ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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という訳で、前回の続きです。


先に言っておきますが、前半は最初の数行だけ変なテンションで書いています。読めば意味が分かるかと…。


そして後半は、“あの娘”が微妙に動き始めます。まあ、せっかくあの作品が参戦していますのでね…。



では、本編をどうぞ。



とある組織へのお宅訪問(後編)

前回の流れを振り返ろう。当麻達3人の率いる謎の組織“アイエール”の拠点である彼等の家へやってきたグレモリー眷属一行。そこで待っていたのは数多の美女&美少女達であり、イッセーが度々変態となりながらも自己紹介を通じて組織の概要が明かされていく…。そして…

 

 

「「オラアッ!!」」

 

 

「グフォアッ!!??」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!

 

 

当麻と一護の渾身のストレートが、ある1人の男にクリーンヒットしたのだった…。

 

 

「いや全然意味分かんねえよッ!? 確かに説明は合ってるけど、本当に意味分かんねえよッ!?」

 

 

「ど、どうなさったんですか、イッセーさん!?」

 

 

何かイッセーが地の文にツッコんでいたり、アーシアがそんなイッセーを心配していたりするが…まあ、置いておくとしよう…。そんな中、

 

 

「ぶ、ぶったね…!? “ブラ◯トさん”にもぶたれた事ないのにッ…!!」

 

 

「いや、ブラ◯トにぶたれた奴の方が少ねえよ。つーか色んな意味で作品が違うだろうが。お前のキャラも含めて全てが違えよ」

 

 

何処ぞの“某機動戦士”の話を持ち出してくる男(バカ)──ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス、通称“ウェル”に対し、冷めた表情でツッコむ一護…。

 

 

「フンッ、この英雄たる僕を殴るとは、相変わらず良い度胸をしてるじゃないか…」

 

 

「情緒どころかキャラすら安定してないお前は、英雄どころか一般人以下だと上条さん的に思うのでせうが?」

 

 

更に当麻もウェルにツッコミを入れていると、ここで、

 

 

「と、当麻…?」

 

 

「! ああ、悪いなリアス。変な所を見せちまって…」

 

 

「え、ええ、それは別にいいのだけれど…その男は?」

 

 

「あー、まあ、何だ…こいつがうちのサポート関係を基本的にしてるウェルだ。技術や研究に関してだけなら、キャロルにも負けねえ腕を持ってる」

 

 

「っ! この男が…?」

 

 

当麻の話を聞いたリアスは、信じがたいといった様子でウェルに目を向けた。まあ、初対面の人間なら誰でも不審がるだろうが…。

 

 

「で、何であんたもこっちに来た? あんたも悪魔とかには全く興味無いんじゃなかったか?」

 

 

「確かに、僕は悪魔だの天使だの堕天使だのには一切興味は無い。実際来るつもりもなかった。だが、ふと考え直してね…。そこにいる少年に興味が湧いたのさ」

 

 

「! お、俺…?」

 

 

「二天龍の片割れである赤龍帝の力は、“英雄”を騙(かた)るのに持ってこいの代物だ…。ここは1つ、実物を目にしてみるのも悪くないと思ってねぇ…」

 

 

そう話すウェルを見て、あからさまに表情を強張らせるイッセー…。

 

 

「もっとも、そこにいる英雄殿達を調べるのが一番楽なんだがね。あるいは彼女達を調べるという手も…」

 

 

そしてウェルが当麻達3人だけでなく、響達にも目を向けた、その時…

 

 

チャキッ…!

 

 

「冗談はそこまでにしてもらおうか、ウェル。でねえと…今すぐその首をはね飛ばすぞ…」

 

 

一護がいつの間にか神器を発動させ、ウェルの首元に“斬月”の刃を突き付けたのだ。しかも、その目からは明らかな“本気”が感じ取れた…。

 

 

「ええ、ええ、分かっておりますとも。僕は所詮生かされている身。自分の身の程くらいは弁(わきま)えますよ」

 

 

「弁えてるなら端(はな)からするんじゃねえ…」

 

 

しかしウェルが慌てる様子もなく、むしろおどけた感じでそう言うと、一護は斬月を下ろした上に神器も解除した…。一方それを見て、

 

