東方生迷伝   作:ホワイト・ラム

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毎回それっぽい事書いてたけどネタ切れだな……
ま、いっか!←(魔法の言葉)


地の底の光1

「ほらほら、こっちこっち!」

 

「ああ、解ったから。手を引っ張らないで」

美琴改め狂弦がこいしに連れられ旧地獄街道を歩いていた。

歩きながら狂弦は、つい先ほど使用方法を覚えた自身の能力を使う。

{悪意を読み取る程度の能力}とさとりは言っていた。

心の中で、目を開けた状態から、もう一度瞼を開くイメージをする。

そうすることで周りの物がサーモグラフィーの様にシルエットはそのままで色が付く、色の違いと大きさでその人物の持つ悪意が何に向け物か、どれほどの大きさかという事がわかる。

狂弦の前から二人組の妖怪が歩いてくる。非常に楽しそうに談笑しているのだが……

悪意の色から、片方の妖怪はもう一人が殺したいほど憎いと思っているのが理解できた。

今度は目ではなく耳を澄ませるイメージをする。

 

【いつも俺を下に見やがって……隙をついてバラバラにして殺してやる……】

 

すれ違いざまに片方の妖怪の悪意の声が聞こえる。

しかし少し離れたところでプツンと声が消えた。

 

(詳しく内容が読める範囲は4.5~5メートル位か……)

狂弦は自身の能力を理解すると同時に、飛躍的に使い方を覚えて行った。

 

「ほら、目的の場所はここだよ!」

こいしが一つの店の前で足を止める。

 

「御服屋?」

それは紛れもない服屋だった、女の子らしくおしゃれの為かと思ったが……

 

「ここで狂弦の服を買うんだよ!」

にっこりと笑うこいし。

 

「そういえば、荷物はみんな長屋に置いてきちゃったからな……アレ?この服は?」

今更だが狂弦は自身が持っていなかった作務衣を着ている事に気付いた。

 

「俺のじゃないよね?地霊殿の?」

 

「ちがうよ、ここの服屋でもらったの。前の服はボロボロだったからね」

服を見ながらそう呟くこいし。

 

「そうか、体は何とか治ったけど、服までは再生しなかったのか」

再び自身について考察する狂弦、しかし次の一言で完全に思考が停止する。

 

「そうだよー、だからいろんなところがポロリってしてたよ、あはは」

気にしないと言った感じで、笑ながらなおも服を見るこいし。

 

「ちょっと待ってこいしちゃん、ポロリって?」

 

「それをこんな往来で女の子に言わせるの?そーゆープレイが好きなのかな?」

 

「やっぱり言わなくていいよ……」

何か大切なものを無くした気がする狂弦。

 

「どうしたの?お腹痛い?」

 

「いや、そうじゃ無いんだ……」

落ち込む狂弦と慰めるこいし。

何処かおかしな二人組。

 

「いらっしゃいませ」

店の奥から恰幅のいい男が現れた。

 

「あー呉服屋さん!この前はありがとう!」

こいしがそういって頭を下げる。

 

「いえいえ、そちらはこの前の方ですね?」

狂弦を見つけ同じく笑顔を作る店主。

 

「知らないうちに助けられたみたいですみません」

店主に対して頭を下げる、ニコニコしたまま店主は、気にしないで下さいと答える、

 

「本日はデートですか?」

楽しそうに二人に質問する店主、そこからは僅かに茶化そうといういたずら心が読み取れた。

 

「うんん、違うよ。狂弦の服を買いに来たの!お姉ちゃんが飼ってもいいけど世話はちゃんとしなさいって言ったから」

悪意が全くなく、こいしがそう話す。

 

(俺、ガチでペット扱いか……)

再びペット扱いに少し気を悪くする狂弦。

 

「お燐さんとお空さん以外にもの姿のペットがいたのですね~」

呉服屋がしみじみとそういう。

 

「ん?お燐さんとお空さん?」

 

「狂弦は知らなかったんだね、お姉ちゃんが飼ってるペットなんだけど二人とも人型になれるんだぁ、私も人型が欲しかったんだよねー」

こいしがふと思った狂弦の疑問に答えた。

 

「そうそう、服どれにするの?私は首輪だけでも構わないんだけれど狂弦はイヤだよね?」

 

「首輪だけは……チョット世紀末過ぎるファッションだね……」

こいしなら本気でやりかねないと考えながら、つぶやいた。

その後……

 

「うん、これが良いかな?」

その後狂弦は作務衣数着と外から流れてきたデザインを流用したカッターシャツに近い服と、普通のズボンを手に入れた。

 

「服はこれでいいよね」

財布から現金を出しながらこいしが確認する。

見た目が自分よりも若い子にお金を出してもらうのは多少気が引けた。

 

「この分はそのうち働いたりして返すから」

こいしにそういったが。

 

「そんなの良いのに、それより、もっと街を見ようよ!」

買い物袋を持った二人が旧地獄街道をうろつく。

 

ゴロツキが多いのか、耳を集中させるとそこらじゅうから物騒な言葉が聞こえてくる。

 

「あ!狂弦!あれ見て!」

こいしが指をさすその先には……

 

「おらぁ!死ねや!」

 

「クズが!黙ってろ!」

二人の妖怪の喧嘩が起きていた。

 

「喧嘩だ!ねえねえ、見て行こうよ!」

こいしが瞳をきらきらさせて狂弦の袖を引っ張る。

 

「野次馬か?嫌いじゃないけどさ……」

半ばあきれながらも狂弦は向かう。

 

「ほら!始まるよ!」

 

「あ……」

喧嘩の光景を見て狂弦は言葉を失った。

片方の妖怪が花火を思わせる光弾を発し、もう片方がそれを避けつつ工具のナットやボルトを思わせる弾丸を発射していた。

 

「すごい……きれいだ」

狂弦がポツリとつぶやく。

 

「自分の妖力とかを弾幕にして、相手にぶつけるの。弾幕ごっこって言うんだよ?」

思わず見とれる狂弦にこいしが説明する。

 

「すごいなぁ、こいしちゃんも出来るの?」

美しい弾幕から目をそらしこいしに聴く。

 

「もちろんだよ、ほら」

そう言って自身の掌の上に薔薇の形の光弾を作った。

それは狂弦が最初に見たこいしの弾幕だった。

 

「すごい!こんな形まで作れるんだ」

 

「狂弦も妖力が有るから作れると思うよ?帰ったら教えてあげるね」

 

「本当かい?」

狂弦は目をキラキラさせた。

自分が同じものを作れる、それは弾幕の美しさに魅せられた狂弦にとって思いも依らぬ吉報だった。

 

「地霊殿に帰ったらさっそく教えてあげるね。あ!そうだお燐とお空にも見せてもらうといいよ!たぶんそろそろ帰ってきている頃だから」

そうして二人は地霊殿へと帰って行った。

 




次は地霊殿の他のメンバーとの絡み予定です。
出来れば鬼と橋姫も絡めたい……
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