ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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お待たせ致しました。タイトル通り、リアス達による当麻達のお宅訪問&諸々の説明回です。


先に言っておきますが、結構たくさんのキャラが出てきます。またオリジナルの設定も微妙にあります。そして何より……最後の最後で、色々台無しになってるかと思います…。


あと色々オリジナルの単語等が出てきますが、ネーミングセンスについては悪しからず…。これが私の限界です。


長文失礼致しました。では、本編をどうぞ。




とある組織へのお宅訪問(前編)

婚約パーティーでの一件の翌日…。駒王町内のとある場所を、オカルト研究部の面々が歩いていた…。

 

 

「ふふっ♪ まさか一護君達の御住まいに行くことになるなんて、思いもしませんでしたわ」

 

 

「そうね。私も別れる時に突然言われて、正直驚いたわ」

 

 

朱乃の言葉に同意するリアス。そう、彼女達が現在向かっているのは当麻達3人が住んでいる家。一体何故そうなったのかと言えば、昨日当麻がリアスをオカルト研究部の部室へと送り届けた際、去り際にこう伝えたのである…。

 

 

『明日オカルト研究部の皆を連れて、ここに来てくれ。そこが俺達の家であり…“アイエール”の拠点でもある。詳しいことは、そこで粗方話すつもりだ』

 

 

と……。

 

 

「まさか私の管理している地域の中に、未確認だった組織の拠点があるなんて…。いつかそのことで管理者としての責任を問われるんじゃないかしら…」

 

 

「…仕方無いと思います。今もこうして近づいてる筈なのに、全然魔力の反応もありません…」

 

 

「恐らく、何か特殊な方法で気付かれないようにしてるのでしょう。結界が張られている訳でもないようですし…」

 

 

溜め息混じりに呟くリアスに対し、そう声を掛ける小猫と朱乃。と、ここで、

 

 

「ぶ、部長」

 

 

「? どうしたの、イッセー?」

 

 

「こんな時に聞くのはなんですけど…ライザーの野郎は、結局どうなったんですか?」

 

 

後ろでアーシアや裕斗と歩いていたイッセーが、そんなことを尋ねてきたのだ。すると、それに対してリアスは少し間を空けつつ、話し出す…。

 

 

「結論から言うと、ライザーはフェニックス家から勘当されたわ…。まあ、当然ね。危険視されていた者達と通じていたのだから…」

 

 

「じゃあ、あのレーティングゲームの後でユウキちゃん達が狙われたっていうのは…」

 

 

「事実よ。あの後お兄様が調べた結果、明らかになったわ…。まさかこんなに大それた事をしてくるなんて…」

 

 

更に…

 

 

「正式な処分は無いみたいだけど、彼はもう悪魔の世界では大手を振って歩けないだろうね。当麻君との一騎討ちの時に言った“失言”のお蔭で、たくさんの女性悪魔から非難されてるみたいだから」

 

 

「…当然です」

 

 

「何よりライザーはもう、フェニックスとしての力を全て失ったわ。多分今の状態では、下級悪魔にも勝てないでしょうね…」

 

 

裕斗の話を聞いた小猫が僅かに憤りを見せる中、リアスは淡々とした口調でかつての婚約者の末路を述べた…。

 

 

「あなたにも迷惑を掛けたわね。ごめんなさい、イッセー」

 

 

「え…?」

 

 

「腕を代償に力を得ようとするなんて、無茶にも程があるわ。本当に、あなたって子は…」

 

 

「! あー、えっと、あははは…」

 

 

まるで母親のような口調でリアスがそう言うと、イッセーは思わず苦笑いを浮かべた。

 

 

「自分を誇りなさい、イッセー。あなたはもう立派な私の兵士(ポーン)よ」

 

 

「! は、はい!! ありがとうございます、部長!!」

 

 

そしてリアスの言葉に感銘を受けるイッセーだったが…

 

 

「ところで部長? 昨日は当麻君に連れて行かれた後、一体どうなさったのですか?」

 

 

「っ!? あ、朱乃////!? いきなり何を…////!?」

 

 

「あらあら♪ どうやらただ部室に送ってもらっただけではないようですわね♪」

 

 

「っ/////!! そ、それは…////」

 

 

「うふふふっ♪」

 

 

“S状態”の朱乃によるからかいに対して、リアスがあからさまに顔を赤らめているのを見た瞬間…イッセーの様子は一変した…。

 

 

「…………(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!)」

 

 

「ッ!? ど、どうなさったんですか、イッセーさん!?」

 

 

「何でもないよ、アーシア…」

 

 

「で、でも、目から血が…!」

 

 

「心配すんな。これは…ただの汗だ」

 

 

何処ぞのホラー映画に出てきそうな笑みを浮かべてそう言うイッセーだが、どう考えても流れているのは血涙であり、隣にいるアーシアは当然あたふたし始める…。そしてそんなイッセーを見ながら裕斗は苦笑いを浮かべ、小猫は冷めた視線を送っていた…。と、ここで、

 

 

「着いたわ、ここよ」

 

 

ようやく目的地である“当麻達の住まい”に到着したらしく、リアスはある場所の前で立ち止まった。

 

 

「…部長? 本当にここがアイツ等の住んでる所なんですか…?」

 

 

「間違いないわ。指定された場所はここよ」

 

 

「…えええええええええええええええッ!!!???」

 

 

先程まで血涙を流していたイッセーが元に戻るのも当然だった。何故なら…その場所は以前修行のために訪れたリアスの別荘並みに巨大な邸宅だったのだから…。

 

 

「あらあら、これは予想外ですわね~」

 

 

「…私も全然想像してませんでした」

 

 

「いやいや!? 何かの間違いじゃないですか!? アイツ等がこんな所に住んでるなんてとても思えないですよッ!!?」

 

 

目の前の邸宅を見て、思わずそう声を上げる朱乃や小猫、イッセー。その一方で…

 

 

「ここに来るのは2度目ね。前回は直接当麻の部屋に来ちゃったけど…///(ボソッ)」

 

 

「? どうかしましたか、部長?」

 

 

「ッ///! な、何でもないわ! さぁ、早く行きましょう…////!」

 

 

裕斗の問い掛けに若干慌てながらも中へと入っていくリアス。どうやら前回の夜這い(?)の件については話していないようである…。

 

 

「皆分かってるでしょうけど、今回私達が会いに行くのは“オカルト研究部の部員としての当麻達”じゃないわ。あくまでも…“新興組織のトップとしての当麻達”に会いに行くのよ。そこだけは履き違えないでちょうだい」

 

 

「っ! は、はい…」

 

 

リアスが歩きながら忠告すると、それを聞いたイッセーを始めとする眷属の面々は表情を引き締める。そう、ここはもう既にその新興組織“アイエール”の領域内…。例えトップの3人が自分達と同じ学校に通う、よく知る人物であったとしても、保有する戦力を考えれば紛れもなく最大の脅威となるモノなのだ…。故に今回の訪問には、細心の注意を払う必要があるとリアスは考えていた…。

 

 

「それじゃあ、改めて行きましょう…」

 

 

そう言った所で再び邸宅の入り口に向かって、真っ直ぐ歩みを進めるリアス達。そして、ようやく入り口のドアの前に到着した、その時…

 

 

ガチャッ!

