SI -Second Irregular- 作:リンク切り
あれから数十分が経ち、料理が出来上がった。
五反田蘭に呼ばれた俺達は、一階の店舗の方へと下りてきていた。
そこには配膳された定食が四つ分並んでいた。
うち1つは大盛りになっている。
味噌汁は二杯置いてあった。
俺は席を選べないってことか。
俺達は、一夏と五反田弾が壁側、俺と五反田蘭が通路側になった。
俺と一夏が隣同士になる配置だ。
「ん、この味噌汁美味いな!前から上手だったが、また腕を上げたんだな、蘭。」
「そ、そうですか?えへ・・・・」
一夏の指摘に、はにかみながら笑う五反田蘭。
その服装は、先程までのラフな格好とは打って変わってフリルをあしらった白色の清楚な装いになっていた。
黙って食べるのも気まづく感じた一夏が、その事について触れた。
「そう言えば、着替えたんだな。どっかに出かける予定があるのか?」
「え?ああ、いえ。これは・・・・その、ですね。」
「あっ、もしかしてデート?」
「違いますっ!!」
「え?」
ガタッと椅子から立ち上がり、食い気味に否定する五反田蘭。
強く否定された事に驚いて固まる一夏。
それに気づいて、五反田蘭はゆっくりと大人しく席へと座った。
「まあでも、
「そうなら悪いな。時間無いのに手間取らせちゃって。」
「いえ、出かける予定は、ないんですけど・・・・・・」
困ったように笑う五反田蘭。
「ん?じゃあなんで着替えたんだ?料理を作るのにそんな白い服着てたら、汚れが付いちゃわないか?」
「そ、それは・・・・」
「何でだと思う?」
「え?」
「何で五反田蘭は、服を着替えたんだと思う?外出もしないのに、だ。」
一夏は顎に腕を添えて唸って考える。
「うーん・・・・・あっ、料理の最中に元着ていた服が汚れちゃったとか?」
「なんでお前はこういう時に納得できるような理由を出してくるんだよ。」
「な、何だよ。正解なんだろ?」
「・・・・・一夏。お前、学園でもそんな感じなんだろうな。」
「そうそう。俺と張り合うくらいに高い人気がってだな。学園での2大派閥になってる。こっち側と比べると少数だが、少なくない人数の織斑千冬崇拝者もいるけどな。」
「へー。やっぱり千冬さんも人気があるんだな。」
「そうみたいだぜ。」
「弾も漣夏も、何の話をしてるんだ?」
「お前には一生わかんねえよ。」
「何なんだよ、一体・・・・・」
困惑顔で話について来れなくなる一夏。
最初はこういうキャラを通しているのかとも疑っていたが、一夏は本気でわかっていない。
恋愛に関して以外は、意外と鋭いんだけどな。
こっちに関してはからっきしだ。
「もうどうしようもないな。」
「そうだな。鈴も気の毒に。」
「それと、もう一人。」
俺の正面に座っている五反田蘭に視線を向ければ、顔を染めてパッと目を逸らした。
「・・・・・うん。この鯖も美味しいな。」
気まづい雰囲気になりかけた所を、一夏が気を使って話を振った。
確かに、この定食の焼き鯖は良い焼き加減に塩加減だが。
「最初は丸焦げになってたんだけどな。その失敗作は、俺が全部食べさせらrごふっ!?」
「あ、あはは、お兄ったら何を・・・・・」
今、完全にエルボーが鳩尾に決まっていたが大丈夫か?
