元々チートがチートを持って。   作:猫パン

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原作買ってからとか言いつつ買わずに開始。


いや原作前の話なら書けると思っただけだから。


二話

 

 

 

ベッドから起き上がり、鏡を視認し溜め息を吐く。

 

「またこの忌々しい体か……」

 

生前、彼が世界最強足らしめる要素が詰まった肉体。

老いることも死ぬこともなく、唯ひたすらに殺戮を繰り返す。

そんな悪鬼を使役し従え己の体に封じ込め、その力を我が物とする。

 

契約では無く、敗北による強制力。

 

死する事がない体となる。

 

 

「神も粋な事をする。前世での力をそのままに、新たな力を持たせるとは……」

 

 

彼の体には二つの力が存在していた。

 

悪鬼とORT。

 

闇と水晶。

 

不死と不滅。

 

人間を殺戮する悪鬼と人間を滅ぼすORTが互いの存在を認知しながらも共存していた。

 

 

ふと、彼は手紙を手に取った。

 

『これを読んでいると言うことは、うまく転生出来たみたいね。

 

さて、疑問に思っているみたいだから説明するけど。貴方の魂に耐えられる体を創ったんだけど、いざ魂を入れたら崩壊しちゃってね。

結局前世の貴方の体を再度、器にすることにしたわ。

 

付属で悪鬼も着いてきたけど、諸々の説明をしたら快く貴方に従うことを了承したわ。

だから貴方が望んだORTとも、争うことは無いと確信できる。

 

そして貴方の立場は主人公、兵藤一誠の兄。

兵藤龍よ。

 

原作を崩壊させるのも原作通りに進めるのも貴方の自由……っと、貴方は原作を知らなかったわね。

 

 

まあどう進めるかは貴方次第よ。

 

貴方の人生に幸あれ。』

 

 

 

「ありがたいねぇ。この忌々しくも愛らしい体をもう一度使えるとは…………良い!!」

 

狂喜の笑みを浮かべ、新たな力を喜ぶ。

 

 

「さて、力の整理をするか。ORT!」

 

そう叫んだ。右腕が水晶となり、徐々に浸食していく。

 

そして気に入らず霧散させた。

 

「気に入らねぇな。この俺が武器となるのは最後の手段だ。 俺の中に居る以上、俺に従え!!」

 

その声に反応し、再度ORTの浸食が始まる。

 

右腕を一度覆い、そして右手だけを覆い浸食が止まる。

 

そして右手の隙間から細長い物が飛び出る。

鋼糸だ。

 

通常の鋼糸とは違い、ORTの水晶で出来た物だ。

 

 

「良いなおい!想像以上に使いやすい! 悪鬼!!」

 

左手が闇に染まり、同じ様に隙間から鋼糸がでる。

 

全く別の力を同時に使いこなす。

そして満足し、霧散させる。

 

 

「最高だ、これから頼むぜ。『相棒共』」

 

二匹の規格外な人外が手を組み、一人の人間に手を貸した。

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

転生してから五年。

 

何事もなく、時々はぐれ悪魔を狩るだけの日々だった。

 

 

「龍、今大丈夫か?」

 

「ん?問題ないが、どうした。」

 

ドア越しに聞こえる一誠の声に、龍は反応しドアを開ける。

 

「一寸した?相談なんだけど……」

 

「ん?なんだ。言っておくが俺にそっちの気は無いぞ。」

 

「違うって!……こう……何て言うか見て貰った方が早い。」

 

龍は一誠を部屋に誘い、座らせた。

 

「それで?何を見せようって?」

 

一誠は頷き、右腕を突き出す。

 

光に包まれ、そして収まると赤い籠手がそこにあった。

 

「これなんだけど……何だと思う?」

 

神器(セイクリッド・ギア)か。  

こんな簡単に発現するのか。)

 

 

 

「そうだな、発現した良い機会だ。

面白いことを話してやるよ。だが、これを聞いたら後戻りは出来ない。それでも聞くか?」

 

少しだけ狂気を浮かべ、問い掛ける。

その笑みに一誠は生唾を飲み込む。

 

「ああ。 それで龍の隣に立てるのなら。

兄に追い付きたいと思うのは弟の性だ。

それにーーーーーーーー

覚悟は出来てる。」

 

「良い目だ、だが動機が不純だな。

 

まあいい。なら話してやるよ。

 

 

 

真実を。」

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

「えっと、つまり天使や悪魔や堕天使がドンパチやってると……」

 

「そうだ、聞いた話だが事実さ。 確証もあるしな。」

 

「信じがたい話だな。」

 

ガシガシと頭を掻く一誠。

 

「はは。信じがたいのは当たり前だ。

だが事実だ。」

 

「ああ、それは分かってるよ。龍を信じてるからな。」

 

(こいつは何時からブラコンになったんだ……)

 

 

「取り敢えずその話は後にして、この赤い籠手は……さっきからちらほら出てくる神器ってやつか?」

 

「察しが良くて助かる。その通り、お前の腕にあるその籠手は、神器と呼ばれる規格外の力さ。

ただ、神器にも種類があってな。

その種類までは俺には分からん。」

 

「龍にも分からない物があるのか……」

 

「お前は俺の事をどう見てるんだよ……全知じゃねぇんだぞ。

ただまあ、分からないなら調べれば良い。」

 

龍は一誠に籠手に手を置いた。

 

「まあ、中に何かが居るのは分かってるから……行ってこい!!」

 

呪文を唱え、籠手に置いた手が光出す。

 

そして一誠の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

         ーー△ーー

 

 

 

「ここは何処だ?」

 

薄暗く、そして赤い空間に一誠は居た。

 

「確か……龍が手を置いて、そして……」

 

『ほう、ここに自ら来れる奴が居るとはな。いや、これは外的要因か。』

 

「だれだ!?」

 

一誠が振り向くとそこには赤く、そして巨大なドラゴンが居た。

 

『俺の名はドライグ。世界最強の二天龍の一体。赤龍帝のドライグだ。この神器、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿るドラゴンだ。』

 

「なんでそんな奴が……」

 

『何の因果か知らないが、偶然だろうさ相棒。』

 

一誠が光出した。

 

『時間のようだ、目覚めたら神器を出せ。

会話ができる。』

 

「ああ、分かった。」

 

光が強まり、一誠が消えた。

 

    

 

 

         ーー△ーー

 

 

「で?何かと会えたか?」

 

「ああ、収穫はあった。 来い!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

 

一誠の呼び声に答え姿を表す赤い籠手。

 

「ほう、正体が分かったか。」

 

「ああ、ついでに中に居る奴もな。ドライグ。」

 

『ああ、赤龍帝ドライグだ。』

 

「二天龍か、こいつは面白い。おい一誠。」

 

「なんだよ龍。」

 

「今日から俺がお前を鍛えてやる。」

 

狂気の笑みに一誠は苦笑い。

 

「えっと……因みに拒否権は……」

 

「あるわけ無いだろう。神器が発現した以上、命を狙われても可笑しくねぇぞ。」

 

「ですよねぇ……」

 

 

 

 

 

原作開始まで3年。

 

 

 





設定を少々。


龍の前世からの相棒。

悪鬼。

不死の怪物、勝者に絶対の忠誠を誓う殺戮を生き甲斐とした魔界の生物。


武器。

鋼糸。


龍が最も得意とする武器。

刃が付いた、文字通り鋼で出来た糸。

龍は悪鬼とORTを鋼糸に加工し、武器とした。



悪鬼は魔力の化身。

ORTは純粋な破壊をもたらす。
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