マワる世界   作:リンちゃん

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剣の試練(前編)

「身構えずにここに座ってくれ。」

めがねの先輩が指を指した方向は、部?の机である。

「ここですか?」

「そう、ここだ。ここにあぐらをかいて座ってくれ」

指示された通りにあぐらをかく。

「では今から少年の剣を作る。皆も準備してくれ。」

すると全員が一斉に剣を出し、地面に突き刺す。

顧問とかに怒られないのかよ・・・。

 うっ・・・。

  な、なんだこれ・・・。

 

気がつくと、草原の真ん中にいた。

あたりを見渡すと、城ととてつもなく大きな木が左右にある。

これは、木にいくのがストーリ進行にも繋がるだろうな。

と木の方向に足を進めると、

「へぇ、君はそっちへ行くんだね。さながらゲーマー君かな?それともただの馬鹿?」

脳内に響く。

どこだ、と辺りを見渡す。

「へへっ、こっちだよ。」「こっちだよ。」「どこみてんの。こっちこっち」

複数の声で思考が鈍くなる。

まるで遊ばれているようだ。

「何を言われても無視するんだ。そのまま選んだほうへ進み続けろ。」

ハッと聞き覚えのある声が聞こえた。メガネ先輩の声だ。

俺は、それを聞いて脳内に響く声をもろともせず、木の方へ進む。

 「けんちゃん!何度いったら分かるの。こんなこともできないの?」

!? なんだいまのは。

俺の記憶・・・。しかも子供の頃の

 「お子さんの事ですが、ゲーム以外は集中力がなく、このままでは自立できんでしょうな。」

 「今後一切ゲームを禁止します!」

そうだ、、これは・・・。

 「そうだわ!この子は私たちの子じゃないのよ。だから親の言うことが聞けないのよ。だったら腕を切って無理やり言うことを聞かせないとダメね。」

 「なんだその反抗的な目は!お前みたいなやつが社会に出ても役に立たないんだよ!」

俺の過去の記憶だ。

 「冷蔵庫にご飯はおいておくわ。後は勝手にしなさい。」

やめろ

 「まだ反抗するのか?一回死んだほうがいいぐらいの地獄を見ないとダメなようだな。」

やめろ、

 「お前、親に逃げられたんだろ?なんとか言えよ、このオタク。」

「やめろー!」

はぁはぁ、やめてくれ・・。

 「ヒヒッ、君が反対の城のほうへ行くというならやめてあげるよ。」

小さな光が目の前を通過し、後ろの城の方へ向かっていく。

それを目で追うと自然と足が城の方へ向いてしまった。

そうだ。剣なんていらない。僕は生きていたらいいんだ。こんな嫌な過去早く忘れてしまえ。

一歩一歩確実に、ゆっくりだが城の方へ向かっていく。

進むたびに、楽しい過去がよみがえってきた。

 「お前、このラスボス一人で倒したんだって?手伝ってくれ!」

 「いいやつだな。これからも仲良くしてくれ。」

 「先輩、勝ち逃げは許しませんよ。僕も来年そこへ進学して必ず先輩を倒します。」

 「けんちゃんは、いつまでもけんちゃんだよ。」

あぁ、これが俺の望んだ結末だ。これでいいんだ。ここが俺の居場所だ。

「惑わされないで、それはすべて幻聴よ。」

だれだ、お前は。

「よく見てみなさい。あなたはいま何をしようとしてるの。」

城をよく見る。ん?

城へ行く道がなくなってないか?

進む足を止めた。そして地面を見る。

あと数十メートル進めば、崖であった。

崖からは、うめき声が聞こえる。

俺は進む足を木の方へ変え、進む。

 

すると、ドドドド・・・という盛大な足音がだんだん大きくなっていく。

木の後ろから変な騎士が大群で攻めてきた。

後ろは崖、前は騎士の大群。絶体絶命だ。

俺は死を覚悟しながら、突っ込む。

騎士は、攻撃をしかけてくる。

剣や槍、弓矢を射て攻撃してくる。

だが突っ切っているだけなのに、なぜか俺に当たらない。

あたっても、かすり傷だった。

よし、このまま木まで全力疾走だ。

すると騎士の大群を抜けて、もうすぐ木までつくと言うのに大きな騎士が1体待ち構えていたのである。

大きな騎士は剣を2本抜き、1本をこちらへ投げてきた。

試合のようだ。

俺はそれを手に取ると、騎士は「ふぅー」という声を出しながら馬から降りた。

 

