SI -Second Irregular- 作:リンク切り
「それよりさ、寮の方を見に行こうぜ。一夏。」
「死体がないか確認するんだな?」
「その
いつまで引っ張ってるんだ。前話の話を持ってくるんじゃない。
いや、メタいのはよそう。
「でも、俺は今日から寮なんて聞いてなかったから、荷物は持ってきてないぞ。」
「いや、その必要はないと思うぞ。」
「え?」
ほらあそこ、と、一夏の背の方を指さす。
そこには、
「荷物は私が持ってきてやった。」
「千冬姉ぇ!?」
スパーン!
「織斑先生だ。」
「はい、織斑先生・・・・・」
いい加減学習しろよ一夏。
「着替えに教本、携帯の充電器と筆記用具くらいがあれば十分だな。」
「えっ?ゲーム機とかは・・・・」
「十分だな?」
「は、い・・・・・・」
織斑千冬の鋭い眼光を受け、がくりと項垂れる一夏。
まあ俺も、携帯の充電器だけは流石にアレだとは思うけど。
まともに用意する気なかったな、織斑千冬め。
バスッ!
「今、失礼なことを考えなかったか?乃至漣夏。」
「いえ、何も。」
今の音は、俺が彼女の出席簿を人差し指で受け止めた音だ。
みすみす喰らってたまるかよ。
「まあいい。あまり余計なことは考えるなよ。」
世界最強のブリュンヒルデ様は
「乃至。」
「ヤハハハ!悪かったな、ブリュンヒルデ様!」
何故バレる。
「そう言えば、漣夏は荷物持ってきてるのか?見た感じ、何も持ってきてないように見えるんだけど・・・・」
「ああ、何も持ってきてないぞ。」
「おい、乃至。織斑はともかく、お前には事前に寮生活だと伝えていた筈だぞ。」
「ああ、そうだったな。だがそれを踏まえた上で何も持ってこなかったんだ。」
「・・・・・どういうことだ?」
「そのままの意味だ。俺には持ってこれるような私物は一切ないって事。」
「いや、あるだろ。ゲーム機とか漫画とか、携帯とか。」
「いや、無いね。家に俺の私物は一切ない。あるのは家具とゴミくらいだ。」
「・・・・このご時世、娯楽が無いってどんな質素な生活だよ。漣夏の両親はどんな仕事をしているんだ?」
「一夏、俺の両親はこの世界にはいないぜ。それに、質素なんてもんじゃない。
俺の私物は、服とブレスレット、預金通帳と今日お前に渡したISの参考書しか無い。預金通帳にはもう1000円も残ってはいないしな。IS学園に入れなかったら、もう本当に家具とか家とかを売らないと生きていけなかったぜ。」
あの駄神め、家と1万しか入ってない預金通帳しか用意しないとはサービス精神無さすぎだろ。
下手したら野垂れ死ぬぞ、まったく。
「お前・・・・・大変だったんだな。」
「なんだ一夏、その目は。」
「乃至、困ったことがあれば私に言えよ、いつでも相談に乗ってやる。」
「なんだよ、気持ち悪いぜ
いつもの覇気がないぞ。そしてその目をやめろ。」
「乃至くん、先生に頼っても、いいんですよ?」
「いや、わかったから・・・・その目をやめろ。」
「「「乃至くん・・・・」」」
「だからなんなんだ、その目は。」
この場にいる全員から慈愛の目で見られる始末。
この空気をどうにかしてくれ。
☆
「いや、悪かった。
両親がいないことは知っていたが、まさかここまで追い込まれているとは知らなかったものでな。」
「別に追い込まれてはいないが。卒業までの間ならIS学園から生活の保証はされてるから心配はいらない。」
「IS学園に入学する代わりに、最低限の生活の保証を約束させていたがそれはそういう事だったのか・・・・・」
「漣夏、そんなことまで考えていたのか・・・・・」
「また同じ空気になってる!!仕切り直しだ!!!」
☆
「寮の部屋番号はそれぞれの鍵に付いているタグに書いてあるので、間違えないようにしてくださいね。」
「俺たちの部屋は1025号室か・・・・
これからよろしくな、漣夏。」
「何か勘違いしてるみたいだが、俺の部屋は1030号室だぞ。」
一夏にタグに書いてある番号を見せる。そこには間違いなく1030と書かれている。
何度見直しても番号は変わらんぞ、一夏。
「あれ?俺と漣夏は同じ部屋じゃないんですか?」
「そんなに急に部屋を変えられるわけが無いだろう。」
「急だったので寮部屋の振り分けが間に合わなくて、すみません。」
「そうなんですか、そういう事情があるならいいですけど・・・・・」
「ヤハハハ!良かったな一夏、お前は女子と同室だとよ!」
「あの、乃至くんもですよ?」
「・・・・・え?」
え?
「織斑はまだしも、お前の入学は昨日決まったからな。とてもじゃないが寮の事なんて考えられない程慌てていたんだ。入学手続きとかで大変なんだ。」
確かに原作は事前にわかっていた一夏の寮の部屋でさえもまともな部屋割りができなかったんだ。
そんな所に急に俺が入るとなると、もっとごちゃごちゃになってしまうだろう。
くっ、迂闊だった・・・・・!
