SI -Second Irregular- 作:リンク切り
「じゃあ、誰がベッドで寝るのよ。」
「そりゃあ俺と苹果だろ。」
「りんご?」
「ああ、俺と相部屋の奴だ。お前と違っておとなしいぞ。」
「違って、って何よ・・・・それなら、私はどこで寝ればいいの?」
「ツインテールは床だろ?」
「真顔でなんてこと言うのよ!!」
「いや、部屋貸してもらってんだからそれくらいの誠意は見せろよ。」
「何で『何言ってんだコイツ』みたいな空気になってるのよ!女の子を床で寝かせるなんて最低!!」
大声で自己を主張する凰鈴音。
女尊男卑が蔓延しているとはいえ、それを抜きにしてもその主張は
「そうだな。とりあえずは苹果が帰ってきてから話し合うことにするか。」
「そうね。それで、そのりんごって子はどんな子なの?」
机にボストンバックを起き、一息ついてベッドに座る凰鈴音。
窓側の方のベッドは俺のベッドなんだが。まあ別に、座るなとは言わないが。
「おとなしい奴だな。」
「それは聞いたわよ。」
「そう言われても、おとなしいが8割くらいだからな。」
「アンタ、相部屋の相手なのに何にも知らないわね。」
「あと、押しに弱い。」
「押しに弱い、って・・・・・・あ、アンタたち、学園で何やってるのよ!?」
顔を真っ赤にしてこちらに指を指す。とんでもない勘違いだ。
「ツインテール。お前が何を思っているのかは知らないが、それは完全に思い違いだ。」
「え?」
「俺は絶対に、色恋にうつつを抜かすなんて事はしない。絶対にだ。」
「・・・・・ふーん。」
ぎゅっと枕を両腕で抱きしめる凰鈴音。だから、そのベッドと枕は俺の物だ。
「そういえばお前、何組になったんだ?」
「あたし?そうね・・・・・・別に口止めされてるわけでも隠す事でもないし、言っていいと思う?」
「大丈夫だろ。」
「2組って言われたわ。一番人数が少なかったみたいね。」
「残念、俺と一夏のクラスは1組だ。」
「そう・・・・まあでも、隣のクラスだから会えないことは無いわよねっ!」
「俺と同じクラスじゃないのが悲しいのはわかるが、そう悲観するなよお転婆ツインテール。」
「そんなこと思ってすら無いわよっ!あたしは一夏とのことを言って・・・・・」
「へぇ?
口を弧の形に歪ませてからかう俺に、凰鈴音が頬を火照らせてボソボソと否定する。
抱きついた枕が歪む。俺の枕だっての。
「べっ、別にそういうわけじゃないけど・・・・・あたしがいないと、一夏は寂しがるかなって・・・・・」
「別にそんな感じは全く無かったが。まあいい。俺はちょっと出てくるから、入れ違いで苹果が帰って来たら事情を説明してくれ。」
「って、どこに行くのよ?」
「食堂。流石にもうあの胡散臭い新聞部は帰ってるだろ。」
「何の話よ。」
「別に。ああ、そうそう。鍵は俺が持ってるから、部屋の外には出るなよ。トイレもシャワーも部屋に設備してあるから。」
「わかってるわよ。」
「じゃあいい。俺が帰るまで待ってろ。」
部屋を出て食堂へと向かう。鍵は、まあ、凰鈴音がいるから大丈夫だろ。
「どこかに、クラス代表を放棄した1年生がいるみたいね。」
廊下を歩いていると、チェシャ猫に遭遇した。
「その後ろから話しかける癖はどうにかならないのか?」
「職業病、って感じかしら。どうも楽しくて、ついやっちゃうのよね。でも、あなたを上手く驚かすのは難しそうね。」
「悪いが、そんなお遊びに付き合ってやるつもりは無い。何の用だ?生徒会長サマ。」
「何故クラス代表を降りたの?」
「・・・・・どうでもいいだろ、そんな事。そんな事を聞いてどうするんだ。」
「ただの好奇心よ。私、貴方の事が気になってるの。
「そうか。じゃあ俺は行くからな。」
「待って。」
床を蹴り、かなりの速度で俺へと肉迫する更識楯無。
左腕は俺の腕を、右腕は首を狙っている軌道をしている。
それを俺は、
「相変わらずいい腕ね。格闘技でもならっているのかしら?」
喉元に手を添えて押し倒す形で制圧した。
「いや、これは我流だ。素早さと力でゴリ押ししているだけだから、我流って言うよりはただの身体能力に頼った力技だけどな。」
「私も身体能力には自信があったけど・・・・・・貴方の前じゃ、全く歯が立たないわね。」
「俺はここで気絶させてやってもいいんだが、」
ぐっと手に力を込めると、更識楯無の頬に汗が伝う。
ごくり、と喉を鳴らしたのが、手から伝わってくる。
「させた後こんな所に置いておくわけにもいかないしな。しないでおいてやる。さっさと常務に戻れ生徒会会長。」
腕を外し、更識楯無の上から退く。
「じゃ、俺は急いでるから。じゃあな。」
地面にへたりこんでいる更識楯無へと後ろ向きに手を振る。
「・・・・・まさか、暗部の家系の事実上の当主である私が、奇襲ですら失敗するなんて・・・・・・」
その呟きは聞かないことにした。
食堂に行くと、予想通り新聞部員はいなかった。
一夏は女子にもみくちゃにされて疲れた顔をしている。
「あ〜、れんくんだ~。」
おっとりした間延び声が聞こえた。
そちらへと目を向けてみると、1つの机を布仏本音と苹果、そして他数人が囲っていた。
「その呼び方は某天才ウサギを思い出すな。」
「頑張って考えたんだよ〜?」
「そうか、なら好きに呼べばいい。」
「やった〜!」
だぼだぼに余った袖を振り回す布仏本音。
袖を長くして手を少し隠すなんていうファンションはあるが、これは萌え袖ってレベルじゃないな。
どっちかと言うとお化けの扮装に近い気がする。
「苹果、迎えに来てやったぞ。どうだった?」
「う、うん、皆優しい人だったよ。」
「そっか・・・・・」
よく出来たな、とよしよしと頭をなでてやる。
最初はびっくりして目をぱちくりさせていた苹果だが、そのうち俺に任せてくる。
嬉しそうに赤に染まった頬を袖で隠して上目遣いをしているのは狙ってるのか?
