SI -Second Irregular-   作:リンク切り

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第三章を追加しました。
ちょっと早いですけどね。
ですがあと数話でこの二章のツインテールちゃん来襲シリーズともお別れです。
それに先駆けて.....ね?

二章が終わるまで変な位置に三章があると思いますが、それはご愛敬という事で。


警告

 

 

 

 

 

「何?何が起きましたの!?」

 

司令室では、ディスプレイ上に警告ウィンドウが出現して部屋を赤く染め上げていた。

それと同時に、アラーム音が鳴り響く。

そこには、システム破損と書かれていた。

 

「システム破損!何かがアリーナの遮断シールドを貫通して来たようです!」

 

山田教諭が、何時もよりももっと焦った声で叫ぶ。

それもそうだ。

遮断シールドを貫通する程の威力を受けると、生身の人間ならば一瞬で塵にされてしまう。

ISに搭乗していたとしても、そんな威力をまともに受ければ絶対防御も貫通されるかもしれない。

そんなものがIS学園に飛んできたのだ。

焦らないはずがない。

 

「一夏・・・・!」

「鈴ちゃん!?」

 

篠ノ之箒と苹果が、それぞれアリーナの中にいる友人の名前を叫ぶ。

この状況で一番危険なのは、破られた遮断シールドの中にいる試合中の2人だ。

警告ウィンドウの消えたディスプレイには、巨大なクレーターが出来たグラウンドが写し出されていた。

爆発が起きたかのような黒い煙が、そのクレーターの周りを覆い尽くしている。

 

『試合中止!織斑!凰!直ちに退避しろ!!』

 

開放回線に繋がるマイクを持った織斑千冬が叫ぶ。

その声は、ISを起動している2人とアリーナにある大きなスピーカーから同時に発された。

山田教諭がシステムを操作してアリーナ内にも聞こえるよう警告音を鳴らす。

 

そこでやっと危険が伝わったのか、これまではざわめいていただけだったアリーナ席の生徒が騒ぎ出した。

そして我先に避難しようと席を立ち始める。

そうしているうちに突然、アリーナ席の天井が閉まった。

司令室からの保護機能なのか、無人機からの操作なのかはわからない。

 

『な、何だ?何が起こってるんだ?』

 

未だに状況ができていない様子の一夏の声がスピーカーから流れる。

アリーナの天井は閉まっているので一夏達の状況を見ることが出来ない。

少しの時間頑張って無人機の攻撃を逸らして貰う事になるが、大丈夫だろうか。

 

「乃至くん、どうしよう!?」

「漣夏くん!!」

「漣夏様、助けてください!!」

 

傍にいた唯一の専用機持ちの俺に、少なくない数の生徒が殺到する。

俺は1組の生徒が固まっている席の近くに座っていたため、1組の生徒が多い。

ちらほらと見知らぬ顔も混じってはいたが。

それより誰だ、俺の事を黒狐と同じ呼び方で呼んだ奴は。

お前か。1人だけ「ついに話しかけちゃった」みたいな顔をしているお前か。

 

「わかったから1回落ち着け。そっちの扉の方に行こうとしている生徒たちもだ。」

「でも、ISが!」

「わかったから、1回、落ち着け。な?」

「う、うん・・・・・」

 

軽いパニック状態になっていたクラスメイト達を落ち着かせる。

その後、夜桜の通信機能を起動させて開放回線へと繋げた。

 

『止まれ!!』

 

俺の声が、スピーカーから流れる。

 

『いいか。今から俺の言うことをよく聞いとけよ。まずは止まれ。そして聞け。』

 

アリーナの屋根が閉じたことで、光源はエラーを意味する赤いランプだけだ。

俺達の顔を、赤い光が照らす。

その事からも恐怖心を加速させている。

まずは全員の理性を戻し、そして指示を出す。

 

『何かが遮断シールドを破壊したみたいだ。お前達が取るべき行動はまず退避すること。

全員、近くの出入口の近くまで迅速に移動しろ。

いいか?押さない、走らない、死なない、叫ばない。これを厳守だ。』

 

「おはし・・・・さ?」

「おはしさだね。」

「いいからお前らも行け。」

「「「わかりました!漣夏隊長!」」」

 

