SI -Second Irregular-   作:リンク切り

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今回モブキャラ子さんが出てきます。
容姿が気になる方は検索してくれてもいいんですよ。


一次接触

 

 

 

 

 

「では、こちらで解析をします。何か分かったらすぐにお伝えしますね。」

 

腕から黒と白のブレスレットを外し、渡す。

彼女は解析とか分析とか、そういう方向の教師だそうだ。

 

「あれ、2つですか?」

「ああ、両方頼む。」

 

俺の渡したブレスレットを不思議そうに見つめる彼女。

起動しないと話にすらならんからな。

せめて起動シークエンスだけでもわからないと、ただのブレスレットに成り下がってしまう。

 

「本当にただのブレスレットだったら容赦しないからな、あの駄神め・・・・・」

「なにか言ったか?乃至。」

「いえ何も。」

 

「それでは教室の方へと移動する。お前もついて来い。この時間だと、もう入学式は終わっているだろう。」

「了解、織斑千冬様。」

「皮肉か?呼び方については言うつもりはない。だが、様づけはやめろ。不快だ。」

「そうかそうか、これからは気をつけよう。だが、本当に評価してるんだぜ。俺にここまで善戦できる奴はそういない。それに、()()()本気じゃなかっただろ?」

「・・・・・行くぞ。」

 

そう言うと、競技場の外へと歩を進めていった。

早くついて行かないと迷いそうだ。

IS学園は馬鹿でかいから、施設の中で迷うなんてことも有り得る。

 

 

 

 

 

「ここがお前の教室だ。そして私の担当するクラスでもある。先に入って待っていろ。私はまだ用があるのでな。」

 

クラスプレート(教室の外の入口近くにある、学年と組が書いてあるアレだ。正式名称は知らん。)を見れば、1年1組と表示されている。

 

「そうかい、御案内ご苦労さん。」

 

どこかへ歩いて行く彼女の背中へ言葉を投げかける。

教室の中からは、ぼそぼそと話し声が聞こえる。

もう生徒は教室へ集まっているのだろう。

新入生を待たせてまで何の用があるんだよ。

 

それから、躊躇いなく教室へ入った。

教室のドアは自動ドアになっている。

近づくと開く、ショッピングモールとかで良くある扉だ。

 

「見て見て、漣夏くんよ。」

「テレビで見た時よりも数十倍は素敵ね!」

「織斑くんと乃至くん、私1人なんて選べない!」

 

俺が教室へ入った瞬間、視線の9割が俺へと集まる。

残りの1割は言わずもがな、織斑一夏だ。

先程俺が入るまでこの視線を受けていたのだろう。

視線が無くなったからか、机の上でぐったりとしている。

 

俺の席は、真ん中の前から2番目。

つまり、織斑一夏のすぐ後ろだ。

視線を集め、ゆっくりと席まで歩き、満を持して着席。

慌てても緊張してもいい事はないからな。

 

「よう、初代。会いたかったぜ。俺の名はジャック。よろしくな。」

「お、おう、よろしくなジャック。俺は織斑一夏だ。一夏でいいぜ。」

「冗談が通じない奴だな。改めまして、ジャックもとい、乃至漣夏だ。よろしくな?一夏。」

「なんだ、冗談かよ。でも助かったぜ、1人で注目をあびるるは辛かったんだ。」

 

ファーストコンタクトは上手くいったみたいだ。

どうせなら主人公には関わっておきたいし、仲のいい関係でありたいからな。

その方が絶対に面白くなる。

 

「それにしても、先生来ないな。周りのクラスはもう来てるみたいだけど・・・・・」

「何か用事があるとか言ってたぞ。それより、担任見たら驚くぜ、お前。」

「?どういう意味だ?」

「ま、じきにわかるさ。それより、自己紹介の内容、考えてきたか?」

「あっ!どうしよう・・・・・漣夏は考えてるのか?」

「いいや?だが、なんとかなるだろ。」

「そうだよな、いざとなれば前の人のを真似すれば・・・・・」

 

 

 

 

教室のドアが開き、二人の女性が入ってきた。

一人目は織斑千冬、もう一人は緑の髪をした女性だ。

 

「皆さん入学おめでとう!私が副担任の、山田真耶です。そして───」

「私が担任の、織斑千冬だ。」

 