五反田弾も痛がってはいるが、織斑千冬の脳天クラッシュよりかはまだましだった。
「だ、大丈夫か?弾?」
「お、おう・・・・」
返事をしたはいいが、そのまま力尽きて机に項垂れた。
それを見た一夏は心配そうに五反田弾を見やる。
「本人が言ってるんだから大丈夫だろ。放っておけ。」
「・・・・・そうだな。」
「それよりも、早く最後まで食べようぜ。結構話してたからもう若干冷めてきてるし。」
「そうですよ、一夏さん。ご飯食べましょう?」
「おう。」
「うん、美味しかった。ごちそうさま、蘭。」
「はい。お粗末さまでした。」
食事を終えた、五反田弾を含めた俺達はそのまま店舗の方で
また二階の部屋に戻るのも、なんだか億劫に感じる。
「一夏は和食が好きだな。学園でもずっと和食の日替わり定食だろ。」
「まあな。日本人だし、日本の料理は大切にしないとな。」
「何だよ、和食厨かよお前。」
「そういうわけじゃないけどさ・・・・・」
カシャンと音を立てながら、食器を片付ける。
せめてこれだけはしておきたいと一夏が申し出て片付けをさせてもらっているのだ。
一緒に片付けが出来ると、五反田蘭嬉しそうにしていた。
「和食は美味しいしな。」
「一夏は昔からそうだよな。鈴のとこの中華料理も結構な頻度で食べてたみたいだけど。」
「鈴の家の中華も美味しいけど、やっぱり和食かな。」
「ふーん。俺は炒飯とか好きだけどな。」
「俺も好きだぞ?和食の方がちょっとだけ上なだけで。」
「わかったわかった。」
反論する一夏を店の奥に追い払って、部屋には俺と五反田弾だけが残った。
追い払ってとは言ったが、食器を片付けさせに行っただけだ。
一夏の背を見送りながら、俺達はニヤッと笑いあった。
「・・・・・んで、一夏にはどんな事を言い聞かせる?」
「そうだな。今日だけで出来ることがいいが。」
「あんまりお金に関わることはやめておいてやらないか?」
「お前も結構友達思いなんだな。」
「俺は友達を大切にする主義なんだよ。」
「・・・・・まあ、最初からそんなつもりはなかったんだが。この後、買い物に付き合ってもらうみたいな軽い事でOK?」
「そうだな、それで行こう。蘭も含めてな。」
「なるほど。じゃあ、そういう事で。」
「一夏が帰ってきたら、俺が上手く誘導するから。漣夏は俺のサポートを頼む。」
「了解。」
俺達が打ち合わせを終えたすぐ後に、一夏と五反田蘭が戻ってきた。
互いに笑いあって、なかなかいい雰囲気を作っている。
まずはこの流れで自然に誘って見よう。
俺は五反田弾へとアイコンタクトを送った。
それに気づいた五反田弾が、一夏へと話しかける。
「あー、一夏。そのだな。あー。俺さ、何か買い物に行きたくなってきた、かなー?」
ちらっと一夏を一瞥しながら呟く五反田弾。
馬鹿、お前演技下手すぎだろ。
よくも俺が上手く誘導するなんて言えたな。
「どうしたんだよ弾。何緊張してるんだ?」
「き、緊張?し、しししてねェよ?」
「ほら、声裏返ってるし。」
「お兄、まさか何か一夏さんに変な事しようとしてるんじゃない?」
一夏は心底不思議そうに、五反田蘭は疑わしそうに五反田弾に詰め寄る。
「ち、違う違う、俺は何も・・・・・」
「怪しい。」
じとっと見つめられ、大量の汗をかき始める五反田弾。
「漣夏。弾の奴、どうしたんだ?」
「・・・・・さあな。」
五反田弾がそろそろぽろりと漏らしてしまいそうなので、俺から誘うことにした。
俺は五反田弾に、目線を向けて「お前はもう喋るな」とアイコンタクトを送る。
伝わったかは分からないが、ボロだけは出さないでおけよ。
「五反田蘭。お前、着替えたのに今日は外出しないってちょっともったいなくないか?」
「はい?」
「そ、そうだぞ蘭。じゃ、買い物行くか!」
「お前は黙ってろ馬鹿。」
「わ、悪い・・・・・」
五反田弾は俺に合掌をして謝る。
結論を急ぎすぎだ。
もう今更取り繕っても、なんて状況になってしまった。
もうこの際単刀直入でいいか。
「って事で、四人で買い物にでも行こうぜ。な?」
「え?でも、この後はIS学園に帰るって予定じゃ?」
「一夏。お前、なんでも1つ言うことを聞くって約束だったよな?」
「俺はその賭け勝っただろ。」
「あれ?一夏、俺には勝ったけど、漣夏には負けてたよなあ?」
「俺達は、
「何だよ、詐欺だろそれ。」
「勘違いして挑発に乗ったお前が悪い。」
「・・・・・・そうかもしれないけどさ。」
「買い物に付き合ってもらうだけなんだから、別にいいだろ?」
「まあ、そのくらいならいいけど・・・・・」
よし、納得させた。
俺はパチっと手のひらを合わせて音を鳴らす。
「じゃ、決まりだな。五反田蘭も。」
「え?」
「四人で買い物に、って事になってるんだが。もちろんお前もついてくるよな?」
「あっ、は、はい、行きます!」
目をキラキラさせて承諾を貰った。
じゃ、四人でションピングと行きますか。
俺はただのウインドウショッピングになりそうだが。
結局微妙な文字数に。
次話は頑張ろうかなと。
ちょっと長引かせようとは思います。
でも買い物とか、ネタが全くないって事に気づきました。
どうしようかな。