プライベートチャンネルを一夏達へと飛ばしつつ、クラスメイトへと指示を出す。

それを聞いた後にビシッと敬礼をして去っていく女子生徒たち。

あれだけ冗談が言えるならもう大丈夫だろう。

いや、むしろ落ち着きすぎではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

『一夏!試合は中止よ!すぐにピットに戻って!』

 

鈴の声が聞こえる。

個人間秘匿通信(プライベートチャンネル)での通信が来たみたいだ。

俺も開放回線から秘匿回線へと切り替えて鈴に応える。

 

『あ、ああ・・・・でも、何だよ、アレ?』

『わからないけど、遮断シールドを破ってきたんだから相当危険よ!』

 

俺の目の前に警告が表示された。

そこには簡潔に、「アリーナ中央付近に熱源を確認。所属不明のISと断定します」と書かれていた。

また新たに今度は別の警告が表示され、「ISにロックされました」と書かれている。

 

『所属不明のIS?それに、ロックされたって・・・・・あいつに俺がロックされてるのか?』

『一夏!早くピットに!』

『お前はどうするんだよ!?』

『あたしが時間を稼ぐから、その間に逃げなさいよ!』

『逃げるって・・・・・女を置いてそんなことが出来るか!』

『馬鹿!アンタの方が弱いんだから、仕方ないでしょっ!』

 

その言葉に何も言い返せなくなる。

俺はまだ、鈴よりも弱いんだ。

あのまま勝負が続いていれば、勝っていたのは俺かもしれない。

だけど、それで俺が鈴より強いとは一概には言えない。

俺の気持ちを察したのか、鈴がなだめるようにつぶやく。

 

『別にあたしも、最後までやり合うつもりは無いわよ。こんな異常事態、すぐに学園の先生達がやって来るから。そうなれば、すぐにでもこんな自体収拾が・・・・・』

 

鈴が言い終わる前に、俺の目の前に危険信号が出る。

その内容を見る前に俺は動いていた。

 

『鈴!』

『何よ・・・・きゃっ!?』

 

鈴が元いた位置に、レーザービームが通過した。

目の前に出ていた警告を読むと、このビームは一度でも当たるとかなりのダメージを食らうみたいだ。

残り少ない俺の白式に当てられると、1発でISが強制解除される。

それに、まともに受ければ鈴の甲龍でも絶対防御も貫通される恐れがあるようだ。

 

『ビーム兵器かよ・・・・・しかも、セシリアのブルー・ティアーズよりも出力がかなり上だ。』

 

この兵器を試合で使えば規則違反は確実だろう。

俺の零落白夜もかなりのものだが、あっちは殺す気満々だ。

 

『ちょっ、馬鹿!な、何するのよ、離しなさいよっ!』

 

少し顔が火照った鈴が叫ぶ。

助けてやったんだからお礼の一つくらい言ってくれてもいいと思うんだが・・・・・

別にお礼を言ってもらいたくてした事ではないが。

鈴の腕が俺の頬をひっぱたきながら押す。

 

『お、おい、暴れるなよ!』

『うるさいうるさいうるさい!!』

『馬鹿、殴るな!』

 

今度は空いている手で俺の頭を叩き始める。

この程度では命に別状はないと判断したのか、絶対防御は発動せずに痛みだけが残る。

今の事でシールドが減ったら笑えないぜ。

まあこれでも、かなり痛いんだけどな・・・・・

 

鈴にビームが当たりそうになった時、俺は咄嗟に鈴を抱きかかえて助けた。

その時の体勢が意図せずお姫様抱っこになってしまっただけだ。

鈴としては、こんな奴にお姫様抱っこをされるのは嫌だろうが、もう少し我慢して欲しいところだ。

あいつからもう少し離れたら下ろしてやるからいまはおとなしくしててくれ。

 

『止まれ!!』

 

大きな声が白式から流れ、驚いた俺は白式を停止させた。

開放回線から漣夏が何か喋っているようだ。

鈴も聞こえたのか、俺の腕の中でびくっと反応した。

 

『いいか。今から俺の言うことをよく聞いとけよ。まずは止まれ。そして聞け。

何かが遮断シールドを破壊したみたいだ。お前達が取るべき行動はまず退避すること。

全員、近くの出入口の近くまで迅速に移動しろ。

いいか?押さない、走らない、死なない、叫ばない。これを厳守だ。』

 