「「「「キャー!!」」」」

 

瞬間、殺人的な黄色い声が鼓膜を襲う。

一夏なんて耳を塞いでいる。

知ってはいたが、なかなかの人気だな。

 

「本物の千冬様よ!私、初めて見たわ!」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

「お姉さまのためなら死ねます!!」

 

「まったく、毎年よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。

私のクラスにだけ集中させてるのか?」

 

どんな嫌がらせだよ、それは。

まあでも、どこのクラスに行ってもこんな状況になるだろうな。

流石は元世界最強様だ。

 

「千冬さま!もっと叱って!罵って!」

「でも、時には優しくして!」

「そして付け上がらないように躾をして!」

 

マゾヒストばっかりだな!!

この世界の女の子は全員そういう傾向があるのか?

流石に、そんなことはないか。

 

「静かに!」

 

一喝するだけで、一瞬にして静まり返る教室。

統制の取れた軍隊のようだ。

 

「諸事情によって遅れてしまった。

時間がないので、重要なことだけを話す。よく聞いておけよ。」

「「「はい!」」」

 

 

 

「・・・・・・という事で、各々自覚を持って行動するように。最後に、自己紹介をしてもらう。本来ならば全員してもらうところだが、生憎時間が押している。織斑、乃至。自己紹介をしろ。」

 

「えっ!?俺たちだけ!?」

「そうだ。早くしろ織斑。」

 

渋々立ち上がり周りを見渡す一夏。

 

「・・・・・織斑一夏です。よろしくお願いします。」

「お前は自己紹介すら満足にできんのか。」

 

スパーン!

一夏の頭に出席簿が落ちる。

こうかはばつぐんだ!

それにしても、折角自己紹介の事忠告してやったのに生かさないとは。

 

「千冬姉、俺は────」

スパーン!

「学校では織斑先生だ。」

「はい、織斑先生・・・・・・」

 

「織斑って、もしかして織斑くん、千冬さまの弟?」

「ISを動かせたのも、何かその事が関係するのかな?」

 

周りの生徒からどよめきが起こる。

いやいや、君たちはニュースとかで名前を聞いているだろ。

 

「まあいい、次だ。」

 

ちらりとこちらを見る織斑千冬。

お前は上手くやれよと目が語っている。

心外だぜ、織斑千冬。

俺が自己紹介をまともにやるとでも?

 

「乃至漣夏です。よろしくお願いします。」

「・・・・・はあ、もういい、座れ。」

 

言いながら笑ってやると、頭を押さえて溜息をつかれた。

ここは押すなよ押すなよ的ノリだろ?

 

 

 

 

「あの子達よ!ISを扱える男子達って!」

「片方は、織斑先生の弟ですって!」

「ねえねえ、どっちがタイプ?」

「私は織斑くんかな。」

「えー、私は乃至くんだけどなー!」

 

学校の説明が終わり、休憩時間になった。

途端に俺達を一目見ようと他のクラスから女子生徒が廊下に詰め寄せて来た。

一定の距離を開けて遠巻きに見られている。

丁度、動物園のパンダのような状態だな。

無言の視線の重圧に耐えかねてか、気まずそうに席を立ち上がる隣の席の女子の腕を掴んで呼び止める。

 

「おいおい、どこに行くんだよ。」

「な、何かな?」

「折角近くの席になれたんだ。自己紹介くらいしようぜ?さっき聞いての通り、俺は乃至漣夏だ。」

「わ、私は鏡ナギ・・・・・です・・・・・」

「そうかいそうかい、よろしくな、鏡ナギ。それで、お前は?」

 

後ろを振り返り、後ろの席の女子へと問いかける。

 

「わ、私も!?」

「なんだ、男だから仲良くしたくないってか?最低だな・・・・」

「ち、違うよ!ちょっとびっくりしただけで!」

「わかってる、冗談だ。それで、君の名前は?」

「鷹月静寐、だよ。」

「そうか、よろしくな。さて、これで俺たちは友だちだ。そうだよな、二人とも?」

「そ、そう、かな?」

「うん、多分・・・・・」

 

「見てみろ一夏。お前が黙ってる間に2人友だちができたぜ。」

「どんなコミュ力してるんだよ、漣夏は・・・・」

 

「ちょっといいか?」

「ん?」

 

