SI -Second Irregular- 作:リンク切り
「早いところ世界へ公表した方がいいだろう。」
「そうか。」
寮長室へと足を運んだ俺は、出てきた織斑千冬に汚い部屋へと案内された。
寮長室は缶ビールの缶がまとめて床に置いてあったり服が散らかっていたりと相変わらずな部屋だった。
「発表が終わるまで、この事は極秘事項にする。絶対に漏らすなよ?」
「わかってる。」
「ならいい。準備が整い次第公表する。一週間以内にはできるだろう。」
「ちなみにだが、どうやって対処するつもりなんんだ?」
「大方アイツのせいにしておけば大体方がつく。」
どうやらこの女史は、面倒事を全て篠ノ之束に押し付けるつもりのようだ。
まあ確かに、篠ノ之束が〜と言えばなんとかなるだろ。
「それじゃ、俺は部屋に戻るとするか。黒狐、戻ってくれ。」
「はい。」
物がごった返している中で器用にバランスをとりながら跪き、ブレスレットへと戻る。
黒狐は説明するために出てきてもらっていた。
黒狐は俺が初めてこの部屋に来ていた時にブレスレット状態で寮長室を見ていたようで、この部屋の惨状には驚いていなかった。
興味深そうに耳がぴくぴくと動いてはいたが。
「後はよろしくな、織斑千冬。頼んだぜ。」
「ああ。」
缶ビールを片手で持ちながら、返事をする。
話の最中くらい酒を飲むのはやめろと言ったのだが、露骨に話を逸らされて取り合ってもらえなかった。
酔っ払いにしてはまともな会話ができていたから俺も別に強く止めはしなかったのだが。
俺は立ち上がって部屋から出ようとすると、織斑千冬から静止の声が上がった。
「ちょっと待て、乃至。」
「あん?」
「お前は仲の良いクラスメイトの事を名前で呼びあっているよな?」
「そうだが。」
「・・・・・・私の事は、いつまでもフルネームなのか?」
不審に思って織斑千冬の方へ向き直れば、少し頬が上気している。
酔っているからか、それとも別の要因があるのかはわからない。
「私の事は、名前で呼んではくれないのか?」
「いつもは織斑先生と呼べ、なんて言って生徒を叱っているのにどういう風の吹き回しだ。」
「今日は私に、IS学園教師の織斑千冬ではなく、一個人としての私に話をしに来たんだろ?その時点で今は教師ではない。」
「あっそ。俺に勝ったら考えてやるよ、ブリュンヒルデ様?」
「・・・・・ふん。もういい、行け。」
ふいっとそっぽを向いて帰りを促す織斑千冬。
その態度に呆れながら、俺は寮長室を後にした。
「あー、おかえりー。千冬さん何だって?」
「準備が出来たら全世界に公開だとさ。」
「ふーん。あ、無い?」
「うん。無いよ。」
「はいスピード。」
部屋へと戻ってきたら、ツインテールと苹果は椅子に座って机の上でゲームをしていた。
2人が同時に手札を一枚ずつめくり、場に出す。
俺のトランプを使って暇つぶしをしていたようだ。
察するにスピードだな。
2対1のトランプゲームで、ルールも簡単で覚えるのも容易い。
苹果だけが相部屋だった時に、俺も何回か相手をしてもらった。
名前の通りスピードが重要なこのゲームは、瞬時な状況判断が必要になる。
「公表されるまではこの事を口外するなよ。騒ぎになったらIS学園側も危ないからな。」
「わかってるわよ。あ、手札無くなった。あたしの勝ちねっ!」
「そうだね、おめでとう。鈴ちゃん。」
「ふふん、代表候補生を舐めんじゃないわよっ!」
たかがトランプゲームで代表候補生の肩書きを引っ張り出してくるなよ。
いい気になって胸を張るツインテール。
「あ、アンタもやる?」
「スピードは2人じゃないとできないだろ。」
「スピードじゃなくてさ。ほら、ババ抜きとか、大富豪とか、七並べとか!」
「わかったわかった。」
その後俺達はかなり長くトランプゲームで盛り上がった。
途中からは黒狐まで引き出しての4人でゲームをした。
最初の一戦、黒狐は手加減という物を知らず、ISの機能を十全に発揮して勝ちを取りに行っていた。
そのため俺も本来は出さないレベルの読みあいをして黒狐へと挑んだ。
黒狐を打ち負かした後に、俺はこっそりと手加減の仕方と自分だけでできるハンデを教えた。
そこからやっと4人が同じレベルでのゲームを楽しむことが出来た。
一方的なゲームだと、やっている方もやられている方もつまらないからな。
黒狐は、俺に負けた後からずっと俺と全力でやりたいとそわそわしていたが。
盛り上がりが最高潮になった時、織斑千冬からの苦情という名の制裁が下ってゲーム大会はお開きとなった。
その後はお風呂に入ったりブレスレットに戻ったりと各自いろいろなことをして過ごした。
苹果は今日の授業でやった所の復習がしたいと俺に先生役を頼み、勉強をしていた。
いつもやっていた勉強会が無くなったとはいえ、ちゃんと復習をする真面目ちゃんだな。
結局最後にはツインテールまで先生役で苹果を指南して夜が更けていった。
今回は、その、ちょっと区切り方失敗していつもの半分の文字数になってしまいました。
ごめんなさい。
そのうち改稿で文字数を増やす.....かも?