 

「やっぱり嫌な男デース…」

 

 

「ダメだよ切ちゃん。私達が一番ドクターに御世話になってるんだから…」

 

 

切歌と調はそんなやり取りを交わしていた。そして、ウェルが何事も無かったかのように部屋の隅へと移動した所で…

 

 

「まあ、色々不安はあるだろうけど、今はとりあえず置いといてくれ。さっきも言ったが、こう見えても持ってる技術や知識は本物だからな」

 

 

「…分かったわ」

 

 

「悪いな。なら、後は…」

 

 

リアスが頷くのを見て、当麻が何かを言おうとした、その時、

 

 

ガチャッ!

 

 

「当麻」

 

 

「! おう、良い所で戻ってきたな、アカメ、クロメ」

 

 

入り口から入ってきたのは2人の少女。1人は“黒髪ロングヘアー”と“赤い瞳”が最大の特徴である少女──アカメ。もう1人は“黒髪のショートカット”と“黒い瞳”が最大の特徴で、見た目が何処となくアカメに似ている少女──クロメである…。

 

 

「この人達がそこにいるお姫様の眷属?」

 

 

「ああ、そうだ」

 

 

「ふーん…。まあ、いいや。初めまして、私はクロメ。それでここにいるのが…」

 

 

「アカメだ。よろしく頼む…」

 

 

「あ、見て分かると思うけど、私達はれっきとした姉妹だから…」

 

 

アカメが表情を変えることなく名乗ったのに対し、クロメは少しだけ笑みを浮かべながら軽く自分達のことを話した。

 

 

「“ナイトレイド”もあなた達の仲間なのね…?」

 

 

「まあな。今は別件で、ここにいるのはアカメとクロメだけだ」

 

 

リアスの問い掛けに対し、そう答える当麻。そんな中、

 

 

「お、おい、“ナイトレイド”って何だよ?(ボソッ)」

 

 

「一言で言うと、“神器使いで構成された暗殺者集団”って所かな(ボソッ)」

 

 

「っ!!? あ、暗殺者ッ…!?!?(ボソッ)」

 

 

「うん。三大勢力の間では、ヤミちゃんや芽亜ちゃん達と同じかそれ以上に名が通ってる程のね。しかも僕達の前にいるあの2人は、その中でも特に腕の立つ人達の筈だよ(ボソッ)」

 

 

「ま、まあ、確かにそういう雰囲気は感じるけど…(ボソッ)」

 

 

裕斗の話を聞いて、思わず顔を引きつらせながら呟くイッセー。彼女達がそれぞれ刀を携えているためか、何となく嫌な予感を感じ取っているようである…。

 

 

「にしても遅かったな。何かあったのか?」

 

 

「何かあった訳じゃない。ただそこで少し“合流”した」

 

 

「? “合流”…?」

 

 

一護の問い掛けに対し、アカメはそう答える。そしてリクオがその返答に疑問を感じていると…

 

 

「へぇ~、この娘(こ)があの“紅髪の殲滅姫”かぁ」

 

 

『ッ…!?』

 

 

「噂には聞いてたけど、これは確かに助ける価値があるな。いや~、俺も参加しといた方が良かったかね~…」

 

 

いつの間にかリアスの背後に、ある人物が立っていたのだ。それは薄紫のワイシャツの上に黒のスーツを着こなしている、見るからに軽そうな性格の男だった。すると…

 

 

スッ…

 

 

「……!」

 

 

「どうだい、お姫様? もし時間があるようなら、ぜひ俺とデートでも…」

 

 

「ッ!? テ、テメエッ!! いきなり部長に何しやがるッ!!」

 

 

その男はいきなりリアスの手を静かに取ったかと思うと、そんなことを尋ね出したのだ。言うまでもないだろうが、何処からどう見ても“ナンパ”である。そして、それを見たイッセーが怒りを露わにして神器を発動させようとした、その時…

 

 

ガンッ!!

