それと後半が少し無理矢理な感じになったと思いますが、その辺りも目を瞑ってもらえると有難いです。
追記:デュエルシーンに間違いがあったので改竄しました。申し訳ありません。
ひとまず電気をつけて皆をリビングに案内する。そして今朝届いたばかりのクーラーを起動させる。
「おお~!これが噂の新クーラー!この真新しい感じが妙に気分を盛り上げてくるね~。」
「だろ?こういうのって何故か異様にテンション上がるよな。」
「クーラー一つで随分楽しそうねあんた達・・・。」
柊姉が呆れていた。仕方が無いだろ、今日までずっと扇風機一台で過ごしていたんだから。
少し時間が経てばすぐに涼しい風を送り始める。うおっ、扇風機とは全然違う。本当にクーラーだ!
「クッ・・・地道に金貯めて本当に良かった・・・!」
「おーい、感動するのは別にいいけどとりあえず部屋に案内してもらっていい?」
「おお、そうだった。悪かったな、こっちに来てくれ。」
いかんいかん、幾らクーラー手に入れて嬉しいとは言え客を待たせる訳にはいかない。
皆を部屋に案内する。と言っても俺の部屋ではなく別の部屋だ。
我が家には部屋が三つも存在する。寝室も入れたら四つか。ぶっちゃけそんな多く無くても、一人暮らしだから全くと言っていい程使っていない。寝室に至っては俺の部屋にベッドが置いてあるから掃除の時位にしか入らない。
「ひとまずはこの部屋を使ってくれ。狭かったらもう一部屋あるから何人かそっちに移ってくれればいい。」
「うわ~、本当に大きい家に住んでいるんだね。」
「これで一人暮らしって言うんやから贅沢なもんやな~。」
柊妹が感想を言った後、黒井さんがそう呟くが、黒井さん、それは違います。
確かにこんな大きいマンションに住ませてもらっていますけど家賃だって相当な額だから俺の給料殆どそっちに消費されるんです。婆さんも出してくれるけどホントにちょっとしか出さないから基本的に俺が払わなくちゃいけないんです。だから俺結構貧乏なんです。昨日までクーラーすら無かったし。
「それじゃあ私達大人組はそっちの部屋で過ごそうかな?」
「せやな。流石にこの部屋に六人はキツいやろ。」
「じゃあ付いて来てください。案内するんで。」
黒井さんと成実さんを連れて残りの部屋に案内する。使っていないとは言え常に掃除はしているので埃が積もっているという事はない。
「おお~!さっき程やないけどこの部屋も中々広いやん!」
「そうですね~、ココなら充分寛げると思います。このは君、中々良いチョイスするじゃん!」
「元々物置部屋なんですけどね。そんなに大量に荷物を持ってる訳じゃないんでそういうのは全部自分の部屋にぶち込んで過ごしています。」
「・・・それって逆に面倒だと思うんだけど。」
「慣れたらそんなに邪魔とは思いませんから。」
うん、どうやら満足頂けたようだ。
案内も済んだので一旦さっきの部屋に戻ってこなた達と合流する。
「んでどうする?とりあえずは風呂にでも入るか?此処来る前に旅館で一回シャワー浴びたって言っても体はちゃんと洗いたいと思うし。」
「それもそうですね、此処までの道のりで皆さんも少し汗をかいたと思いますし。」
「ならパジャマはどうするの?流石にもう一度この服着る訳にはいかないでしょ。」
「フッフッフ、そんなあなた達にお姉さんからプレゼントだよ~!」
そう言って成実さんがバッグから人数分の寝巻きを取り出した。うん?成実さんのバッグってそんなにパンパンでしたっけ?
