幸運の一番星に憧れた者   作:大夏由貴

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誠に申し訳ありません。
前回あんな事ほざいた癖にとんでもなく投稿が遅れました。
けど言い訳させてください。本文自体は二週間程前に出来てはいたんです。ですが諸事情によりしばらくネットが繋がらなくなったんです。
お陰でここ最近は動画は見れないわゲームのログインボーナスは取れないわでかなりヘコみました。
随分お待たせしましたがなんとか復帰できたので引き続きこの小説を読んでくれると有難いです。

前書きが長くなりましたがここから本編です。


七話目 夏休みの終わりに 中編

こなたの家にあがり、まずはそうじろうさんに挨拶をする為にリビングに向かう。

 

「お、このは君!久しぶりだね。こなたから話は聞いてるよ。今日はゆっくりしていきなさい。」

「お久しぶりです。お土産持って来たんでこなたと一緒に食べてください。」

「お~!何々?どんなお土産?」

「生チョコ。とりあえずは冷蔵庫にしまっとけ。」

「らじゃ~。」

 

バッグからお土産を取り出してこなたに渡す。多分今食っても若干溶けてると思うし、冷えてる方が上手いだろ。冷蔵庫に向かうこなたを尻目にそうじろうさんに今のより少し高級なチョコを渡す。

 

「それとこっちがかなたさんの分ってことで。」

「うん、ありがとう。かなたもきっと喜ぶよ。」

 

笑いながらチョコを受け取るそうじろうさん。本当はもうちょっといい奴を買いたかったのだが、コレ以外の物は全部売り切れていたので仕方なく妥協した。

そうしている内にこなたが戻って来る。何やらその手にはジュースらしき物が握られている。

 

「ほれ、暑かったでしょ?丁度余ってたからあげるよ。」

「・・・!?待て、こなた!それは確かこなたの飲みかけだっただろう!?駄目だ!たとえ相手がこのは君でも間接キッスなんてお父さんは認めません!」

「そうじろうさん、その辺は既に手遅れだと思います。」

「そうそう。大体中学の時から今までずっとそういうの続いているのに今更ストップかけられてもネ。」

「こなた、その発言はちょっと危ない。聞きようによってはいかがわしい台詞に聞こえる。」

「知ってる。」

「だろうな。」

 

こなたからジュースを受け取って飲み干す。そうじろうさんが「あああああ!!!」と奇声を上げてうるさかったが無視しておく。

 

「さて・・・それじゃあこなた、飯くれ。」

「いきなり図々しい要求だね。」

「だって腹減ったし。」

「だからって親友にお昼ご飯たかるのはどうかと思うよ。」

「親友だから気楽にたかる事ができるんだよ。そもそもお前だって宿題の消化頼んでるじゃねぇか。お互い様だろ。」

「むー、わかったよ。まあそう言うと思ったからあらかじめ作っておいたんだけどネ。」

「流石こなた。抜かりねぇな。」

 

そう言って台所に向かうこなた。俺も料理をテーブルに運ぶのを手伝う為についていく。

コンロに置いてある鍋に火がついている。恐らくさっきジュースを持って来た時につけたのだろう。中身を見た所どうやらチキンカレーのようだ。

 

「なぁ、これって朝作り始めたのか?結構サラサラしてるし。」

「そだよ~。どうせだし夜の分も作ろうかなって思ってネ。」

「それって俺、夜も同じ物食わなきゃいけなくね?」

「なら別に食べなくてもいいよ?」

「食うに決まってんだろ。」

「それなら文句言わないの。このはが来るって言うからいつもより多めに作ったんだから。」

「そいつはどうも。」

 

沸騰するまで待ったら器を取り出し、炊飯ジャーから白米を盛り付けてカレーをかけてテーブルまで持っていく。こなたは冷蔵庫の中からサラダを取り出していた。

 