この声は篠ノ之箒か。そう言えばあったな、こんなイベント。

 

「知り合いか、一夏?」

「あ、ああ、俺の幼馴染みだ。」

「篠ノ之箒だ。よろしくな。」

「そうか、ときに東雲(しののめ)さん。一夏に何か用だったか?」

篠ノ之(しののの)だ!!・・・・その、一夏を借りたいのだが、いいか?」

「ああいいぜ、行ってこいよ一夏。」

 

「織斑くんと幼馴染みなんて、いいな・・・・・」

「幼馴染みに憧れでも?」

「えっ!?今の聞こえてた!?」

「俺は地獄耳だからな!どんなに小さい声でも聞き漏らさないし、忘れないぜ。」

「や、やめてよー!」

「ヤハハハ!嫌だね!」

 

その後の時間は、適当に駄弁(からか)って過ごした。

一夏と箒は授業開始までに席につくことができなかった。

言わずもがな、二人共織斑千冬の脳天クラシックを受けた。

 

 

 

 

「では、ここまでで何か質問はありますか?」

 

副担任の、山田真耶が問う。

担任は織斑千冬だが、座学は専ら山田真耶の講義だそうだ。

IS学園での最初の授業は、ISの基礎知識を復習兼確認する為の授業だ。

なのでほとんどが用語の確認、基本的な動作などの簡単な授業内容だった。

しかし。

 

「どうしたんですか、織斑くん。」

 

青い顔をして震えている生徒が一人。

それは勿論、俺の席の真ん前の生徒だ。

もし原作通りなら、否。それを抜きにしても絶対にコイツ(いちか)は理解できていない。

 

「私は先生です。分からないところがあれば、聞いてもいいんですよ。」

 

優しく微笑む彼女の呼びかけを受け、おずおずと手を挙げる一夏。

 

「はい、織斑くん。何ですか?」

「ほとんど全部、わかりません・・・・!」

 

泣きそうな声で申告する一夏。

この後の展開がわかるだけに、不憫(笑)で仕方が無い。

捨てるのはどうかとは思うが。

 

「ええっ!?全部ですか・・・・・?今の段階で、わからないところがある人はいますか?」

 

困惑した顔でほかの生徒へ聞く山田先生。

しーんと効果音が響きそうなほど静まり返る教室。

そりゃそうだ。用語の確認で躓くのは、用語を知らない奴だけだからな。

 

「漣夏!お前もわかるのか!?」

「おいおい、俺を誰だと思ってるんだ?それに、今やってるのは基礎中の基礎だ。逆にここで躓く方がおかしい。一夏、お前ちゃんと参考書は読んだか?」

「参考書?うーん、あ、あの分厚いやつか?」

「そう、これだ。」

 

机の中から例の参考書を引きずり出す。そう、あの日織斑千冬に手渡されたあの本である。

本当に大きく必読と書いてあるから初見では驚いた。

 

「ああ、それか・・・・・古い電話帳かと思ってろくに見ずに捨てちまった・・・・って!?」

 

織斑千冬の鉄拳が炸裂。

ご愁傷様、織斑くん。

 

「馬鹿者。また後で発行してやるから一週間以内に覚えろ。」

「あの厚さで一週間はちょっと・・・・」

「やれと言っている。いいな?」

「うっ・・・・・はい、やります・・・・」

 

身内に弱く、ガクりと項垂れる一夏。

こうなると思っていたから、俺は覚えてきていたんだ。

当初の予定通り、俺は参考書を一夏に渡す。

 

「俺のをやるから、頑張って覚えろよ初代クン。」

「サンキュー漣夏!でも、お前はいいのかよ?」

「大丈夫だ。内容は完璧に把握した、抜かりはない。一字一句違わず暗唱することもできるからな。」

「何だと?お前にこれを渡したのは一昨日だぞ!?もう覚えたというのか!?」

「マジかよ・・・・何回読み返せばそんなこと出来るようになるんだ?」

「1回だ。一度読めば忘れることはない。」

「どんな記憶力してるんだよ・・・・」




実は主人公の漣夏くん、とある物語の主人公3人をモチーフにしています。
一人目は簡単にわかるかもしれないけど、2人目は難しいし、3人目はほぼ無理だと思います。
あんまり特徴出てないしね。
ではでは。
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