「あれ?ゆい姉さん、それ旅館の寝巻きじゃないの?」
「うん、それがね?旅館の人に話をつけに行ったら一日だけ貸し出ししてもOKって許可貰ったんだ~!車も明日の昼までなら停めても良いって!」
「へぇ~、随分と気前がいいですね。」
「『親戚の子が友人の家で一夜を過ごしたいらしく、私達も一緒に二人の行く末を見届けようと思います。』って言ったら女将さんが笑って『しっかり応援してあげなさいよ!』って言って快く渡してくれたんだ~。」
「いやそれ絶対女将さん違う事想像してますよね!?」
柊姉の的確なツッコミが入る。うむ、今のはタイミング、リアクション、共に良いツッコミだった。
ひとまず皆風呂に入るようなので先に風呂を沸かしておこう。風呂場に移動して湯沸かし機をいじる。今日は俺一人ではなく追加で六人もいるのでいつもより多くのお湯を入れるように設定する。
その時、こなた達も今は特に遊ぶ気にはならなかったのか、こっちにやって来た。
「お~、何時見てもハイテクな風呂場だね~。」
「え、今の何なの?もしかしてアレだけでお風呂沸かせちゃうの?」
「こういうのってみゆきみたいな人しか所持していないって思っていたわ・・・。」
「私の家のとはまた少し違うみたいですね。」
「なんだ?お前らまだ風呂沸いてないぞ?」
「いやいやこのは、私達は最先端技術を見に来たのだよ。」
「いや別に最先端じゃねぇから。」
「ていうかココまで来たら風呂場が凄く大きくても驚かないわよ・・・。」
「別に期待する程じゃねぇよ。精々大人四人が入れるって位だ。」
「いや充分大きいから。」
その後は風呂が沸いてまずはこなた達四人組が、次に引率者二人組が入って最後に俺が入った。普段は見れないこなたの風呂上がりの姿はとても新鮮だった。流石にカメラとかは撮らねぇけど。
そして現在午後六時半。
いい加減今日の晩飯を作らなきゃ不味い。何しろ七人前だ。俺以外全員女性とは言えそれでも相当な量を作らなければ足りないだろう。
と、早速台所に向かった所・・・
「・・・?何でこなたと柊妹がいるんだ?」
「お、来たね。」
「あ、夜桜君。」
何故かこなたと柊妹がエプロンを掛けて立っていた。ちなみにどう見てもそのエプロンは俺が使っている奴ではない。
「えっとね、こなちゃんだけじゃなくて私達まで泊めてもらうんだから何か出来る事ってないかな~って思っていたんだけど、折角だし晩御飯作るの手伝おうって話になったの。」
「私は単純にこのはと一緒にご飯作ろうって思っただけだけどね。」
「お、マジか。そいつは助かる。・・・ん?じゃあ他の皆は?」
「黒井先生はまだ少し気持ち悪いらしいからご飯出来るまで横になってるって。ゆい姉さんは黒井先生の付き添い、かがみとみゆきさんは後でお皿とかお箸の準備をする予定だよ~。」
「そうか。まぁ流石に五人は入りきらないからな、ココ。」
「まぁみゆきさんはともかくかがみんは料理作れないからね~。」
「・・・あぁ、自然な人員配置になっただけか。」
「ふ、二人共、その辺りで・・・。」
柊妹が苦笑している。苦笑しただけで否定しなかった辺りを見ると本当の事らしい。
成る程、話は分かった。が、
「・・・エプロンどうした?家にそんなのあったっけ?」
「あ、これはね、成実さんが寝巻きと一緒に借りて来たんだって。」
「成る程、そういう事か。」
「んふふ~、結構似合ってるでしょ?」
二人が着ているエプロンは旅館の物というだけあって中々本格的な奴だった。清潔感がある真っ白な布は二人の無邪気さを連想させるようでとても似合ってる。
「まぁそもそも
「えっ!?そ、そうかな・・・?」
「嬉しい事言ってくれるね~。けど前も似たような事言われた気がするんだけど。」
「別に嘘は言ってないから問題ねぇだろ。」
確か前はこなたの家に行った時に一緒に晩飯作ろうって話になって、その時のエプロン姿のこなたに『こなたなら何着ても可愛い』って言ったんだっけ。
「まぁお喋りはこの辺りにしてそろそろ作ろっか。このは、材料何使っていい?」