 

 

「アイダッ!!? 何するんだよ“大将”~!」

 

 

「いや、それはこっちの台詞だ。帰ってきて早々何してやがる、“ジェノス”」

 

 

それよりも先に当麻が拳骨を喰らわせたのだ。しかもその後のやり取りからして、明らかに当麻達の知り合いのようである…。と、そこへ更に、

 

 

「いい加減お前さんのその癖は直してもらいてえもんだな。お前もそう思うだろォ、“ベルーガ”?」

 

 

「…………」

 

 

「チッ、相変わらず無口モードかい」

 

 

新たに2人の人間が部屋へと入ってくる。1人は“スキンヘッド”が最大の特徴である、ガタイの良い厳(いか)つい感じの男。もう1人は“2メートルを軽く越える程の高身長”が最大の特徴である、スキンヘッドの男よりも更にガタイの良い寡黙そうな男だった。そんな2人を見て、

 

 

(ちょ、な、何なんだよコイツ等!? 明らかにこの場に居て欲しくない奴等なんだけど…!?)

 

 

イッセーは即座に臨戦体勢を止め、これまで以上に顔を引きつらせた。まあ、当然であろう。この部屋にはイッセーや当麻達5人以外、全員が女子であり、しかも皆一様に美女&美少女である。そんな空間に突然明らかに年上な男達が現れ、その上2人が見るからに“ヤ◯ザ”的な外見となれば……萎縮するのがむしろ普通の反応だろう…。

 

 

「さっきの“合流”っていうのは、こういうことだったのか」

 

 

「丁度同じタイミングで戻ってきただけだから、特に意味は無いけどね」

 

 

一護の言葉を聞いたクロメは、笑みを崩すことなく返す。

 

 

「あー…悪いな、リアス。コイツ等は…」

 

 

「“時の番人(クロノ・ナンバーズ)”ね…」

 

 

「! まあ、流石に分かるよな…。ああ、コイツ等は番人(ナンバーズ)のジェノスとナイザー、それにベルーガだ」

 

 

リアスがそう呟くと、当麻は新たに現れた3人の男達──ジェノス・ハザード、ナイザー・ブラッカイマー、ベルーガ・J・ハードを軽く紹介した…。と、ここで、

 

 

「おい! そこのイケメン野郎ッ!!」

 

 

「ん…? 俺のことかい、少年I(アイ)君?」

 

 

「何だよ“少年I”って!! そんなことより、いつまで部長の側にいる気だよ!! いい加減離れろッ!!」

 

 

イッセーが再びジェノスに対して怒り始める。確かにジェノスは先程当麻に殴られていたにもかかわらず、未だにリアスのすぐ隣に居たのだ。それに対し、

 

 

「おいおい、こんな所で僻(ひが)むのは良くないと思うぜ? 変な僻みは女性から嫌われるってもんだ」

 

 

「ッ! う、うるせえ!! 僻んでなんかねえよ!! コノヤロオオオオオオオッ…!!!」

 

 

ジェノスの軽い雰囲気と言葉が間に障ったのか、嫉妬全開の様子で神器を発動させて殴り掛かろうとするイッセー。しかし、

 

 

「やめておけ」

 

 

ガンッ!!

 

 

「グフォッ!!?」

 

 

ドサッ!!

 

 

その行動は呆気なく中断された。エルザの拳骨によって…。

 

 

「な、何するんですか、エルザさん…?(涙声)」

 

 

「仕方無いだろう。もし今止めていなければ、お前は完全に“細切れ”になっていたのだからな…」

 

 

「……へ……? あ、あの、それってどういう…」

 

 

エルザの言葉の意味が分からず首を傾げているイッセー。すると、

 

 

「こういうことだ」

 

 

そこでいつの間にか用意していた木刀を持って現れたのは…翼だった。そして、先程までイッセーのいた所とほぼ同じ位置に立った、次の瞬間、

 

 

「はあっ!!」

 

 

シュインッ…!!!