 

 

『…!』

 

 

突如中から入り口の扉が開かれたのだ。まるでリアス達が到着するのを、見計らっていたかのように…。すると、そこから出てきたのは…

 

 

「グレモリー眷属の方々ですね?」

 

 

「ええ…」

 

 

「初めまして。私はここで当麻様達に仕えている“ティッタ”と申します」

 

 

栗色の髪をツインテールに結い、紺を基調としたメイド服を着ている少女──ティッタは礼儀正しくリアス達に挨拶した。そんな中、

 

 

「び、美少女メイドがお出迎え…グヘヘヘ…」

 

 

変態が約1名ティッタの姿を見てイヤらしい笑みを浮かべているのは…まあ、無視した方がいいだろう…。

 

 

「当麻様達は既に中で御待ちしていますので、これから御案内致します」

 

 

「分かったわ」

 

 

ティッタがそう言って歩き出すと、リアス達はそんな彼女の後ろに付いていき、邸内へと入った。と、そこへ、

 

 

「あっ! もう来てるデス!」

 

 

「! 切歌さん、調さん、どうしてこちらに?」

 

 

「ちょっと様子を見てこようって、切ちゃんが…その人達が、“お兄ちゃん”達と仲良くしてる人達…?」

 

 

「あ、はい…!」

 

 

2人の人物がティッタに近付いてきたかと思うと、リアス達の方を見ながら話し始めた。1人は“金髪のセミショート”と“奇妙な語尾”が特徴的で、非常に明るく元気そうな少女。もう1人は“黒髪のツインテール”が特徴的で、金髪の少女とは対照的にとても物静かそうな少女である。と、ここで、

 

 

「お、お兄ちゃん…?」

 

 

「? 皆さんは“一兄”達の知り合いじゃないんデスか?」

 

 

「い、一兄? 一兄……あ、もしかして一護のこと? 一護だから“一兄”ね。あー、なるほど……って、はああああああああああああッ!!??」

 

 

「ッ!? な、何デスかッ!?」

 

 

いきなり響き渡るイッセーの大声を聞いて、驚きを露わにする金髪の少女──暁切歌…。

 

 

「あらあら、一護君にこんな可愛らしい妹さん達がいらしたなんて」

 

 

「で、でも、少々一護さんとは似ていらっしゃらないような…」

 

 

「私達とお兄ちゃんは、血が繋がってる訳じゃない…」

 

 

「でも一兄は私達の兄ちゃんデースッ!」

 

 

朱乃とアーシアの発言に対し、黒髪ツインテールの少女──月読調(つくよみしらべ)と切歌はそう返した。ちなみにその間にも…

 

 

「血の繋がってない美少女2人に兄呼ばわりされてるだとッ…! な、何て羨ましい関係を築いてやがんだ、一護ッ…!!」

 

 

「…やっぱりイッセー先輩は最低です」

 

 

妬みの感情を露わにし出すイッセーに対し、小猫が先程のティッタを見た時の反応を含めてそう呟いていたのは…まあ、余談である…。

 

 

「切ちゃん、ティッタ、皆待ってる。そろそろ行かないと…」

 

 

「! そ、そうですね! 失礼しました! では…」

 

 

「私達に付いてくるデース!」

 

 

調に言われたティッタは慌てて案内を再開し、切歌と調も彼女の後ろへ…そしてリアス達はその後ろを付いていく。

 

 

「当麻からは色々な説明をすると言われているのだけど、それで合ってるかしら?」

 

 

「はい、当麻様もそのつもりで皆様を御呼びになったと聞いています」

 

 

リアスの問い掛けに淀みなく答えるティッタ。と、ここで、

 

 

「こちらです」

 

 

ティッタはあるドアの前に立ち止まり…

 

 

コンコンッ!

 

 

「当麻様、グレモリー眷属の皆様をお連れしました」

 

 

『ああ、入れてくれ』

 

 

「はい、失礼します」

 

 

ガチャッ!

 

 

ドアの向こうから当麻がそう言うと、ティッタはドアを開けた。そして先を行く調と切歌に続いて中へと入ると、そこには…

 

 

「わざわざ来てもらって悪かったな、リアス」

 

 

「朱乃やイッセー達も揃ってるみたいだな」

 

 

「まあ、今回は小猫達もいないと困るんだけどね」

 

 

当麻や一護、リクオが立っていた。昨日見せていた“大人の姿”ではないものの、黒のスーツに黒のネクタイという格好は、やはりリアス達のよく知る彼等の姿ではない。そして何より…その広々とした部屋にいるのは当麻達だけではなかった…。

 

 

「いらっしゃい、皆♪」

 

 

「やっと来たわね」

 

 

当麻の両隣にはユウキとシノンが…。

 

 

「久しぶりね」

 

 

「昨日はお騒がせしてすみません」

 

 

一護の両隣には紗矢華と雪菜が…。

 

 

「やっほー♪」

 

 

「歓迎します…1人を除いて…」

 

 

「それ絶対俺のことだよねッ!?」

 

 

リクオの両隣には芽亜とヤミの姿があった。イッセーが何か騒いでいるが、気にしなくていいだろう。更に…

 

 

「お前等、何か余計なことしてねえだろうな?」

 

 

「大丈夫…」

 

 

「ちょっと挨拶してただけデス!」

 

 

「いやー! 先輩姿が様になってるね~、クリスちゃん!」

 

 

「響、言ってることが少しオジサンっぽくなってるよ…?」

 

 

一護の後ろには調と切歌だけでなく、ベージュ髪の少女──立花響と、深緑色の髪の少女──小日向未来、銀髪の少女──雪音クリスの3人が…。

 

 

「その辺にしておけ、お前達」

 

 

「そうね。一応お客さんの前なんだし」

 

 

「お、“お客さん”っていうのは少し違うと思うけど…」

 

 

「そ、そうですね…」

 

 

リクオの後ろには緋色のロングヘアーの女性―――エルザ・スカーレットと、銀色のロングヘアーの女性―――ミラジェーン・ストラウス、金髪ツインテールの少女―――ルーシィ・ハートフィリア、藍色髪のツインテールの少女―――ウェンディ・マーベルの4人が…。

 

 

「この者達がその女の眷属か」

 

 

「神滅具持ちの為り立て悪魔もいるなんて、中々面白いわね」

 

 

「2人もその辺にして。これから色々話さないといけないんだから…」

 

 

当麻の後ろには銀髪ロングヘアーと赤い瞳が特徴の女性―――エレオノーラ・ヴィルターリアと、青色のショートカットが特徴の女性―――リュドミラ・ルリエ、金髪ロングヘアーが特徴の長身の女性―――ソフィーヤ・オベルタスがいた。更にエレオノーラの傍には、彼女の従者である金髪サイドテールの女性―――リムアリーシャ・リュッセルの姿もある…。そして…

 

 

ガチャッ!

