ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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こっちの小説の方が割と執筆している今日この頃…。


今回から少しオリジナル展開にしてみました。ですが…あまり期待しないでくださいね?


また新たに“あの集団”から2人(?)が初登場します。


では、本編をどうぞ。


“物”と“人”は区別すべし

“エクスカリバー破壊軍団”(命名=イッセー)の結成から数日の間。イッセーや調達は放課後に“或る行動”をしていた。それは…

 

 

「ふぅ…今日も収穫無しか」

 

 

「…そうですね」

 

 

「もうこれで何日目デスか? そろそろ現れて欲しいデスよ…」

 

 

“イカレ神父”こと、フリード・セルゼンの捜索である。どうやら黒いフードを目深に羽織ることで教会関係者に成り済まし、フリードを誘きだすという作戦を取っているようだ。しかしイッセーと小猫、そして切歌の会話からも分かるように、その成果は出ていない。と、ここで、

 

 

「…! 大丈夫みたいだよ、切ちゃん」

 

 

「ふぇ…? ッ…!」

 

 

「上だッ!!」

 

 

調の言葉を聞いた切歌が気付く中、匙が上を見ながら声を上げた。すると…

 

 

シュンッ!!

 

 

「神父の一団に御加護あれってねッ!」

 

 

上空から聖剣を携えた目的の男──フリード・セルゼンが奇襲を駆けてきたのだ。イッセーや調達は当然の如くそれを避け、羽織っていたフードを脱ぎ去る…。

 

 

「ようやく出やがったな、フリード!!」

 

 

「あらら? これはこれは、何時ぞやのクソ悪魔君ではあーりませんか~。ってことは、ひょっとして俺っちは誘い出されたってことっすかね~?」

 

 

「そういうこと…」

 

 

「大人しく観念するデス!!」

 

 

「ハッ! 黙ってなさいな、このクソチビビッチ共ッ!!」

 

 

イッセーと調、切歌がそう言ってきたことに対し、あかさまな暴言を吐きながら斬りかかろうとするフリード。しかし、

 

 

「ここからは僕がやる!!」

 

 

「行け、ラインよッ!!」

 

 

ここで動いたのは裕斗と匙だった。中でも匙は自らの右手の甲に“カメレオン”を連想させるような神器を発動させたかと思うと、そこから出現した縄状の物体がフリードの右足に絡み付いた…。

 

 

「うぜえっす!!」

 

 

フリードはすぐに斬り捨てようとするが、あっさりとすり抜けてしまう。どうやら実体が無い特殊なモノのようである。

 

 

「木場! これでそいつは逃げられないぜ!!」

 

 

「ありがたい…!!」

 

 

裕斗は匙の支援を有り難く受け取りつつ、二振りの魔剣で斬りかかる。

 

 

「チッ、面倒臭えっす! でも俺様のエクスカリバーちゃんは、イケメン君の魔剣じゃ…」

 

 

バキィィィィンッ…!!!

 

 

「相手になりませんぜ!!」

 

 

だが、エクスカリバーの一振りの前に呆気なく砕け散った…。

 

 

「木場、譲渡するか!?」

 

 

「まだいけるよッ!!」

 

 

そして裕斗が再び魔剣を創造し、フリードへ迫ろうとした……次の瞬間、

 

 

『グルァァァッ!!!』

 

 

「ッ…!?」

 

 

ガキィィィィィン…!!

 

 

突如横から現れた“何か”が裕斗に襲い掛かってきたのだ。裕斗は間一髪その攻撃を防ぐが…

 

 

「なっ!?」

 

 

「何だよ、あれ…!?」

 

 

匙とイッセーは襲ってきた相手の姿に驚愕する。何しろそれは…“人ではなかった”のだ…。

 

 

「…“合成獣(キメラ)”」

 

 

「っ!? キ、キメラって、あの合成獣(キメラ)ッ!?」

 

 

「何でそんなのがここに居るんだよ…!!?」

 

 

