前半は比較的原作に沿ってますが、後半は……“ある系統のネタ”のオンパレードになっております。若干キャラ崩壊も起きている気がします…。
とにかく色々ご了承ください…。では、本編をどうぞ。
オカルト研究部とアイエールの面々の邂逅から数日後、オカルト研究部の部室には既に当麻やリアス達が集まっていた。だが、以前とは明らかに違うことがある…。
「学園にはすっかり馴染めてるようね」
「「はい(うん)!」」
リアスの言葉に頷いたのは響とララの2人。そう、言うまでもなく彼女達を始めとしたアイエールの学生組が、駒王学園に転入したのである。転入したのはマリアを除く響達“七聖の歌姫(プレアデス・ディーヴァ)”の面々やキャロルとエルフナインの2人、エルザやミラジェーン、ルーシィ、ウェンディ、リサーナ、レビィ、ララ達デビルーク三姉妹、アカメ・クロメの姉妹、そしてティッタである。
ちなみに高等部の3年には翼とエルザ、ミラの3人が、2年にはクリス、ルーシィ、リサーナ、レビィ、ララ、アカメの6人が、1年には響、未来、ナナ、モモ、クロメ、ティッタの6人が転入。中等部には調と切歌が2年に、そして初等部にはウェンディが6年に、キャロルとエルフナインが4年に転入している。そして多少クラスのバラツキはあるものの、それぞれの所属するクラスに当麻やリアス達オカルト研究部の面々がいるのは…偶然である…。
「今日は学園全体が喧しかったな」
「そうだね。皆自己紹介が終わった後、一斉に囲まれて大変だったみたいだし…」
「まあ、その後上条さん達が大変な目に遭ったんだけどな…」
最後に当麻がそう言うと、一護は疲れたような表情を、リクオは苦笑いを浮かべた。まあ、騒ぎになるのは当然であろう。10名を軽く超える人間が一斉に学園に転入してきたかと思えば、その転入生全員が美少女であり、その上1人は世界的に有名なトップアーティストなのだから…。しかし騒ぎになるだけならよかったのだが、その後のやり取りで当麻達3人が知り合いであり、尚且つ同じ家に全員一緒に暮らしていることが発覚すると、松田や元浜を始めとした男子生徒達の嫉妬が爆発。一斉に彼等に襲い掛かったのである…。といっても、その者達は何だかんだで見事に返り討ちにあったのだが…。
「しかも何でお前まで一緒に参加してんだよ、イッセー」
「うるせえッ!! 松田や元浜達の反応を見てたら、俺の中に眠ってた怒りが爆発したんだよ!!」
「いや、意味分かんねえよ…」
イッセーの怒りの理由が分かっていない様子の一護。どうやらイッセーも返り討ちに遭った人間の1人のようである。と、ここで、
「ところで、あなた達に1つ相談があるのだけど…」
「? 相談、ですか…?」
「ええ、実は…」
首を傾げるウェンディに対し、リアスが本題を切り出そうとすると…
「この部活に入れって所か?」
「! よく分かったわね…?」
「芽亜達からこの部活のことを聞いたんだよ。ちなみにアタシ等全員、元から入るつもりだったんだ。リクオ達からも勧められてたしな」
「! 本当なの、当麻?」
「ん? ああ、まあな。この先のことを考えると、アカメ達にもここに所属してもらった方が色々と動きやすそうだったし…」
クリスとナナの発言を聞いたリアスが尋ねると、当麻はサラッとそう答えた…。
「それなら話は早いわね…。私達オカルト研究部は、あなた達の入部を歓迎するわ。これから宜しくお願いね」
「あらあら、一気に大所帯になりましたわね、部長♪」
こうして、アカメや響、エルザ達はオカルト研究部に所属することとなった…。
「あの、ところでこの後は一体何をするつもりなんですか…?」
「話が終わったなら、オレはさっさと帰らせてもらうが…」
「いいえ、本題はこれからよ。まず1つは……」
エルフナインとキャロルに対し、リアスが何かを言おうとした、その時だった…。
コンコンッ!
『!」
「どうぞ」
ガチャッ!
入り口のドアからノックの音が聞こえ、朱乃が返事をすると、入り口から10人近くの男女が入ってきたのだ。といっても、見たところ男子は1人だけのようであり、尚且つその男子は部室にいる面々…特にアイエール側の女子達の姿を見て驚いているようだが……。
「失礼します。ごきげんよう、リアス」
「ええ、ごきげんよう、“ソーナ”」
そんな男女の集団の中で、先頭に立っていた少女が挨拶すると、リアスはそう挨拶を返した。と、ここで…
「せ、生徒会長…?」
イッセーが挨拶をした少女を見て驚きの様子を見せた。彼女の名は支取蒼那。駒王学園高等部の生徒会長であり、黒髪のショートカットと眼鏡が特徴的な、“クールビューティー”という単語が似合いそうな3年の女子生徒である…。すると、
「リアス先輩、ひょっとして彼に僕達のことを話してなかったんですか? まあ、同じ悪魔なのに気付かないコイツもどうよって感じですけど…」
「上条さん的には悪魔になって割と日の浅いイッセーが気付かないのは、しょうがないと思うのでせうがね~…」
「ッ!? か、上条!? それに黒崎と奴良まで!! 何でお前等がここに……!!」
暗い金髪の男子生徒の偉そうな発言に対して当麻がそう言うと、その男子生徒は経った今当麻と一護とリクオに気付いたらしく、何故か目の敵にするような表情を浮かべて睨み始めたのだ…。しかし、
「お止めなさい、“匙”。彼の言う通りです。それに私達はお互い干渉しないようにしていたのだから、兵藤君が知らないのはむしろ当然です」
「…! は、はい…」
「“悪魔”って、まさか…!」
「ええ、こちらは……」
その男子生徒――匙元士郎と蒼那のやり取りを聞いて、ようやく察したイッセー。そして、それを見た朱乃が紹介しようとすると……
「ソーナ・シトリー、上級悪魔のシトリー家の次期当主…。ってことは、周りは全員その眷属か。生徒会そのものを一眷属でまとめてるとはな…」
「! どうやら既にご存知だったようですね…。初めまして、私はソーナ・シトリーといいます。この学園では生徒会長として、支取蒼那と名乗っています。これからよろしくお願いしますね、上条君、黒崎君、奴良君……。いえ、それとも新興組織である“アイエール”のトップとして挨拶をした方がよろしいでしょうか…?」
一護がソーナの正体を口にすると、ソーナは真剣な表情で一護達に礼儀正しい挨拶を交えながら尋ねた…。
「か、会長!? ア、アイエールって、まさか…!?」
「ええ、彼等が先日冥界でその存在を公にした“アイエール”のトップ3を務める方達です。特にそちらにいる上条君は、あのフェニックス家の三男をいとも容易く、しかも無傷で倒しています。もっとも、そちらにいる方達を始めとした二つ名持ちの神器所有者を束ねている以上、当然といえば当然なのですが…」
「フェ、フェニックスを無傷でッ!? あり得ないだろ…」
ソーナの話を聞き、信じられないといった様子で呟く匙…。と、ここで、
「お前、確か最近生徒会の書記に任命された、2年C組の……」
「匙元士郎、兵士(ポーン)です」
「それならこちらも紹介しないとね。兵士の兵藤一誠、僧侶(ビショップ)のアーシア・アルジェントよ」
見覚えがある様子のイッセーにソーナが匙を紹介すると、リアスもイッセーとアーシアを紹介した…。
「へぇ! お前も兵士かー! それも同学年なんて…!」
「はぁ…俺としては、変態3人組の1人と一緒にされるのは酷くプライドが傷つくんだけどな」
「「「「「同感ね(です)(だな)」」」」」
「ゴフッ…!?!?」
匙の発言を聞いて小猫、ヤミ、シノン、紗矢華、ナナの5人が一様に同意すると、イッセーはもろに精神的ダメージを受けた…。
「ハッ、どうやらこっちでも変態としての扱いは変わらないらしいな」
「な、何だとテンメェ…!!」
「おう、やるか? 俺も悪魔になったばかりだが、こう見えても駒4つ消費の兵士だぜ?」
そして、精神的ダメージを引きずるイッセーに対し、匙は余裕な態度で挑発するが…
「お止めなさい、匙。それに、彼は駒を8つ消費しているのよ?」
「っ!? 8つって、全部じゃないですかッ!? 信じられない…こんな冴えない奴が…」
「うるせえッ!!」
「そんなに気にしなくても平気だよ? 私達と戦ったら5秒持たないくらいだから♪」
「…………(グサッ!!!)」
芽亜の純粋な発言に、更なる精神的ダメージを被るイッセー…。
「ごめんなさいね、兵藤君、アルジェントさん。宜しければ、新人悪魔同士、仲良くしてあげてください…。匙」
「! あ、はい…」
ソーナにそう言われた匙は、少し微妙な表情を浮かべつつイッセーに手を差し出そうとした、その時、
パシッ!