「食パン以外なら何でも。」
「何故に食パンをNGに指定した。」
「昨日デパートで買うの忘れたから。」
「それ使っちゃ駄目っていうよりもう無いだけじゃないの?」
「そうとも言う。だからシチューとかグラタンとかはオススメしないな。」
「えっと、この時間からそれを作るのは難しいんじゃないかな・・・。」
「大丈夫だ、柊妹。今から近くのコンビニかデパートに行けばなんとかなる。」
「あれ?私達がエプロン着た意味は?」
「冗談だ。」
結局豚肉が結構あったので冷しゃぶを作る事にした。ついでに冷奴も追加しておく。流石にお客様が居る時に冷凍モノやインスタントを出すわけにはいかない。
三人でパパッと作った後は柊姉と高良の二人を呼んで皿と箸を用意してもらって引率者二人組を呼ぶ。黒井さんはどうやら完全に回復したようだ。
テーブルに料理を運び終わったら全員分の席を用意して食事にとりかかる。
「んじゃ、頂きます。」
「「「「「「頂きます。」」」」」」
手を合わせた後、食べ始める。
む、調理中でも思ったがやはり柊妹は相当料理が得意らしい。味付けがしっかりしてる。
「う~ん、やっぱりこの時期に食べる冷しゃぶは美味しいわね~。」
「そして近日中に体重計に乗って悲鳴をあげるかがみんであった・・・。」
「うっさいわね!」
「成る程、柊姉は食べる専門なのか・・・。」
「『あ~、納得』みたいな顔してしみじみ言うな!」
「どうどう、まぁまずはこの冷しゃぶでも食べて落ち着きたまえ。」
「餌付けみたいな事すんじゃないわよ!」
それでもちゃんと食べる辺り結構食い意地はってる気がする。
「あ、みゆきちゃん、ちょっとそこの醤油取ってもらっていい?」
「はい、どうぞ。」
「いや~、この冷奴の薬味と鰹節がまたいい感じにマッチしとるな~。」
「夜桜君、そこのポン酢もらっていいかな?」
「ほい、ついでに醤油もいるか?」
「うん、ありがとう。」
柊妹に追加で醤油も渡して豚肉をもう一枚食べる。
そうやって雑談をしながら食事を進めていき、こうやって大人数で一緒に食べるのも悪くないなと思った。
そして晩飯を食べ終わり、食器を片付けた後、俺とこなたは・・・
「バトル!私は超魔導剣士-ブラック・パラディンでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!お互いのフィールド、墓地に存在するドラゴン族はフィールドのレッド・デーモンズ一体のみ!よってブラック・パラディンの攻撃力は500ポイントアップし、攻撃力は3400となる!」
「なんのこれしき!リバースカードオープン!永続罠、スクリーン・オブ・レッド発動!このカードが魔法、罠ゾーンに存在する限り、相手モンスターは攻撃宣言出来ない!」
「カウンター罠発動!盗賊の七つ道具!ライフを1000払い、罠カードの発動を無効にして破壊する!攻撃は続行!超魔導無影斬!!」
「だああ畜生!!何でそのロマンデッキでそんなに回るんだよ!」
カードゲームでバトルしてた。
「やっぱりこういうのは愛が必要なんだよ、このは。信じればデッキは必ず応えてくれる。」
「それにしたって好かれ過ぎだろ・・・。絶対お前の主人公補正がかかっているって・・・。」
「私としては何でこのデッキで皆回らないのかが不思議だよ。」
「いや、それが普通だから。」
「・・・あんた達何やってんの?」
「あ、かがみ。」
俺が渋々レモンドラゴンを墓地に置いた所で柊姉がこっちにやって来た。呆れ顔で。
「さっきっから大声でよく分かんない事言っているけどよくそんなテンション保てるわね。」
「
「いやそんなの知らないから。」
「二人共何やってるの~?」
「
柊姉に熱く語ろうとしたら柊妹と高良もやって来た。柊妹は何をやっているのかさっぱり分からないらしく、高良はどういったゲームなのかは理解しているようだ。
「フフフ、ギャラリーも増えてきた所で
「クッ、俺のターン、ドロー!」
引いたカードをチラリと見て目を見開く。これならいける!
