あの名探偵の世界に転生したら、死神が怖い 作:鈴水
夜美の親と、吉田あゆみの親は仲が良かった。
夜美は母の手伝いで頻繁に買い物へ行くのだが、吉田あゆみの母親と出くわすと、母は何十分も、その場で立ち話をし始めたりする。
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江戸川コナンが転校してから何週間か経過した。
夜美は学校が終わると、誰とも関わり合いにならないように、すぐに帰宅を始める。
もう既に、街では3件の殺人事件が起きていて、誰も名前は出さないが、江戸川少年が関わっているのだろうと、夜美には容易に想像できた。
すぐに犯人は逮捕されて、事件はすぐに解決する。
警察は優秀であるとか、そして毛利小五郎の名前がニュースに出てくる。
それなのに、街には険悪な雰囲気などなく、何事もなかったように日常が流れ始める。
これだけ人殺しが起きれば、普通は子供の外出には神経質になるのではないのだろうか。
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帰宅すると、母が今から買い物へ行こうと言って来た。
そして、近所のスーパーへ買い物へ出かけることになった。
買い物へ行くと、既に吉田あゆみの母親がいて、その付添に、珍しくあゆみの姿があった。
親は親同士で、子は子供同士で雑談を始めることになった。
「ねえ夜美ちゃん。今度、少年探偵団でキャンプに行くことになったの」
(え・・・)
笑顔が一瞬でひきつった。
それはフラグだろうと、心の中で叫び声を上げた。
だが、本当の恐怖はここからだった。
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「夜美ちゃん、一緒に行かない・・・?」
「え・・・?」
上目使いで、目を見つめ、手を握りながら「お願い」をしてくる吉田あゆみ。
女の子が一人だけで、心細いのだと言いながら、私をキャンプへ誘ってくる。
アガサ博士という老人が保護者として着いてくれるのだが、友人を誘っても良いと言っているらしかった。
「あの・・・えっと・・・」
(それ、絶対殺人事件起こる!フラグだよ!)
目を泳がせながら、どうやって断ろうかと考えている夜美。
しかし、そこで、母親が都合悪く口を挟んできた。
ぽんと、背を叩いてくる母親。
その顔を見上げるように振り返ると、
「いいじゃない、夜美。行ってらっしゃいな」
親指を立て、子供へ「絶妙なアシスト」を出したと思っている母。
どこかドヤ顔なのだが、夜美の内心は真っ青になっている。
「やった、ありがとう!」
反応が無い夜美へ、それを肯定と受け取ったあゆみ。
あゆみは、夜美へ抱き着いてきた。
母親達も、微笑ましそうにその姿を見ていた。
涙こそ流さないが、絶望感だけが心の中に立ち込める。
諦観に似た感情が思い浮かんだ
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小学生で、キャンプなど、普通はいかないのだろうと思う。
だって、危ないし、山は危険でいっぱいである。
そうでなくても、江戸川コナンが居るのだから、ただで済むはずが無い。
車は壊れて、付近の住宅へ寄り、事件に巻き込まれるのだろうと・・・、夜美は結局、良い言い訳が見つからず、まるで世界がそう定めるかのように、夜美はキャンプへ行くことになってしまった。