「初めまして、これから宜しくお願いしますね!」
先にアーシアが匙の手を取り、挨拶をしてきたのだ。すると…
ガシッ!!
「ひゃッ!?」
「アーシアさんなら大歓迎だよ!!」
匙は素早くアーシアの手を取り直し、緩みきった笑みを浮かべて挨拶を返してきたのだ。しかし…
ガッ!!
「ハハハッ! 匙君、俺のこともよろしくね! つーか、アーシアに手を出したらマジ殺すからね、匙君!」
「うんうん! よろしくね、兵藤君! 金髪美少女を独り占めだなんて、本当にエロエロな鬼畜君なんだねッ! やー、天罰でも起きないものかなー! 下校途中に落雷にでも当たって死んでしまえッ!!」
イッセーが無理矢理匙の手をアーシアから引き離したことで、お互いに気味の悪い笑みを見せながら暴言と力一杯の握手の応酬を始めてしまう…。それを見て、
【この人、兵藤先輩の同類ですね…】
【あー、みたいだな…】
【また変なのが増えたデース…】
【ダメだよ、切ちゃん。そんなこと言っちゃ…】
雪菜と一護、切歌、調がそんなやり取りを頭の中でしていた…。
「匙、上条君達にも挨拶を」
「! は、はい…」
ここでソーナから指示が出ると、匙は何故か複雑な表情を浮かべながら当麻達3人の下へとやってきた…。
「そっちとも色々協力することがありそうだな。よろしく頼むぜ?」
「あ、ああ、よろしく…」
そして、当麻と握手を交わした…その時、
「「「ユウキ(雪菜)(ヤミ)達に妙な真似しようとしたら…分かるよな(よね)…?」」」
「……………(ゾクッ!!!!!)」
サッ…!!!
「? どうしたのですか、匙?」
「いいい、いえ! なななな、何でもありませんよ! かかかかか、会長……!!!!(ガクガクガクッ)」
「??」
ガクガクと震える匙の様子に首を傾げるソーナだが、当の匙はそれどころではなかった。若干殺気の篭った当麻達3人の言葉は匙には効果絶大だったようで、ユウキや響達への挨拶も忘れて退いてしまう程だった…。と、ここで、
「それで、例のことについてだけど…本当にいいの、ソーナ?」
「ええ、今回はあなた達に譲ります。そうですね…先日の騒動の“お祝い”という形で捉えてください」
「! 気を遣わなくてもいいのに…。でも、そういうことなら有り難く受け取らせてもらうわ」
「ええ、そうしてください。それでは、生徒会の仕事がありますので、私達はこれで」
「分かったわ」
ソーナはリアスにこの場を去る旨を伝えた。すると、
「あなた達も、これから宜しくお願いしますね、スカーレットさん、ストラウスさん」
「ああ…。だがその呼び方はやめてくれないか?」
「そうね。私も妹がいるから、その呼び方だと色々困りそうだし…」
ソーナがエルザとミラジェーンに目を向け、そんな会話を交わし始めたのだ。そして…
「分かりました。では、また明日お会いしましょう、エルザさん、ミラジェーンさん」
「ああ、それで頼む」
「椿姫も、また明日ね♪」
「! はい」
ソーナの隣に控えていた黒のロングヘアーと眼鏡が特徴的な女子生徒──真羅椿姫にもミラジェーンが声を掛けると、ソーナ達生徒会メンバーは部室を後にしていった…。
「2人共、会長さん達と知り合いだったの?」
「ああ」
「私達、あの2人と同じクラスなのよ♪」
「! そういえばそうだったわね。それじゃあ、ソーナ達のことも…」
「当然、最初から悪魔だと見抜いていた」
「そうよね。あなた達ほどの実力者なら、見落とす筈もないし…」
リクオの問い掛けに対する2人の返答を聞いて、リアスは一応確認を取った。と、ここで、
「グレモリー」
「! 何かしら、翼?」
「“例のこと”というのは、一体何の話だ?」
「もしかして、これからすることに関係してるんですか?」
「! ええ」
翼と未来が尋ねると、リアスはこう答えた…。
「イッセー、アーシア、今日はあなた達の“使い魔”を探しに行くわよ」
☆☆
時は少し経過し、その日の夜……
「着いたわ。ここが使い魔を捕まえる場所、“使い魔の森”よ」
当麻とリアス達は“使い魔の森”という冥界にある特殊な森林地帯へとやってきていた。え? 当麻はどうやって来たのかって? それはまあ…秘密です…。
「使い魔の森、ですか…」
「ハッ、間違いなく何処ぞの“ポケット”な“モンスター”に出てくるフィールドのパクりですね~。いやはや、全く冥界の悪魔共も何を考えているのやら…」
『……………………』
暫しの静寂。そして……
ドゴッ!!×2
「グフォッ!!?」
当麻と一護の右ストレートが顔面にめり込まれた。その人物とは…
「おい、どっから湧いて出やがった、変態博士」
「あァッ!? 誰が変態博士だゴラアッ!! この僕を一体何だと思ってるんですか!?」
「だから変態博士だって言ってんだろうが。せめて言葉遣いくらい安定させろ」
はい、言わなくても分かりますよね? 皆大好き(?)ウェル博士です…。
「あの、本当にどうしてここに居るんですか、ウェル博士?」
「なに、実験に必要な個体が少々不足していましてね~。せっかくですから、ここで採集を…」
(あ、絶対に連れてきちゃいけない人を連れてきてる、僕達…)
自身の問い掛けに対するウェルの返答を聞き、思わず顔を引きつらせるリクオ…。まあ、実験サンプルの採集を目的に使い魔の森を訪れるというのは…どう考えてもマズい予感しかしない…。
「あー…悪いな、リアス。本当はマリアだけ連れてくる筈だったんだが…」
「ごめんなさい、いつの間にか付いてきていたわ…」
「まあ、確かにちょっと鬱陶しくはあるけど平気よ」
当麻とマリアの謝罪に対して、リアスはそう返した。ちなみにマリアは今日単独での仕事を終えた所で、この場に合流している。また他のアイエールの面々に関して言うと、セフィリアやジェノス、ナイザー、ベルーガ、エレン、リュドミラ、ソフィーは別件で人間界を離れており、サーシャは言うまでもなく療養中の身。ティッタもそんな彼女の傍に付くため、邸宅に残っている…。
「それに、これから会う“彼”も中々変わった人だから」
「? ここに誰か来るのか?」
「ええ、もうそろそろ現れる頃だと思うけど…」
自身の発言に対するアカメの問い掛けに、リアスは辺りを見回しながら答えようとした。と、その時、
「ゲットだぜぃッ!」
「「ふぇっ!?」」
突如聞こえてきた声に驚く響とユウキ。その声のした方を向いてみると、ランニングに短パン、そして帽子をズラしての被っている男が木の上に立っていた…。
スタッ…!
