東方生迷伝   作:ホワイト・ラム

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不思議な何かを見つけたとする。
キミはその何かをどうする?
調べる?見て見ぬふり?恐れて逃げ出す?
未知とは恐怖であり興味をそそられる対象でもある。

いずれも無視する事は出来ないのだ……


真実にたどり付け1

人里にて大量のケーキを買った狂弦。失う物(おもに現金)も有ったが無事に帰ってこれた。

「コレはまた……」

「おー!!すごいいっぱいある!!」

「買い過ぎじゃないかしら……」

こいしがまさかの「全部ください」を敢行したため地霊殿のメンバーたちの前にはケーキがうずたかく積まれている。

「改めて見るとさすがにやばいかな……」

胸やけを起こしそうな気分になる狂弦を余所に少女たちは非常に楽しそうである。

「夕飯前だけど……食べましょうか。紅茶を入れて来るわ」

そう言って立ち上がるさとり。

「俺も手伝います!!」

それを追う狂弦。

 

 

 

キッチンにて……

「こいしのお付きお疲れ様」

さとりがお湯を沸かしながら狂弦をねぎらう。

「大した事ありませんよ、それよりも……」

「あなたが言いたいことはよくわかるわ……覚りですもの」

火にかけられたやかんを見ながらさとりが言う。

「覚悟は揺るぎはしない?」

こちらを見るさとり。

「ええ、自分の事ですから……」

「解ったわ、なら街の外れの彼を使いなさい……夜こいしが寝たら私の部屋に来て」

そう言ってさとりはティーポットにお湯を注いだ。

 

 

 

「お姉ちゃんと狂弦遅ーい!何してたの?」

ダイニングに戻ってくると、どうやらこいしは御立腹の様だ、椅子に座り、頬を膨らませ足をぶらぶらしている。

「ごめんごめん、なかなかお湯が沸かなくて……」

「やっぱり地獄は死体不足なの?」

狂弦の言葉に対しこいしがつぶやく。

「そうなんですよ……なんだか最近死体自体少なくて……人間にとっては死ぬ事が少ないのは良い事なんでしょうけど……」

お燐が難しい顔をする。

「怨霊の数も減ってますしね」

やれやれと腕をくむ狂弦。

狂弦はお空の仕事場の怨霊に、よく愚痴を聞いてもらっているので怨霊の事に意外と詳しいのだ。

「狂弦って友達、怨霊だけ?」

こいしが憐れむような目を向けてくる。

「いや、そんな事ないから……」

いつぞやのお空とかわした様な会話が再び行われる。

「幻想郷のに来る前は誰とよく居たの?」

「私も興味あるわね、狂弦の過去」

「私もお兄さんの事知りたーい!」

「アタイも少し興味あるかな?」

四人が興味深々と言った風に聞いてくる。

「解ったよ、話すから。まず友達の杯正って奴がいて…………」

自身の過去、思いで、友人、親、趣味、外の世界に居た頃の狂弦の言葉を肴にケーキと、紅茶の宴は進んでいった。

 

 

 

数時間後

「うーん……なんだか眠くなってきた……ふぅわ~」

こいしが大きな欠伸を一つ。

「ならベットに行こうか?連れてくよ」

「うん……お姉ちゃん、お燐、お空、お休み……」

狂弦に手を引かれ退室するこいし。

「さ、私達は片付けをしましょうか」

さとりが食器などを洗い場に持っていく。

「残りは冷蔵庫で良いですよね?」

お燐がケーキの箱を持ってくる。

「そうね、よろしく」

「お空、悪いけど手伝って……寝てるし……」

「ううん、もっとケーキ……」

 

 

 

「さ、着いたよこいしちゃん」

「うん……」

こいしをベットに寝かしつける。

「狂弦……」

「なに?」

「今日は楽しかったね……また一緒に遊びに行こうね?」

ベットに横になりながら小指をこちらに差し出す。

「ああ、もちろんさ。またいつか(・・・)一緒に行こう、約束だ」

そう言って自身の小指を絡めた。

 

 

 

そしてそのまま狂弦はさとりの部屋に向かった。

「待ってたわ……本気なのね?」

さとりが狂弦をジッと見る。

「はい、前龍我が言っていました。竹林の医者なら俺の身体の事がわかるかもって……」

龍我のその言葉を聞いて以来、狂弦は自身の身体を見てもらう事を考えていた。

「こいしにも秘密なのね?」

「ええ、俺の身体の事ですから……ただの人間の身体じゃない事はわかってます、それに龍我のあの能力、普通の人間すらあそこまで変化させる力に付いても調べたいので」

さとりは狂弦からゆるぎない意志を感じた。

「そうね……真実を知りたいものね。これを持っていきなさい」

机から取り出したのは厚さの違う2つの封筒。

「お金と手紙よ、決行は何時にするの?」

さとりが尋ねる。

「明日の明朝、こいしちゃんが起きる前に……」

「そう、解ったわ、行ってらしゃい。けど貴方はこいしのお付きよ、何が有っても必ず帰ってきて」

「解りました」

そう言って部屋を出ていく狂弦。

 