小猫の口から飛び出した相手の正体。悪魔のような黒い翼と、蛇で出来た尻尾を持つライオンのような生き物は…紛れもなく“合成獣(キメラ)”と呼ばれる存在だった。更に…

 

 

『ガルルルルルッ…』

 

 

『グオオオオオッ…』

 

 

「ッ!? お、おい、周りを見ろ…!!」

 

 

「ッ! か、囲まれてるじゃねえか!?」

 

 

匙にそう言われたイッセーは、周囲を見渡した瞬間に動揺を露わにする。そう…いつの間にか周りの林の中には、大量の合成獣達の姿があったのだ。

 

 

「おーおー、これはこれは有り難い助っ人ちゃん達ですね~! 俺っち思わず感謝感激雨嵐って奴ですぜぃッ!!」

 

 

「っ! これもお前の差し金か、フリード・セルゼンッ!!」

 

 

「ノンノン! これは俺っちの支援者(パトロン)様からのプレゼントさッ! 有り難く受け取って、殺されてくれちゃいな☆」

 

 

声を荒らげる裕斗に対し、相も変わらず狂気に満ちた口調で返すフリード。

 

 

「くそっ! いくらなんでも数が多過ぎるだろ!?」

 

 

「…ぼやいてても仕方ありません。ここは…」

 

 

裕に数十体はいるであろう合成獣の軍団を前に、イッセーと小猫が応戦の構えを取ろうとした…その時、

 

 

「狼狽えるなデスッ!!」

 

 

『ッ!!?』

 

 

ここで動いたのは……切歌と調の2人だった…。

 

 

「合成獣の相手は私と切ちゃんがするから、先輩達はあの神父の相手に専念して…」

 

 

「ッ!? な、何言ってんだよ2人共!? こんな大量の奴等を任せるなんて、出来る訳…ッ!?」

 

 

調の発言を聞いたイッセーは思わず声を上げるが…最後まで言い切ることは出来なかった。何故なら…普段の彼女達からは想像も付かないようなプレッシャーを、調と切歌が放っていたのだから…。

 

 

「確かに私達はまだ半人前だけど、子供だと思ってたら痛い目に遭うと思う…」

 

 

「行くデスよ、調!!」

 

 

調と切歌はそれぞれ首に付けていたピンク色の小型ペンダントを手に取ったかと思うと、自身の胸の前にかざし…

 

 

《Various shul shagana tron》

 

 

《Zeios igalima raizen tron》

 

 

一小節分ほどの短い歌を口ずさんだのだ。すると2人は突如光に包まれ、数秒後に収まったかと思うと…

 

 

「キリッ…」

 

 

「デスデスデースッ…!」

 

 

2人はそれぞれピンクと黒、緑と黒を基調とした戦闘装束を身に纏っていた。しかも調は両手に2つの特殊なヨーヨーを、切歌は一振りの大鎌を手にしている。

 

 

「こ、これが神器を発動させた調ちゃんと切歌ちゃんの姿…」

 

 

「お、俺も会長から話を聞いて、どんなもんかと思ってたんだが…」

 

 

「け、結構素晴らしいな、ぐへへ…」

 

 

「ッ///! な、何いやらしい目で見てるデスかッ///!」

 

 

「…最低です」

 

 

イッセーのあからさまな変態リアクションを見た切歌は、思わず片手で自身の身体を隠そうとしながらも、後ろにいる調の盾になるように立つ。ちなみに声には出ていないものの、匙もあからさまに厭らしい表情を浮かべていたのは…言うまでもないだろう…。そして、小猫がいつものように冷たい視線をイッセー達に向ける中、

 

 

『グラアアアアアッ!!』

 

 

「! 切ちゃん…!」

 

 

「とにかくそっちは任せたデスよ!!」

 

 

合成獣達が痺れを切らして向かってきたのを見て、調と切歌は動き出した。

 

 

ガガガガガガガガガッ…!!!

 

 

『グオオオオオオオオオッ!!??』

 

 

まず調が“α式 百輪廻”を放ち、無数の円形の小型鋸で数体の合成獣を容赦なく切り刻んだかと思えば…

 

 

「これでも喰らってろデースッ!」

 

 

ズババババババババッ…!!!