「俺はマダラタウンのザドゥージ! 世界一の使い魔マスターを目指している男だぜぃ! リアス・グレモリー嬢、ソイツ等が使い魔を捕まえたいって奴等か?」
「ええ。イッセー、アーシア、この人は使い魔のスペシャリストよ。この人の話を参考にして使い魔を探しなさい」
(あの、どこからどう見ても信用できない人なんだけど…)
(色んな意味で間違いなくパクりじゃねえかッ!!)
その男──ザドゥージの見た目に、思わず心の中でツッコむルーシィとクリス。と、ここで、
「? グレモリー嬢、後ろの奴等はいいのか?」
「! ああ、この子達は…」
ザドゥージが当麻達の方に目を向けたため、軽く紹介をしようとするリアス。すると、
「なんだ…リアスの言ってた協力者って、お前のことだったのかよ」
「ッ! ナ、ナナ嬢!? それにララ嬢とモモ嬢も居んのか!?」
「ヤッホー♪」
「お久しぶりですね、ザドゥージさん」
デビルーク三姉妹がザドゥージとそんなやり取りを交わし始めたのだ…。それを見て、
「彼と知り合いなの、あなた達?」
「ま、まあな。あたしとモモは使い魔を結構持ってるから、その縁で…」
「私とナナ、それに御姉様も何度かここを訪れてるんですよ」
「だからザドゥージともその度に会ってるんだよね~♪」
リアスの問い掛けに、それぞれそう答えるデビルーク三姉妹。
「それより、話を進めなくていいのかよ?」
「! おっと、そうだったぜぃ…! 最近のオススメはコイツだ! 龍王の一角にして伝説級のドラゴン、“天魔の業龍(カオスカルマドラゴン)・ティアマット”! 魔王並みに強いぜ!!」
「いらねえよ!! 何だよ魔王並みって!? ヤバ過ぎるだろッ!!」
ナナからそう言われたザドゥージは、懐からカタログらしきものを取り出して薦めるが、イッセーはあまりのレベルの高さに絶叫した。しかし…
「あ~、ただコイツは住み処にしていた洞窟をフラッと出ていったっきり、戻ってこなくてな~。ひょっとしたら住み処を別のところに移したのかもしれねえなぁ…」
「いや、残念そうに言ってるけど俺には無理だから!! そんな魔王並みに強いドラゴンを使い魔にするなんて絶対無理だから!!」
ザドゥージの発言にイッセーがツッコミを入れていた、その時、
「確かに、お主のような軟弱者には無理じゃな」
「そうそう! 俺みたいな軟弱者には無理……って、え…?」
聞き覚えのない声であることに気付いたイッセーは、すぐさまその声の主を見つけた。それは…いつの間にか当麻の隣に立っている、若干露出のある青い着物を着た美女だった…。
「あー…“ティア”さん? 何故に出てきているのでせうか?」
「仕方ないであろう。何やら妾(わらわ)の名が出てきているので、少々気になってな」
「さ、さいですか…」
「あ、新しい美女の登場…グヘヘ…。って、おい当麻!! お前その美女誰だよ!? またお前の知り合いか!? 何でお前等ばっかりィィィッ…!!」
当麻と新たに登場した美女──ティアのやり取りを見て、嫌らしい笑みと嫉妬の怒りを交互に見せるイッセー…。
「部長! 部長からも何か言って……あれ? どうしたんですか、部長? ていうか他の皆も何でそんな驚いて…」
「…イッセー? あなた、彼女が何者か本当に分からないの?」
「え……?」
表情を強張らせたリアスの言葉の意味が分からない様子のイッセーに対し、ザドゥージはこう伝えた…。
「そ、そいつがさっき話してた、“ティアマット”だぜぃ…」
「………はい………?」
沈黙すること数秒、そして………
「ええええええええええええええええええッ!!!???」
イッセーの絶叫が木霊した…。
「いや、ちょ、ええっ!!?? だだ、だって、“ティアマット”ってドラゴンじゃ…!?」
「今はこうして人の姿になっているだけじゃ。龍の姿では影響が大きいのでな。分かったか、小僧?」
「はは、はいッ…! いやいやいや! 何で龍王の一角と普通に仲良く出来てんだよ当麻!? これ絶対におかしいだろ!?」
ティアの正体を聞いて明らかに動揺するイッセーだったが、尚のこと当麻がそんな彼女と普通に接している状況にツッコんだ。すると…
「念のために聞いておくわね、当麻…? あなたとティアマットの関係は…?」
「いや、関係も何も……ティアは“俺の使い魔”なのでせうが…?」
それを聞いた瞬間、グレモリー眷属の面々とザドゥージは完全に硬直した…。それを見て、
「まあ、当然の反応だよね…」
「私達も当麻が連れて帰ってきた時には、流石に驚いたし…」
「お久しぶりです、ティアさん」
「! ああ、お主も元気そうじゃな、ウェンディ」
レビィとリサーナが苦笑いを浮かべてそう呟く中、ティアはウェンディと軽く挨拶を交わしていた。
「あらあら…」
「何となく予想はしていたのだけど…やっぱり衝撃ね…」
「…規格外過ぎです」
「しかもウェンディちゃんとも普通に話してるね…。“龍殺し(ドラゴンスレイヤー)”と“龍王”が何事もなく会話してるなんて…」
「はわわわわわ…!!?」
「何なの!? お前本当何なの!?!?」
「まさか、本当に龍王の一角を使い魔にする奴がいるとはなぁ…。しかも、人間とは益々驚きだぜぃ…」
復活したリアス達は依然驚きを隠しきれない様子だった。特にアーシアとイッセーに関しては…若干壊れ気味である…。
「ふむ、確かに当時の妾もまさか人間の使い魔になるとは全く思っておらんかった…。あれほど綺麗に“敗ける”ことはもう一生無いであろうな」
『………………』
(何も聞こえなかった何も聞こえなかった何も何も何も……)