「しっかしこの家も随分懐かしいな。最後に来たのっていつだっけ?中二の時以来か?中三の時はどっちかというとお前が俺の家に来てた記憶がある。」

「そだね。確かクリスマスの時じゃなかったっけ?」

「あー、そうだそうだ。なんかお前が家に誘ってきてさ、玄関開けた瞬間に目の前でクラッカー鳴らされたからその辺が印象に残ってる。」

「アレはかなり面白かったね~。あの時はこのはがまだ無表情な頃だったから驚いた顔が凄く新鮮だったよ。」

「言うなよ恥ずかしい。」

「ムフフ、あの頃のこのはは結構可愛かったネ。」

「そうか?ぶっちゃけ無茶苦茶尖ってた気がするんだが。」

「そこがよかったんだよ。ぶっきらぼうな雰囲気出しながらもなんだかんだ言って気を使う所とかさ、もうホントにツンデレだった。」

「マジでか、俺って実は萌えキャラだったのか。」

「いや、そういう意味じゃないから。」

 

雑談をしながらカレーを食べ始める。うん、旨い。夜になったら更にいい出来になりそうだ。

とりあえずサッサと昼飯を済ませてこなたの部屋に向かう。パパッと終わらせて自由時間を増やそう。

そして部屋のドアを開け、中の惨状を見回して俺から出た第一声は・・・

 

「・・・うん、まあ相変わらずだな。一部を除いて。」

 

・・・である。これは酷い。主にテーブルの上が。

前来た時と同じく積み上げられた漫画やゲームの数々(ただし種類が変わり、量が増えている)が雑多に置かれてあるがそれは別にいい。こなたの部屋がすっきりしていたら逆に違和感を覚える。

問題はテーブルの上に見慣れないノートやプリントが置いてある事だ。なんか量が半端無く多い。恐らくコレが溜まっている宿題なのだろう。

 

「そ、そんな事言わなくてもいいじゃん。これでも夏休み初日よりかは減ったんだよ?」

「だからってこれはないだろ。なんだよこの紙束の量。お前夏休み終了まであと何日残ってると思ってんだ。」

 

呆れの溜め息を吐いてプリントの束を手に取る。うわ、これって全部数学のプリントか?てことはこれで一教科なのかよ。しかも全部何も書かれてねぇし。

しかもこなたの机にも似たようなノート類がある。オイ、まさかこれら+そいつらってワケじゃねぇだろうな?ワケだろうな畜生。

 

「全く・・・本当にどうしてこんなになるまで放置してたんだよ。一応聞いておくが答えが載っているプリントはあんのか?」

「無いから呼んだんだけど?」

「だろうな。今すぐかがみ呼んでこい。全部写しても今日中に終わるか分かんねぇぞコレ。」

「だからかがみには断られたんだって。」

「報酬に適当なケーキでも渡せば釣れるだろ。」

「さりげに酷い事言ってるね。」

「間違ってねぇから別にいいだろ。」

 

現に海水浴の時も晩飯食い終わった後にショコラを出した時、二番目に食ってたのかがみだったし。ちなみに一番は俺だ。

 

「それじゃあさ、このは。そのケーキ代の事なんだけど・・・。」

「・・・ハァ、分かったよ。半分は出してやる。提案したのは俺なんだし。」

「さっすが~!いや~、今月は正直結構キツかったんだよネ~。」

「そいつはよかったな。分かったならサッサとかがみに連絡しとけ。ついでに金渡しとくからケーキ買ってこい。その間に俺はある程度やっておくから。」

「まかせたまへ~!それじゃあこのは総隊長、あとは頼みましたぞ~!」

「誰が総隊長だ、さすらいの傭兵と呼べ。」

「あ、確かに今はどっちかというとそっちの方がしっくりくるネ。」

 

ケーキ代を受け取って部屋から出て電話機を取りに行くこなた。いや、携帯使えよ。もしかしてまたどっかに無くしたのか。

さて、俺もとっとと宿題終わらせるとしますか。俺のじゃなくてこなたのだけど。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

さーて、それじゃあかがみに電話しよっか。その後に買収用のケーキも買わなきゃいけないから手早く終わらせなければ。

早速受話器を手に取り、かがみに電話する。2コール待ったら繋がった。早いな、もしかして丁度携帯使っていたのカナ?