「あ!かなりんずるーい!」
「かなりん、抜け駆けはダメだよ!」
「れんくん、私にもして〜。」
苹果に、嫉妬ではなく羨望の目線が向けられる。
うちのクラスの生徒には感心されっぱなしだ。
それよりも・・・・・・
「かなりん?」
「うん。私、みんなにあだ名付けてるんだ〜。」
「なるほど。
言うほどそんなに捻ってないな。
布仏本音と話をしていれば、後ろから一夏が寄ってきて話しかけてきた。
篠ノ之箒は一夏について来ないで、1人不機嫌そうに座ったままだった。
「漣夏、こんなに時間かけてどこ行ってたんだよ。」
「ん?ああ、一夏。ちょっと散歩してただけだ。ちょっとした拾い物もあったけどな。」
「拾い物?」
「あー。これを言うのは明日でいいかもな。」
「どういう事だよ、そりゃあ。」
「明日になればわかるさ。」
その後パーティーはお開きとなった。
帰り際、一夏はクラスメイトたちから鼓舞されていた。
若干食堂でのデザートフリーパスのためだと思わなくもない。
「じゃ、また明日だな、一夏。篠ノ之箒。」
「そうだな。」
「ああ。」
俺達は部屋の前で別れ、それぞれの部屋へと入った。
ドアノブに手をかけると鍵がしまっていた。
俺は開けて行った
俺は鍵を取り出し、ドアを開ける。
中に入ると、肩にタオルをかけている凰鈴音がベッドに座っていた。
「あ、おかえりー。遅いからバスルーム使わせてもらったわよ?」
「ああ。それは別にいくらでも使ってくれてもいい。」
「え?・・・・え・・・・?」
俺がさらりとツインテールの存在を流した事で、苹果が戸惑って俺とツインテールを交互に見つめる。
「あ、はじめまして、ね。あたしは中国の代表候補生の凰鈴音。鈴でいいわ。訳あって明日からこの学園に編入することになったの。よろしくね。」
「う、うん、えっと、よろしくね・・・・・」
自己紹介が終わったが、まだ苹果は疑問が晴れていない顔をしている。
それもそうだ。急に自分たちの部屋に代表候補生がいる説明がまだだからな。
「編入してきたはいいんだが、寮の空き部屋の都合で一年の寮にこのツインテールは入れなかったみたいでな?部屋を1つ3人部屋にする事で解決しようとした。その時に織斑千冬が直々にこの部屋を指定したんだ。」
「そういうこと。お世話になるわね。」
「うん・・・・・そういう事なら、大丈夫だよ。」
苹果は、突然の居候に別に気にしていないようだった。
寮の人数関係であぶれた者同士だから、なにか思うところでもあったのか、それとも本当に気にしていないのかはわからないが。
「いい子じゃない。アンタとは大違いね。」
「そうだな。煩いツインテールとも正反対だな。」
「煩くないわよ!」
矛盾とはこのことを言うのだろう。
叫びながら立ち上がるツインテール。
「元気が有り余ってるが悪い奴じゃないから、なんとか仲良くやってくれ。できそうか、苹果?」
「その説明には悪意を感じるわ。」
お前に言ったんじゃないぞツインテール。
苹果の方は、心外だとばかりに少しむっとしたような表情を浮かべていた。
「で、できるよ、それくらい。ルームメイトだから・・・・・」
「そっか。良かったなツインテール。仲良くしてもらえるってよ。」
「何でアンタはそう上から目線なのよよ!!」
「居候の分際でよくそんな事が言えるなツインテール。」
「ルームメイト!ルームメイトだからっ!!」
今回ではっきりしました。
語彙力も文章力も展開を考えるのもだんだんと下手くそになってきている気がします。
気のせいではないはず。
なんだかこういうのもうダメかも....
ですが出来る限りのうちででも、いい作品になるよう頑張ります。
何かあれば、感想まで。