ティアの口から飛び出した発言を聞いて、再び硬直するグレモリー眷属とザドゥージ。イッセーに至っては…最早現実逃避に走っている。余程自身のクラスメイトの規格外さが信じられないようである…。と、ここで、
「ちょっといいか、リアス?」
「! え、ええ。何かしら、一護?」
「俺達はここから別行動させてもらってもいいか?」
「? 別行動?」
一護の突然の提案に、首を傾げるリアス。
「これだけ大所帯だと色々動きづらいだろ? こっちにもナナ達がいるし、お前等はイッセーとアーシアの使い魔を探すのに専念した方がいいんじゃねえか?」
「! 確かに、その方が良いわね…。分かったわ。じゃあ、後で合流しましょう」
こうしてイッセーとアーシアの使い魔探しをリアス達に任せた当麻達は、別行動を開始した…。
☆☆
そして、しばらく森の中を歩いた当麻達は現在…
「勝手に行かせて本当に大丈夫なのか、リクオ?」
「ナナやモモ達が問題ないって言ってたからね。それに皆も何人かに固めて行かせたし…」
「第一、アイツ等の力なら基本何が起こっても大丈夫だろうしな」
固まって立ち話をしながら、この場にいない少女達を待っていた。ナナ達の先導の下で使い魔の候補を探していたが、彼女達の提案で各自別れてすることになったのだ。ちなみにティアは気分転換に龍の姿へと戻り、少しばかり空中散歩を楽しんでいる…。
「どういう使い魔を連れてくるかね~、アイツ等?」
「さあな。まあ何にせよ、これからの事を考えれば使い魔を持ってて損はねえだろ?」
連れてくる使い魔の候補がどんなものか、想像しながらやり取りを交わす当麻と一護。と、そこへ、
「当麻ーー!!」
「一護さーーん!!」
「! おう、ユウキ」
「それに響も一緒か。使い魔になりそうな奴は見つかったか?」
戻ってきたユウキと響に問い掛ける当麻と一護。すると…
「うん! しかもボクと響は“同じ子”を選んだよ!」
「? 同じ?」
「はい! この子です!」
そう言うと、ユウキと響は確かに全く同じ生物を見せる。それは……
【【僕と契約して、“魔○少女”になってよ!】】
「「………………」」
長い耳が特徴的な、“キ”で始まり“え”で終わる白い生物(?)だった。それを見た当麻と一護は完全に硬直する…。
「ふ、2人共、コレは一体何処で拾ってきたのかな?」
「え? えっと…シノンとはぐれて歩いてたら、急にこの子が現れて…」
「あ! 私も未来やクリスちゃんとはぐれちゃったと思ったら、急にこの子が出てきたんです! 確かその時、“素質”がどうとかって聞こえたような…」
2人の代わりにリクオが引きつった笑顔を浮かべて尋ねると、ユウキと当麻は出会った時の状況を説明した。
ガシッ!!×2
「あー、ユウキ? ちょっとコイツを借りてもいいか…?」
「悪いな、響。お前のも借りるぞ…?」
「? うん!」
「いいですよ!」
ようやく硬直の解けた当麻と一護が、ユウキと響から2匹の某“キュ○ベえ”を借り、近くの木陰へと持って行ったのだ。そして数秒後……
「あー…悪い、ユウキ、響」
「アイツ等が急に暴れたせいで逃がしちまった」
「ふええッ!!?」
「ヒ、ヒドいよ~、当麻~、一護~! せっかく2人で御揃いの使い魔にしようと思ってたのに…」
戻ってきた2人からそう言われ、ショックを受けるユウキと響。だが…
「わ、悪いな。今度何かしら埋め合わせするから、それで勘弁してくれ」
「! 本当ですか、一護さん!?」
「お、おう…」
「絶対忘れないでね、当麻!!」
「あ、ああ…」
一護の口から飛び出した提案を聞くと、2人そんなショックなどあっという間に吹き飛ばし、嬉しそうな表情を浮かべ始めた。この時点で彼女達の中にどんな想いがあるかは…簡単に分かるであろう…。ちなみに彼等が出てきた木陰に、『訳が分からないよ…』と言っている蜂の巣状態の白い生物がいることなど、ユウキと響が知る筈もなかった。また……
【おい!! 何でこんな所にあんな訳の分からねえ奴が居んだよ!? 最早作品が違えだろうがッ!!】
【それは上条さんが聞きてえよッ!! しかも何で連れてきたのがこの2人なんでせうかッ!? どう考えても絶望しかもたらされねえよ!? その内“宇宙規模の魔女”が誕生しますことよ!?】
当麻と一護が頭の中で“彼女達の中の人”に関わる話をしていたことも…当然2人が知る筈もなかった…。と、そこへ、
「いた! 響~!」
「このバカ! 今まで何処に行ってたんだよ!?」
「! 未来! クリスちゃん!」
「戻ってきてたのね、ユウキ」
「! シノン!」
響やユウキと行動を共にしていた筈の未来やクリス、そしてシノンが戻ってきたかと思えば…
「見つからなかったデース…」
「仕方無いよ、切ちゃん。また今度探しに来よう?」
切歌や調も続いて戻ってきた…。
「使い魔になりそうな奴は見つかったか?」
「とりあえず調と切歌は見つかんなかったみてえだが…」
「えっと…私達の中だと、クリスだけかな?」
「! 本当デスか!?」
当麻と一護の問い掛けに対して未来がそう言うと、切歌が目を輝かせながらクリスに尋ねた。しかし…
「いや、確かに見つけたには見つけたけどよ…」
「? どうしたの、クリス…?」
当のクリスの歯切れの悪い様子を見て、思わず首を傾げるリクオ。と、その時だった……。
『テヤンデー! テヤンデー!』
「「……は……?」」
突如聞こえてきた音声に、再び硬直する当麻と一護。その主は……バレーボールより一回り程小さい、オレンジ色の球体のロボットらしき物体だった…。
「何なんだ、こいつ…?」
((それはこっちの台詞だアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!))