 

 

「なっ…!!??」

 

 

イッセーは目の前で起きた出来事に絶句した。何故なら…翼が木刀を思い切り振った瞬間、木刀が何かで切り裂かれたかのようにバラバラになってしまったのだ…。

 

 

「ここにはその男の得物…“エクセリオン”が張り巡らせてあったのだ。あのまま突っ込んでいれば、お前は間違いなくこの木刀と同じ運命を辿っていただろう…」

 

 

「………(ガクガクガクッ!!)」

 

 

「あらあら…」

 

 

「だ、大丈夫ですか、イッセーさん…!?」

 

 

自身の細切れ姿を想像したであろうイッセーはあからさまに震え始める。それを見た朱乃は思わず苦笑いを浮かべ、アーシアは慌ててイッセーに駆け寄った…。一方で、

 

 

「あなたも程々にしなさい、ジェノス」

 

 

「大丈夫ですよ、セフィ姐。もしあのまま突っ込んできたとしても大丈夫なように、ちゃんと加減するつもりでしたから」

 

 

「いやいや! それでも十分危ないでしょ!?」

 

 

「平気だって、ルーシィちゃん。あ、ところで今度の土曜とか空いてる? 俺と出掛けない?」

 

 

「脈絡もなくナンパしてくんなッ!!」

 

 

バキッ!!

 

 

「ブフォアッ!!?」

 

 

当のジェノスはルーシィから右ストレートを喰らっていた…。どう見てもバカである…。

 

 

「この嬢ちゃんがあの魔王の妹ねぇ…。総帥さん方、マジでこの悪魔の嬢ちゃん達を含めて、悪魔陣営そのものに手を貸す気かよ? ちと早計過ぎるんじゃねえのかァ?」

 

 

「っ!? “手を貸す”? どういうこと、当麻…?」

 

 

ここでナイザーがリアス達を品定めするかのように見ながら当麻達に尋ねると、それを聞いたリアスは驚いた様子で続けて当麻に問い掛けた。

 

 

「あー…悪魔側と敵対する気はねえって、さっきも言っただろ? けど俺達としてはむしろ、悪魔側とは協力関係を結ぶつもりでいるんだよ」

 

 

「! 本当なの…?」

 

 

「まあな」

 

 

それを聞いたリアスは驚きと同時に、内心かなりの嬉しさを感じていた。明らかに強大な戦力を有している“アイエール”と協力関係を結ぶことが出来るのは冥界側の者としても非常に大きい上、何より“自分が好意を抱いている者”と引き続き協力関係を続けられることが大きかったようである…。すると、

 

 

「ただその条件として、あんたの兄貴に2つ頼みがあることを伝えて欲しい」

 

 

「? 何かしら…?」

 

 

「1つ目は簡単だ。絶対に俺達の怒りに触れるようなことはするな。破った場合は当然それ相応の報復をさせてもらう」

 

 

「…2つ目は…?」

 

 

「ここにいる内の何人かを、新しく駒王学園に編入させて欲しい」

 

 

「! 学園に…?」

 

 

当麻の口から出た2つ目の要求を聞いて、リアスは意外に感じていた。要求の内容にしては、あまりにも平凡に近かったからである。

 

 

「見て分かると思うが、ここにいる奴等の半数が俺達と同じくらいか年下でな。出来るだけ学校に通わせてえんだ」

 

 

「勿論、この街で何か起きた時にはなるべく協力するつもりです。流石に全員でっていうのは厳しいかもしれないけど…。どうですか、部長さん?」

 

 

一護とリクオの問い掛けに対し、リアスの返答は…

 

 

「分かったわ。その件については私からお兄様に手配するよう頼んでおくわ」

 

 

「! いいのか?」

 

 

「ええ、あなた達には本当に大きな借りを作ってしまっているもの。そのくらいのことは当然するわ。それに私達としても、あなた達がいざという時に協力してくれるのは有り難いもの」

 

 

「そうか。なら…」

 

 

スッ…

 

 

リアスが承諾の意を示すと、当麻は右手を差し出した。

 

 

「色々あったけど、これからも宜しく頼むぜ? 部長」

 

 

「! ええ…こちらこそ宜しく頼むわ」

 

 

差し出された右手の意味を理解したリアスは、自身も右手を差し出し…しっかりと握手を交わす。それは言うまでもなく、リアス達“グレモリー眷属”と当麻達“アイエール”との関係締結を表していた…。と、ここで、

 

 

「あ、そうだ! ねえねえ、リクオ! 実は私達も今度からリアス達の学園に通うんだ♪」

 

 

「っ!? そうなの、モモ?」

 

 