 

 

『…!』

 

 

「お待たせして申し訳ありません、当麻様」

 

 

「セフィリアか。大丈夫だ。リアス達も丁度来たところだからな」

 

 

「そうでしたか…」

 

 

ウェーブの掛かった金髪ロングヘアーの女性―――セフィリア・アークスが部屋へと入り、当麻達とリアス達の丁度間を取り持つような位置に立った所で…当麻が切り出した…。

 

 

「さて…色々聞きたいことがあるよな、“部長”?」

 

 

「! ええ…」

 

 

その問い掛けにリアスは頷くと、まず初めにこう尋ねた…。

 

 

「当麻、一護、リクオ…あなた達が本当に、この“アイエール”という組織のトップなの?」

 

 

「…ああ、そうだ。一護とリクオが“副総帥”、そして俺が一応“総帥”…要するにこの組織の一番上ってことになってる」

 

 

「…それなら、ユウキ達があの“絶剣使い”達だっていうのも事実なのね?」

 

 

「ああ…。そっちについても隠さない訳にはいかなかったんでな。色々悪かった…」

 

 

「構わないわ。私だってあなたと同じ立場なら、間違いなくそうしたもの…」

 

 

「そうか…」

 

 

そんなやり取りを交わしながら、お互いに苦笑いを浮かべる当麻とリアス…。と、ここで、

 

 

「な、なあ…」

 

 

「! イッセーか。どうした?」

 

 

「お、お前等、本当に当麻と一護とリクオ、なんだよな?」

 

 

「? ああ…」

 

 

「見ての通り、君のクラスメイトの上条当麻と黒崎一護、それに奴良リクオだけど?」

 

 

当麻に聞かれたイッセーが恐る恐るといった様子で尋ねてきたのに対し、一護とリクオがそう答えた。すると…

 

 

「いやいや! だってお前等全然違うじゃねえかッ!? 何かもう完全に別人っていうか……つーかそれより一番説明してもらいたいのは、お前等の後ろにいる娘達だよッ!! 何だよその美女美少女軍団は!!?? ただでさえユウキちゃん達まで居るっていうのに、羨まし過ぎるわチクショーーーッ…!!!!(泣)」

 

 

「…本当にどうしようもない先輩です」

 

 

イッセーはライザーのハーレム状態を見た時のように、涙を流しながら声を上げ、更には床に伏して拳を叩き付け始めたのだ。それを見た当のエレオノーラ…通称“エレン”や響達はそれぞれ何とも言えない笑みを浮かべたり、怪訝な表情を浮かべたり、若干怯えたり引いたりしている…。小猫が絶対零度の視線を向けるのも当然だろう…。

 

 

「その辺にしておいた方がいいと思うよ、イッセー君」

 

 

「うるせえッ!! こんな状況を見て泣かずに居られる訳…!」

 

 

「今だけはいつものような発言をしないのが身のためだよ。でないと…僕達全員、その人達に“あっという間に消されちゃう”かもしれないからね…」

 

 

「……え……?」

 

 

木場の忠告を聞き、呆気に取られた様子のイッセー…。そして、

 

 

「あなたとアーシアは知らないようだから、一応言っておくわね…? ユウキ達を含め、当麻の周りに控えているのはほぼ全員、“1人でライザーとその眷属達全員を軽く圧倒できる”力を持つ、最高クラスの神器所有者よ」

 

 

「…え…ええええええええええええええええええええええええええええッ!!!??」

 

 

リアスがそう告げた瞬間、イッセーは思わず絶叫した。まあ、明らかに自分よりも年下と思われる少女達を含め、そのほぼ全員が自分達の敗北した相手であるライザー達を単独で倒せるというのだから…。

 

 

「う、嘘ですよね!? ていうか、ユウキちゃん達までそんな強いんですか!?」

 

 

「ええ。ユウキちゃん達は全員それぞれ異名を付けられ、三大勢力全体から恐れられる程の強さを持っていらっしゃいますの」

 

 

「い、異名、ですか…?」

 

 

朱乃の言葉を聞いて、首を傾げるアーシア…。

 

 

「ユウキとシノンの異名は、“絶剣使い”と“氷の狙撃手”。冥界でもトップクラスの実力を持つと言われている、賞金稼ぎのペアよ」

 

 

「特に“絶剣使い”は、僕みたいな騎士(ナイト)の人間にとって“剣聖”と呼ばれている程の伝説的な存在なんだ…。僕もユウキちゃんがその“絶剣使い”だって知った時には、言葉が出なかったよ…」

 

 

まずユウキとシノンについて、リアスと裕斗が話すと…

 

 

「雪菜ちゃんと紗矢華ちゃんの異名は、“光来の剣巫”と“烈光の舞姫”。どちらも“対悪魔戦最強の神器所有者”と言われていますわ」

 

 

「…ヤミさんと芽亜さんの異名は、“金色の夜叉”と“赤髪の修羅”…。三大勢力全体に名を轟かせている、伝説の殺し屋姉妹です…」

 

 

(め、“冥界最強クラスの賞金稼ぎ”に、“対悪魔戦最強の神器所有者”と“伝説の殺し屋姉妹”って、凄えヤバいメンバーじゃんッ!? 俺そんな女の子達と一緒に学園生活送ってたのッ!!?)

 

 

朱乃が雪菜と紗矢華について、小猫がヤミと芽亜についてそれぞれ説明した。イッセーはそれを聞いた瞬間、そんな彼女達とこれまで対等に接してきたことに驚愕する。と、ここで、

 

 

「さっきのあんたの発言からして…俺達の後ろにいるエレン達のことも当然知ってるよな?」

 

 

「! ええ…。今更かもしれないけど、彼女達は本当に…」

 

 

「ああ、多分あんたの予想してる通りだと思うぜ…?」

 

 

リアスの問い掛けに対し、当麻はそう返した。

 

 

「そうだな…イッセーやアーシアも居ることだし、軽く自己紹介させるか…。エレン」

 

 

「! ああ…。エレオノーラ・ヴィルターリアだ。“エレン”で構わん。当麻達も認めているようだからな。それから…」

 

 

当麻に促されたエレンは軽く自身のことを名乗ると、後ろに控えていたリムアリーシャ…通称“リム”に軽く目配せをし…

 

 

「私の部下のリムアリーシャだ。まあ、気軽に“リム”と呼んでやってくれ。いいな、リム?」

 

 

「はい…」

 

 

