のことである。

 

「どうしよう」

「どうしようもこうも、どうしようもないな」

 

ガムテープと工具でバッテリーの修復をフランクは試みたが、何故か生まれたのは微妙に電気が帯びた電気くまで。

元から無理とは理解していたものの、改めて現実を突きつけられ、フランクは匙ならぬガムテープを投げた。

 

「あーあ。家計簿必要はもういらないわね」

「そうだな。ひとまず別の場所に行くしかないのは確かだ」

 

直らないならば別の物として使い道を見つけてみる。

フランクは工具片手に発電機を解体。

使えそうな物と使えなさそうな物を分別して、爆発の熱でドロドロに溶けた何かはゆきから譲り受けたゴミ袋に放り投げる。

今日の生活部の活動は大掃除。

普段から割りとずぼらなフランクは掃除には乗る気ではなかったが、来たときよりも美しくと熱弁するゆきに押され、適度にサボりながら掃除に協力していた。

その為、運動部に所属していて基礎体力がしっかりとしているくるみはまだしも、ごく一般的な女子が持つだろう身体能力しかない生徒が大半の生活部。

さらに、ある程度減ったとはいえゾンビがいるかも知れない中で、本来は数人で持ち運ぶ机でも軽々と持ち運べる怪力の持ち主であるフランクの働きあってか、黒く汚れた瓦礫と化した壁や窓ガラスの破片は纏められ。

脚が捻じ曲がったまま散乱した机はある程度は整頓され、生活部の面々がかつての日常をふと、思い浮かべる程度には綺麗になった。

そんな大雑把に掃除が終わった後。

一人呟くように、屋上の燃え尽きた畑を、眺めるゆうりと付近で解体を続けるフランク。

 

「さてどうするか」

 

今日にでも訪れる学園生活の終わり。

そして待ち受ける死に満ちた外の世界。

フランクは取材という明確な目標がある。

 

「今さらながらこういった大事なことは全員いる場で意見交換したらどうだ?リーサンはもう少し、あいつらを頼るべきだ」

「そんなことないわ……私はいつも頼っているわよ」

「OK。それじゃ、誰にでも良いから少しは我侭の一つでもいったらどうだ?きっとすっきりする」

「それじゃ……そうね……卒業式がしたいわ」

「ん?」

 

フランクは気の抜けた声を上げた。

何か旨いものを食べたい。そんな少しばかりフランクが遠出すれば出来るような願いかと思っていたらまったく別だったからだ。

 

――――――――――――

 

節約すれば最低でも一週間は持つであろう飲料水や食料。

それらを生活部の部室に一度集めた後、一つ一つ品質に問題がないかを確認し、新しいゆうりの家計簿にその存在を刻まれた後。

ダンボールに入ったそれらを、あまり大きな車ではないので、無理やり詰め込むようにめぐねぇの車に入れていく。

 

「おらぁ入れ入れー!」

「くるみ!そんな乱暴に扱わない!」

「大丈夫だってりーさん。ダンボールは結構丈…あ……」

 

多少のアクシデントがありながら。

いつも通り、愉快に、楽しく、仲良く。

そして、くるみがゆうりに説教を受けたのは言うまでもない。

 

「フランクさーん!」

「ん?」

「いいものを見つけました!」

 

そんな最中、昼間だからだろうか。未だにグラウンドにぽつぽつといる制服姿のゾンビ相手に電気くまでの強烈な一撃を浴びせるフランクにみきは巻き込まれないように距離を開けているが、その声にはフランクがはっきり感じられる程度には興奮が混じっている。

みきの言葉にフランクは不思議に思いながらもその姿を追うと、グラウンドから僅か数分走った所。

駐車場の折れ曲がったフェンスの奥。

つまりは校外にそのいいものがあった。

 

「うーん。たしかにいいものだ」

「これって使えますか?」

「見てみる」

 

黄色に塗装され、前輪に大きなローラーがついたその大型車両の名はスチームローラー。

幸運なことにゾンビの血によってところどころ赤くなっているがフランクはドアを引き剥がして中を見てみるとそれは生きていた。

 

「使えそうだ。これに銃とか色々とつけてみれば…」

「……ん?色々ってどういう。それに銃っていつのまにそんなものを」

「この前のヘリの中から少しな」

 

普通の移動手段として扱うものだと考えていたみきとは裏腹にフランクは一人にやにやと笑いながらローラーを校庭へと運んでいった。

ときどきフランクは子供の様に笑うが、その大半はえげつない事になるのでみきは顔を引きつるしかなかった。

 

――――――――――――

 

「これより巡ヶ丘学院高校の卒業式を始めます」

 

卒業式の準備が整い、ゆうりの司会進行で卒業式が始まった。

開式の辞、在校生送辞、卒業生答辞、卒業証書授与。

ポラロイドカメラで次々と学園生活部の卒業式をフランクは静に納めていく。

カメラ片手に動き回るジャーナリストと名乗るだけに、その写真に写る部員達はぶれずにはっきりと写しだされる。

 

「これからもずっと一緒に……うっ……くっ」

 

卒業式の途中、何度も言葉が詰まる場面があった。

その都度、フランクは何か言葉をかけた方がいいのか。

そう考える時があったが、結局フランクは卒業式が始まってから一度として言葉を発することなく、ただ偶然その場に居合わせたかのように、カメラマンとして徹した。

 