 

『ハイもしもし、柊ですけど?』

「ヤフー、私だよ~。かがみ、今日暇?」

『唐突だな・・・いきなり何よ?』

「いやね?ちょっと宿題見せてほしくて。」

『アンタね・・・この前の私の言葉忘れたのかしら。』

「ケーキ買ったからついでにさ。どうせだしつかさも一緒に。」

 

(ホントはまだ買ってないけどどのみち食べるんだし別に問題ないよネ。)

 

『・・・・・・・・・ま、まぁお誘いのついでに見せてあげない事もないわね。ただし!私は手伝わないからね!!』

「やっぱりかがみって結構簡単だよネ。」

『うっさいわね!!宿題写したくないの!?』

「冗談だよ~。そうだ、ついでに泊まる?前から話に上がっていた私の家でのお泊まり会の話あったじゃん?あれ少し早めて今日やろうよ。」

『は!?今から!?』

「うん、今から。」

『まぁ確かに準備はもう終わっているけど流石に急じゃないの?』

「平気平気。こっちはまるで問題無いよ~。」

『えらく楽観的ね・・・。こっちの親への説得の事も考えなさいよ、全く・・・。そういえばアンタの家に行くのってよく考えたら初めてだけど、大丈夫なの?』

「大丈夫って何が?」

『いやさ、遊ぶ時っていつもウチの家だからもしかして親がその辺り厳しかったりするのかと・・・。』

「んー、別に厳しくはないんだけどね?ウチのお父さん職業柄家にいる事多いし。」

『へ~、そうなんだ。』

「私も責任負いきれなくなると困るし。」

『何のだよ!?』

 

その後も少しの間雑談して電話を切る。よし、じゃあ次はケーキを買いに行こう。四人分だから四個・・・って普通は思うけど彼がいるので五個買っておこう。・・・いや、いっその事1ホール買おうかな?そんなに買うならそっちの方が安上がりだろうし。

そうと決まれば早速出かける準備をする。確か近くのデパートにそういうケーキ類があった筈だ。

 

「お父さーん、後で友達が追加で二人泊まりに来るから~。」

「む、他の友達が来るのは別の日じゃなかったのか?」

「うん、ちょっと予定が変わったから。あ、それと私ちょっと買い物しに出掛けてくるね~。」

「何!?まさかジュースを買ってきてまたこのは君と間接キッスを・・・」

「いい加減それから離れようよ。ケーキ買ってくるだけだって。」

 

どうやらまださっきの出来事を引きずっているようだ。だから今更そんな事で騒がれてもなあ・・・。

適当に答えて外に出る。まだ時間は充分あるし歩いて行こう。早く帰ったら休む間もなく宿題やらなきゃいけないし。

 

 

 

 

 

しばらくの間歩いていたが、途中の道路で信号が赤になったので青に変わるまで待つ事になった。

 

(この赤から青に変わるまでの時間ってミョ~に長く感じるんだよネ。渡らない時はすぐに変わるように見えるのに。何でだろ?)

