ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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連続投稿後半戦ですが、まず初めに言っておきます…。



この小説は、ある意味ここからが本番かもしれません…。



では、本編をどうぞ。



介入

 

 

 

―――――――駒王町・兵藤家――――――――

 

 

ここは兵藤家のとある部屋の中、そのベッドに1人の少年が腰掛けていた。この部屋の主である、兵頭一誠である…。

 

 

(グレイフィアさんと部長のお兄さん…魔王様が、密かに背中を押してくれた…)

 

 

少し前に目を覚ましたイッセーは、『負けたのは全て自分のせいだ』と呟き、泣きながら“あの男がリアスを奪っていく”ことに納得できない気持ちを吐露した。するとそんなイッセーに対し、訪れていたグレイフィアが“ある魔方陣の書かれた紙”を渡しつつ、魔王であるリアスの兄、サーゼクス・ルシファーの伝言を伝えたのだ。『妹を助けたいなら、会場へ殴り込んできなさい』という内容のものを…今まで見せたことの無いような”柔らかな笑み”を浮かべながら…。

 

 

(アーシアとも約束した…)

 

 

その後グレイフィアがすぐに魔方陣で居なくなったかと思うと、今度はアーシアが起きているイッセーの姿を見て泣きながら抱き着いてきた。まあ、“2日”も目を覚まさなかったのなら、それも当然かもしれないが…。そしてその後、イッセーはアーシアとこう約束を交わしたのだ。『必ずリアスと一緒に帰ってくる』と…。

 

 

(当麻やユウキちゃん達のことも心配だけど……部長を助けに行けるのは、もう俺しか居ない…!)

 

 

イッセーの頭に過ぎったのは、グレイフィアからあった報告…。レーティングゲームが終わった直後に当麻やユウキ達の姿が消えていたのだ。念のために悪魔側で捜索をしているらしいのだが、依然として見つかっていないとのこと…。とはいえ、イッセーはすぐにリアスに関しての思考に戻る…。

 

 

(もう、やるしかねえッ…!!)

 

 

アーシアも“ある頼み”を引き受けて居なくなったその部屋で、何かを決意したイッセー…。

 

 

「おい、聞こえてんだろ…? お前に話がある…出て来い、赤龍帝ドライグッ!!」

 

 

そして自身の左腕に向かって声を掛けたかと思うと…

 

 

キィィィィンッ…!

 

 

『何だ小僧? 俺に何の話がある…?』

 

 

その腕が突如として緑色に光り出し、そこから声が聞こえてきたのだ。非現実的な出来事に、少しばかり面食らうイッセー。だが……

 

 

「あんたと…取引したい…」

 

 

それに怯(ひる)むことなく、そう言い放った…。

 

 

 

☆☆

 

 

とある冥界にある宮殿のような大型会場。リアスとライザーの婚約パーティーは、この会場で行われることになっている。そしてここは、その会場内にある待合室には…リアスの姿があった…。

 

 

「はぁ…婚約パーティーなのに、これじゃあウェディングドレスだわ…」

 

 

リアスは鏡の前に立つと、溜息を吐きながら呟いた。確かに今のリアスは純白のドレスを身に纏っており、一般の者が見れば“ウェディングドレス”と言っても一切問題の無いものだった…。と、そこへ、

 

 

「その通りさ」

 

 

ゴオオオオオオオオオオオッ…!!!

 

 

そんな声が聞こえたかと思うと、部屋の中に炎が現れ、そこからリアスの婚約者―――ライザー・フェニックスが姿を見せた…。

 

 

「! ライザー様、いけません! ここは男子禁制です…!」

 

 

「堅いことを言うな。俺は今日の主役なんだぞ?」

 

 

御付きのメイドが止めようとするものの、ライザーは全く聞く様子も無くリアスへと近付いていき…

 

 

「あ~、主役は花嫁だよな~? 失敬失敬…」

 

 

「まだ花嫁になった訳じゃないわ。何なの、この衣装…?」

 

 

「それでいいんだよ。グレモリー家とフェニックス家が繋がるのを、冥界によりアピールできるだろう?」

 

 

そう言いながら、馴れ馴れしくリアスの肩を抱いてくる。リアスの嫌そうな顔についても、まるで気にしていないようだ…。

 

 

