SI -Second Irregular- 作:リンク切り
俺の勝利により、セシリア・オルコットが代表になるのは免れた。これで一夏がセシリア・オルコットに負ければ俺が、勝てば俺か一夏のどちらかが代表になることになる。
と言っても、勝ったとしてもあいつは代表を落りて一夏に譲る(さてはて、あれを譲ると言うのか。「押し付けた」ではないのか。)事になるだろうが。
なんにせよ、勝てて良かった。打鉄のシールドエネルギー残量を見ると、残り50を切っている 。
「俺は今、どこからツッコミを入れようか悩んでいる。」
「何だよ、藪から棒に。」
「藪から棒じゃないと思うぞ?」
「そうか?」
「まず、
「入学式の日だ。俺は入学式に出る代わりに実技試験を受けたんだが、そこで。」
「そうなのか・・・・・あと、一撃で勝つなんて、漣夏はやっぱりデタラメだな・・・・」
「やっぱりって何だ。心外だな。正当な勝負だったろ?」
「正当って言うのは、ちょっと違うんじゃないか?」
試合の後、打鉄を降りて次に戦う一夏をからかいに行った。一夏の方は白式が来ていて、もう装着していた。装着して、感触を確かめるくらいの時間はあったようだ。流石にまだ
ちなみに、この両方が終了すると
「それより、自分の心配をしろよ。俺と違って一夏はあれ以下なんだからな。」
「あれって・・・・そう言えば、セシリアは大丈夫なのか?凄い勢いで壁にぶつかってたけど・・・」
「ほう、早速敵の心配か?いいご身分だな、一夏。」
「いいだろ、心配するくらい。で、どうだったんだ?」
「ああ、気絶してるだけだった。暫くしたら起きるだろ。試合に変更はない。」
「そうか・・・・・」
ほっ、と、ため息をつく一夏。確かに、かなりの威力が乗ってたから俺も心配ではあった。別に殺したい訳じゃないし、殺すなんて最高につまらない事はしたくない。
試合の勝敗がついた後、気絶したセシリア・オルコットを回収しに行ったのは俺だ。あの程度の威力なら、一般人では軽く死んでいる。ISを装着していて、なおかつ絶対防御が発動したからこそ気絶で済んだのだ。
絶対防御は操縦者の命に関わるような攻撃を受けた時に発動するシステムで、発動すればあらゆる攻撃から操縦者を守る。ただし、シールドエネルギーの消耗が激しかったり、シールドエネルギーが突破されるような攻撃を受けると絶対防御は崩れる。
今回セシリア・オルコットのシールドエネルギーを一瞬で0にしたのは、このシステムを引きずり出したからこそできた芸当だ。絶対防御の防御力を貫通しないように手加減をしたりしなければ、あいつはもうこの世にいなかった筈だ。
俺が絶対防御を突破できるかは分からないが、多分できると思う。
「織斑くん!セシリアさんの準備が整いました!」
「ほら、次はお前の番だぜ。」
「あ、ああ・・・・」
「何だその返事は。まだ相手の心配をしてるなら、本当に勝てないぞ?」
「・・・・いや、大丈夫だ。」
「そうか。ああ、あと一夏。」
「ん、何だ?」
「お前のために、ブルー・ティアーズのビットは攻撃で壊さずに残しておいてやったぞ。善戦を期待するぜ。」
「漣夏!?」
「何をしている。早く行け、織斑。」
「千冬ねえ!?わ、わかったよ。」
スパーン!
「織斑先生だ。」
「お、織斑先生・・・・って、さっきのでISのシールドエネルギーが減ってるんだけど!?」
「ヤハハハハ!良かったな、一夏。代表候補生とハンデ有りで戦えるぜ!」
「嬉しくない!」
☆
さて。
ここからは一夏がどうやってセシリア・オルコットに立ち回ったかではなく、この一週間どのような特訓をしたのかということを紹介していこうと思う。
一夏と、放課後にした座学の時の話だ。最初の数日はISの知識に関わる授業の反復をしたが、それを終わらせた後セシリア・オルコットとの交戦についての話になった。
「前にも言った通り、代表候補生っていうのはかなりの強豪だ。なにせ、国の代表候補だからな。生半可な攻撃とかでは全く相手にならないはずだ。ISの起動をほとんどしたことのない初心者が付け焼刃なんかで勝てる相手じゃない。」
「じゃあ、どうするってんだよ・・・・・」
「まあ待て。今からそれを考えるんだろ。まず、セシリアオルコットと試合をするにあたって、事実上お前にある不利な点は大きく3つだ。」
「不利な点?」
「1つ。ISの起動時間の長さの問題。前の授業で習った通り、ISを起動している時間が長ければ長い程ISとのシンクロ率のようなものが上がる。それだけ動かしやすくなる。これはとんでもないハンデだ。お前は試合の日に初めて専用の機体乗るが、相手は何千時間と乗っているだろう。つまり、0対
「確かに・・・・」
「そして2つ。相性の問題。セシリア・オルコットの専用機はブルー・ティアーズというんだが、そのブルーティアーズは、遠距離からの射撃を得意とするISだ。近づく前にシールドエネルギーを0にされたら攻撃する暇もなく一瞬で負ける。」
「なるほど。でも、それなら俺達も銃を使えば大丈夫なんじゃないか?」