 

 

明朝

狂弦は地霊殿の誰よりも早く目を覚ました。

「さて、行くか……」

必要な物をバックに入れ、そこですこし思い直す。

こいしに対しての手紙を書き、自分の部屋のテーブルに置く。

音もなく屋敷をでて旧地獄街道に向かう。

目的は龍我の居るボロ家。

「龍我、起きてるか?」

勝手に入る狂弦もたもたしている暇はない。

「おう、どうした?」

家の中には萃香はおらず龍我だけだった。

布団で寝ていた龍我が起きる。

「コレ、さとりさんから」

さとりから渡された封筒を受け取る龍我。

「ん?……なるほどな」

立ち上がり、体をほぐす。

「行先は地上か、付いてこい」

龍我が家の外に出る。

「ん……むぅう……」

力を込めると同時に龍我の姿に変化が起きる。

肌を青い鱗が包み、爪は鋭くとがり、犬歯の様な牙と爬虫類を思わせる瞳、最後に尻尾にコウモリの様な羽。

龍我の持つ力、『最強()に近づく程度の力』だ。

「地上まで俺が、お前を連れて行けばいいんだな?」

「はい、そうです」

空を飛べない狂弦の地下からの脱出方法、それは龍我の翼の力を借りる事だった。

「つかまれよ」

龍我が二回りも大きくなった腕を差し出す。

「行くぞ?」

風が舞い上がり、龍は飛び立った。

 

 

 

予感というのは誰にだって存在する。古明地こいしも例外では無かった。

「狂弦?」

なぜかいつもよりはるかに目が早く覚める。

「なんだろ……いやな予感がする」

そう言って狂弦の部屋に向かう。

 

「狂弦居る?」

部屋をノックするが誰も出てこない。

確かに今なら眠っていてもおかしくない時間だ。

しかし今は嫌な予感が叫んでいる。

「……っ」

部屋の扉を開ける。

狂弦はいない。

テーブルに手紙を見つける。

ぱらぱらと手紙を読む。

「行かなきゃ!!」

こいしは地霊殿を飛び出していた。

 

 

 

「なあ、もう少し早く動けないの?」

「無茶を言うな、大の男一人抱えてるんだぞ?萃香の時とは状況が違う!」

バサリ、バサリと羽ばたく龍我。

その時!!

「きょーげん!!」

遠くからこいしが空を飛びながら追いかけてくるのが見えた。

「やばい、見つかった!!スピードアップして!!」

「チィ!!めんどくせぇ!!降りおとされるなよ!!」

龍我は力強く羽ばたいた、その瞬間スピードが一気に加速する。

 

逃げる、狂弦が逃げる!!

そう思ったこいしは無意識に弾幕を放っていた。

「まって!!にげないで!!」

 

「おい!古明地んトコのヤツ撃って来たぞ!!何とか出来ねーのか?」

龍我が狂弦に話しかける。

「俺の、能力で動きを予知する!その通りに回避してくれ」

狂弦を止めるためとはいえ、攻撃の害意が有るため狂弦は自身の能力が使える。

「しっかり気張れよ!!こっちの方がスピードは若干早い、アイツを巻くまでが勝負だ!!」

再び加速する龍我。

「攻撃!!右に回避!!その次下!!」

「おう!!」

次々に迫りくる弾幕を回避し続ける龍我。

無数の弾幕がむなしく消えていく。

 

「どうして!!どうして当たらないの!!」

古明地こいしは焦っていた。

自身の攻撃が一向に当たらない事に。

狂弦が来てから、生活が楽しくなった。自分をほぼ確実に見つけられる男。

それをここで逃がしたくない。

手紙には帰ってくると書いてあったが、そんなのはいつまでも待っていられない。

「にがさなぁい!!」

めちゃクチャに弾幕を撃つ。

 

「龍我!!左!!その次右上!!左!!左!!」

狂弦の指示のもと回避に専念する龍我。

「もう、殆ど大丈夫だろう」

こいしの姿はもう殆ど見えない。

その証拠に弾自体が殆ど来ていない。

「ああ、そうだ……がぁ!!」

一発の弾に狂弦が被弾した。

幸いバックを咄嗟に盾にしたため被害は殆どなかった。

「オイ!!大丈夫か!!」

「問題ない……チョット油断したみたいだ……読み損ねた」

「地上に出るぞ!!」

その言葉の直後狂弦の視界が光に染まった。

「朝日か……久振りに見たな」

龍我がしみじみという。

「ああ、そうだな……」

何処か興味なさげに狂弦が賛同する。

(最後の一発……あれは悪意が無かった。俺に出て行ってほしくない一心だった……必ず帰るから待っててくれ!!)

狂弦は朝日の中決意を胸にした。

 




ゴーストが始まったせいか、一気に安くなったバイラルコア。
ガチャガチャが安くなってましたので2回引いてみた。
2連でバットバイラルコア……
せめてシフトカーに……
「人間は……みんな化け物と引き合う心を持ってるんだ……」
悔しくねーし……バイラルコアスゲー好きだし……
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