「はい♪」

 

 

「本当なの? 私は何も聞いてないのだけど…」

 

 

「姉上とモモが父上に頼んだんだよ。多分その内、お前の兄貴から連絡が来ると思うぞ?」

 

 

ララとモモのカミングアウトを聞いたリアスが疑問を感じていると、ナナがそう補足した。だが…問題は次だった…。

 

 

「あと、私達はこれからこちらに住むつもりなので、宜しくお願いしますね♪」

 

 

「「「……は(え)……?」」」

 

 

『えええええええ(はああああああ)ッ!!??』

 

 

続けてモモがそう言った瞬間、当麻達3人は呆気に取られ、アイエール側の女子達数名は驚きを露わにした。すると…

 

 

「お、おい!? 何だよそれ!? アタシは聞いてねえぞ!?」

 

 

「あら? そうだったかしら?」

 

 

「ッ! お前、絶対わざと黙ってただろ!! 姉上! 姉上からも何か言って…」

 

 

モモの悪戯な笑みを見た瞬間、ナナは即座に彼女の考えに気付き、ララに加勢を求めようとした。しかし、当のララはというと…

 

 

「ね! いいでしょ、リクオ!」

 

 

「えっと…」

 

 

「ちょっ!? あ、姉上…!?」

 

 

彼女もモモの味方だった…。一方、そんな突然の御願いを聞いたリクオ達3人は…

 

 

【ど、どうしようか、当麻、一護…?】

 

 

【いや、どうするって言われても…】

 

 

【まあ、この家なら部屋には全然困らねえし…何より確実にアイツが絡んでるからな…】

 

 

頭の中でそんなやり取りをしていた。ちなみに彼等3人には、ララ達の背後に彼女達の父親の姿が浮かんでいたりする…。そして、その結果、

 

 

「ティッタ、今から3人分の部屋の支度、やってくれるか?」

 

 

「え? あ、はい!」

 

 

「! リクオ、住んでいいの!?」

 

 

「う、うん。特に断る理由もないし、ね…」

 

 

「わーい!! リクオ、ありがとー♪」

 

 

「お、おい! 何でお前等も許してんだよ!?」

 

 

当麻がティッタにそう頼んでいる中、ナナは3人が承諾を出したことに対してツッコんだ。ちなみに、そのやり取りを見て若干数名が何とも言い難い表情を浮かべていたのは…まあ、余談である…。と、その時だった。

 

 

「ねえ、当麻?」

 

 

「? どうした、リアス?」

 

 

当麻がそう尋ねると、リアスは何処か妖艶な笑みを浮かべ、こう言った…。

 

 

「今日から私も、ここに住まわせてもらっていいかしら♪」

 

 

『……はあああああああああああああああああああああああ(えええええええええええええええええええええええ)ッ!!!???』

 

 

響き渡る本日2度目の絶叫。中でも特に絶叫を上げていたのは…イッセーだった…。

 

 

 

☆☆

 

 

その後は軽い談笑なども踏まえつつ、時間も時間であったために今日の所は解散となり、グレモリー眷属の面々は皆帰路に着いた…。ただ“1人”を除いて…。

 

 

「リアスさん」

 

 

「…!」

 

 

邸内を歩いていたリアスに話し掛けたのは、彼女と同じく“この家の新たな住人”となったモモである…。

 

 

「モモ、あなたも邸内の散策かしら?」

 

 

「いえ、私は何度もこちらへ来ていますから」

 

 

「! そうよね。何しろここには貴女の許嫁も暮らしている訳だし」

 

 

「ええ♪」

 

 

ここで先程のやり取りの結末を言っておくと、結局リアスはこの当麻達の暮らす家に住むことになった。ララ達と同じく当麻達3人に断る理由が無かったことに加え、何よりリアスの決意の固さが要因だったようである。もっとも、それを聞いた時のイッセーはこの日一番の大量の血涙を流しながら当麻達3人を睨み付けていたが…。すると…

 

 

「でも驚きました。まさかリアスさんも私達と同じことを考えていたなんて」

 

 

「驚いたのは私の方よ。まさか貴女達3人が当麻達と知り合いで、しかも全員リクオの許嫁だったなんて…」

 