 

立ち止まって何もしていないからか、いろんな事を考えてしまう。彼が久しぶりに家に来たからか、中学時代に彼と過ごした日々が頭に浮かんでくる。記憶を遡れば遡る程彼が今と昔でどれだけ変わったのかが分かる。まさに劇的ビフォー・アフターだ。

 

お昼ご飯の時に話をしたからか、ふと前に彼が家に来た時の事を思い出す。あの頃は彼はまだそんなに感情豊かではなくて、ひたすら静かだった。暗いという訳ではなく、無感情で、無関心で、全てに飽き飽きしていたように見えた。事実大方は間違ってなく、彼と知り合い始めた時は彼が何かに興味を示すという場面を見た事がない。

 

(このはが初めて興味を示した反応を見せたのは確か、知り合ってしばらく経った後の私の一言だっけ・・・。)

 

 

 

 

 

『へぇ~、夜桜君ってそういう小説読むんだ。』

『・・・いきなり何の用だ?見ての通り俺、コレの続き読むのに忙しいから用が無いなら帰れ。目障りだ。』

『そう言わずにさ、少し面白い情報を届けに来たんだよ?ついでだし聞いていってよ。』

『・・・チッ、なんだよ一体。』

『うん、まずはコレを見てほしいんだけどーーー』

 

 

 

 

 

と、考えている間に信号が青に変わった。慌てて横断歩道を渡る。

しばらく歩道に沿って歩くと目的のデパートが見えた。やはり昼頃だからか、結構客が多い。中に入ると冷房が効きすぎているのか、かなり空気が冷たく感じた。ていうか寒い。

あまり長居はしたくないしサッサと買って帰ろう。すぐにケーキを売っているコーナーに向かう。丁度チョコレートケーキが1ホールあったのでそれを手に取る。値段的にも問題は無さそうだ。そのまままっすぐにレジに向かっていく。

それにしても寒い。確かに外はまだ少し日射しが強いから冷房つけるのは分かるんだけどそれにしたって限度があるでしょ、コミケじゃないんだから。

会計を済ませてすぐに外に出る。途端に空気の温度が変わってウッと顔をしかめるがすぐに慣れ、帰り道を歩いていく。

 

ひとまずの目標は達成したし、後は帰るだけだ。早めに帰らないとケーキのクリームが溶けちゃうし。

 

「じゃあ帰るか~。私も少しは手伝わなきゃいけないし。」

 

そう呟いて家に向かって歩いていく。彼はどれくらい終わらしてくれたカナ?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「さて、とりあえずこんなもんか。」

 

プリントの束の一つをテーブルの脇に適当に置いて呟き、体を伸ばす。ひとまず数学の『プリントは』終わらした。意外と時間かかったな。

しかしテーブルの上にはまだまだ大量の宿題が置かれている。少し休んだらまたやらなきゃいけないので、面倒な事この上ない。

 

「ただいま~。どう?調子は。」

「おう、お帰り。ちなみに調子はぼちぼちだ。さっきようやくそのプリントが終わった。」

「いや早いね!?私確か部屋を出たの二十分位前だった気がするんだけど!?」

「二十分もありゃこの程度簡単に処理できるっての。OP何曲分あると思ってんだ。」

「普通はもっと時間かかると思うんだけど!?」

 

そうだろうか?現代文や英語とか、そういう文章をどうこうするっていうヤツに比べたら数学って結構早めに終わると思うんだけど。

 

ピンポーン

 

と、そうやってしばらく二人で雑談してたらかがみがやって来たようだ。意外と早かったな。

 

「ほら、あいつ来たみたいだからサッサと呼んでこい。」

「お、来たね。じゃあ少し待ってて。」

 

すぐに玄関まで走っていくこなた。転んだりすんなよー。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「こなたの家、どんなのか少し楽しみよね。」

「そうだね~。どんな家なんだろ。」

 

私達は今、こなたの家に向かって歩いている最中だ。場所は事前に電話で教えてもらっているから特に迷ったりもしなかった。

全く、急に宿題教えろなんて言うからビックリしたわよ。ケーキくれるって言われなきゃ断るつもりだったんだから。

 

「あ、あそこじゃないかな?こなちゃんの家。」

「お、アレっぽいわね。暑いし早く行くわよ。」

 

こなたから教えてもらった家の特徴と一致する家を見つけて足を早める。ちゃんと『泉』と書かれているので間違いないだろう。

インターホンを鳴らして少し待つ。そしたら家の奥からドタドタと足音をたてて近づいてくる気配を感じた。どうやらこなたがやって来たみたいだ。もう少し落ち着けばいいのに。