自身の問い掛けにリムが頷くと、エレンは自身の左隣いるリュドミラに目を遣った…。

 

 

「リュドミラ・ルリエよ。貴女達とは今後関わることになるようね。宜しく御願いするわ。それと、くれぐれも隣にいる“教養の無い女”とは同じように扱わないで頂戴」

 

 

「ほぉ…? 今のは私に対する宣戦布告か、リュドミラ・ルリエ?」

 

 

「さぁ、どうかしらね…?」

 

 

明らかに怒りの笑みを浮かべるエレンと、不敵な笑みを浮かべるリュドミラ。そして両者が対峙し掛けた、その時、

 

 

ガンッ!×2

 

 

「「ッ~~~…!!」」

 

 

「2人共、こんな時にまで喧嘩する必要はないでしょ…?」

 

 

そんな2人の頭を、ソフィーヤ…通称“ソフィー”が大型の錫杖で軽く小突きながら注意した。

 

 

「ごめんなさい、お見苦しい所を見せてしまって…。私はソフィーヤ・オベルタスと言います。話は当麻達から聞いてるわ。宜しくね」

 

 

エレンやリュドミラと違い、ソフィーは物腰の柔らかい口調で挨拶をした…。

 

 

「“七大戦姫(シエラ・ヴァナディース)”…北欧最強の戦乙女(ヴァルキリー)部隊が、まさかあなた達の所に居たなんて…」

 

 

「あー…まあ、色々あってな。俺達に“協力してもらってる”って感じだ」

 

 

「では、残りの4人の御方も勿論いらっしゃるんですのね?」

 

 

「ああ。といってもその内の3人は別件で戻ってきてねえし、あと1人も訳あってここには来れないんだけどな…」

 

 

リアスと朱乃の問い掛けに、苦笑いを浮かべながら返す当麻…。

 

 

「今度はこっちだな…。響」

 

 

「! はい!」

 

 

一護が呼び掛けると、それに反応したのは響だった。

 

 

「初めまして、立花響っていいます! それで、こっちが私の親友の…」

 

 

「小日向未来です。話は一護さん達から聞いてるので、これから宜しくお願いします…。ほら、クリスも」

 

 

「わ、分かってるっての…。雪音クリスだ。一護達が色々世話になってるみてえだな。よ、よろしく頼む…」

 

 

響と未来、クリスが自己紹介しつつ挨拶をすると…

 

 

「そういえば、私達もまだ自己紹介をしてなかったデスね! 私は暁切歌! よろしくデース!! で、こっちが…」

 

 

「月読調です。よろしく…」

 

 

切歌と調がそれに続いた。それを聞いて、

 

 

「あらあら、まさか“七聖の歌姫(プレアデス・ディーヴァ)”がこんなに可愛らしい娘(こ)達だなんて、思ってもいませんでしたわ」

 

 

「? えっと、な、何ですか、朱乃さん? プ、プレ…?」

 

 

「“七聖の歌姫(プレアデス・ディーヴァ)”。三大勢力全てから恐れられている特殊な神器所有者の方々のことですわ。歌いながら相手を一掃する姿から、その呼び名が付けられたと言われていますの」

 

 

「そ、それって、“歌を最後まで歌い終わる頃には終わってる”って奴ですよね。いや、でもやっぱり皆可愛いし…」

 

 

朱乃の話を聞いたイッセーは、顔をひきつらせながら呟く。こんな話を聞いても響達の容姿に目が行くのは、ある意味流石かもしれない…。

 

 

「じゃあ、次はこっちだね。エルザ」

 

 

「ああ」

 

 

続いてリクオがそう言うと、それに頷いたのはエルザだった。

 

 

「エルザ・スカーレットだ。これから宜しく頼む」

 

 

「じゃあ、次は私ね? ミラジェーン・ストラウスよ。皆からは“ミラ”って呼ばれてるから、あなた達もぜひそう呼んで。よろしくね♪ それで、あとの2人が…」

 

 

「初めまして! 私はルーシィ。ルーシィ・ハートフィリアです。よろしくね!」

 

 

「あ、は、初めまして! ウェンディ・マーベルです。よ、よろしくお願いします…!」

 

 

エルザに続き、ミラジェーン、ルーシィ、ウェンディが自己紹介をし終えた。すると、

 

 

「な、なぁ、リクオ?」

 

 

「? どうしたの、イッセー君?」

 

 

「いや、何かその…そこにいるウェンディちゃんから、前に教会の近くに行った時以上に凄え嫌な感じがするんだけど…何でだ…?」

 

 

「! そっか…。まあ、確かにイッセー君にとってウェンディは“最大の天敵”だろうし、当然かな…」

 

 

「さ、最大の天敵…?」

 

 

リクオの意味深な発言を聞き、嫌な予感を倍増させるイッセー。そんな彼の問い掛けに答えたのは、当麻だった…。

 

 

「ウェンディは“天空の滅龍魔法”を扱える、“龍殺し(ドラゴンスレイヤー)”なんだよ」

 

 

「っ!? 龍殺し(ドラゴンスレイヤー)ですってッ…!!?」

 

 

「…(ビクッ!)」

 

 

リアスが驚きを露わにすると、ウェンディはビックリしたのか咄嗟にリクオの後ろに隠れた。その一方で…

 

 

「ド、“龍殺し(ドラゴンスレイヤー)”って、まさか…」

 

 

「その名の通り、龍(ドラゴン)の退治に特化した人のことだよ、イッセー君」

 

 

「なっ!? マ、マジかよ!? しかもあの娘が…!?」

 

 

木場にそう言われたイッセーは、思わずウェンディを見る。確かに今もリクオの後ろに隠れているような少女が、“対龍用に特化した殺し屋”と言われても…全く以て信じられないだろう…。しかし、

 

 

「信じられねえって顔をしてる所悪いが、ウェンディがトップクラスの龍殺しだっていうのは間違いねえ。今のお前じゃ仮に“禁手(バランスブレイカー)”になったとしても、数秒で消されるからな?」

 

 

「……マジで?」

 

 

「大マジだ」

 

 

「い、一護さん! そ、そんなことしませんから…!」

 

 

ウェンディが慌ててそう言う中、イッセーは完全に硬直した。当然だろう。自分が左腕を犠牲にして手に入れる力を持ってしても、目の前にいる華奢で幼い少女に瞬殺されるというのだから…。と、ここで、

 

 

「で、最後にここにいるのが…」

 

 

「初めまして。私はセフィリア・アークス。“総帥補佐官”として、当麻様の側にお仕えしております」

 

 

「! “絶対女王(アブソリュート・クイーン)”…」

 

 

最後に当麻によってセフィリアが紹介されると、リアスはそんな彼女を最大限警戒した様子で見つめる…。それを見て、

 

 

「あ、朱乃さん、何か部長の雰囲気が変わったんですけど、セフィリアさんって一体…」

 

