東方生迷伝   作:ホワイト・ラム

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人より少し優れたい。

誰にでも有る感情だよね?

分かってくれるだろう?

だからさ……

私にために犠牲になってくれ。


向こう側へ……3

「ふーん♪ふふふん♪ふふーん♪」

嫌われ者の妖怪、荒くれ者、その他あらゆる後ろめたいナニカを持った者達が集まる旧地獄、別名地下。

そんな中を一人の男が上機嫌で歩いていた。

真っ黒なズボンに、赤いベルトが両足に巻き付き、左腰には黒地に赤の装飾がされたステッキを武士の刀の様にぶら下げ、逆の右腰には本がベルトにくくりつけられている。

上半身はこちらも同じく、黒地に赤のラインが絡み付いたようなジャケット。

傲慢さがあふれた不敵な表情をしている。

その男、名はオルドグラム・ゴルドミスタ。

人里に多大な被害をもたらした、「災害」と呼ぶにふさわしい男が旧都を闊歩していた。

「そこの妖怪。すまないが旧灼熱地獄は何処に有るか知らないか?」

道ゆく鬼のような妖怪に話しかえる。

「ああ?それなら!!俺が送ってやる……ぐぁ……?」

襲いかかろうとした瞬間、妖怪の動きが止まる。

妖怪の喉をオルドグラムのステッキが貫いていた。

「汚いなぁ……汚くて臭くて臭くてたまらない……用が終わったらみんな『掃除』してしまおう……そうだ、それが良い。汚物はすべて私が消毒しなくては……」

ボトリと妖怪が地面に倒れる。

「まだ生きているハズだ、旧灼熱地獄は何処にある?」

妖怪はゆっくりと一つの方向を指さした。

「御苦労」

グリッ!!グリ、グリ……ボギン!!

それっきり妖怪は動かなくなった。

「それでは急ごうか……【浮上『夕焼けよりも速き男(メロス)』】!!」

その言葉と共に本から人魂が現れ一瞬で異形化する。

目隠しされ、両腕を切断された、走る為だけの男。

オルドグラムはそれに飛び乗った。

 

 

 

あの世にて……

「おい!二人とも急げ!!早く帰るぞ!?」

狂弦が死神から渡し船を奪っていた。

「わぁお!!意外と簡単だったねぇ」

「お邪魔します!!」

ですく、善の二人が船に乗りみ、向こう岸に向かって船を走らす。

しかし

「いやー悪いねぇ?お前たちを返す訳にはいかないんだなぁ。アタイが怒られちまうんでね」

突如として船の先に女が現れた。

波打つ刃を持つ鎌を持ち、気だるげに話している。

ふと、気が付くと船はさっき出たハズの岸に戻っていた。

「アタイの能力さ。さて、地獄を脱獄しようとした罪は重いよ?」

ガシッと狂弦の肩が掴まれる!!

「特にアンタは、最優先で連れて来いって言われてるんだ」

「何を……」

そう言った瞬間周りの景色が一気に様変わりする。

「光栄に思いな?四季様がアンタを今すぐ直接、裁いてくれるってさ」

それと同時に景色が止まる、先ほどの河原から裁判所の様な場所に……

「珍しく小町が仕事をしたようですね。さて、早速ですが貴方の裁判を始めましょうか?」

裁判官の居る場所に小柄な少女が座っており、手に持った金色のシャクの様な物を狂弦に向けた。

 

 

 

 

 

「ギニャッ!!」

「お燐!!」

さとりの足元に黒猫、お燐が投げ捨てられ、さとりが悲鳴を上げる。

「初めましてかな?地底の……支配人になるのかな?まぁ、私にとってはゴミクズ共の親玉でしかないのだけど……」

コツコツと足音をならせながら、オルドグラムが地霊殿をゆっくり歩いてくる。

「この屋敷なかなかいい趣味だ、地上に有ったなら貰っていた所だね」

笑顔を振りまきながら、血の付いたステッキを振り回す。

「……あなた!!狂弦を……!!」

オルドグラムの記憶を読んださとりが絶句し、涙を流す。

「チッ!こそこそと人の心を……!!気持ち悪いんだよ!!」

ステッキをその場で振りあげる。

「【浮上『雨を呼ぶ剣(クサナギ)』】!!」

僅かに液体が染み出したステッキを、さとりの脳天向けて振りおろした!!