「君にだって、それを着ることで諦めが付く…だろう?」

 

 

「っ…!」

 

 

「ハハハハハハッ…!!」

 

 

そして、ライザーがそう一言添え、その場を後にしようとした時だった…。

 

 

「当麻達に何をしたの…?」

 

 

「当麻…? あぁ、あの神器持ちの人間のことか…? そういえば、ゲームが終わった直後に居なくなったらしいなぁ…」

 

 

リアスがそう尋ねてきたのだ。それに対し、興味も無いといった様子のライザー…。

 

 

「あの子達は私の眷属じゃない。今回のこととは一切関係無いのよ? それなのに…」

 

 

「おいおい、何の話をしてるんだよ、リアス~? 俺は何にも知らないさ。まったく…眷属じゃないとはいえ、君に何も言わずに去っていくとは薄情じゃないか。まあ、所詮神器持ちの人間など、その程度の者だろうがなぁ…?」

 

 

「っ………!」

 

 

何処か白々しい口調で話すライザーを見て、リアスは確信した。目の前にいるこの男が…当麻達の失踪に関わっているということを…。しかし、

 

 

「だがまぁ、もしその人間共に何かあったとしたら…それは或る意味、君のせいかもなぁ?」

 

 

「っ!? 私、の…?」

 

 

「だってそうだろう? もし君があの人間共と関わらなければ…こうはならなかったかもしれないんだからなぁ…?(ボソッ)」

 

 

「っ……!!」

 

 

ライザーが耳元でそう言った瞬間、リアスは激しく動揺した。何故なら…それを否定することが出来なかったのだ…。

 

 

「じゃあリアス、会場で待ってるぜ? ハハハハハハハッ…!!」

 

 

ゴオオオオオオオオオオオッ…!!!

 

 

そして、ライザーが再び炎に包まれながら姿を消したかと思うと、その直後…

 

 

ストッ…!

 

 

「ッ!! リアス様!? どうかなさいましたか!?」

 

 

リアスはその場に崩れ落ちた。周りに控えていたメイド達が慌てて声を掛けてくるが、今のリアスにはそんな声など届くはずもない…。

 

 

(私の…せい…?)

 

 

リアスは確信している。あの男が当麻達の失踪に関わっていることを…。

 

 

(私が、あの子達を引き入れなければ…)

 

 

だが、何の証拠も無ければ、手掛かりの1つも持っていない…。

 

 

(こんなことには、ならなかったの…?)

 

 

まして今の彼女には何も出来ない…。グレモリー家に生まれた者としての運命と、あの不死鳥の男によって囚われたリアス・グレモリーには……どうすることも出来なかった……。

 

 

(当麻……)

 

 

そんな彼女の脳裏に浮かぶのは、1人の少年の顔と……

 

 

『上条さん達が何とかしてやるから、な…』

 

 

1人の少女として自分の頭を優し撫でてくれた時に言ってくれた、そんな言葉だった…。そして…

 

 

(当麻………!)

 

 

リアスは堪えきれず…一筋の涙を流した…。

 

 

 

☆☆

 

 

所変わって、ここはその会場からかなり離れたところにある森林地帯。その中に現在、2人の人物の姿があった…。

 

 

「状況はどうだ?」

 

 

1人はツンツンとした黒髪が目を引く少年―――上条当麻…。

 

 

「“彼女達”の召集、及び配置は既に完了しています。いつご命令頂いても、問題ありません」

 

 

そしてもう1人は、“ウェーブの掛かった金髪のロングヘアー”と“紫を基調とした特殊なロングコート”が特徴的な女性である。その容姿は“絶世”と言っても過言ではない程非常に美しく、まるで心を見透かすような澄んだ青い瞳も持っている…。そんな女性が現在背を向ける当麻に対し、跪(ひざまず)きながら報告をしていた…。

 

 

「悪いな、こっちの都合でいきなり呼び出しちまって…」

 

 

「あなたが御決めになった以上、我々が異議を唱えることはありません。何より今回の一件について、彼女達は勿論…私にも思う所がありますので…」

 

 

「そうか…」

 

 

女性の言葉を聞いた当麻は頷き、女性の方へと振り返った…。

 

 

「…明かすつもりなのですね?」

 

 