 

 

切歌は3枚の刃をブーメランのように放つ“切・呪リeッTぉ(キル・ジュリエット)”で、こちらも合成獣達を次々と真っ二つにする…。更に、

 

 

『ガアアアアアアアアアッ!!!』

 

 

「…邪魔をするなら、切り刻むだけ」

 

 

シュイイイイイインッ…!!!

 

 

調は自ら大型の丸い鋸に乗る“非常Σ(シグマ)式 禁月輪”で、縦横無尽に駆け巡りながら眼前の合成獣達を絶命させる一方…

 

 

「ハアアアアアアアアッ!!!」

 

 

切歌は肩部プロテクターに装備されたバーニアの勢いを利用した“災輪・TぃN禍ぁBぇル(さいりん・ティンカーベル)”で、周囲の合成獣達を両断する。

 

 

「相手にならない…」

 

 

「一昨日来やがれデースッ!!」

 

 

そして合流した2人はそれぞれ“裏γ(ガンマ)式 滅多卍切(めったまんじぎり)”と“封伐 PィNo奇ぉ(ふうばつ・ピノキオ)”で、合成獣達の数を一気に減らした。ここまで聞けば、彼女達はただ戦っているように思われるかもしれない。だが、その戦い方には明らかな特徴があった。それは……

 

 

「…本当に“歌いながら”戦ってますね…。それに、凄く上手です…」

 

 

「いや、ていうか完全にプロのレベルじゃん!? 2人共こんな歌上手かったの!?」

 

 

そう…小猫とイッセーの言う通り、調と切歌は歌いながら戦っているのだ。互いに激しく、折り重なるように歌うその曲の名は……“Edge Works of Goddess ZABABA”…。と、ここで、

 

 

「お、おい! そろそろあのイカレ野郎を何とかしてくれ! これじゃジリ貧だ!」

 

 

「…! そうですね、では…」

 

 

ガバッ…!!

 

 

「えっ!? 何で俺持ち上げられてんの!?」

 

 

匙の一言を聞いた小猫は、何故かイッセーを持ち上げ…

 

 

「…ゴー」

 

 

「うおおおおおおおおおおッ!!???」

 

 

戦車(ルーク)の力を存分に使って投げ飛ばしたのだ。その先にいるのは…裕斗である。

 

 

「木場ああああッ!! 譲渡するからなぁぁぁぁッ!!」

 

 

「うわっ!? イ、イッセー君!?」

 

 

『Transfar!』

 

 

ドサッ!!

 

 

「イデッ!?」

 

 

イッセーは倒れ込みながらも何とか“赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)”を発動させ、事前に増幅させていた力を裕斗に譲渡した。

 

 

「…もらった以上使うしかない。“魔剣創造(ソード・バース)”!!」

 

 

裕斗が剣を突き立てた瞬間、地面から無数の魔剣が現れ、その奔流はフリードへ向かっていく。

 

 

「うはッ! これは面白いサーカス芸だねェ!! この腐れ悪魔がアアアアアッ!!!」

 

 

バキィィンッ! バキィィィィンッ…!!!

 

 

「ッ! ダメか…!」

 

 

しかしそれでも聖剣を持つフリードには効かず、破壊されるだけだった。これには裕斗も思わず厳しい表情を浮かべる…。

 

 

「ハッ! じゃあ死ねェ!!」

 

 

「やらせるかよ!」

 

 

「うおっ!?」

 

 

ドサッ!!