「ククク・・・こなた、お前のカードの引きは中々良かったが俺もそう捨てたもんじゃないらしい。さっきのターン、お前はドロー系統のカードを引いておくべきだった。そしたら更に高度な戦術も取れただろうに・・・。」
「なぬっ!一体何を引き当てたというんだ、貴様!」
「永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!これにより墓地に存在するレッド・デーモンズは再びフィールドに特殊召喚される!」
墓地に置いたレモンをフィールドに移動させる。フフフ、これが俺の新たな切り札だ!
「罠発動!バスター・モード!レッド・デーモンズ・ドラゴンをリリースしてデッキからレッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターを特殊召喚出来る!」
「な、何だってー!?」
「灼熱の鎧を身にまとい、王者ここに降臨!出でよ!レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター!」
再びレモンを墓地に送り、デッキからこの前デパートで買った新カードをお披露目する。
「・・・何?今の。」
「口上覚えるのは当然だよ~。私も殆どのカードの口上は覚えてるし。」
「その努力をもっと勉強に生かせば成績も上がるだろうに・・・。」
「わぁ~、今のかっこよかったよ~。」
「そのカードのイメージが明確に現れていますね。」
三人共其々違った反応を見せた。いやいや柊姉よ、これで難しい漢字とか覚えてる人とか結構いるんだぜ?
「だがレッド・デーモンズバスターがフィールドに召喚された事により、ブラック・パラディンの攻撃力はさらに500ポイントアップする・・・そこでだ、魔法発動!フォース!」
「しまった!私の手札は零、ブラック・パラディンの魔法の発動を阻止する効果は使用できない!」
「その通り!ブラック・パラディンの攻撃力を半分にし、その数値分レッド・デーモンズバスターの攻撃力をアップさせる!」
「ブラック・パラディンの攻撃力が1950に下がって、逆にレッド・デーモンズバスターの攻撃力が5450になっただと・・・!?」
「更にレッド・デーモンズバスターは攻撃した時、相手モンスターを全て破壊させる!たとえ融合解除を使って融合素材二体を守備表示で出したってお前のフィールドはがら空きになる!」
「ここにきてそんなカードを引き当てる辺りこのはの主人公補正も中々だね。」
「主人公補正?」
「つかさ、真面目に聞いちゃ駄目よ。」
「神は言っている、ここで死ぬ定めでは無いと!レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターの攻撃!エクストリーム・クリムゾン・フォース!!」
「ほい、
「ざけんなチクショオオオォォォ!!!」
こなたが発動した罠で俺のライフが一瞬で消滅した。今のは通ったと思ったのに・・・。
「むふふ~、展開は良かったけど詰めが甘かったね。」
「クソ、絶対仕掛けているの融合解除だと思ったのに・・・。」
「それだったらさっきの攻撃が入った時点で使っているって。まぁ引いてたのがこのカードだったから勝てたんだけどね。」
こなたがしみじみ呟く。やっぱコイツの引きの良さは異常だ。どこぞのオシリスレッドのHERO使い並じゃねぇの?
