ダンジョンで英雄になるのは間違いだろうか   作:Oruka

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受験生なのに夏休みを満喫するのは間違っているだろうか

改めて見るとオラリオは面白い街だ。

 

剣やら防具を装備した冒険者が歩いていたり人だったりエルフとか獣人とか……………。

 

 

「いらっしゃいませニャー!!

 

お、白髪頭来たな「コラ、お客様にそういう事を言わない」」

 

 

猫みたいなというか語尾がもれなくニャーな少女がいらっしゃいませと同時にベルをディスる。

 

多分悪気があるような感じでは無いから怒る事もしない。

 

それを止めに来たエルフの少女も半分くらい諦めた表情なのを見ると常習犯のようだ。

 

 

「すみません、クラネルさん。

 

そしてこの方は……………」

 

 

若葉色の綺麗な髪に水色の澄んだ瞳が俺を覗き込む。

 

エルフは壮麗で誇り高い種族というのは聞いていたがこれは驚きだな。

 

 

「俺はリュート・クロノス。

 

さっきヘスティアファミリアに入ったもんだ」

 

 

「さっ、早く中に入ろうよリュート兄さん」

 

 

1人で中に入っていくベル。

 

ベルと俺を見ながら兄さんという単語が疑問なのか首を傾げるエルフさん。

 

とりあえず俺がヘスティアファミリアに入る事になったきっかけを説明したら納得してくれたようで助かった。

 

 

「私はリュー・リオンと申します。

 

以後お見知り置きを」

 

 

中に入るとそこは居酒屋っぽかった。

 

オッさん達が酒を飲み食いしながらどんちゃん騒ぎしている。

 

騒がしいが非常に心地の良い不思議な感覚だ。

 

カウンター席に座っているベルの隣に腰をかける。

 

それと同時に俺とベルの前に山盛りとなったパスタがドンと置かれる。

 

 

「あんたらシルの知り合いで随分な大食漢らしいね?

 

今日は遠慮しないでドンドン食べなよ?」

 

 

ごっついおばちゃんが物凄く強そうなオーラを放っている。

 

多分怒らせたらダメな人なんだろうな…………………

 

口に運んで見ると驚くほど美味かった。

 

元の世界で食べたものよりも数段と美味かった。

 

吸引力の変わらない掃除機よろしくな吸い上げでドンドン平らげる。

 

 

「ご予約のお客様の来店ニャー!!」

 

 

猫っぽい少女の声が聞こえたと思い入り口の方を覗くと7人がぞろぞろと入ってくる。

 

元からいた客がザワザワとする中平然と歩くその姿は強者のそれだ。

 

1人1人から只者ならぬオーラが漂う。

 

そしてそれぞれについているマーク。

 

あれはこのオラリオでもトップクラスの探索系ファミリアのロキファミリアだ。

 

その中の1人頭の上で腕を組んでいる朱色の髪をしたおん………おと………恐らく神様がこちらに気付いたのかこちらに目を向ける。

 

そして俺と目が合った瞬間、何かに驚いたようだったが直ぐに輪の中へ戻った。

 

彼らが席に座ると客達も再び元の騒がしさを取り戻す。

 

 

「ひゃー、流石は天下のロキファミリアだなベル」

 

 

「…………………………………」

 

 

真っ赤になった顔を両手で隠しながらチラチラとロキファミリアに視線を向けるベル。

 

いや、ロキファミリアというよりその中の1人だ。

 

視線を辿ると金髪の長い髪に金色の瞳にのほほんとしているが無口感が強い美少女だった。

 

これ以上余計な詮索はしない方がいいか。

 

 

「ハッハッハ、おいアイズあの話してやれよ」

 

 

銀髪の狼青年がそこらにいる客のように大声を出す。

 

あの話というのが気になったのか褐色の肌をした少女が聞く。

 

 

「あぁ、今日俺らが偶然取りこぼしたミノタウロスが奇跡的に上層まで登っていってそこで襲われてたガキをアイズが助けたんだよ!」

 

 

狼青年が話し始めてから赤面していたベルの様子が変わった。何かに怯える兎のように震えている。

 

 

「その助けた時にミノタウロスのくっせぇ血を浴びてよ、そのガキトマトみてぇに真っ赤でよ。

 

うちのお姫様、そいつに逃げられてやがんだよ!!」

 

その話で褐色の少女がギャハハと騒ぐ。

 

「やめろベート。

 

ミノタウロスを取り逃がしたのは我々のミスだ、その少年に謝ることはあっても肴にしていい通りは無い」

 

流石にマナーが悪かったのか、人を蔑むような態度の青年に対して誇り高いエルフの女性が嗜める。

 

 

「くっ!!」

 

 

ベルは突然立ち上がり走り出してしまった。

 

 

「お、おいベル!!」

 

慌ててベルを追おうとする。

 

それと同時に金髪美少女も立ち上がりベルを追う。

 

店の外に出ると既にベルはかなり遠くまでいってしまった。

 

 

「なぁアイズたんどしたん〜〜、ベートのアホならミア母ちゃんに頼んで縛ってもらうからもうちょい飲もうや…………そこのにいちゃんにも来てもらうで、少し聞きたい事があるんや」

 

 

「私も……………」

 

 

アイズさんに襟を掴まれたせいで逃げる事も出来ずに店の中へと引き戻される。

 

先程の狼青年が亀甲縛りされている。

 

 

「ちょい済まんな〜〜、ベートとティオナとティオネは先に帰って来れへんか?」

 

 

「えぇー、何でよ〜〜」

 

 

ティオナとティオネのアマゾネス姉妹は納得出来ないようで文句を言っている。

 

 

「ちょ〜〜っと大事な話なんや、出来ればアイズたんも居ない方がええ。

 

別にあんたらを信用して無い訳ちゃう、せやけどこれはそう簡単な問題ちゃうんや。

 

だからフィンとリヴェリアには残って貰うで」

 

 

いまいち納得のいかないがいつに無く真面目な主神に引き下がる。

 

「分かった…………けどあの少年の名前だけ教えて」

 

 

「ベル・クラネルだ」

 

 

アイズはぺこりと頭を下げるとベートを縛った紐を引きずりアマゾネス姉妹を抱えて店から出て行った。

 

引きずられているベートの叫び声が夜のオラリオに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

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