「ああ、色々限界は感じてたしな。何より…こうしないと、“あいつ”を救えない気がするんだよ…」

 

 

「…彼女にはその価値があると?」

 

 

「間違いなくな…。分かるんだよ。今あいつは泣いてる筈だ。色んなくだらない幻想に身も心もキツく縛り付けられて、な…」

 

 

「………」

 

 

「このまま黙ってる訳にはいかねえんだよ…。“ただのリアスとして見て欲しい”って言ってたあいつが…自分の抱いた小さな幻想ごと壊れるなんて結末、許していい筈がねえ…」

 

 

右拳を強く握り締めながら呟く当麻。そして…

 

 

「そろそろか…。俺は一護やリクオ達と合流する。お前は先に行ってくれ」

 

 

「分かりました」

 

 

「それから“あいつ等”に改めて伝えておいてくれ…。『標的は1つだ。他の奴等は軽くあしらう程度にしろ』…ってな」

 

 

「そのように…。それでは」

 

 

「頼む、─────」

 

 

「はい…仰せのままに…」

 

 

そう言った瞬間、女性は音を立てることなく姿を消し…

 

 

「行くか…」

 

 

当麻も続いて、その場から居なくなるのだった…。

 

 

 

☆☆

 

 

婚約パーティーが行われる大会場は、正装をした上流階級の悪魔達で賑わいを見せていた。その中にはライザーの眷属達は勿論、朱乃や小猫、裕斗の姿もある。まあ、朱乃達に関しては何とも言えない笑みを浮かべているのだが…。と、ここで、

 

 

「冥界に名立たる貴族の皆様! この度はご参集くださり、フェニックス家を代表して御礼申し上げます! 本日皆様に御出で願ったのは、この私、ライザー・フェニックスと! 名門グレモリー家の次期当主、リアス・グレモリーの婚約という、歴史的な瞬間を共有して頂きたく願ったからであります!」

 

 

新郎席に座っていたライザーが立ち上がり、そんな口上を始めたのだ。それを聞いた招待客のの悪魔達は拍手を送る。そんな中…

 

 

(皆…そんな悲しそうな顔をしないで…。私は大丈夫だから…)

 

 

新婦席に座っているリアスは、何処か物悲しそうな表情で自身を見てくる朱乃達に、そう思いながら微笑む。しかし、その笑みは……とても辛そうなものだった…。

 

 

「それでは! ご紹介いたします! こちらが我が妃の……」

 

 

そしてライザーがリアスを紹介しようとした、その時だった……。

 

 

『ぐわあああああああああああああああっ!?!?!?』

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ……!!!!

 

 

『ッ!?!?!?!?』

 

 

突如入り口の巨大な扉が破壊され、衛兵と思われる複数の悪魔達が吹き飛ばされてきたのだ。あまりのことに会場に居た者達は驚きを隠しきれない。そして、破壊されたことで生じた灰色の煙が薄れてきたかと思うと、そこから姿を見せたのは……

 

 

「まったく…名門同士の婚約の儀と聞いて、さぞ警備が厳重なのだろうと期待してみれば、まさかこんな手薄なものだったとは…。期待外れもいいところだ…」

 

 

“銀色のロングヘアー”と“赤い瞳”、更にはリアス達にも引けを取らない“発達した胸部”を持つ美少女だった。その恰好は濃い青色を基調とした露出の高い衣装であり、片手には西洋風の銀色の長剣を持っている。すると、そんな彼女の姿を見た一部の悪魔達は、驚愕しながら声を上げる…。

 

 

「あ、あの銀髪と銀の装飾剣、まさかッ!?」

 

 

「シ、“銀閃の風姫(シルヴ・フラウ)”…!?!?」

 

 

その銀髪の美少女―――“エレオノーラ・ヴィルターリア”を、悪魔達はそう呼んだ…。と、そこへ、

 

 

「相変わらず粗野で粗暴なやり方ね、エレオノーラ。まあ、今回はその方が効果的なんでしょうけど」

 

 

「やめなさい、“リュミ”。そういう話は終わった後にしましょう?」

 

 