――――――――――――

 

ボロボロになった校舎に向けて一礼。

悲しいことはあまりにも多かった。多すぎた。

けれど、楽しいことも確かにあった。

だからこそ、彼女らの面々は校舎に向けて声を発していた。

 

ありがとう、と。

 

そして、今度こそ別れの時。

 

「じゃ、行こう!」

 

ゆきの言葉に、生活部の面々は新たな決意を胸に、グラウンドに置いておいためぐねぇの車に乗ろうとしたが。

 

「「「「え?」」」」

 

あまりにも変容されたそのシルエットに言葉を失った。

可愛らしい赤くて小さな車はどこへやら。

ごつごつとして武骨なシルエットになぜか取り付けられし巨大な大砲。

それはさながら、戦闘車両だ。

 

「めぐねぇの車が―!」

「結構いいかも…」

 

ゆきは絶叫。

ゆうりは、どこかうっとりとしたご様子。

 

「おーかっけー!これ私が運転する!」

「えっと、フランクさん……これって?」

 

くるみは率直な感想。

みきは疑問の声。

それぞれが、それぞれらしい反応を見せる中。

今日はビシッとスーツで決めているフランクは手を差し伸べながら言った。

 

「就職おめでとう。皆」

 

――――――――――――

 

 

 

 おーばーTime!

 

 

 

――――――――――――

巡ヶ丘市某所のある研究所にて、怪しく光る液体やら鉄の牢屋に閉じ込められたゾンビ達。

そして何故か人型で、妙に体が大きく、灰色の巨人がいたり巨大な培養液の前で笑う白衣を着た野郎達。

 

「くっくっくっこのウイルスと薬さえあれば、パンデミックを繰り返し無限に金儲けが出来るぞ!」

「それだけじゃない。生物兵器として活用できればさらに……」

 

そして、彼らの話す内容は明らかに、世に良からぬことを起こしそうなことばかり。

実際に、彼らの実験で犠牲となった者が何千にもいる。

だからこそ、真実は人々に知らされなければならない。

誰かの手によって。

 

「発射ー」

「ん?うわぁ!」

 

間の抜けた声と共に突然、爆ぜた分厚い鉄の壁。

ぽっかりとあいた穴に、見た目の武骨さに似合わぬ、少しだけ煤で汚れたひげくまのステッカーが貼られたタレットリグ。

その大砲を操るヘルメットを被った茶髪の少女は続けて、研究所の中央に佇む巨大な培養液に狙いを定め第二射を発射。

巨大な鐘を鳴らしたかのように重く響く音を奏でた砲は分厚ガラスを突き破り見事に灰色の巨人の胸に命中した。

 

「ふふっ、今日も絶好調」

「ナイス!リーさん!みき、車の運転頼む!」

「任せてください!それぇ!」

 

ツインテールとシャベルを振り回し、次々に刃向かう者を圧倒的な場慣れしたかのような動きで次々に無力化させる少女と、武骨な車を巧みに操り、ゾンビ達を肉塊に変える少女。

ただ、車に張り付くゾンビも稀にいる。

 

「ゆきちゃーん。お願い」

「はーい。ひげくま先輩お願いします!」

 

そして車両の窓から、尖った帽子を被った少女が、ひげのついたくまのぬいぐるみに、バンダナを巻き。

どういう原理で動いているかは不明だが、アサルトライフルを持ったクマが全自動でゾンビ達を銃殺する。

 

「な、何だこいつらは!グワァ!!」

 

辺り一面地獄絵図。尻もちついて後ずさる白衣の研究者の胸に刺さる巨大な爪。

死んだと思った灰色の巨人は再び動き出す。

 

「うわ何だありゃ。りーさんもういっぱーつ」

「いえ、もう大丈夫よ」

「フランクさんがもう行ってます」

「うわ。空飛んでるよあの人」

 

帽子の少女の指さす先には翼を生やした、首をカメラをぶら下げる忍者服でドラゴンのマスクを被ったおっさん。

 

「ahhhhhhhhhh!!!」

 

さながら、怪獣が出てくる特撮ヒーローのような飛び方で灰色の巨人に突っ込み。

何と、そのまま巨人の体を両断するほどの速さで突き破り、巨人はそのまま沈黙した。

 

「相変わらず、強いな訳の分からない強さだよなあの人」

「ねー」

 

シャベルの少女の言葉に少女達は苦笑いをしながらも、捕らえた研究員から薬やらデータが入ったパソコンを没収し、その日から巡ヶ丘市を中心に始まった謎のウイルスによって起きた悲劇は終息へ向かい始めた。

そして、ある尖った少女は空に向かい、大きな声で言った。

 

「私達は元気です!」

 

そして、あるおっさんはウイルスのデータを全世界へと発信。

研究所の写真を納め、最後に4人の楽しそうに笑いあう少女達を写真に納めて言った。

 

「fantastic」

 

――――――――――――

 

がっこうぐらし・らいじんぐ! 

 

      完 

 




おーばーたいむは色々と好き勝手やった反省はしてない。
何だかんだで完結です。
原作がどのように完結するか楽しみですね。
最後以外は原作の流れをほぼ沿っているだけで、結局救いらしき救いはさっぱりでしたが、楽しんでもらえたなら光栄です。
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