一夏と篠ノ之箒の相部屋の事ばかりに気を取られていて、自分の事まで考えていなかった。
「でも、それなら俺の部屋の同居人と漣夏が入れ替わったらいいんじゃないのか?」
「勝手に変えることは許さん。部屋割りはちゃんとそれぞれの性格などを考慮して考えられてある。それにお前たちだけの入れ替えを許可したら、自分もしたいと言う奴が出てきて収まりが付かなくなるかもしれないからな。」
「じゃあ、俺と漣夏を相部屋にして、それ以外の女子で最初に考えていた元々の部屋割りにすれば・・・・・」
「ただでさえ織斑の入学で一度伝達していた寮の部屋割りが変わったんだ。もう一度、しかも前日に部屋割りを変えるとなれば混乱するのは目に見える。せめて生活が落ち着くまでは様子見だな。」
「確かにそうだよな、そんなに頻繁に変えられたら混乱もしそうだ。」
「質問いいか?一夏の入学が決まってから1度部屋割りを変えたと言ったな?そしてそれから部屋割りは変えてない。ということは、一夏は入学の時点で女子との相部屋が決まっていたことになる。それはどうしてだ?」
「何せ初の男性操縦者だからな。寮でも1人するのは避けるべきだと判断した。これはお前も一緒だ、乃至。それに、同居人の篠ノ之箒とは多少なりとも幼少期に付き合いがあったからという理由もある。」
「俺の同居人は箒なのか?知らない人よりはマシか。それにしても、性格とかも考慮してるなんて部屋割りもちゃんと考えられていたんだな。」
「当たり前だ。お前はもっと自分の立場を自覚しろ、織斑。」
「わかりました・・・・・・」
相変わらず姉には弱いな・・・・
「これで最後の注意事項です。大浴場の方は使えません。」
そう言えばあったな、大浴場なんて。シャル騒動の後、一回だけ入れる機会があるんだっけか?
「お風呂に入る時は部屋にある備え付けのシャワーを使ってくださいね。浴槽はありませんが。」
「え?何でですか?」
「ヤハハハ!一夏、覗くならまだしも女の子と一緒に風呂に浸かろうなんて、流石に大胆が過ぎるんじゃないか?
だが俺は止めないぜ、むしろ後押ししてやろう。アリバイ工作は任せておけ!」
「だ、ダメですよ織斑くん!?」
「し、しませんよ!?漣夏も満面の笑みでサムズアップをするなッ!!流石に女の子とは入りたくないって!!!」
「お、おい、まさか一夏・・・・・・」
「お、織斑くん、女の子に興味がないんですか!?それはそれで、どうなんでしょう・・・・・」
「え、織斑くんって同性愛者?」
「ということは、乃至くんに惚の字・・・・!?」
「漲ってキタァーーーッ!!」
「大至急織斑くんと乃至くんの中学時代の友人関係を洗って!」
複雑そうな顔をする数名の女子と、逆に喜ぶこれまた数名の女子。
なかなかわかり易くて面白い。
「ち、違うからな!?俺は・・・・・」
「ノッた俺も俺だが、早く寮に行こうぜ一夏。」
「ま、待てよ漣夏!このままだと俺が勘違いされたままになるから!!」
「不用意な発言をするお前が悪い。早く来ないと先行くぞ。」
「漣夏ー!?」
こうして一夏は
めでたしめでたし。
「あ、俺の部屋はここみたいだな。」
場所は変わって、寮の中。
「1025な、覚えておいてやる。俺の部屋は1030だから、一夏も覚えておけ。」
「おう。じゃあな、漣夏。」
「おっと、その前に忠告だ。"不用意な発言はしないこと"これを肝に銘じておけよ。」
「わかってるさ、もうあんなことは懲り懲りだからな。」
「じゃあいい。またな。」
鍵をあけて、いきなり入る一夏。
やっぱり一夏はわかっちゃあいない。そうだろうと思ったけど。忠告はしておいたんだ、感謝しろよ一夏。
俺の部屋は1030。一夏の部屋の、5つ隣のここだ。
とりあえず、まずノック。俺は一夏とは違うのだよ。
ガチャリ。
「何か御用ですか・・・・?」
「こんにちは、イ苹果。」
開けた扉で顔を半分隠してこちらを覗いているのは、青みがかった髪をした気弱そうな女の子だった。
オリキャラ出ます!いや出ました!出させました!
特殊な読みをする名前なので、読み方は次話で!
ちなみに特殊な読みの名前といえば、主人公の名前覚えてます?
私は、オリキャラの名前、すぐに読み方を忘れてしまって雰囲気で読んじゃうことが多々あったり。
もう全部に名前ルビ振りしてあってもいいんじゃないかって感じですが、流石にそんな面倒なことは避けたいので!!
「漣(さざなみ)」に「夏(なつ)」と書いて、れんげです。
どうしてそう読むのかとか、本当にそう読めるのかは不明ですけどね!?!??!!!!