エレオノーラの後ろから、彼女の隣に並び立つように2人の人物が現れた。1人は“青のショートヘア”と“通常よりも少々大きいくらいの胸部”が特徴で、青を基調とした露出の高い服に水色の特殊な槍を手にしている小柄な美少女。もう1人は“緩やかなウェーブの掛かった金色の長い髪”と“朱乃さえも上回る程の発達した胸部”が特徴で、白と薄い緑を基調とした神官風の服に、金の装飾の施された大型な錫状(しじょう)を手にしている長身の美女である。すると、またしても悪魔達がそんな2人の姿を見て騒ぎ出した…。

 

 

「あれはまさか、“凍蓮の雪姫(ミーチェリア)”ッ!?!?」

 

 

「そ、それに“光華の耀姫(ブレスヴェート)”までいるぞッ!!??」

 

 

青髪の美少女――――“リュドミラ・ルリエ”と、淡い金髪の美女――――“ソフィーヤ・オベルタス”のことを、それぞれそう呼ぶ悪魔達。そして……

 

 

「な、何で!? かつて北欧最強と謳われた戦乙女(ヴァルキリー)部隊、“七大戦姫(シエラ・ヴァナディース)”の内の3人がこんな所にッ!?!?」

 

 

その3人の姿を見た誰かが、激しく動揺した様子で声を上げた…。、

 

 

「リム!」

 

 

「ここに」

 

 

エレオノーラがそう言った瞬間、彼女の後ろに1人の女性が片膝を付き、跪いた状態で姿を現した。女性の名は“リムアリーシャ・リュッセル”。サイドテールに結われた長い金髪と、エレオノーラと同じくらい発達した胸部が特徴で、彼女の恰好を連想させるような濃い青色を基調とした服に、西洋風の長剣を携えている長身の美女である…。

 

 

チャキッ!

 

 

「あれが“標的”か?」

 

 

「はい」

 

 

「では、その隣にいるのが…」

 

 

「間違いありません」

 

 

「そうか…。はぁ、まったく“あの男”は…」

 

 

リムが淡々とした様子で質問に答えると、“ある人物”に剣の切っ先を向けたエレオノーラは溜息混じりに呟く。ちなみにその人物とは……ライザーだった…。と、ここで、

 

 

「! な、何をしている!! 侵入者だッ!! 早く取り押さえ…」

 

 

今更我に返った老齢な悪魔が、残っている衛兵にそう指示を出そうとした。だが……

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!

 

 

『ッ!?!?!?』

 

 

今度はエレオノーラ達から見て左の外壁の一部が突如破壊されたのだ。そして土煙が立ち込める中、そこから出て来たのは……

 

 

「このバカッ!! 少しは加減しろよッ!?」

 

 

「え~! ちゃんと加減したよ~、“クリス”ちゃん」

 

 

「何処がだよ!? 盛大にこの辺一帯が吹き飛んでるじゃねえか!?」

 

 

「落ち着いて、クリス。“響”だからしょうがないよ」

 

 

「ふぇぇっ!? ひ、酷いよ“未来(みく)”~…!」

 

 

3人の少女達だった。1人は“ベージュのショートカット”が最大の特徴で、オレンジを基調としたパワードスーツを連想させる鎧を身に纏った、見るからに明るく闊達そうな美少女―――“立花響”。1人は“何か所か結ってある銀色のロングヘアー”と“小柄な割にかなり発達している胸部”が最大の特徴で、響と同様に赤を基調としたパワードスーツのような鎧を纏っている美少女――――“雪音(ゆきね)クリス”。そして最後の1人は“深緑色のショートカット”が最大の特徴で、響やクリスと同様に紫を基調としたパワードスーツを身に纏っている美少女――――“小日向未来(こひなたみく)”である…。すると、それを見た一部の悪魔達は……

 

 

「っ!? ま、まさか、“黄昏の拳撃者”ッ!?!?」

 

 

「“閃光の神罰者”と“紅蓮の殲滅者”もいるぞッ!?」

 

 

響や未来、クリスのことを、それぞれそんな異名で呼んだ。更に…

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!