 

 

フリードはその勢いで裕斗に迫ろうとするが、ここで匙が右足に巻き付いたままの触手…“ライン”を引っ張ることで彼の体勢を崩した。更に、

 

 

「っ! 何か吸われるっす!」

 

 

「へっ! 俺の黒い龍脈は、お前の力をぶっ倒れるまで吸い続けるんだよ!!」

 

 

違和感を感じ始めたフリードに対し、匙は不敵な笑みを浮かべながら言い放った。

 

 

「木場! とりあえず先にフリードを倒せ! エクスカリバーの方は後にした方がいい!」

 

 

「不本意だけど、そうするよ!!」

 

 

そして裕斗が匙の助言を受け取り、再び攻撃を仕掛けようとした…その時、

 

 

 

 

「ほう、魔剣創造(ソード・バース)か。使い手の技量次第では、無類の力を発揮する神器だな」

 

 

「ッ! 誰だ!?」

 

 

突如そんな声が聞こえてきたかと思うと、戦場と化していた廃墟の陰から、神父の格好をした1人の男が姿を現す…。

 

 

「“バルパー”の爺さん!」

 

 

「ッ! ってことは、こいつが…」

 

 

「…バルパー・ガリレイッ!!!」

 

 

その男──バルパー・ガリレイの姿を見たフリードがそう言うと、イッセーは思わず声を上げ、裕斗は射殺すような憎悪の視線を彼に向けた。すると、

 

 

「お前が例の“ワイパー”って奴デスか!!」

 

 

「“バルパー”だよ、切ちゃん…」

 

 

「! 切歌ちゃん! 調ちゃん!」

 

 

そこへ調と切歌の2人もやってきた。どうやら全ての合成獣を片付けたようである…。

 

 

「あれだけの合成獣(キメラ)を、この短時間で全て倒すか。なるほど、確かに実力は本物のようだな、“桃華の切削者”、そして“深緑の断罪者”…」

 

 

「…! 私達のことを知ってるなら、大人しくしてた方が身のため…」

 

 

「じゃないと即切り刻むデスよ!」

 

 

自らの得物を構えながら言い放つ調と切歌。だが、それに対してバルパーは…

 

 

「お前達の相手は私ではない。お前達の相手は…“あの男”にしてもらう」

 

 

「…? どういうこと…?」

 

 

意味深な笑みを浮かべつつ、そう返したのだ。それを聞いた調は当然疑問を抱くが、バルパーはここでフリードの方に目を向ける…。

 

 

「まだ聖剣の扱いに慣れていないのか、フリード? そんなラインなど、聖剣の因子を使えば簡単に切れるだろう?」

 

 

「へいへい…ホイサと!」

 

 

ズバンッ!!

 

 

「どわっ!?」

 

 

「! 匙!!」

 

 

ラインをあっさり切られた匙が倒れたのを見て、思わず声を上げるイッセー。

 

 

「ヒャッハーッ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

そして自由の身となったフリードが早速裕斗に斬り掛かるが……

 

 

「ふっ!!」

 

 

ガキィィンッ!!

 

 

そこへ何者かが乱入し、その凶刃を受け止める。その人物とは…先日協力関係を結んだ聖剣使いの少女──ゼノヴィアだった。その上、

 

 

「はーい♪」

 

 

「! 紫藤イリナさん! 何で…!?」

 

 

続いてもう1人の聖剣使いの少女──紫藤イリナも現れたのだ。これには匙も驚き、咄嗟に尋ねる。

 

 

「連絡をもらったから、駆け付けたわよ♪」

 

 

「…そういう手筈でしたから」

 

 

小猫が自身の携帯を見せながら答える。どうやらイッセーを投げた後に連絡を入れたらしい…。

 

 

「反逆の徒、フリード・セルゼン! バルパ―・ガリレイ! 神の名の下、断罪してくれるッ!!」

 

 

「ハッ! 俺様の前で、その憎ったらしい名前を出してんじゃねえよ! このビッチがッ!!!」

 

 

「はあああああああッ!!」

 

 

「! ホッホーイッ!!」

 

 

フリードとゼノヴィアが鍔(つば)迫り合いを起こす中、裕斗はそこを狙って斬り掛かる。だがフリードはそれをあっさりと跳躍で避け、バルパーのすぐ近くに着地した…。

 

 

「フリード、お前の任務は潜入してきた教会の者を消すことだ。まして、聖剣を持った者が2人も現れては分が悪い。ここは退くぞ」

 

 

「合点承知の助!!」

 

 

「「ッ……!!」」

 

 

すると、バルパーの言葉を聞いたフリードは何かを取り出し……

 

 

「はい! ちゃらばッ!!」

 

 

「「くっ…!!」」

 

 

カッ!!!