クリスが首を傾げながらそう言ったのに対し、当麻と一護は心の中でシャウトした…。
「お~ッ!!」
「まるでロボットみたい…」
【いや違うからな!? “ロボットみたい”じゃなくて、完全なるロボットだからな!?】
【つーか、ここ使い魔になりそうな奴を探すための森だよな!? どう見ても使い魔になるどころか、そもそも生き物ですらねえだろ、そいつ!!】
現在クリスに抱えられている物体に、目を輝かせる切歌と調。しかし当麻と一護がツッコんでいるように、その物体はこの場に絶対居てはならない、“ハ”で始まり“ロ”で終わる自立行動型ロボットである…。え? 名称が完全に出ている? いやいや…気のせいです、うん…。それと何故このロボットがクリスの下に登場したのかについては……
雪音クリス = CV:高垣○陽 =フェ○ト・グレイス(“機動○士ガン○ム00”)
という方程式に沿っている…とだけ言っておこう…。と、そこへ、
「フンッ…何を騒いでいるかと思えば、どうやら貴様等もマトモな使い魔を見つけられていないようだな」
「あ、キャロルちゃん! それにエルフナインちゃんも…!」
「す、すみません、今戻りました…」
戻ってきたキャロルとエルフナインに声を掛ける響…。
「随分と上からだが、お前今“も”って言ったよな? ってこたぁ…」
「そっちも同じじゃないデスか…!!」
「勘違いするな。お前達と同類なのは、俺の隣にいるコイツだ」
「! うぅ…」
小馬鹿にするような口調が感に障ったのか、クリスと切歌がそう指摘するが、それに対してキャロルは隣にいるエルフナインを指しながら返した。すると…
「えっと…エルフナイン? 一応聞くけど、君が連れてきたのは一体どんな使い魔なの?」
「は、はい、あの…こ、この子です…」
エルフナインはおずおずと何かを抱え上げた。それは……
「おいッ! 俺をどうするつもりだテメエ等ッ!? “丸焼き”にしても美味しくねえぞッ!!」
「ふぇ~、大きい豚だね~! 丸焼きにしたら絶対に美味しそう~…!!」
「ひ、響? それよりもっと気にしなくちゃいけない所があるんじゃないかな…?」
今にも丸焼きにされそうな様子で縛られている、中々の大きさの豚だった…。“人と会話できる”というスキルを持っているが…。
「俺をただの豚だと思ったら大間違いだ!! 俺は泣く子も黙る“残○処理騎士団”団長のホー○様だぞ!! どうだ! ビビったか!?」
【【いや何で“残○処理騎士団”がこんな所に居んだよオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!??】】
その豚(?)が威張り気味に叫ぶ中、当麻と一護はまたしてもシャウトせざるを得なかった…。
「本当にコイツを使い魔にすんのか? 喋る以外はどう見てもただの豚だぞ…?」
「分かんないよ、クリスちゃん! もしかしたら火とか吹けるかも!」
「いや、お前はさっきまでコイツを食う気満々だったろうが…」
「す、すみません、何だかこの子が自分と重なるような気がして…」
【そりゃそうだろうな! 何しろ中の人間が一緒なんだから、重なって当然だろうな!!】
響とクリスがそんなやり取りを交わす中、当麻は相変わらずおっかなびっくりなエルフナインの発言を聞いて、思わずツッコんだ…。ちなみに、響の発言が強ち間違いじゃなかったり…
「ねえねえ、リクオー」
「? どうしたの、ユウキ?」
「何かこの子を初めて見た気がしないんだけど…何でだろう?」
「! えっと、な、何でだろうね、あははは…」
「私もだ」
「うわっ!? ア、アカメ!? いつの間に戻って…!?」
「たった今だよ。お姉ちゃんが急に“呼ばれてる気がする”って言って、戻ってきたの。それで? 今は何してるの?」
「え? えっと…僕にも分からない、かな…」
リクオとユウキ、そしてクロメと共に戻ってきたアカメがそんな会話を交わしていたり…
「むっ!! な、何だ!? 何だか無性に胸を揉みたい衝動が…!!」
「…死んでください」
「ちょっ!? 小猫ちゃん待って!! それは本当に死…アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ…!!?!?!?」
何処ぞの“某大罪的作品”の団長と同じ声の変態が、無意味な発言をして小猫に殺されかけたりしていたりする…。何故この4人が反応したかについては、“キャスト”という単語から考えれば分かるだろう…。と、ここで、
「ねぇ…」
「! 何だ、月読調…?」
「あなたの使い魔の候補はどんな子なの?」
「! そうデスよ! いい加減見せるデースッ!!」
調がキャロルに尋ねると、切歌もそれを聞いて催促し始めた。すると、
「フッ、なら見せてやろう…。俺がお前達より優れている証を…!」
「おおっ! キャロルちゃん、いつも以上に自信満々…!」
「う、うん…でも何となく嫌な予感が…」
小さな身体で一生懸命威張るキャロルの姿に響が反応する一方、何故か根拠のない不安を覚える未来…。そして、キャロルは満を持して自身の使い魔候補を御披露目した。それは……
モフッ…!
『………………』
「……(キュイッ!)」
何処ぞの某“兎”的な作品に登場する、真っ白な毛玉のようなアンゴラウサギだった。そして、キャロルはそんなウサギを頭に乗せて一言……
「どうだ? お前達とは全く次元が違うだろう?」
「「いや完全に同じ次元じゃねえかアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」」
これには当麻と一護もついに声を上げてシャウトした…。
「何だと? 一体この“ティッ○ー”の何処が貴様等の候補と同次元にいる?」
「全てだよッ!! もう誰がどう見ても間違いなく同じレベルだろうがッ!! つーか今、そいつのこと完全に“ティッ○ー”って呼んだよな!? “ティッ○ー”って認めたよな!?」
「当然だ。この毛玉に“ティッ○ー”以外の名称があると思っているのか?」
「何で平然と言ってくんだよ!? とにかく謝れ! 特にエルフナインには入念にな!!」
「あ、あの、僕は全然気にしてませんから…!」
トンデモ発言を次々と繰り出すキャロルに対し、一護は思わずツッコミながら謝罪を促す。もっとも、当のエルフナインは相も変わらずオロオロとした様子でそう言っているが…。ちなみに…
「調」
「? どうしたの、切ちゃん?」
「今私の頭の中に“お姉ちゃんに任せなさい!”って声が響いたデース…」
「…きっと気のせいだと思うよ…」
切歌の頭の中に何処ぞの“姉オーラ全開のベーカリーの看板娘”のセリフが響いていたり…
「…!」
「? どうしたの、雪菜?」
「あ、いえ…今何となく“この場にいてはいけない毛玉”が登場してしまったような気が…」
「ゆ、雪菜? 本当に大丈夫…?」
別行動を取っている雪菜に某“ミリタリー少女”の意識が乗り移りかけていたり……
「はわわわッ! ま、待ってくださいぃ~…!!」
「…ねえ、レビィちゃん」
「? どうしたの、ルーちゃん?」
「今ウェンディが追っかけてる黒い兎が“この場に居ちゃいけないモノ”な気がするのは……私だけ……?」
「???」
何処かでウェンディが某“和風喫茶の看板黒兎”を追っかけていたりしていたのは………余談である……。
「と、とりあえず落ち着いて、一護。エルフナインも大丈夫って言ってるし」
「! あ、ああ…」
「そ、そうだぜ一護! もうこれ以上“更に上を行くようなモノ”は無いだろうし、ここは一旦落ち着いて…」
リクオの一言で一旦仕切り直そうとした一護と当麻。だが……それはあからさまなフラグだった……。
「いたいた! リクオ~~ッ!!」
「あ、ララさん!」
ララ達デビルーク三姉妹が戻ってきたのを見て、声を上げる響…。
「おかえり。どう? 使い魔になりそうな候補は見つかった?」
「え、ええ、まあ…」
「あ、姉上が一応…な…」
「? 何よ、一応って…?」
リクオの問い掛けに対するモモとナナの歯切れの悪い返答を聞いて、シノンが思わず尋ねるが……
「見て見てリクオ~! こんな子見つけたよ~!!」
ララが早速自身の使い魔候補となる物体を披露してくる。それは……
「俺の名は、自分の賠責は自分でニャンとかする“ジ○イセキニャン”!」
((更に上を行く奴いたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!??))