 

 

『ッ!?!?!?!?』

 

 

続いて響達とは反対側の外壁の一部も突如破壊され……

 

 

「まさか、冥界の婚約パーティーに乗り込むことになるとはな」

 

 

「フフッ、いいじゃない? 私、こういうの嫌いじゃないわよ?」

 

 

「ちょ、ちょっと!? これどう考えてもやり過ぎじゃない!?」

 

 

「はわわわわわッ…!!??」

 

 

そこから4人の少女達が姿を現した。1人は“緋色の長髪”と“起伏のある抜群のスタイル”が特徴で、4枚の銀の翼が目を引く露出度の高い鎧を身に纏い、両手に二振りの西洋の長剣を手にしている美女―――“エルザ・スカーレット”。1人は“逆立った銀色の長髪”と“エルザと同等の起伏ある抜群のスタイル”が特徴で、悪魔のような黒い翼と尻尾を生やし、紫を基調とした“レオタード”のような露出の高い恰好をしている美女――――“ミラジェーン・ストラウス”。1人は“金髪のツインテール”と“エルザやミラジェーンにも劣らない抜群のスタイル”が特徴で、青と白の比較的カジュアルな服を着ている美少女――――“ルーシィ・ハートフィリア”。そして最後の1人は、“藍色髪のツインテール”と“華奢で小柄な身体”が特徴で、フリルのあしらわれた白のワンピースドレスを着ている少女――――“ウェンディ・マーベル”である…。

 

 

「っ!? ティ、“妖精の尻尾(ティターニア)”だとッ!?!?」

 

 

「それに隣にいるのは“魔神”じゃないのか!?」

 

 

「ま、待てッ! 後ろにいるのも、あの“星神姫”と“天空の巫女”だぞッ!?」

 

 

そんな彼女達を見て、悪魔達はまたしてもそれぞれの異名を口にし、驚きを露わにした。そして……

 

 

「な、何なんだ…!? 何で“名の知れた異名持ちの神器所有者達”が、こんな所に来てるんだよッ!?!?」

 

 

誰かが今起きている状況に、そう声を上げた……その時だった……。

 

 

「鎮まりなさい…」

 

 

『ッ!?!?!?』

 

 

そんな透き通った声が響き渡ったかと思うと、会場の中央に1人の人物が立っていた。その人物とは……森の中で当麻と会話を交わしていた、あの女性だった…。

 

 

「な、何だ、この女ッ!?」

 

 

「い、いつの間にッ…!?!?」

 

 

「いや、それにしても……」

 

 

まるで“最初から居たかのように”、誰にも気付かれることなく現れた女性の姿に驚く悪魔達だったが、やがてその反応も大きく変わる。何故なら……“紫を基調としたロングコート”という一切露出の無い恰好をしているにもかかわらず、その女性の美しさに見惚れてしまったのだから…。と、そこへ、

 

 

「これはまた随分と予想外な客人だね」

 

 

「ッ!? サ、サーゼクス様ッ!!」

 

 

リアスと同じ紅色の髪を持つ男が、そんな混沌とした状況に包まれている会場へとやってきた。そう、この男こそリアスの兄にして現魔王の1人、サーゼクス・ルシファーである。更にその後ろには、彼の女王(クイーン)である銀髪の女性──グレイフィア・ルキフグスの姿もあった…。

 

 

「お久しぶりですね、サーゼクス・ルシファー」

 

 

「ああ、そうだね…。何故君がここに?」

 

 

「勿論、こちらには“目的”を持って来ました」

 

 

「? “目的”…?」

 

 

「ええ…」

 

 

すると、突如現れた女性はサーゼクスとそんなやり取りを始めたのだ。それを見て……

 

 

「き、貴様!! 魔王様に対して何と無礼なッ!! 今すぐ……」

 

 

上級悪魔と思われる年老いた男が、女性に対して憤慨し出した、その時……

 

 

チャキッ!!×2

 

 

「ッ!?!?!?」

 

 

「今すぐその口を閉じた方がいい。さもなくば……“葬る”…」

 

 

「ダメだよ、“お姉ちゃん”。『他に手を出すな』って、“お兄ちゃん達”に言われてるでしょ?」

 

 

その男の首を挟み込むようにして、二振りの刀の刃が突き付けられる。そしてその刃を突き付けているのは、突如として新たに現れた2人の美少女だった。1人は“黒髪のロングヘアー”と“赤い瞳”が特徴で、黒を基調としたノースリーブの制服風の恰好をしている寡黙そうな少女。もう1人は対照的に“黒髪のショートカット”と“黒い瞳”が特徴で、黒を基調としたセーラー服風の恰好をしている少女である…。