「・・・なんかあそこまでかっこよく登場したのに随分とあっさり決着がついたわね。」
「え、あれ?夜桜君負けちゃったの?」
「ええと、攻撃を跳ね返されたみたいですね。」
三人がいきなりの急展開に呆れ、戸惑い、苦笑している。まぁ確かにあそこまで盛り上がったら逆転劇が始まるって思うよな。残念、こなたの方が一枚上手だった。
「これは、実際にあった話らしいんだけど・・・」
夜、こなた達の部屋の電気を消して全員がこなたの話に耳を傾ける。所謂怪談話だ。
「ある映像ソフト卸会社の人が仕事を終えて帰ろうとして、いつものように夜遅くバスに乗ったのね・・・。」
こなたはこういう演技とかは凄く上手いので、かなり雰囲気があった。目とか完全に死んでいるし。アレどうやってんだろ。
「その人の家は路線の終わりの方にあったんだって。で、途中他のお客さんが段々降りていって、ついには乗客はその人一人だけになったんだけど・・・。」
柊妹と高良の二人は抱きしめ合ってガタガタ震えている。そりゃ俺でも結構ゾッとするのにあまり気が強くない二人は相当怖いだろう。
逆に気が強そうな柊姉と引率者二人(成実さんは気が強そうと言うよりマイペースなだけだが。)は生唾を飲み込み、こなたの話の続きを聞く。
「運転手さんはもう、誰も乗っていないって勘違いしたらしくて・・・なんと・・・」
そこで溜めを作るこなた。
・・・オチが見えてきた。運転手はそのまま自殺をする為に崖に向かって・・・
「大声で『DANZEN!ふたりはプリ○ュア!』を歌い出したんだよ!!」
「「「「「キャアアアア!!!」」」」」
「いやある意味怖ぇよ!?」
違う意味でゾッとしたわ!!絶対にそんな現場に居たくねぇ!!
「っていう噂があったんだよ~。」
こなたが電気をつけていつもの調子に戻って喋る。
皆『なんだ~』と安心してたけど俺はまだ少し鳥肌が立ってた。サッサとさっきの話を忘れたい。
黒井さんと成実さんはそろそろ寝るというらしく、自分達の部屋に戻るらしい。
「いや~、皆いいリアクションしてくれたよ~。」
「こっちは本気でビビったわ。その二人気まずいどころの騒ぎじゃねぇだろ。」
「ちょっとビックリしたわね・・・。」
「こ、怖かったよ~。」
「とても現実味があったので凄く緊張しました。」
テロリン♪テロリン♪
と、そこで俺の携帯の着信音が響く。丁度怪談が終わったタイミングだったのでこなた以外の全員がビクッと肩を震わせた。
「な、なんだ?こんな時間に。なんか臨時報告とかあったっけ?」
「ち、ちょっと夜桜!驚かせないでよ!」
「いやこれは俺のせいじゃ無いような・・・。」
柊姉に怒鳴られた。そんな理不尽な・・・。
とりあえずメールの内容を確認する。
「・・・これまた珍しい奴から来たな。」
メール内容は以下の通りだった。
『件名:夜分に失礼します。
本文:こんばんは。夜遅くにすみません。
少しこのはさんにご相談したい事があったので連絡させて頂きました。
今日、お昼頃に交差点で車にぶつかりそうな子供がいたので助けたのですが、その子に別に助けてくれなくても自分でどうにか出来たと文句を言われました。
私から見たら絶対に交通事故になってたように見えましたが、もしかしたら本当に余計なお世話だったのかもしれないと思うと気になって眠れないんです。
このはさん、私は間違っているのでしょうか?返信してくれると嬉しいです。』
・・・また唐突な。なんだろう、どこかデジャヴを感じた。
「相変わらず固い考え方してんな~。ま、だからメルアド教えたんだけどな。」
ククク・・・と笑いながら返信を打っていく。やっぱりコイツは面白い。
「ねぇねぇこのは、誰からのメール?お婆さんから?」
「いや、只の知り合いからだ。」
「ほほーう、いつの間に『只の知り合い』を携帯に登録するようになったの?少しお姉さんに話してごらん?」