 

 

 

「……邪魔をしないでほしい物だね?」

さとりの頭蓋を砕く寸前で、オルドグラムの腕が停止していた。

その腕には複数の札が張られていた。

「悪いけど、幻想郷をアンタの好きにさせる訳にはいかないのよ!!」

「魔法使いの恥は私が潰すんだぜ!!」

「……オルドグラム……許さない!!」

そこにいたのは博麗 霊夢と霧雨 魔理沙、さらにオルドグラムだった少女十村 麻衣!!

人の皮をかぶった最悪の錬金術師を討伐するために、駆け付けたメンバーだった!!

 

 

 

「悪いのだけど、引いてくれないかな?特に博麗の巫女は」

「あら、いきなり命乞い?いま大人しく封印されてくれるなら、半殺しにしてから封印してあげるけど?」

霊夢が札を構え、距離を取る。

あのステッキは正直厄介だ、接近戦は不利だと判断したのだろう。

「命乞い?私が?違う違う。君は英雄だ、その英雄に刃向ったら周りから不評を買うだろう?貴重な資源だ、無駄にしたくは……」

「マスタースパーク!!!」

オルドグラムの会話の最中に極太のレーザーが彼を包込んだ!!

「いちいちうるさいぜ!!お前のしたことで私はとっくにキレてるんだ!!」

ジュウ……と音がし何かが焦げる嫌な匂いが辺りに充満する。

「あッはははは!!焼けるってのはこういう痛みなのか!!初めての体験だよ!!また一つ賢くなったよ」

煙の中心から、顔の半分が溶けたオルドグラムが笑う。

もちろん彼とて蓬莱人の肝を口にした人間、再生こそすれ痛みが無くなったわけではないのだが……

 

「チッィイ!!変態野郎め!!」

再びミニ八卦炉をオルドグラムに対して構えるが……

「一度見た、もう十分だよ【浮上『巨塔と長髪(ラプンツェル)』】!!」

「な、なんだぁ!?」

地霊殿の床を突き抜けるように、石で出来た塔がせりあがってくる!!塔の先端には女神の様な像が制作されておりそこから異様に長い金色の髪が三つ編みで垂れている。

オルドグラムはその三つ編みにつかまり、マスタースパークの直線上から回避した!!

「くそぉ!!化け物か!!」

「魔理沙落ち着きなさい!!コイツを人間と思っちゃダメよ!!」

悪態を飛ばす魔理沙を庇うように、霊夢がお祓い棒を構える。

「良いセリフだ、確かに私は人間を遂に超越した!!今ならこんな事も出来る!!」

そう言ってステッキを塔の根元に向かった振るう、そうすると塔の根元が意図も簡単に切断された。

「むぅううはぁ!!」

そのまま彫像の髪を引っ張り、滅茶苦茶に塔その物を振り回す!!

破壊音が響き、地霊殿その物が破壊されていく!!

「どうだぁ?少しばかりスマートさに欠けるが!!これが私の今の身体能力!!」

そして、遂に塔を引っ張り、魔理沙達に叩きつけた!!

塔が地面に落ちると共に凄まじい音を立て、地霊殿自体が半壊した!!

 

「しまった……幻想郷の英雄も殺してしまったか?……くは!!くははっはは!!無敵!!まさに完全無敵!!不老不死の永遠の肉体!!無限の欲望!!錬金術により作られた最強の武器!!そして偉大な知識を湛える魔術書!!完璧だ!!完全無敵!!今ここにオルドグラム・ゴルドミスタ!!完全復活!!世界よ!!世界その物よ!!私だ!!私が中心だ!!私を中心に世界よ回れ!!!ハハハハ!!!ア~ハハハハハハ!!!」

その場でげらげらと笑いだすオルドグラム。

 

それはもう既に人間ではない、醜い欲望に支配された怪物!!

 

永遠の名に寄生し、知識をむさぼり、魂すらも自らの為に簡単に犠牲にする怪物!!

 

そのその存在はやがて世界の全てを食らい、無に帰すだろう。

 

彼が永遠と無限を手にする限り……

 

 

 

 

 

パァン!!と乾いた音が響く。

「んん?」

そう反応したオルドグラムの額には、穴が開いていた。

 

「切り刻むんだ……罰を与えるんだ……許すな……引き裂き、悲鳴を上げさせるんだ……コイツを絶対に許すな!!」

オルドグラムの前に煙の出る猟銃を構えた古明地 こいしが立っていた。

「無粋な事を……ゴミめ!!」

オルドグラムはそう吐き捨てた。




ふう……オルドグラムを書いてると、ついハッスルしすぎてしまう作者です。
無双系はいいな……
そのうち設定変えて、オルドグラム主役でなんか書こうかな?

……原作キャラ死にまくりそうだな……
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