何処ぞの某“妖怪アニメ”のキャラをオマージュ(?)した、某“いちご味的な北○の拳”に登場する猫らしき生物だった……。
「えへへ! どう? 可愛いでしょ?」
「いや“可愛い”とかよりもまず“ヤバい”ですよね!? 何とんでもないの連れてきちゃってるんですかララさん!!??」
「? うーん…凄く見覚えがあったからかな~?」
「何で見覚えがあんだよ!? お前の中に“どっかの主人公”の意識でも入ってんのか!? つーかそれにしても違えだろ!? 完全にこれただの“パクリキャラ”でしかねえだろうが!!」
自分の連れて来たモノが何なのか一切分かっていないララに対し、割と全力でツッコむ当麻と一護。ちなみに一護の言う主人公が何かついては…“ララの中の人”を考えれば分かるだろう…。もっとも…
「生きてるみんニャ、もしもの時のための自賠責保険に入るニャ!」
「「はーーいッ!!」」
「テメエも何サラッと勧誘してやがるッ!! さっさと“世紀末のバカ三兄弟”のいる世界に帰れッ!!!」
「フニャ~~~~~ッ!?!!?!?!?」
いつの間にかユウキと響に保険の勧誘をして、クリスに絶賛シバかれ中の猫は……特段ララと関係がある訳ではないのだが…。
「おい、モモ、ナナ? ここは使い魔になりそうな悪魔以外に、いつもこんな“色んな意味で危ねえ連中”までいる所なのか?」
「い、いえ、そんなことは無い筈ですけど…」
「ここを管理してる奴も“あんな感じ”だからな…」
「! 確かに、そこは上条さんも失念していた…」
モモとナナが何処ぞの使い魔マスターのことを挙げると、妙に納得してしまう当麻。まあ、彼から漂うあからさまな〝別作品の匂い”を思い起こせば、納得するのも当然であろう…。と、そこへ、
「あ、もう皆戻ってきてたのね」
「! おかえり、ルーシィ。それにウェンディ達も」
「その様子だと、皆空振り…?」
「うん」
「使い魔になりそうな悪魔なんて、そう簡単に見つけられるもんじゃないしね…」
戻ってきたのはルーシィとウェンディ、ミラジェーン、レビィ、リサーナの5人だった。そしてリクオが出迎えの言葉を口にする中、クロメの問い掛けにレビィとリサーナが答えていると…
「? エルザはどうした?」
「あ、エルザなら今使い魔になりそうな子を連れて向かって来てる筈よ♪」
「! エルザさんが見つけたんですか?」
「ええ♪」
アカメと未来が尋ねたのに対し、いつもの笑顔でそう答えるミラジェーン。それを聞いて…
「エルザさんが見つけた使い魔候補か~。一体どんなのなんだろう?」
「ま、あいつの御眼鏡に適(かな)うくらいだからな。まず普通じゃねえだろ…」
「きっと滅茶苦茶強い奴デースッ!!」
「うん、期待できる…」
割と期待を膨らませている方向の響、クリス、切歌、調に対し……
(な、何故だ…)
(とてつもなく嫌な予感しかしねえ……)
当麻と一護は盛大に顔を引きつらせ、あからさまに不安を露わにしていた。何故なら……今までの流れが全てを表していたのだから…。そして……
「すまない、遅くなった」
「あ、お帰りなさい、エルザ♪ どう? “あの子”は連れて来れた?」
「ああ、少々手間取ってしまったが、何とかな…。さて、では早速紹介するとしよう」
丁度エルザが戻ってきたかと思うと、彼女はミラの問い掛けに応じつつ……いきなり自身の連れてきた候補を披露してきた。すると……
『……………………………』
それを見た殆どの者達が……完全に硬直した……。何故なら……
『………………………』
それは大きな二つの単眼を持つ……某〝光線(レ○ザー)級”の適性宇宙生物だった…。
「どうだ? 大きな目が実に愛らしいであろう?」
「「いや何処がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」」
エルザの発言を聞いて、この日一番のシャウトをかます当麻と一護…。
「…あまり強そうではないな。攻撃力に欠ける気がする」
(見た目に騙されていけませんですことよアカメさん!? そいつの火力ヤバいから!! 30キロ先の戦闘機も一瞬で蒸発させることが出来るからッ!!)
(つーか何なんだよ!? 何で最後の最後で色々悪魔以上にヤバいのが出てくんだよ!? しかも、何でよりによってお前がそいつを連れてくんだよエルザッ!?!?)
見た目によるアカメの予想に関しては、心の中でツッコミを入れる。すると……
「エ、エルザさん? ど、どうしてその子を使い魔に? や、やっぱり見た目が気に入ったんですか…?」
ウェンディが明らかに怯え切った様子でエルザに尋ねたのだ。すると、それに対してエルザはこう答えた…。
「確かにそれもそうだが……何となく見覚えがあってな。愛着が湧いてしまった」
(何でだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?)
(あれか!? また意識でも入ったのか!? どっかの〝スウェーデン衛士”の意識でも入ったのか!? つーかそれなら何愛着持ってんだよ!? どう考えてもそいつを駆逐する側だろうが!!)
当麻と一護が心の中で再びシャウトをするのは必然だった…。一体何の話か分からない場合は、“トー○ルイクリプス”で検索してください……。と、その時、
「い、一兄…」
「! どうした、切歌?」
「あいつの目が両目とも光っているように見えるのは、気のせいデスか?」
「……………………」
『……………………』
その瞬間、その場に居たほぼ全員が一瞬沈黙した……。某〝光線級”を目の前で興味深々な様子で観察しているユウキと響以外……。
「「き、気のせいじゃねえええええええええええええええッ!!!!??」」
ガバッ!!×2
「「ふぇっ////!?」」
血相を変えて叫んだ当麻と一護は一気にユウキと響の下へ近づくと、瞬時に2人を抱きかかえ、その場から飛び退いた。そして……
ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ……!!!!!
