東方生迷伝   作:ホワイト・ラム

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知るという事は素晴らしい事だ。
先人の技術や教訓を後世に伝えられる。
しかし……
知ってしまったら最後、知らなかった自分には決して戻れない……


同じ穴のムジナ1

とある部屋の一室で狂弦が目覚める。

 

「ん……アレ?ここは……」

周りを見回し自身の状況を振り返る。

 

「地霊殿の俺の部屋……そうだ!あの男はどうなったんだ!?」

脳が覚醒し、龍我の事を思い出す。

その時ガチャリと音を立て扉が開く。

 

「狂弦!!良かった!!目が覚めたんだ!」

 

「え?うわ!あ!」

こいしが狂弦に飛びついた。

 

「心配したんだよ?さすがにチョットやられ過ぎてたみたいだし、でも目を覚ましてくれてよかった!

本当に……心配したんだよ?……もう目を覚まさなかったって……

ぐす……うえ~ん!!」

涙を流しながら強く抱きしめるこいし。

 

「ちょ、ちょっと待って、全く状況が読み込めないんだけど……どういう事か教えてくれないかな?」

現状が読み取れないでいる狂弦にこいしが語り始めた。

 

「うん、あの後の事なんだけど……」

そう言ってこいしは静かに語りだした。

こいしが地霊殿に戻って姉のさとりに話した所、謎の男龍我を地霊殿総出で迎え討つことになったがこいしの話した現場に行くと、そこにいたのはボロボロの狂弦と龍我そしておろおろとする鬼の伊吹 萃香だった。

 

萃香の話によると、龍我の本来の目的は自身を鍛える事であり地上でも様々な幻想郷の勢力に対し挑戦あるいは攻撃ともいえる行動をとっていたらしい、しかし本人いわく邪な気はなく征服や侵略には全く興味は無いとの事。

萃香は自分の拳で戦うまっすぐなスタイルを気に入ったため、龍我の対戦相手の面倒を見る事にしたそして荒くれ者が多いく、自身の知り合いの鬼がいる地下に連れてきてみたというのだ。

目的通り地下で多くの戦闘をした龍我は、更なる挑戦の為地下の実質的支配者がいる地霊殿に戦いを挑みに向かい、その途中で狂弦と出会ったというのが事の顛末である。

以上の事をこいしはザッと説明した。

 

「そっかぁ。ホントは地霊殿を襲うつもりなんてなかったんだ……な」

狂弦は安心しベットに体を倒す。

安心したせいか体が一気に疲れを感じ始めた。

 

「そう言えば龍我は?」

 

「ああ、それなら……」

パァリィいいいぃいぃイン!

こいしが狂弦の疑問に答えている最中に、部屋の窓ガラスが叩き割られ件の人物が部屋に転がり込んできた。

 

「痛ってて……ははっは!あの星熊って鬼マジでハンパネェ!さすが萃香と同じ種族!いいねェ!」

窓を突き破ったことを全く気にせず、ぼろぼろの身体で楽しそうに笑う龍我。

その姿にうすら寒いモノを感じる。

 

「ん?この前の奴じゃねーか……ほう、もう意識が有るのか、やはり……()()()()()

この時始めて龍我は狂弦の存在に気が付いたようだった。

 

「前は悪かったな。少しばかり気合い入れ過ぎたみたいだ、ゆっくり話したいがまた今度だ!」

そう言って再び窓から退場していった。

外からは楽しそうな声が聞こえてくる。

 

「ね?元気そうでしょ?」

こいしがいやににこやかに話す。

 

「ああ、そうだね……」

窓の事をさとりにどう話すべきか考えながらそう答えた。

 

 

「御心配をおかけしました!」

さとりの部屋に集まった地霊殿のメンバー達に狂弦は頭を下げた。

 

「かまわないわ、あなたのしたことは地霊殿と私たちの事を思っての行為、責めたりはしないわ」

さとりが優しく声をかける。

 

「おにーさん元気になったんだ!良かったぁ!」

 

「あとちょっとでアタイの車に乗ることになってたかもね」

お空とお燐も喜んでくれているみたいだった。

 

「みなさん……それよりアイツはどういう扱いになるんですか?」

狂弦は龍我の事が気になっていた、先ほど姿を見た事からまだ地下に居る事はわかっていた。

 

「彼なら、旧都の空き家に一時的に泊まらせています。悪気はなかったとはいえ地獄に混乱を招きましたからね、会いたいのなら住所を書きますよ?」

さとりが狂弦の心を読み取ったのか、自分から助け舟を出してくれた。

 

「お願いします、どうしてもアイツと話したいことが有るんです!」

 

 

翌日

狂弦は龍我が泊まっているハズの空き家を目指して、こいしと旧都を歩いていた。

 

「こいしちゃん、君まで来なくていいのに……」

 

「そうはいかないよー、なんだか心配だし!」

今日の朝からずっと同じ会話ばかりしている気がする。

余程狂弦が心配なのか、離れてくれないのだ。

 

「ほら!もうすぐつくよ!」

住所と地図を見ながらこいしが言った。

 

住所の場所はボロボロの小屋だった。

小屋の前で龍我がたき火をしている。

 

「おう、お前らか……よく来たな」

龍我がジロリと二人を見据える。

 

「家、入れよ。立ち話もなんだ」

そう言ってたき火を消し、家の中に入りこんだ。

座布団を取り出しこいしと狂弦に投げ渡す。

 

「龍我さん、あなたに聞きたい事が有る!」

最初に切り出したのは狂弦だった。

 

「さんはいらねぇ、龍我で十分だ。んで聞きたいことってのは?」

 

「昨日あなたは俺を見て『俺と同じ』って言った!俺はなんなんだ?知っているなら教えてくれ!」

狂弦は強くそういった。

最初から不思議だった、ただの人間だったハズの自分がいつの間にか妖力を持ち、致命傷の傷を負っても再生する、自分の身体が理解できなかった。

しかし!今目の前に自分と同じ生物が居る!

狂弦は遂に自身の秘密の一つに手を掛けた!

 

「ああ、解った。教えてやる、しかしこちらから先に質問だ。お前体にナンバーを有るか?」

龍我からの意外な質問に困惑する狂弦、しかしそれを打ち破ったのはこいしだった。

 

「あるよ数字、狂弦本人は気づいてないけど……背中にⅣって書いてある」

 

「え?」

自身さえ知らなかった情報に驚く狂弦。

 

「背中?一体いつ見たの?」

 

「前に言ったよ?いろいろポロリしてたって」

平然と言い放つこいしに呉服屋での会話を思い出す。

 

「そうか、お前は4か……」

その言葉に龍我が頷く。

 

「よし、お前も俺の同類確定だ。知ってる事全部話してやる」

そう言って龍我は語り始めた。

 

「お前最近、全身がノイズみたいな奴に会わなかったか?」

 

「ノイズ?……会った……」

思い出されるのは最初に幻想郷に来た日、妖怪に襲われる最中。

そいつは確かにいた。

 

「極論そいつが黒幕だ」

龍我は再び話出した……

 

 




久しぶりに投稿した気がする……疲れた……
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