 

『入ってきていいよ~。』

 

中からこなたの声が聞こえる。もう入ってもいいようだ。ドアを開けて泉家に上がる。

 

「おーす。」

「お、いらっしゃーい。二人共上がってってよ。」

「こんにちは~。今日は誘ってくれてありがとね~。」

 

ひとまずこなたの親に挨拶する為にリビングに向かう。そこでは髭を生やした中年のおじさんが新聞を読んでた。恐らくこの人がこなたのお父さんなんだろう。

 

「お邪魔します。今日はお世話になりますー。」

「いらっしゃい。話はよく聞いているよー。」

 

笑って歓迎するこなたのお父さん。意外と優しそうな性格をしている。正直こなたが意味深な発言をしてたからちょっとだけ警戒していたけど結構まともそうだ。

 

「家が神社で巫女さんなんだって?」

 

(どういう説明してんだー!!というか第一声がそれですか!?)

 

まともそうだと思った途端にコレかよ!いや間違いではないけど・・・。

謎発言に苦笑いを返しながら部屋に向かうこなたについていく。流石にあんな質問をされるとは思わなかった。

 

「アンタの家ってホントにいろんな意味で凄いわね・・・。」

「す、少しビックリしたけど面白い人だね。」

「フッフッフ、つかさ、驚くのは早いよ。今回はスペシャルゲストが来てるんだから。」

 

こなたの発言に私もつかさも頭に疑問府を浮かべる。スペシャルゲスト?みゆきでも来てるのかしら?

そうしている内にこなたの部屋の前に辿り着く。そのドアを開けると・・・

 

 

「このは~、かがみとつかさ連れてきたよ~。」

「あん?つかさも付いて来たのか?」

「うん、折角だしネ。流石にみゆきさんは呼べなかったけど。」

「みゆきは仕方ねぇだろ、東京に住んでんだから。」

 

 

・・・数日前に神奈川で出会ったこなたの親友、『夜桜このは』がいた。

 

「「・・・えっ!?」」

 

全く予想だにしなかった人物がいる事に私達は同時に驚愕の声を上げた。

 

「え、な、なんでこのは君がいるの?」

「おー、特に久しぶりでもないな、二人共。」

「いやいやいや、なんでアンタがいるのよ!?アンタが住んでる所神奈川でしょ!?」

「んなもんこなたのピンチに駆けつけたに決まってるだろ。」

「コイツが一生成長しないからやめなさい!」

「大丈夫だ。ちゃんとこなたでも解ける問題を最低限残しているから問題無い。」

「問題しかないわよ!」

「ねぇ、二人共さりげなく私をバカにしてない?」

 

こなたが口を挟んできたがひとまず置いておく。え!?コイツまさか本当にこなたの宿題手伝う為だけにわざわざ埼玉に来たわけ!?どんだけこなたの事好きなのよ!?

 

 

 

 

 

しばらく部屋の中で騒いだが一通りツッコンで少しだけ冷静になった。そしてこなたとこのはからどうしてこのはが居るのか詳しく話してもらう。

 

「・・・つまりバイト先で大金を手に入れたから普段は電話やメールで済ますのをわざわざ此処(埼玉)までやって来て直接宿題教えに来たって事?」

「大体合ってる。」

「大体っていうか普通に全部合ってるけどネ。」

「そ、それは凄いね・・・。」

 

それはまぁ・・・よく実行したわね・・・。大金が手に入ったって言っても神奈川から埼玉に来るのはかなりの出費なのは変わらないでしょ。それをあっさり決断するって・・・。

 