 

「すみません。さっきお姉様も言っていたように、お父様からの指示で秘密にするよう言われてたんです」

 

 

「! じゃあ、やっぱりギド様も…」

 

 

「ええ、リクオさん達のことや“アイエール”という組織のことも当然知っています。というより、私達デビルーク家は前々からリクオさん達と協力関係を結んでいたんですよ?」

 

 

「ッ! そうなの…?」

 

 

「はい♪ 今回アイエールの存在が明らかになったことで、近々お父様もそのことを公表する筈です。まあ、リクオさんと私達の関係はまだ内緒にするつもりみたいですけど…。あ! リアスさん達も、くれぐれも内緒にしてくださいね?」

 

 

「ええ、分かったわ」

 

 

モモのそんな御願いを聞いたリアスは、当然といった様子で頷いた…。と、ここで、

 

 

「ところで、リアスさん?」

 

 

「? 何かしら?」

 

 

「リアスさんは当麻さんのことが御好きなんですよね?」

 

 

「ッ…////!?」

 

 

小悪魔風の笑みを浮かべるモモの突然の問い掛けに、思わず顔を紅潮させるリアス…。

 

 

「随分藪(やぶ)から棒に聞いてくるのね…?」

 

 

「ふふっ、すみません♪ それで、どうなんですか…?」

 

 

「…ええ、そうよ。あんな形で助けられたら、惚れない訳ないじゃない…////」

 

 

「あらあら♪」

 

 

あからさまに恥ずかしそうに答えるリアスに対し、モモは何処となく朱乃のような雰囲気を醸し出し始める。

 

 

「一体何なの? からかうつもりだったなら…」

 

 

「いいえ。ただ、そろそろ“本題”に入りたかったので」

 

 

「? “本題”…?」

 

 

モモの口から出た単語を聞いて、疑問を感じざるを得ないリアス。すると、そんな彼女に対してモモがこう尋ねる…。

 

 

「リアスさんも薄々気付いていますよね? “恋敵(ライバル)”がたくさんいる事に…」

 

 

「……!」

 

 

そう言われたリアスの頭の中には、数人の少女達の姿が思い浮かんだ。それは当麻に思い切り懐いている“絶剣使い”と、色々言いながらも常に傍に居る“氷の狙撃手”、そして……先程リアスがここに住むと言った際、あからさまな文句を述べていた戦姫達2人などである…。

 

 

「多分リアスさんの頭に浮かんでいる人達以外にも、“恋敵(ライバル)”は大勢いると思いますよ? それに…恋敵が大勢いるのは、当麻さんだけじゃありません」

 

 

「…! 一護とリクオにも?」

 

 

「はい。一体誰が御二人のどちらを慕っているのかも、リアスさんなら何となく分かると思いますけど…。いずれにせよ、あの3人を好きな人達はたくさんいます。しかもこれから先のことを考えると、更にその人達の数は増えていくと思いますよ?」

 

 

「…そうね、実際私もその1人な訳だし…。はぁ…何だか先が思いやられるわね…」

 

 

そんなモモの言葉を聞いたリアスは、思わず溜息を吐きながら呟いた。今彼等に好意を抱いているであろう者達は、目の前にモモを含め、彼女から見ても遜色の一切無い美女や美少女ばかり。しかもその殆どがリアスよりも格上の実力者ばかりなのだ。現在自身が想いを寄せている当麻に限定したとしても、やはり現状でも十分厳しい。その上自分の把握していない、あるいは近い内に現れるであろう新たな“恋敵(ライバル)”ことを考えれば…先行きを不安に思うのも無理のない話と言える…。と、ここで、

 

 

「ふふっ♪ 色々不安に思っているみたいですけど、本題はここからですよ?」

 

 

「? どういうこと…?」

 

 

「リアスさんは、“ハーレム”についてどう考えていますか?」

 

 

「……!!」

 

 

モモの口から飛び出した新たな単語を聞いて、大きく反応するリアス…。

 

 

「冥界では“悪魔の駒(イーヴィル・ピース)”やレーティングゲームの関係で定着していますが、この人間界や天界などではあまり良く思われていないみたいですね。でも…それでたくさんの人達が幸せになるのなら、素晴らしいことだと思いませんか?」