 

 

「っ!? あ、あれはまさか、“黒妖姉妹”ッ!?」

 

 

「“一斬必殺のアカメ”と、“死者行軍のクロメ”かッ!?!?」

 

 

「馬鹿なッ!? あの最悪の暗殺部隊“ナイトレイド”のエースまでッ!?!?」

 

 

それを見た悪魔達は何度目か分からない驚きの表情を浮かべ、黒髪ロングヘアーの少女―――“アカメ”と、黒髪ショートカットの少女―――“クロメ”をそれぞれ呼んだ…。一方、その様子を見ていたサーゼクスは再び目の前の女性に視線を戻し、こう問いかける…。

 

 

「“目的”…。君ほどの力を持つ者が、このような一介の悪魔達の私情の場にどんな目的があるんだい? “時の番人(クロノ・ナンバーズ)”隊長…“セフィリア・アークス”…」

 

 

『ッ……!?!?!?!?!?!?』

 

 

サーゼクスの口から出た女性―――セフィリア・アークスの正体を聞いた悪魔達の反応は、驚愕ではなく……“戦慄だった…。

 

 

「ク、“時の番人(クロノ・ナンバーズ)”…だと…?」

 

 

「わ、僅か“12人”で悪魔・天使・堕天使の三大勢力を全て相手取ることが出来るという、最凶の戦闘集団ッ…!?!?!?」

 

 

「あ、あの女がその頂点に君臨する者だとッ!? あ、あり得んッ!!? そんな馬鹿なことが……!!?」

 

 

会場全てが異様な雰囲気に包まれる中、サーゼクスは更に問い掛ける…。

 

 

「では…今ここに現れた神器所有者達は、全て君の仲間なのかい?」

 

 

「…はい」

 

 

「それなら尚の事、君の…いや、君達の目的が分からないな…。君の力があれば、1人で“この場に居る全ての悪魔を瞬時に消せる”だろう?」

 

 

『ッ…!!!!!』

 

 

サーゼクスのそんな言葉を聞いた瞬間、戦う力のある悪魔達の殆どが臨戦態勢を取るが、その者達を含めた全ての悪魔達がこれまでにない程緊迫した表情を浮かべる…。それは今目の前で彼女と話しているサーゼクスと、そんな彼に付き従っているグレイフィアも例外ではなかった…。すると、

 

 

「私達の目的は、あなた方を滅ぼすことではありません…。これから行われる“制裁”の邪魔をさせないための…露払いといったところでしょうか」

 

 

「! “制裁”…?」

 

 

「そうです…」

 

 

セフィリアはそう言いながら、“ある人物”に目を向ける。それはリアスの隣にいる1人の男性悪魔、そう……

 

 

「その男…“ライザー・フェニックス”に対する制裁を」

 

 

「なッ!?!?!?」

 

 

これまでの混沌とした状況に呆然としていたライザーは、セフィリアからの名指しでようやく我を取り戻し、驚愕を露わにした…。

 

 

「この俺に対して“制裁”だとッ!? “三大勢力全てを相手取れる”など、ただのくだらん噂話ッ!! たかが神器を所有しているだけの女共が、訳の分からないことを抜かしてくれるッ!! まあ、全員大層な上玉なようだからなぁ! 俺が相手してやっても…」

 

 

そして反論だけでなく、明らかに婚約の場での発言とは思えないようなことを言い放った、次の瞬間…

 

 

「黙りなさい」

 

 

「ッ!?!?!?!?!?」

 

 

セフィリアの一言と同時に、ライザーの顔色から血の気が一気に引いていく。何故なら…彼は今とてつもない重圧感(プレッシャー)に襲われているのだ。目の前にいるセフィリアだけでなく、エレオノーラや響、エルザ達の放ったものに…。そんなライザーの様子を見たセフィリアは、まるで“見る価値も無い”といった様子でサーゼクスの方へと目を向ける…。

 

 

「サーゼクス、どうやらあなたはあの“赤龍帝の少年”に役目を託したようですが…彼にその役目を任せる訳にはいきません」

 

 

「…! それはどういうことだい…?」

 

 

「…その男が私達に対して、“重大な罪”を犯したのです」

 

 

「っ! “重大な罪”…?」

 

 

「はい…そしてその男は、最も怒らせてはいけない方々の逆鱗に触れました…。私達全員を束ねる、“あの方々”の逆鱗に…」

 

 

「…まさか…君を従えるような人物がいるというのか?」

 

 

“あの方々”というセフィリアの発言を聞いたサーゼクスは動揺したのか、思わず口調を少し変えながら尋ねた。。すると、それに対し…

 

 

「ええ……」

 

 

セフィリアがそう頷いた……その時だった……。

 

 

「今ここに……」

 

 

ピシッ…!