「まぁその辺はどうでもいいんだよ。とりあえずは休憩ついでにかがみへの報酬を前払いしておくか。」

「ってあの誘い、アンタも一枚噛んでたんかい!」

「むしろ買収提案したの私じゃなくてこのはだよ?」

「ほほーう、アンタが私をどう見てるかがよーく分かったわ。」

「安心しろ。別にどんだけ食おうとそれは個人の自由だし、そもそも体重がたかが2、3kg変わっただけで気がつく奴なんて誰もいねぇよ。」

「そんなフォローいらないし、他が気にしなくても私が気にするのよ!」

 

全く、コイツは女心というものをまるで分かってない。そういうのを気にしないのはこなたみたいな一部の人達だけよ。

 

(ハァ・・・なんかこういうデリカシーが無い所とかこなたにそっくりね・・・。一体どっちがどっちに似たのかしら・・・。)

 

そうこうしている間にこなたがテーブルの上に置いてあるビニール袋からケーキを取り出していく。へぇ、チョコレートケーキか。しかも1ホール丸々買ったみたいだ。随分太っ腹だな。

 

「それじゃあ切り分けちゃう?」

「だな。丁度四人いるし四等分にするか。」

「それにしてもよくこんな物買ってきたわね。普通に四個買えばよかったじゃない。」

「いや、かがみとこのはがいるから足りないかなと思って。」

「うっさいわね!どうせ私は大食いよ!」

「フッ、かがみよ。その程度で大食いとは笑わせる!そんな事は三人前以上の料理を食ってから言え!」

「何を張り合っているんだアンタは!?」

「ま、まあまあ、お姉ちゃん落ち着いて。」

 

このはがケーキを切り分けて全員に渡していく。さりげなく自分のケーキに余ったチョコプレートを乗せている辺りちゃっかりしてる。くっ、私も切り分け手伝えばよかった。

 

 

 

 

 

そうして騒ぎながらケーキを食べていき、その後こなたとこのはに宿題の答えを要求されて渋々渡し、皆で時々遊んだりしていたらあっという間に夜になっていた。

側で見て分かったが、このはが頭がいいという話は本当だったようだ。私の宿題を見ているのは殆どこなたで、このはは大体の問題を答えを見ずに解いている。しかも字をこなたに似せて書いているのに淀みがまるで見えない。

話を聞いた所こういう宿題の手伝いは中学の頃からしょっちゅうやっているので、こなたの字なら違和感無く書く事が出来るらしい。どう考えてもこなたがすぐに宿題写したりする癖がついたのはコイツのせいだ。

 

「いや~、結構いいペースで進んだな。正直徹夜は覚悟してたんだけどな。」

「やっぱりかがみ呼んどいてよかった~。これなら十時辺りには終わりそうだネ。」

 

晩御飯を食べる為にリビングに移動している最中に二人が呟く。そんなに苦労する位なら最初から宿題終わらすよう努力しなさいよ。

 

「けどこのは君凄いね~。あんなに早く問題解いていくんだもん。私あんなの真似できないよ。」

「まぁ流石に文系は時間かかるけどな。あれって自分で文章考えて書かなきゃいけない問題とかあるから。」

「アンタって理系の中でも数学の問題解くの早いわよね。あれって何かコツでもあるの?」

「かがみん、このはのコツは言葉にするのは簡単だけど実行するのは凄く難しいようなヤツばかりだよ。」

「ん?アンタそのコツが何なのか知ってるの?」

「『一問目を解き終わったらその答えを書いている内に二問目を解いていく』っていうふざけた理論。」

「ず、随分ハードル高いわね・・・。」

「まぁ確かに最初の頃は手こずったけど、慣れれば案外出来るもんだぜ。」

 

このはが何気なく言ったが、平行思考はそんなに簡単に出来るような代物じゃないでしょう。全く、聞けば聞く程とんでもない奴ねコイツ。

そうしてリビングに辿り着く。どうやら既にそうじろうさんが盛り付けをしてくれたらしい(名前は夕方頃にこなたから聞いた)。

それじゃあ食べるとしますか。そろそろお腹減ってきたし。

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