 

「そうですわね…。一言で説明するなら、あの方は“この世界で最も強い女性”…といった所でしょうか」

 

 

「………え………?」

 

 

朱乃の口から出た言葉を聞いて、本日2度目の硬直状態に陥るイッセー…。

 

 

「何しろあの“時の番人(クロノ・ナンバーズ)”を率いているらしいからね…。多分間違いないと思うよ」

 

 

「そ、そんなにヤバイ人なのかよ!? とんでもなく綺麗な人なのに…」

 

 

「そ、想像できないですぅ…」

 

 

そして木場からもそう言われたイッセーは狼狽(うろた)え出し、アーシアも思わず呟く中…

 

 

「とりあえず、今ここにいる全員の紹介はそんな所だ。まだ遅れてくる奴等もいるけど、そいつ等の紹介は来た時だな。じゃあ…そろそろ次の質問といこうぜ、部長?」

 

 

「! そうね…。今度は冥界の悪魔の1人として、単刀直入に聞かせてもらうわ…。あなた達が私達悪魔と敵対する可能性は、あるのかしら…?」

 

 

当麻が質疑応答の時間に戻すと、リアスはいきなりそんなことを尋ねたのだ。これには朱乃達だけでなく、イッセーやアーシアも緊張した面持ちを見せる…。すると、それに対し当麻は…

 

 

「まあ、あるだろうな」

 

 

『…!』

 

 

ハッキリとそう答えた。これにはリアス達グレモリー眷属の面々も驚きを隠せない…。

 

 

「けど、こっちから敵対することは絶対にねえよ。特に冥界側とはな。何しろ“あいつ等”がいる以上、それはこっちとしても絶対に避けてえ……そうだろ、リクオ?」

 

 

「うん、まあね…」

 

 

「? 冥界に誰か知り合いがいるの?」

 

 

「まあ、知り合いっつーか、何つーか…」

 

 

2人のやり取りを見たリアスの問い掛けに対し、当麻がどう答えていいか迷っていると、そこへ…

 

 

ガチャッ!

 

 

「ただいま~!」

 

 

「! お帰りなさい、リサーナ」

 

 

「レビィちゃんもお帰り!」

 

 

「ただいま、ルーちゃん! あ、この人達が例のグレモリー眷属の…」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

2人の人物が新たに部屋へと入ってきた。1人はミラジェーンと銀色の髪をショートカットにしているのが特徴の少女―――リサーナ・ストラウス。もう1人は青髪とカチューシャが特徴的な少女―――レビィ・マクガーデンである。そしてそんな2人にミラジェーンとルーシィが声を掛け、リクオがそう言っていると…

 

 

「じゃあ、とりあえず自己紹介した方が良いよね? 初めまして、私はリサーナ・ストラウス。名字で分かると思うけど、そこにいるミラ姉の妹よ。よろしくね。で、こっちにいるのが…」

 

 

「えっと…初めまして、私はレビィ・マクガーデン。レビィでいいよ。話はリクオからもう色々聞いてるけど、これからよろしくね」

 

 

(こ、ここで更に美少女が2人登場…!?)

 

 

リサーナとレビィがリアス達に軽く自己紹介をした…。イッセーが2人を見て心の中で驚いていたのは…まあ、気にしなくていいことである…。

 

 

「あ、それよりリクオ! お客さんが来てるよ!」

 

 

「? お客さんって、小猫達ならこの通りもう来てるけど…」

 

 

「えっとね、多分“また無理矢理来た”って感じだと思うんだけど…」

 

 

「! おい、まさか…」

 

 

リサーナとレビィの言葉を聞いて、リクオと一護は何かに思い当たった、その時…

 

 

「リクオーー!!」

 

 

「うわっ!?」

 

 

ガバッ!!

 

 

「えへへ~♪」

 

 

1人の人物が素早く部屋に入ってきたかと思うと、真っ先にリクオへと思い切り抱き着いたのだ。その人物とは…“ピンクのロングへアー”と“クリス並みに発達した胸部”、そして……“黒い尻尾”を生やしているのが特徴的な少女だった…。

 

 

「ラ、ララ!?」

 

 

「リクオ~、久しぶり~♪」

 

 

その少女―――ララ・サタリン・デビルークの姿に驚くリクオ。すると、

 

 

「リクオーーッ!!! テメエいきなり何見せつけてくれてんだアアアアアアッ!!!?」

 

 

「ええっ!? いや、そんなこと言われても…!」

 

 

それを見たイッセーが般若の如く怒りを露わにしてきたのだ。彼の頭の中には“この少女は何者なのか?”といった当たり前の疑問は無いらしい。と、ここで、

 

 

「ララ! あなたがどうしてここに!?」

 

 

「あー! リアス~! 久しぶりだね~♪」

 

 

「ッ! ぶ、部長! この娘のこと知ってるんですか!?」

 

 

「え、ええ…。というより、あなたとアーシア以外は皆知ってるわ」

 

 

「えっ…!?」

 

 

リアスにそう言われたイッセーが思わず朱乃や小猫、そして裕斗に目を向けると、3人は少し驚いた様子でありながらも頷いた。と、そこへ更に、

 

 

「あ、いた! って、何してんだよ姉上ッ////!?」

 

 

「これはいつものことでしょ、ナナ…? あ、お久しぶりですね、リクオさん♪ それにリアスさん達も♪」

 

 

「あらあら、これは本当にお久しぶりですわね、ナナさん、モモさん」

 

 

続いてやってきたのも2人の少女だった。1人はララと同じピンク色の髪をツインテールにした、“少々胸部の発育が残念”な少女──ナナ・アスタ・デビルーク。もう1人はララと同じピンクの髪をショートカットにした、アーシア並みに発達した胸部を持つ少女──モモ・べリア・デビルークである。そして、朱乃がそんな2人に挨拶をしていると…

 

 

「な、なあ、木場? この娘達って一体…」

 

 

「! そうだね…。確かにこの人達のことは知らないかもしれないけど…その“お父さん”のことはイッセー君も聞いたことがある筈だよ…。この前の合宿中に…」

 

 

「が、合宿中に!? 合宿中に何で聞いて……ん? “デビルーク”…?」

 

 

裕斗にそう言われたイッセーは、ふとある事を思い出す。それは…冥界に関する基礎知識を学んでいた時のことだった…。

 

 

「ッ!! も、もしかして、もしかしなくても…」

 

 

「気付いたみたいね、イッセー。そう。彼女達は現“大魔王”ギド・ルシオン・デビルーク様の娘よ」

 

 

(ってことは…め、冥界最強の悪魔の娘えええええええええええええッ!!!???)