 

 

裕斗とゼノヴィアが咄嗟に攻撃を仕掛けるも、その前に閃光弾を駆使して逃走していった…。

 

 

「追うぞ、イリナ!」

 

 

「ええ!」

 

 

「僕も追わせてもらう!」

 

 

「! お、おい、木場ッ!!」

 

 

ゼノヴィアやイリナと共に後を追おうとする裕斗を見て、すぐさま止めようとするイッセー。だが、裕斗はその制止も聞かず、その場から姿を消してしまった…。更に、

 

 

「私達も追うデスよ、調!」

 

 

「うん…」

 

 

「ちょっ!? 切歌ちゃんと調ちゃんまで…!?」

 

 

「…止めましょう、イッセー先輩」

 

 

切歌と調まで動こうとし始めていたのだ。これにはイッセーと小猫もすぐに止めようとする…。と、その時だった…。

 

 

 

 

ガガガガガガガガッ!!!!

 

 

「「っ!!??」」

 

 

「な、何だッ!?」

 

 

突然調と切歌の周りの地面から、十数本の紫色の鎖が出現したのだ。そしてイッセーが驚きの声を上げる中、

 

 

シュルルルルルッ…!!

 

 

「あぅッ…!?」

 

 

「調!! ぐッ…!?」

 

 

その鎖は調と切歌の身体にあっという間に絡み付き、2人を完全に拘束してしまった。

 

 

「何、これ…!?」

 

 

「身体の力が、抜ける、デス…!」

 

 

「調ちゃん!! 切歌ちゃん!! ッ…!!?」

 

 

2人の様子を見たイッセー達は慌てて駆け寄ろうとするが、異変はイッセー達にも起こった…。

 

 

シュウウウウウウッ…!!!

 

 

何処からともなく上空から謎の粘液がイッセー達3人に降り注ぎ…

 

 

「こ、今度は何だよ!?」

 

 

「…動けません…」

 

 

「ッ!? “アイツ”がやったのか!? あんなの見たことないぞ!?」

 

 

イッセー達の身動きも完全に封じてしまった。そして匙が相手の正体を見て驚きを露わにするが…最も反応していたのは彼ではなかった…。

 

 

「どう…して……!?」

 

 

「う、嘘デスよ…。何で…」

 

 

“液晶ディスプレイ”のような光り輝く部位が最大の特徴である2体の姿に、あからさまな動揺を見せる調と切歌。当然であろう。何せそれは…この場に居てはならない存在なのだから…。

 

 

『キュオオオオッ!!』

 

 

「何で“ノイズ”がこんな所にいるデスか!!?」

 

 

「? ノ、“ノイズ”…?」

 

 

切歌の口から飛び出した異形の存在の名称に、全くピンと来ていない様子のイッセー達。と、その時……

 

 

 

 

「ククッ、ついにこの時が来ました…」

 

 

『ッ!!?』

 

 

調と切歌が倒した合成獣達の残骸を踏み越えつつ、1人の男が林の暗闇の中から姿を現した。年はおおよそ30代前半。金色の長い髪とは裏腹に“白衣”を纏っていることから、何処かの研究員のように見える…。

 

 

「すみませんが、ここからは私も参加させてもらいますよ? もっとも、今のあなた方に拒否権はありませんが…」

 

 

「…誰?」

 

 

「しがない“元”研究員ですよ。元、ね…」

 

 

調がやや苦しそうに問い掛けたのに対し、その男は何処か狂気染みた笑みを浮かべながら答えた…。背後に大量の異形の存在──ノイズを率いながら…。と、ここで、

 

 

「お、おい!」

 

 

「…何でしょう?」

 

 

「“何でしょう”じゃねえ!! 誰だあんたは!? フリード達の仲間か!?」

 

 