『…………………………』
先程まで響とユウキが居た場所を熱線が通過したかと思うと、その熱線は遙か彼方まで進んで大爆発を引き起こし………およそ数十キロの直線上の一帯を、全て焼野原へと変えてしまった…。それを見て、
「ほぉ…中々の威力ではないか」
「キャ、キャロル! そういう問題じゃないですよ…!」
純粋にその威力に感心するキャロルに対し、エルフナインが慌ててそう言っていたり……
「あ、危ねえ~……!」
「おい、大丈夫か、ユウキ、響……? おい、どうした…?」
「ふぇっ/////!? あ、えっと……////」
「あの…そ、そろそろ降ろしてもらってもいいですか…////?」
「! お、おお、そうだったな…」
「悪ぃな。すっかり忘れてたぜ…」
ユウキと響がそれぞれ当麻や一護とそんなやり取りを交わしていたり……
「おや? これは“ネ○アームストロングサイクロンジェットアームストロング砲”ではないですか。完成度高えな、おい」
「戻ってきて早々とんでもねえこと言ってんじゃねえよ!? つか“アームストロング”2回言ったよなッ!? どう見ても違えだろッ!!」
サンプル採集から戻ってきたバカ博士の発言にクリスがツッコんだりしていたのは……まあ、余談である……。と、ここで、
「! お、おい…!」
「もう早速2撃目を放とうとしてるわよ…!」
「このままだとこの森全体が焼野原になりそうだね、お姉ちゃん」
「ああ、そうだな」
「お前等はもう少し緊迫感を持てよ!?」
某“光線級”が次発を撃とうとしていることに気付き、クリスとシノン、アカメ、クロメがそれぞれ言った。もっとも、明らかに後者の姉妹のテンションが違ったためにナナが思わずツッコミを入れているが…。そして、まさに熱線が再び放たれようとした、その時、
「「ハアアアアアアアッ!!!!」」
「「「! 翼さん(先輩)!!」」」
「「マリア!!」」
そこへ現れたのは、“青と白を基調としたパワードスーツを連想させる戦闘装束”を身に纏った翼と、“銀と白を基調としたパワードスーツを連想させる戦闘装束”を身に纏ったマリアだった。すると2人は某“光線級”の左右から迫っていき……
「私の仲間に手を出すな!! この、愚か者がアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」
ザァァンッ!!!!×3
((いや何でお前も一緒に参加してんだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!???))
エルザと共に某“光線級”をバラバラに斬り刻んだ……。
「全員無事か!?」
「! あ、はい…!」
「お、お前等、何でここに?」
「何でって…向こうの方で凄い轟音が聞こえたからに決まってるじゃない! 襲撃でもあったのかと思って、慌てて戻ってきたのよ…!」
翼の安否確認の問い掛けに響が応じる中、一護の問い掛けに対してマリアは若干声を張り上げながら返し始める…。
「それより何があったのだ? 先程斬り刻んだこの生物は一体……」
「! えっと……まあ、一言で言うと…」
「“こちらが蒔いた種”でせう…」
「…?」
「全く意味が分からないのだけれど…」
「悪ぃ、後でちゃんと説明してやるから…勘弁してくれ…」
「! だ、大丈夫か、一護? 物凄く疲れているようだが……」
「ああ、そうだな……。色々疲れることがありまくったからかもな……」
「「??」」
当麻とリクオ、そして一護の発言の意味が分からず、首を傾げるしかない翼とマリア。その一方で、
「何でエルザも交ざって一緒に退治しちゃってるのよ!? アレに愛着があったんじゃなかったの!?」
「? 決まっているだろう。奴が私達の仲間に危害を加えようとしたからだ。これ以上の理由はいらん」
「いや、まあ、確かにそうなんだけど…」
「ふふっ、エルザらしいわね♪」
「ミ、ミラ姉? それは少しズレてるんじゃない…?」
エルザの行動に対してルーシィが未だに困惑していたり、ミラジェーンの発言にリサーナが少々苦笑いを浮かべていたりもしたが……まあ、気にしないということで…。
「あと戻ってきていないのは……」
「えっと~…紗矢華と雪菜ちゃん、それにヤミちゃんと芽亜ちゃんだけだね!」
「まだ探してるのかな? もうとっくに戻ってきていそうな気もするけど…」
ここでモモとララが戻ってきていないメンバーを確認し、リクオが少々不思議がっていると……
『きゃああああああああああッ!!!??』
『ッ!!?』
突如、甲高い悲鳴が響き渡った……。
「今の悲鳴って…」
「雪菜ちゃんと紗矢華ちゃんだよ!!」
「もしかして、2人に何かあったんじゃ…!?」
レビィとララが悲鳴の主を戻ってきていない4人の内の2人だと断定すると、ウェンディはすぐに2人の身に何か起きたのではないかと思い、心配そうな表情を浮かべる…。
「話は後だ!」
「急いで向かうぞ!」
一護と当麻の一声を皮切りに、すぐさま悲鳴の聞こえてきた方へ走って向かう一行…。
「! この魔力…リアス達も一緒か」
「じゃあ、部長さん達にも何かあったってこと…!?」
途中で当麻とユウキがそんなやり取りを交わす中、一行は目指していた場所へと到着した…。
「雪菜! 紗矢華!」
「無事か!? リアス………はい………?」
そして一護と当麻がその場にいる筈の雪菜や紗矢華、リアス達に声を掛けようとして…固まった…。何故ならそこには……
「退きなさい、イッセー。こんな生き物は焼いてしまうに限るわ…」
ほぼ“全裸”に近い状態でイッセーに詰め寄っているリアス、朱乃、小猫と……
「い、嫌です!! このスライムはまさしく俺と出会うため、この世に生を受けたに違いありません!! これぞまさしく運命!! もう他人じゃないんです!!」
緑色のスライムに纏わりつかれているアーシアに抱き着き、涙を流しているイッセー…
「こちらの要求に従ってください、兵藤先輩…」
「どちらにしても、今すぐ殺します…(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!)」
「ヤミちゃん相変わらず酷い!?」
殆どリアスと同じ状態に陥り、リアス達以上に怒りに打ち震えている雪菜と紗矢華、ヤミの3人…
「あ、リクオお兄ちゃん達だ! やっほー…!」
そして同じほぼ全裸状態にもかかわらず、普段と全く変わらない様子でリクオ達に声を掛ける芽亜の姿があった…。あー……なに、この混沌(カオス)…?