 

 

そう、冥界を実質的に取り仕切っているのは、ルシファー、レヴィアタン、ベルゼブブ、アスモデウスの“四大魔王”であるが、実は更にその上の地位が存在している。それが冥界最強を意味する“大魔王”…。そしてその地位に君臨しているのが、ララ達の父親である“ギド・ルシオン・デビルーク”なのである…。リアスの口から飛び出したララ達の素性に、イッセーは心の中で絶叫した。すると、

 

 

「ひょっとして、貴方が兵藤一誠さんですか?」

 

 

「えっ!? あ、は、はい! でも、何で…」

 

 

「ふふっ、当然知ってますよ? 何しろ最も有名な“神滅具(ロンギヌス)”の1つを所有している方ですから♪」

 

 

(ッ! こ、これはひょっとして、俺にもチャンスが…!?)

 

 

モモとのそんなやり取りの中で、期待を膨らませ始めるイッセー。完全に鼻の下が伸びているのは…言うまでもないだろう…。

 

 

「こ、こいつがあの赤龍帝? 何か見るからに弱そうっていうか、確実に弱いだろ…? しかも明らかに獣(ケダモノ)っぽいし…」

 

 

(ぐはっ!? な、何て辛辣な発言を…。見た感じ双子っぽいけど、全然違うな。口調とか雰囲気とか…)

 

 

ナナの言葉に精神ダメージを受けつつも、イッセーはナナとモモを見比べ始める。そして、ある部分に注目した。それは…

 

 

(胸とか…)

 

 

ガシッ!!

 

 

「へ?」

 

 

「おい…今物凄く失礼なこと考えてなかったか…?(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!)」

 

 

「なな、何も考えてませんでせう…!!!(ガクガクッ!)」

 

 

阿修羅の如き形相のナナに胸ぐらを掴まれ、生まれたての小鹿のように震えながら言葉を返すイッセー…。と、そこへ更に、

 

 

「…私も加わってもいいでしょうか?」

 

 

(こ、小猫ちゃあああああんッ!! それは本気で死んじゃうから勘弁してええええええええええッ!!!)

 

 

小猫も加わろうとしてきたのを見たイッセーは、思わず心の中でそんな叫び声を上げた。どう見ても“前門の虎、後門の狼”といった状態である…。しかし、

 

 

「やめなさい、ナナ。そんなことをしても、あなたの“ペタンコ”は治らないわよ?」

 

 

「ッ!! ペ、ペタンコって言うなああああああああッ!!!」

 

 

(た、助かった…)

 

 

そんなモモの一言でナナの標的が変更されたため、イッセーは何とか助かった…。ちなみにモモの一言に小猫が密かに大きく反応していたのは、余談である…。

 

 

(や、やっぱりモモちゃんは良い娘っぽいな。よっしゃあ!! ここは是非ともモモちゃんも俺のハーレム候補に…!!)

 

 

何気にとんでもない夢を抱く始めるイッセーだったが…現実は彼にとって非情だった…。

 

 

「そろそろ話を戻させてもらうわね? ララ、ナナ、モモ、あなた達がどうしてここに…?」

 

 

「ふふっ、勿論リクオさん達にお会いしに来たんですよ? 特にリクオさんは、私達の“許嫁”ですから♪」

 

 

「……はい……?」

 

 

リアスの問い掛けにモモがそう答えると、イッセーはしばらく呆然とし…

 

 

「い、許嫁ええええええええええええええええええッ!!??」

 

 

やがて驚愕の叫びを上げた…。

 

 

「あらあら…」

 

 

「ほ、本当なの!? でも、そんなこと今まで一度も…」

 

 

「えへへ、ごめんね~? 周りには秘密にするように言われてたんだ~」

 

 

朱乃も驚きを隠せない中、ララはあっけらかんとした様子でリアスにそう言った。

 

 

「ったく、父上も本当に何考えてんだよ。許嫁なんて、あたしは別に…」

 

 

「そんなこと言って、あなたも満更じゃないでしょ? 今日だって、いつも以上に身だしなみに気を配ってたわよね?」

 

 

「なっ/////!?!? んなことねえよッ////!! つーか、お前だってそうだっただろッ///!?」

 

 

「ふふっ当然でしょ? 何せ許嫁の殿方に会いに行くんだもの♪」

 

 

こちらでもナナとモモがそんなやり取りを交わしている。そんな中、

 

 

「リクオ~~ッ………!」

 

 

「? イ、イッセー君? どうしたの?」

 

 

少し様子のおかしいイッセーの姿を見て、若干戸惑いながらも尋ねるリクオ。すると…

 

 

「いっぺん死ねええええええええええええええッ!!!!(泣)」

 

 

「えええッ!!?!?」

 

 

イッセーが血涙を流しながら飛び掛かってきたのだ。いきなりの事にリクオは当然驚くが…果たしてこの後何が起こるでしょう? 正解は……

 

 

 

ドゴッ!!!

 

 

「…………(チーンッ!)」

 

 

「少し黙っててください、兵藤一誠…」

 

 

ヤミの変身(トランス)した髪の拳によって、イッセーは呆気なく沈んだ…。

 

 

「それとプリンセス・ララ、そろそろ離れてください。リクオが困っています」

 

 

「あ、そっか! ごめんね~、リクオ!」

 

 

そしてヤミはついでといった感じでそう言うと、ララはすぐにリクオに抱き着くのを止め、彼から離れた。実は今まで抱き着いていたララを一部の者達……特にエルザやルーシィなどが、何とも言えない表情を浮かべながら少し羨ましそう見ていたことについては…触れなくてもいいだろう…。と、その時、

 

 

ガチャッ!

 

 

「ハハッ、随分賑やかにしてるね? ボクも混ざってもいいかな?」

 

 

『っ!?』

 

 

ララ達が入ってきたのとは別の入り口から、新たに1人の人物がやってきた。すると、それを見た当麻達“アイエール面々は一様に驚く。その人物とは紺色の髪をショートカットにしている、ソフィーより少し年上の女性だった…。

 

 

「「「サーシャッ!?」」」

 

 

その女性―――アレクサンドラ・アルシャーヴィン、通称“サーシャ”の姿を見た瞬間、エレンとミラ、そしてソフィーが真っ先に彼女へ駆け寄る。

 

 

「何をしているんだ、サーシャ!?」

 

 

「そうよ! あなたはまだ安静に…!」

 

 

「平気だよ。今日は普段よりもずっと気分が優れてるから…」

 

 

「でも、無暗(むやみ)に動いたらまた…」

 

 

エレンとリュドミラに対してサーシャがそう言うが、それを聞いたソフィーは心配そうな表情を浮かべる。と、そこへ、

 

 

「サーシャ」

 

 

「! やあ、当麻。すまない、変な心配を掛けてしまって…」

 

 

「全くだ…。何で無理してこっちに来た?」

 

 

「無理して来たつもりはないよ。ただ…君がエレン達を動かしてまで助けたのがどんな娘(こ)なのか、どうしてもこの目で見たくてね…。いいかい、当麻?」

 