 

 

『………?』

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!

 

 

突如天井から妙な亀裂音が聞こえたかと思うと、一気にその一部が崩落したのだ。いきなりのことに困惑し、若干のパニック状態に陥る会場内の悪魔達。しかしそんな中、セフィリアを筆頭にした神器所有者達は一切慌てる様子も無かった。まあ、当然であろう。何せ彼女達は…この事態の原因を既に知っているのだから…。

 

 

スッ…!

 

 

「お待ちしていました。会場内の衛兵達は全て鎮圧しています…。予定通りです」

 

 

ここで行ったセフィリアの行動に、会場内の悪魔達は驚く。“悪魔や天使、堕天使の全てをまとめて相手取れる”と言われている戦闘集団のトップが、土煙が立ち込める中で片膝を付いたのだ。それは紛れも無く……“服従”を意味するものである。すると、その土煙から出て来たのは……

 

 

「ああ…」

 

 

黒いローブを深くまで被ることで姿を隠している、3人の者達だった。見たところ背は190近くあるらしく、体格的から考えると全員“男”のようである。そして、そんな謎の男達はセフィリアと代わり会場内の中央に立つ…。

 

 

「ライザー・フェニックスだな?」

 

 

「! 貴様等か、俺に恨みを持っているという連中はッ! 何処の馬の骨かは知らんが、こんな真似をしてただで済むと…」

 

 

「今すぐ“リアス・グレモリー”をこちらに渡せ」

 

 

「えっ…!?」

 

 

「何だと…!?」

 

 

3人の中で中央にいる男がそう言い放つと、これにはライザーだけでなく、リアスも驚きを露わにする…。

 

 

「もう一度言う。リアス・グレモリーを、こちらに渡せ」

 

 

「フンッ! 渡す訳がないだろう。素性の分からん奴等を相手に、考えるまでもない」

 

 

「…そうか…」

 

 

ここで再度問い掛ける真ん中の男に対し、ライザーがそう答えると…

 

 

「なら、早速正体を明かすとしますかねぇ……」

 

 

「っ! 何……?」

 

 

真ん中の男の口調があからさまに変わったのだ。これにはライザーも思わず訝しむが…全く違う反応をしている者がいた。それは……リアスである…。

 

 

(今のは……)

 

 

彼女は今、大きく驚いていた…。

 

 

(まさか……!)

 

 

そして同時に、“嬉しさ”を込み上げさせていた。それも当然だろう。何せ目の前の姿を隠している男達の中には……“彼女が心から求めている男”も含まれているのだから……。

 

 

バッ!!×3

 

 

3人の男達が一斉にローブを放り捨て、その姿を晒(さら)す…。彼等はいずれも“白のシャツ”に“黒いスーツとネクタイ”という格好をしていた。1人は“白と黒の棚引く髪”が最大の特徴である男。1人は少し伸びたオレンジ色の髪”が最大の特徴である男。そして最後の1人は……“ツンツンとした黒髪を少し伸ばした男”。そう………

 

 

「久しぶりだな、“焼き鳥野郎”……」

 

 

“奴良リクオ”と“黒崎一護”、そして………“上条当麻”の3人だった……。

 

 

 




という訳で、今回から新たに5作品の参加が確定しました。


まあ、殆どの作品が“一部キャラ登場”といった感じですが、これから増えていきます。「こんなに増やして大丈夫なのか?」という不安を抱く方も居るかと思いますが……何とか頑張ります…。


また今回参戦した作品の中で、“戦姫絶唱シンフォギアGX”についてアンケートを少々取りたいのですが…“今は亡き装者達(奏、セレナなど)”も参戦させた方が良いでしょうか? 御意見お待ちしています…。


次回は基本当麻が暴れると思いますので…。では、また次回…。

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