「さっきも言っただろ。付け焼刃じゃどうにもならない相手なんだ。射撃訓練に使う時間も勿体ないしな。」
「そ、そうか・・・・・」
「話を続けるぞ。3つ。これは1つめと重なるところもあるが、実力の差の問題。ISを動かすにも攻撃を当てるにも、練習すればする程上手くなる。実際、あいつは射撃の腕もかなりのものだろう。それに反応し避けられなければ、お前に勝利は無い。万に一つもな。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
会話に参加していた3人が押し黙る。
お通夜ムードってこのことを言うんだな。
「だが、別に絶対勝てないわけじゃない。こっちにも有利な点がある。」
「そうなのか?」
「1つ。こっちは相手の特性を知っていること。つまり対策を練る事ができる。2つ。相手はこっちの戦い方を全く知らない。例えば、一発逆転、不意打ちを狙うことが出来たりする。3つ。相手はこちらをISの何も知らない初心者だと見下している。その慢心に付け込むことが出来れば、という事だ。」
「色々考えてるんだな、漣夏。」
「当たり前だ。勝利への近道は戦術にある。よし、じゃあこれから対策を練る。まず、セシリア・オルコットとの戦い方だが・・・・・・」
☆
「で、何だ・・・・・・これ?」
「言っただろ。特訓だ。」
俺は一夏に、銃を向けながら答える。俺の他に2人、篠ノ之箒と苹果が同じように一夏を狙っている。対する一夏は、ハンマーを持っているだけの状態だ。
「こんなのが本当に特訓になるのか?」
「なるさ。言っただろ、相手の特性を知っていると有利に戦えるって。セシリア・オルコットの機体は射撃型。つまり、実際に打たれてみたほうが早いってわけだ。」
「それはわかるけど・・・・・でも、」
「一夏。みんなお前のために付き合っているんだぞ。その行為を無駄にするつもりか?」
「そうは言ってもだな、箒、」
「喋ってる暇なんてないぜ、一夏!」
「うわっ!?」
躊躇い無く俺は引き金を引き、打ち出される
「危ないだろ漣夏!」
「集中してないお前が悪い。ほら、2発目いくぜ!」
「うおぉッ!?」
「どうした一夏。ちゃんと集中していないと、私の攻撃は避けられないぞ!」
「お、織斑くん、いくよ・・・!」
「3対1はちょっと卑怯じゃないか!?」
「教えただろ。セシリア・オルコットの専用機ブルーティアーズには、第三世代兵装のブルーティアーズが装備されてるって。そのブルーティアーズは数機のビット型兵器で、色々な場所からビーム攻撃をすることができる。だからその対策には、多数の場所から一気にお前を狙う必要がある。つまりこれは正当な勝負だ!」
「これのどこが正当だよ!?」
「ヤハハ!早く避けないと風邪引くぜ一夏!」
俺は持っていた
案の定、一夏は1日風邪をひいた。
こんな忙しい期間に風邪引くなんて、危機感はちゃんとあるのだろうか。
☆
「よし、今日も特訓するぜ、一夏!」
「あ、ああ。それはいいんだけど・・・・・何でゲーセンなんだ?」
今日来ているのはゲームセンター"
沢山のゲーム音がひしめきあう中、大声で会話しないと聞こえないこの状況。
箒と苹果には遠慮してもらって、2人で遊びに、もとい、特訓しに来ている。
「知らないのか?最近じゃ、パワードスーツやISを題材にしたゲームなんていっぱいあるんだぜ。」
「それはそうかもしれないけど、ゲームやってて上手くなるのか?」
「当たり前だろ。まずはイメージトレーニングが大切なんだ。」
「ゲームってイメージトレーニング、なのか?」
「早く来いよ一夏。あ、それと、お前の特訓なんだから費用は全部一夏持ちな?」
「漣夏、まさかゲームをやりたいだk「お、アレからやってみようぜ!"微動戦士カスタム"?まあなんでもいいか。はいスタート!!」
「お、おい、そんな急に・・・・」
「いや、一夏があんなに弱いとは知らなかったぜ。」
「違う、漣夏が強すぎるんだ!」
「言い訳がましい奴だな。じゃ、今度はあれだ。あの音ゲーで勝負だ。」
「"三味線の達人"か。こう見えて、結構得意なんだぜ。」
「へえ、面白いな。じゃ、やってみるか。」
「いきなりレベル神で、フルコンボは流石に予想出来ないだろ・・・・・」
「あんまり手応え無かったな。一夏も不可しまくるし。じゃ、次はこれだ!」
「"マスオ・カーレース"、レースゲームはあんまりやったことないな。」
「俺に得意不得意は無いからな。さて、どんなもんかな。」
「7位か・・・・・結構自身あったんだけどな。」
「勘違いしないでもらいたいが、これは世界ランキングの事だ。ランキングトップとの時間差は小数点な世界だった。レース内順位は勿論漣夏が1位だ。初見で世界ランキングに入る漣夏がおかしいだけだ。うん。」
「ああ、ちなみに一夏のレース内順位は12位な。」
「このゲーム初めてだったんだから仕方ないだろ!」
「俺も初めてだけど?」
結局遊んだだけで帰った。
特訓?何それ。
結構時間開きました。このくらいの更新度でもいいかな。いや、さすがにちょっと長いよね。
もうそろそろクリスマスですよ。
はやい。