「っ!? と、当麻ッ//////!?」
「っ!? せ、先輩ッ//////!?」
「「「ッ//////!!??」」」
芽亜の一声で当麻達が来たことに気付いた瞬間、リアスと雪菜、紗矢華、ヤミ、小猫の5人は一気に顔を赤くして恥ずかしそうに身体を隠そうとした。すると…
「状況が全く飲み込めねえけど、とりあえず…」
ファサッ……
「え…?」
「それでも羽織っててくれ。部長に風邪でも引かれたら大変だからな~」
「っ////! あ、ありがと…////」
当麻がリアスに近寄ったかと思うと、自身の羽織っていた制服の上着を彼女に掛けながら、そう言ってきたのだ。これにはリアスも思わず顔を更に赤くし、少女らしい一面を露わにする。しかも、このような状況はこちらだけでなく…
「お前等もこいつを適当に羽織ってろ」
「! は、はい…/////」
「か、借りるわ…/////」
一護も雪菜と紗矢華に上着とワイシャツを羽織らせたかと思えば…
「ほらよ」
「え…?」
「予備の制服の上着だ。お前も羽織っとけ」
「! お、お借りしますわ…////」
朱乃にも何処からともなく取り出した予備の制服の上着を手渡し……
「小猫とヤミも、これを使って」
「っ///! ありがとうございます、リクオ先輩…」
「感謝します、リクオ…/////」
「芽亜もこれを着て」
「! はーい♪」
リクオも小猫とヤミ、芽亜の3人に制服の上着とワイシャツ、予備の上着を羽織らせていた…。と、ここで、
「さてと…で、一体何があったんだ? イッセーがまた何かやらかしたように見えるが…」
「! 実はね……」
当麻が奇怪な行動を取っているイッセーに目を向けつつ尋ねると、リアスは事の経緯を説明し始める。どうやら今アーシアに纏わりついているスライムこそ、リアスや雪菜達を現在の恥ずかしい恰好にした元凶であり、リアス達は早急にその元凶を大部分駆除した。しかしイッセーはこのスライムを自身の使い魔にしようとしており、今もこうしてアーシアに纏わりついている生き残り達を庇っていた所へ…丁度当麻達がやってきたとのことらしい…。すると、その話を聞いて…
「「今すぐ駆除しろ」」
「ちょっ…!?」
クリスとナナはスライムへの対応を即決した…。
「そういうことよ、イッセー。そのスライムは女の敵…今すぐ滅するわ」
「ぜ、絶対にダメです部長! おお、“スラ太郎”! 我が相棒よーッ!!」
「もう名前まで……」
「森の厄介者をここまで欲しがる悪魔は初めてだぜぃ。まったく、世界って奴は広いぜぃ…」
実に安直な名前を聞いて裕斗が困惑する中、ザドゥージはやや呆れ混じりにそう呟いた…。
「普段は良い子なのよ。でも、あまりに欲望に正直過ぎる体質で…!」
「ぶ、部長! そんな可哀想な子を見る目で俺を見ないでください! コイツを使って、俺は雄々しく羽ばたきます…!!」
「「「なら羽ばたく前に殺す(殺します)」」」
「ちょっとォォォォォッ!?!? クリスちゃんもナナちゃんもヤミちゃんもストレート過ぎるんだけど!? マジで殺されそうな感じしかしないんだけど!?」
クリスとナナとヤミの容赦のない一言に、思わず震え上がるイッセー…。
「と、とにかく俺は何が何でもコイツを使い魔にします!! 使い魔にして、コイツと共にハーレム王への道を突き……」
そして、イッセーが拳を突き上げながら何かを宣言しようとした…その時だった…。
チャキッ…!!×3
「あー……当麻さんに一護さんにリクオさん? 何故あなた方は俺に剣やら神器やらを突き付けているのでしょうか?」
当麻達3人がイッセーに、突如自身の神器や剣を突き付けたのだ。それも…とてつもなく良い笑顔で……。
「なぁ、イッセー…」
「お前がどんな使い魔を手に入れようと勝手だが…それでコイツ等を怖がらせるのは流石に許容できねえなぁ…」
「へ…? ッ……!!」
当麻と一護にそう言われたイッセーは始めこそ理解していなかったが…ある光景を見て理解し、固まった。それは……
『…………………(スッ!)』
周りにいる年上の少女達の後ろに隠れるユウキや響、未来、調、切歌、エルフナイン、レビィ、ウェンディと……
『………………(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!)』
ララやモモ、アカメ、クロメ、キャロル、芽亜、ミラジェーン、リサーナを除いた、般若の形相を浮かべている残りの少女達の姿だった…。
「まま、待ってー!! 俺は別にユウキちゃん達を怖がらせようとしてる訳じゃなくてだな…!!」
「じゃあさっき見たっていう光景は?」
「勿論しっかり脳内保存してますッ!! あ………」
リクオの問い掛けに即答したイッセー。その結果は言うまでもなく……
ジャキンッ!!!×3
「なら、相応のショックを与えれば忘れますよね、兵藤先輩…?」
「どれだけの罪を犯したのか、ここで思い知りなさい、兵藤一誠…!」
「いやいやいやッ!?!? それ絶対ショックじゃ済まないよね!? 確実に俺の命に影響するよね!!?」
「平気です…。赤龍帝であれば、多少斬り刻まれてもすぐに元通りになります、“きっと”…」
「ならないからッ!! “きっと”って時点でもう絶対ダメだからッ!! ていうか、何かエルザさん達までやる気満々に見えるんだけどッ!?!?」
雪菜と紗矢華、ヤミの言葉に慌ててツッコみつつも、イッセーは怒り心頭の様子のエルザ達が臨戦態勢を整えていることに気付いていた…。
「ぶ、部長!! お願いですから皆を止め…!!」
「…程々でお願い」
「ぶ、部長~~~~~~~~~~~ッ…!!!(泣)」
咄嗟にイッセーはリアスに救いを求めるものの…あえなく撃沈した。そして……
「「「“O・HA・NA・SHI”の時間だぜ(だよ)、イッセー(君)……」」」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!?!?!?!?!?!?」
結局“スラ太郎”と共に断罪されたイッセーは当然の如く使い魔を手に入れられず、代わりにアーシアが〝蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)”のラッセーと使い魔契約を結んだ。ザドゥージとナナ曰く、契約を結ぶなど奇跡に近いような希少な魔物らしい…。ちなみに……
「キャ、キャロル、本当にいいんでしょうか…?(ボソッ)」
「フッ、構うものか…(ボソッ)」
実はキャロルとエルフナインが密かに妙な行動を取っていたのだが……その内容が判明するのは、もう少し先のことであるとかないとか……。
御無沙汰しております。無颯です。
という訳で、今回は完全に“中の人ネタ”に走りました。自分で言うのもなんですが……乱発しました…。
また若干キャラ崩壊もあったような気が個人的にしています。特にキャロルは完全にボケキャラ感が出てますね…。まあ、このようなことはそこまでないと思います……多分……。今後もこうしたギャグ的展開が時々挟まれますので、ご理解頂けると幸いです。
今後はキャラ紹介を挟みつつ、エクスカリバー編に突入していきたいと思います! ここまで意外と長かった…。では、また次回。