 

サーシャが柔らかく微笑みながらそう言ってくると、それに対し当麻は…

 

 

「…はぁ…。ティッタ、その椅子をちょっと持ってきてくれ」

 

 

「は、はい!」

 

 

「ッ! おい、当麻…!」

 

 

「ここまで来ちまったんだ。もう今更だろ?」

 

 

何か言おうとするエレンに対して当麻がそう返すと、エレン達3人は心配そうな表情を浮かべつつ、持ってきた椅子に座るサーシャの傍に立った…。

 

 

「ああ、君達とも随分久しぶりだね」

 

 

「! ま、まあな」

 

 

「本当に大丈夫ですか、サーシャさん?」

 

 

「問題ないよ。それより、君達の御父上は元気にしてるかい?」

 

 

「うん♪ パパならいつも通り元気だよ、サーシャ♪」

 

 

「ハハッ、それは何よりだ」

 

 

そして、サーシャはララ達3人とも軽くやり取りをしたところで、リアス達の方に目を向ける…。

 

 

「さて…まずは自己紹介をしないだね。初めまして、ボクはアレクサンドラ・アルシャーヴィン。皆からは“サーシャ”と呼ばれてるから、君達もぜひそう呼んでほしい。これからよろしく頼むよ」

 

 

「…グレモリー家次期当主のリアス・グレモリーよ。丁寧な挨拶をしてくれてありがとう。とても光栄だわ。冥界でもその名が知られている“煌炎の朧姫(ファルプラム)”に会えるなんて」

 

 

「止(よ)してくれないか? ボクはそんな大層な人間じゃないよ」

 

 

サーシャとそんな挨拶を交わすリアス。それを見て…

 

 

「あ、朱乃さん? ひょっとして、この女性(ひと)も有名な人なんですか? 何か部長の雰囲気も変わった気がするんですけど…」

 

 

「ええ…。サーシャさんは、エレンさん達のいる“七大戦姫(シエラ・ヴァナディース)”の1人であり、最強の戦乙女(ヴァルキリー)と称されている方ですわ」

 

 

「さ、最強ッ!? マジですかッ!? 今の感じからは全然そう見えないんですけど…」

 

 

「詳しいことは分からないけど、噂で“病に掛かっている”と聞いたことがあるよ。どうやらあの様子だと、その噂は本当みたいだね…。でも、その強さは本物だよ。何せ前に一度ギド様と戦って、互角に渡り合ったと言われてるくらいだから…」

 

 

「…は…? そ、それって要するに……」

 

 

いつの間にか復活していたイッセーは朱乃と木場からそう言われて、思わず椅子に座って柔らかな雰囲気を醸し出しているサーシャの方を見る…。

 

 

(いや嘘だろッ!? 信じらんねえよッ!? あんな御淑やかそうな美人な人が、冥界最強の悪魔と同格ゥゥゥゥゥゥゥッ!?!?)

 

 

本日何度目かも分からない心の中での絶叫をするイッセーだった…。と、ここで、

 

 

「そういえば、もうそろそろ“あの娘達”が帰ってくるんじゃないかい?」

 

 

「! ホントだ! もうこんな時間…!」

 

 

「飛行機の到着時間から考えると、確かに丁度ここに着く頃だね」

 

 

サーシャの言葉を聞いた響と未来が部屋の時計を見ると、何かに気付いた様子でそう言った。

 

 

「…誰か帰ってくるんですか?」

 

 

「あ、うん。ちょっと別件で離れていた仲間が2人ね」

 

 

「多分そろそろの筈だ」

 

 

小猫の問い掛けに答えるリクオと一護。と、そこへ…

 

 

ガチャッ!

 

 

「ただいま」

 

 

「すまない、今戻った」

 

 

今度はララ達の入ってきたドアから、また新たに2人の人物が姿を見せた。1人は桃色のロングヘアーが特徴の少女、もう1人は青色のロングヘアーが特徴の少女である…。

 

 

「“翼”さん、お帰りなさい!」

 

 

「“マリア”もお帰り」

 

 

「お帰りデースッ!」

 

 

「ええ、ただいま」

 

 

「! 一護、この者達が…」

 

 

「ああ、こいつ等が前に電話で話した…」

 

 

そして響と調、切歌の3人に桃色の髪の少女―――マリア・カデンツァヴナ・イヴが声を掛ける中、青髪の少女―――風鳴翼が中にいるリアス達に気付いたため、一護が彼女達の紹介をしようとした…その時だった…。

 

 

「え、ちょ……ええええええええええええええええええええええええええええええええッ!?!?!?!?!?!?」

 

 

イッセーが突如凄まじい驚きの声を上げたのだ。しかもリアス達もかなり驚いた様子で翼とマリアを見ている。その理由は……

 

 

「な、何で日本とアメリカの歌姫がこんな所にッ!?!?!? おい、一護!! 一体どういうことだよッ!!??」

 

 

彼女達が“日米のトップアーティスト”であり、普通ならば絶対に直接会うことの出来ない存在なのだから…。

 

 

「何でって…こいつ等がさっき話してた“これから帰ってくる2人”だからだよ」

 

 

「はあっ!!?? あ、あの“風鳴翼”と“マリア・カデンツァヴナ・イヴ”が仲間って…嘘だろッ!?」

 

 

「いや、ここで嘘ついてどうすんだよ…。マリアと翼も響達と同じ系統の神器所有者で、立派な俺達の仲間だ」

 

 

依然信じられないといった様子のイッセーに対し、そう説明する一護。と、ここで…

 

 

「まさか、この2人があの“蒼天の斬殺者”と“白銀の執行者”なの?」

 

 

「ああ、そうだ。よく分かったな、リアス」

 

 

「想像は何となく付くわ。でも、まさか彼女達がそうだったなんて…」

 

 

当麻が自らの予想をあっさりと肯定すると、リアスはそう言いつつも驚きの表情を浮かべている。その一方で…

 

 

「あの、今部長さんが言っていた“蒼天の斬殺者”と“白銀の執行者”というのは、一体…」

 

 

「先程説明した“七聖の歌姫(プレアデス・ディーヴァ)”の残りの2人の異名ですわ。唯一その姿が分からない方々だったのですが…ふふっ、私も驚かずにはいられませんわね」

 

 

アーシアが朱乃に翼とマリアの異名について聞いていたり…

 

 

(いや、もうおかしいだろ!? 何で世界的トップアーティストまで仲間にしてんのッ!? もうこれライザーのハーレムなんか完全に比べ物にならねえよッ!! 羨ましいとかそんなレベルじゃねえよチクショオオオオオオオオオオオオオオッ…!!!)