漣夏の方も、生徒を避難させるのに動いてくれているようだ。

心の中で漣夏にありがとうと礼を言い、飛んできたビームを避けた。

漣夏に意識を割かれいて少し反応が遅れたため、ギリギリでの回避になってしまった。

そのため無理な体勢になり、鈴の体に密着したような形になってしまった。

 

『あぶねっ!?』

『きゃあっ!?な、何ぼさっとしてるのよ!?危ないじゃない!』

『わ、悪い!』

 

慌てて鈴から離れようとしたが、その前にプライベートチャンネルが飛んできた。

相手は漣夏のようで、漣夏の顔が鈴の顔のウィンドウの隣に現れた。

IS同士の回線では、カメラ通話のような機能が付いているのだ。

 

『おい、こんな時に何を遊んでいるんだよ。セクハラは楽しいか?一夏。』

『れ、漣夏!?』

『わ、わ、ちょっと!早く離しなさいよ、一夏っ!』

『わかったからちょっと待てって!』

 

すぐに鈴から体を離して体勢を整える。

が、鈴は名残惜しそうな顔でため息を漏らした。

 

『どうしたんだ?』

『な、何でもないわよ!それより、アレ。』

『え?』

 

鈴の目線の先には大きなクレーターがあり、その周辺に真っ黒なISが立っていた。

煙が晴れてきたいた事でようやく姿を見せたそのISは、顔や体まで武装で覆った、全身装甲(フルスキン)だった。

顔の部分には丸い穴が何個も規則正しく並んでいた。

見た目だけだと、ポケットに入れるモンスターのレジ系みたいだな。

レジアイエス・・・・・いや、つけられるニックネームは5文字までだったっけ。

じゃあレジダークネス・・・・・・って、文字数逆に増えてるじゃねえか!

いやいやいやいや、そんな事より。

 

『何なんだコイツ・・・・あれでもISなのか・・・・・?』

 

俺のその問いに答えられる者はいなかった。

その機体は異様で、何処だか違和感を感じさせる。

ISであってISではないような、そんな違和感を。

 

『お前は何者だ!』

 

敵のISに向かって叫ぶが、返答はおろか反応さえしなかった。

俺の事を伺うかのように微動だにしない。

 

『応えろ!お前は何者だ!?・・・・・何が目的だ!?』

 

やはり動かない。

俺が喋り終わる前には攻撃してこないため、こっちの声は聞こえているはずだ。

くそっ、意地でも俺を無視するつもりか。

 

『そこに何かいるのか?』

『ISよ。アリーナの遮断シールドを壊して中に入ってきたの。さっきからビーム兵器を使って攻撃してきてるわ。あたしと一夏は避けれてるけど、当たったら絶対防御を貫かれるかもしれないくらいの威力がありそうよ。』

 

漣夏の問いに、鈴が応えた。

 

『それより、何の用だったんだ?漣夏。何か用があったからかけてきたんだろ?』

『ああ、それな。一年の生徒が全員避難し終わるまで時間を稼いでくれって言いたかったんだ。』

『わかった。数十分もあれば大丈夫か?』

 

俺がそう言うと、漣夏はにやりと笑って応えた。

 

『そうだな。20分もあれば大丈夫だろ。』

『よし、じゃあやるか。』

『ちょっと一夏!アンタはもうシールドエネルギーが残り少ないんだから。引っ込んでなさいよ!』

『あのビームに当たったら、どっちにしろ絶対防御を貫通されるかもしれないんだろ?なら、エネルギーが多かろうが少なかろうが関係ねえよ。』

『言うねえ、一夏。絶対に1発も当たらないってことだな?』

『おう。』

『ちょっと、何勝手に話終わらせようとしてるのよっ!これは本当に危険なの!』

『わかってる。でも男なら、こんな所で引けないだろ。』

 

俺はじっと鈴を見つめる。

すると鈴は照れたかのようにふいっと顔を背けた。

 

『・・・・・・もう、馬鹿。何が起きても知らないわよ?』

『悪い。ありがとう、鈴。』

『死んだりなんかしたら、絶対に許してあげないわよ。』

『ああ!』

 

 

 

 

 




前回に引き続き、今回も他キャラ目線が入りました。
語り手が変わるのはあんまり得意じゃないみたいです。
前回の話は特にひどかった気がしますね。
いつか修正するかも。

という事で次回も引き続き無人機戦ですね。
一夏くんの名ゼリフを見逃すなっ!
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