「あー、確かに只の知り合いってのはちょっと違うか。じゃあ何だろ、後輩か?それもしっくりこないような・・・。」
ぶつぶつ呟きながら考える。あ、分かった。弟分ならぬ妹分だ。
じれったくなったのか、こなたが単刀直入に聞いてきた。
「で、結局何なの?一言で簡潔に述べたまへ。」
「女。」
「酷いっ!私とは遊びだったのね!」
「違うんだ!俺はそんな軽い気持ちでお前と一緒にいる訳じゃない!」
「嘘よ!きっと貴方にとって私は使い捨ての駒なんでしょう!?」
「嘘じゃない!他の奴等にそういう目を向けても、お前だけは特別だって断言できる!」
「このは・・・。」
「こなた・・・。」
「・・・ねぇ、この茶番いつになったら終わるの?」
「いや、ここは流れ的にこういう話になるかと。」
「そうそう、この後はもう一人の女の人が出てきて『その女はいったい何!?』って言うんだよね。」
「あんた達ね・・・。」
何やら柊姉が頭を抱えている。柊姉はもっと柔軟に思考を進めた方が良いと思う。。
「で、もう一回聞くけど何だったの?」
「アレだ、正義の味方からだ。」
「具体的に言うと?」
「暫く東京に住んでた時に知り合った女子中学生。」
「東京に住んでた?どして?」
「コミケ。」
「成る程。」
「それだけで理解出来るあんた達っていったい・・・。」
柊姉よ、ツッコミが疲れるならもう少しスルースキルを身に付けた方がいいと思うぞ?
「ちと高速を予約すんの忘れてな?仕方ないから電車を乗り継いで移動してたらなんともまぁ面白そうなイベントを見かけたもんなんで。」
「・・・あぁ、うん、もう分かった。」
こなたの目が急に呆れた目に変わった。見るな・・・!そんな目で俺を見るな!!
仕方ないじゃん!ガラの悪い男達に囲まれて小学生を庇っている中学生!これは
「けどそれにしたって珍しいね?このはがすぐに帰らずに話をするなんて。」
「あぁ、なんか俺の行動が腑に落ちなかったのかちょっとした口論になってな?そこから色々話している内に中々面白そうな奴だなって思って試しにメルアド教えたら、いっそ交換しようって話になって時々こういったメールのやり取りしている。」
「ふ~ん。今度会ってみたいな。」
「運がよかったら会えるんじゃねぇの?」
そんな話をしてもう特にやることも無いのでそのまま寝ようって話になった。
もう十一時だ。いい加減寝ないと明日起きれない。
「・・・で、なんでお前が俺の部屋にいんの?」
「どうせだし一緒に寝ようかなと。」
「昼も似たような事言ってなかったかお前?」
ネタの使い回しはよくないと思う。
「てか引率者がいるのに流石にそれは不味くねぇか?」
「大丈夫だよ、ゆい姉さん言ってたでしょ?『親戚の子が友人の家で一夜を過ごしたいらしく・・・』って。引率者公認だよ。」
「ホントお前ってそういう抜け穴探すの得意だよな。」
「いや~、それほどでも。」
「誉めてねぇから。」
ハァ・・・と溜め息を吐いて現状を改めて再確認する。
只今十一時十三分。
現在位置、俺の部屋。
目の前には愛用のベッドに座っているこなたの姿が。
・・・何度見直しても状況は変わらない。もう一度溜め息を吐く。
「まあまあ、そんなに溜め息をつくと幸運が逃げてっちゃうよ?」
「あー、そうだな。それは勘弁願いたい。」
「じゃあそろそろ寝よっか。明日は昼前には起きなきゃいけないんだし。」
「ハイハイ。全く、随分と慌ただしい一日だったな。」
「そだね。けどこういう一日も悪くないんじゃない?」
「・・・まぁな。」
いつの間にか呆れていた筈の顔が笑っていた。
やっぱこなたはすげぇな。一緒にいるとホントに何もかもが楽しく感じる。
そのまま電気を消して俺達は一緒に眠る事にした。
・・・余談だが夜中に柊妹と成実さんがトイレに行った帰りにこなたがドッキリを仕掛けたらしい。俺も起こしてくれれば協力したのに・・・。