 

 

「…モモ、ひょっとしてあなた…」

 

 

リアスが何かに気付いたのを見て、モモは…

 

 

「そう、結ばれるのは1人だけじゃない…全員結ばれればいいんです。リクオさんと一護さん、そして当麻さんの3人をそれぞれ取り囲む、究極のハーレムを作ることによって…」

 

 

こう言い放ったのだ。そしてその際の彼女は、またしても先程のような小悪魔を思い起こさせる笑みを浮かべていた…。

 

 

「…あなたはその計画のために動いているというの?」

 

 

「はい♪」

 

 

「何故そんなことを? あなたが好きなのはリクオでしょ? 百歩譲ってリクオのことはともかく、どうして当麻と一護まで……?」

 

 

「当然ですよ。確かに私が好きなのはリクオさんですが、当麻さんと一護さんも本当にお優しい殿方ですし…。それに、ここにいる女性の方々は私にとって皆さん“良いお友達”や“尊敬する御姉様”達ばかりですから…。まあ、男性陣は少し別ですけどね…」

 

 

「……それには同意するわ」

 

 

当麻達3人以外の男性陣を思い浮かべ、お互いに苦笑するモモとリアス。まあ、確かに何処ぞの“キャラの不安定な変態博士”と“ナンパが趣味のような男”、そして“完全にヤ○ザにしか見えない男2人”となれば……感想に困るのも当然と言えるだろう…。

 

 

「じゃあ、どうしてその計画のことを私に?」

 

 

「ふふっ♪ 勿論リアスさんにこの事を知ってもらって…出来ることなら、協力して欲しかったからです」

 

 

「……私が協力する保証はおろか、黙っている保証も無いと思うのだけれど?」

 

 

「特に何か根拠があって話した訳じゃありません。ただ…何となく今のリアスさんなら、話してもいいと思ったんです。当麻さんに好意を抱いている、今のリアスさんになら…」

 

 

「…………」

 

 

モモの意味深な発言を聞いて、リアスは何かを考え始める…。

 

 

「といっても、今すぐに返答を聞くつもりはありません。色々考えた上で結論を出して頂きたいので、今はせめて周りの人達に黙ってもらえればそれでいいんですけど…いかがですか、リアスさん?」

 

 

そして、その問い掛けに対し、リアスは……

 

 

「…分かったわ。とりあえず、そのことについては秘密にしておくわ」

 

 

「! ふふっ、ありがとうございます♪」

 

 

「じゃあ、もういいわね?」

 

 

「はい」

 

 

モモの妥協案を承諾し、その場を後にしようとした。と、その時、

 

 

「…1つ聞いてもいいかしら?」

 

 

「? はい、何でしょうか?」

 

 

「…あなたはその計画が、本当に実現すると思ってる?」

 

 

「!」

 

 

「正直に答えて頂戴…」

 

 

ここでリアスがそんな事を尋ねてきたのだ。すると、それに対してモモは少し驚きながらも…今度は何処か柔らかな笑みを浮かべながらこう言った…。

 

 

「ええ…。だって先程も言ったように、リクオさん達は強くて優しい殿方ですから。本当に、私達の想像を遙かに超える程……。それはリアスさんも、何となく分かっているんじゃないですか?」

 

 

「……!」

 

 

リアスはモモのそんな言葉に反応を見せながらも、何も言わずに去っていってしまった。だが、そんな彼女の姿を見送ったモモはというと……

 

 

「やっぱり流石としか言いようがないわね、リクオさん達は…。新しい候補の方々も何人かいるし…ふふっ、早速色々練り直さないと♪」

 

 

再び小悪魔のような笑みを浮かべ…何処かこれからの事に期待を膨らませながら、楽しげにそう呟いていた…。

 




前半に登場したウェルですが、別の意味でこの作品のキーパーソンですね。前回も言ったかと思いますが、多分色々な意味で暴走するかと…。もう片鱗が見えていますが…。



後半は完全にモモの独壇場といった感じになりました。こちらについては色々な意味で不安ですが……まあ、頑張りたいと思います。


では、今回はこれにて失礼致します…。

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