周りの騎士が戻ってきて俺たちを取り囲んだ。

相手はヨロイがあるが、俺はヨロイがない。

俺は切る位置とよける感覚を脳内で計算しながら、相手が動くのを待つ。

あれだけの鎧だ。動く早さも遅いし、動くと音が鳴るだろう。

相手の出方次第で結果が決まってしまう。

自ら飛び込んで行くのは危険すぎる。

すると一瞬の風が来て、木の葉が俺たちの間を通る。

ちょうど、騎士が隠れて通りきった頃にはすでに間合いを詰められていた。

焦り、ガードに入る。が、それは詠まれていた。

騎士は剣を持っていない手のほうで俺の顔をつかみ、地面に叩きつける。

「ぐはっ」と言ったそばからザシュッと音が鳴った

倒れたそばで心臓を一突きだ。

ハッと我に返る。

え、死んでいない。どういうことだ

するとまた一瞬の風が来た。そして前と同じく木の葉が間を通る。

通りきると、騎士が間合いを詰めていた。そこで俺は頭を狙い、振りかぶる。

が、腕力のない俺は、そのまま釣られて尻餅をつく

カンッと音が鳴ると、兜が取れた。

 

兜が取れると、騎士は顔を隠し、ザッと後退した。

「アァアアー」

声が聞こえて数秒、顔から手を離した。

「ひっ」

この世とは思えないほどおぞましい顔をしていた

顔は一部が損傷していて、口は裂けている。

周りを囲んでいた騎士は、その顔を見て全力で逃げていく。

すると周りの道が割れ、騎士たちが落ちていく。

巨大な木を中心に、俺と大きな騎士との一騎打ちとなる。

また声が聞こえる。

 「今すぐ逃げるんだ。君が勝てるような相手じゃない。木に触れると元の世界に戻ってこれる。急ぐんだ。」

 「そこでは痛みもすべて感じるんだ。相手はまだ完全に力を出せていない。はやくするんだ!」

またハッキリと聞こえる

 

「痛みもすべて、だったら死も感じるんですか?」

 「そこで死ぬと、本当に死んだことになる。手遅れになる前に早く木に触れるんだ。」

「だったら嫌ですよ。死ぬ場所は自分で決める。そして俺のゲーム魂がそれを拒む!」

カッコつけて、騎士に突進する。

が、あっけなく手ではじき返される。

はじかれたと同時に、相手が襲ってきた

1撃、2撃、3撃と連続で続く。

防御するだけなら俺にもできるようだ。すべての攻撃を防御して、地面に着地する

へへっ、楽しいね。こんなにも運動したのは久しぶりだ

俺はゲーム感覚で遊んでいた

 

「ヴヲオオオォォーーー!」

雄たけびを放ち、俺との間合いを詰めてきた。

 「バカかお前は。手遅れになる前に早く戻れと何度言ったら・・・」

「ちょっと黙れ。」

初めてだ、初めてこんな感覚を味わった。

いままでゲームのなかだった戦いが生身でできるのだ。

そうか、こんな感覚で皆戦っているのか。

敵を攻撃し、傷つけるたびに湧き上がる高揚感。

敵から攻撃を受け、傷つくたびに湧き上がる興奮。

死とはかけ離れた感情だった。

が、それは一瞬で崩れた。

 

気がつくと、右手がなくなっていた。

数秒後、ボトッと右手が後ろに落ちた。

痛い痛い痛い痛い、助けて。

恐怖を感じた。

すると、騎士はザッと右手に近づき丸呑みした

「やばい、早く戻れ!」

俺はそれを聞き、全力で木に向かう。

するとさっきまで大きかった木が、いつのまにか小さくなっていた。

出血多量による意識朦朧、恐怖で足が思うように動かない。

なんとか手をのばし、後ろを向くと騎士がいた。

そして剣が首を刎ねる。と同時に体が木に触れた。

 

「うわぁーーー!」

ガバッと机から起き上がる。

正面にいたメガネの先輩が

「お前、2度死んだな。そして何度か攻撃を当てたな。」

そう言うとガッと顔を殴った。

「バカか貴様は!俺たちは死なないが、俺たちが死んだ分親身が死ぬんだぞ!」

最初は両親、祖父母、兄弟、友人達が!

そこで俺は気づいた。

本当の両親が死んだ?あの無能が死んだ?

すると心が一気に軽くなった。

「そうか、ありがとう。」

と言うと部屋を後にした。

 

足取り軽く家路につく。

ガチャっ 「タダイマー!」

家に唯がいた。

「けんちゃん!大変よ。あなたの両親が!」

なきながら俺のほうへ来る。

「両親が心臓麻痺で今病院へ運ばれているわ。」

!?

そんな、嘘だろ?だって死ぬのは実の両親のはずだぞ




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