 

 

イッセーがこの日一番の血涙を流しながら、嫉妬の念に駆られたりしていた…。それを見ていた翼を始めとするアイエールの女子達は、殆ど引いていたが…。

 

 

「悪いな、帰ってきて早々喧(やかま)しくて…。今日は久々のオフだろ? こっちは特に問題ねえから、部屋に戻ってくれても…」

 

 

「そんな気遣いは無用だ、一護」

 

 

「そうね。それに私達も、そこにいる悪魔達がどんな者達なのか気になるもの。このまま立ち会わせてもらうわ」

 

 

「そうか」

 

 

そして、一護の提案に翼とマリアがそう返していると、そこへ更に……

 

 

ガチャッ!

 

 

「やはり騒がしいな。おちおち部屋で休んでもいられん」

 

 

「ダ、ダメですよ、“キャロル”! そんなことを言っちゃ…」

 

 

2人の人物が翼達に続くように入って来た。1人は小猫よりも更に背の低い、“金色のおさげにした髪”が特徴的な少女。もう1人はその少女と同じくらいの身長で、“少々黒みがかった緑色のショートカット”が特徴的な少女だった。すると…

 

 

「キャロルちゃん! 来てくれたんだね!」

 

 

ガシッ!!

 

 

「っ! な、何故そこでお前が引っ付いてくるッ///!?」

 

 

「いや~、何かこう無性に愛(め)でたくなる衝動が…」

 

 

「ええいッ///!! 暑苦しいから離れろッ////!!」

 

 

響のスキンシップに金髪の少女―――キャロル・マールス・ディーンハイムが困惑し始めたり…

 

 

「あ、もう戻ってきてたんですね! お帰りなさい、マリアさん!」

 

 

「ええ、ただいま、エルフナイン」

 

 

黒みがかった緑髪の少女―――エルフナイン・マールス・ディーンハイムが、マリアとそんなやり取りを交わし始めた…。

 

 

「何だよ、お前等も来たのか…。つーかキャロル、お前“興味ないから自室で待機してる”って言ってただろ? どうしたんだよ?」

 

 

「ああ、確かにこの“グレモリー家の娘共”には特段興味など無いんだが、予想以上にやることが早く終わってしまったのでな。暇潰しくらいにはなるだろうと思ってきただけだ」

 

 

「キャ、キャロル…!」

 

 

「だ、だめだよ、キャロルちゃん…!」

 

 

一護がそう尋ねてきたのに対し、歯に衣着せぬといった様子で発言するキャロル。これには隣にいたエルフナインと響も思わず何か言おうとするが…

 

 

「随分と礼儀知らずな子供ね。少し教育がなっていないんじゃないかしら?」

 

 

「ふんっ、オレはただ素直に思ったことを言っただけだ。それに…たかが一悪魔に後れを取るつもりもない」

 

 

「っ……!」

 

 

その前にリアスといがみ合いを始めてしまったのだ。と、ここで…

 

 

「止せ、リアス。キャロルと一戦交えるのは本気でマズい」

 

 

「! どういうことかしら、当麻…?」

 

 

「まあ、確かに外見的には喧嘩を買いたい気持ちも分かるんだけどな…。けど、キャロルはここに居るメンバーの中でも実力的にはかなり上だ。頼むからやめてくれ」

 

 

(あ、あれ? 今当麻の奴、何かとんでもないこと言わなかった…?)

 

 

リアスと当麻のやり取りを聞いていたイッセーは、思わずそこでふと考え始めた。そう、当麻は確かに言ったのだ。この場に居る者達の中で最も幼い目の前の金髪の少女が、“この場に居る者達の中でもトップクラスの実力者”だと…。

 

 

「“終焉の錬金術師”…その呼び名くらいは聞いたことがあるだろ?」

 

 

「ッ!?!? 歴代最強と言われている伝説の錬金術師……まさか、こんな子供が!?」

 

 

「この身体はただの器に過ぎない…。この場で証明しても構わないが?」

 

 

当麻の口から出た単語を聞いたリアスが驚く中、キャロルは不敵な笑みを浮かべ、そう言い放つ。しかし…

 

 

「お前もそこまでにしろ、キャロル」

 

 

「! チッ……」

 

 

一護のそんな一言を聞くと、キャロルは舌打ちをしながらもアッサリと引いた…。それを見て、

 

 

「相変わらずだな」

 

 

「うん…」

 

 

「相変わらずデース」

 

 

クリスと調、更に切歌が何とも言えない表情で呟いていたのは……余談である……。

 

 

「あらあら、こんなに有名な方々が揃っていらっしゃるなんて、驚きで言葉も出ませんわ」

 

 

「ええ、私達の想像を超え過ぎてるわね…。戦闘能力は言うまでもないけれど、技術力に関しても“終焉の錬金術師”がいる以上、かなりのレベルじゃないかしら…」

 

 

これまでのアイエールのメンバー達の紹介を踏まえて、思わずその“層の厚さ”に感服し始める朱乃とリアス。それに対し…

 

 

「確かにキャロルは勿論、エルフナインも技術面ではキャロルに負けてないからね。それに……何より“あの人”がいるから…」

 

 

「! ああ…まあな……」

 

 

「? お、おい、どうしたんだよ?」

 

 

若干歯切れの悪い様子のリクオと一護を見て、思わずそう尋ねるイッセー。すると…

 

 

「確かにいるにはいるけど、な…」

 

 

「「ああ(ええ)…」」

 

 

「色々と、何とも言えない…」

 

 

「本当デース…」

 

 

「えっと……」

 

 

「あははは……」

 

 

上からクリス、翼、マリア、調、切歌、未来、響が微妙な表情や苦笑いを浮かべながら、そんなことを呟き始めた。しかもよく見ると、他の殆どのアイエールの女子達も同様の表情を浮かべている。と、その時だった……。

 

 

「おやおや、何だか僕の話をしているのが聞こえるねぇ…?」

 

 

『………!!』

 

 

突如そんな声が響き渡る…。

 

 

「初対面の人間…いや、悪魔達もいるようだし、ここは自己紹介も込めて言わせてもらおうか…。そう、僕こそが真実のヒト……!!」

 

 

そして……

 

 

「ドクター! ウェルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」

 

 

「「オラアッ!!!」」

 

 

「グフォアッ!?」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ……!!!!

 

 

その男―――ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスに…何故か当麻と一護の渾身のストレートが炸裂したのだった……。

 

 




という訳で、前編を投稿しました。


正直書いてみて、“やっぱり登場キャラ結構いるな~”と今更自覚しました。今後も更にキャラが出てくるので「大丈夫かよ…」と不安に思う方もいるかもしれませんが、引き続き頑張ります。


今回登場したキャラで意外と気に入っているのは、“魔弾の王と戦姫”のサーシャです。アニメしか見てないのですが、原作だと亡くなってしまうんですよね…。個人的にSAOと並んで惜しいキャラだと思ったので、登場させました…。


また最後に出てきたウェル博士ですが…多分この小説において最も色々やらかします。いや、ホントに…。



では、今日はこれにて失礼致します。



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