「先程も言った筈ですよ? 私は“しがない元研究員”です。後者の問いについては…そうですね。確かに協力関係は結んでいますから、あなた方の定義で言えば“仲間”ということになるのでしょう」

 

 

匙とイッセーが敵意を剥き出しにしながら尋ねているにもかかわらず、男は不気味な余裕を崩さずに答え続ける…。すると、

 

 

「ああ、ご心配なく。あなた方には一切用はありません」

 

 

「は…?」

 

 

「…それはどういう意味ですか?」

 

 

「そのままの意味ですよ。あなた方“3人”には用はありません。用があるのは…」

 

 

男はイッセーと小猫の問い掛けに答えつつ、ある人物達の下へ歩み寄っていく。それは…

 

 

「「…!!」」

 

 

「こちらの御二人です」

 

 

鎖で縛られて動けない状態の、調と切歌だった。2人の顔色は男が近付いてくるにつれて、段々と悪くなっていく…。

 

 

「わ、私達に用って、一体どういうことデスかッ!!?」

 

 

「おや、こうして“ノイズ”と共に現れた時点で、私がどのような研究員だったのかは予想できると思うのですが…。まあ、いいでしょう。では、確認の意味を込めて…」

 

 

「…! ダメッ…!」

 

 

そして調がこの上なく焦りの色を見せる中、男はこう口にした…。

 

 

 

 

 

「お久しぶりですね、“被験体836番”、“被験体837番”」

 

 

「「ッ……!!!」」

 

 

「ひ、被験体…?」

 

 

男の口から出た“被験体”という言葉に調と切歌が大きく反応する中、イッセーは意味を全く理解していない様子で呟く。

 

 

「その呼び名を使うなデス…」

 

 

「おや? 何か言いましたか?」

 

 

「ッ! その呼び名を使うなって言ってるデスッ!!!」

 

 

普段からは想像も付かない程の怒りを見せながら、声を荒らげる切歌。これにはイッセー達3人も驚くが、男はそれでも余裕の狂気染みた笑みを崩さない…。

 

 

「いやはや、怖い怖い。やはり環境が変わったとしても、その本質は“あの頃”と何も変わらないという訳ですか」

 

 

「っ…! あなたが本当に“あそこ”の人間だったとしても…私達にはもう関係無い…!」

 

 

「関係無い? いいえ、大いに関係あります。何せ貴女方は…我々が生み出した“究極の存在”なのですから…」

 

 

調が感情を露わにしながら声を上げると、男は意味深な言葉を口にした。

 

 

「おい!! 調ちゃんと切歌ちゃんをどうする気だ!?」

 

 

「? どうする? そんなもの決まっているでしょう? “持ち帰る”んですよ」

 

 

「ッ!!? も、“持ち帰る”…!?」

 

 

「当然でしょう? この御二人は元々、我々の“所有物”なのですから」

 

 

イッセーの問い掛けに対し、男は平然と言い放つ。本当に調と切歌の2人を…“物”として扱うかのように…。すると、

 

 

キィィィィィィィンッ…!!!

 

 

「ッ!? 何デスか、これ…!?」

 

 

「体が…消えて…!?」

 

 

「では、私はこれで。言葉通り、この御二人は持ち帰らせてもらいますよ…?」

 

 

調と切歌の足下に紫色の魔方陣らしきモノが現れたかと思うと、突如として2人の身体が粒子化し始めたのだ。

 

 

「ああ、その拘束は時間が経てば解けますので、御安心を」

 

 

「ふ、ふざけんなッ…!! クソッ!! 何で“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”が反応しねえんだよ!?」

 

 

「無駄ですよ。この子達は私の生み出した特別製でしてね。神器や魔力の発動を無効化します。実際、残りの御二人も身動きが取れていないでしょう?」

 

 

男の言ったように、イッセーや小猫、匙の3人は全く身動きが取れる様子ではなかった。特に小猫に関しては持ち前のパワーで無理矢理解けそうなものだが、その様子も一切無い…。

 

 

「き、切ちゃん…!」

 

 

「! 調…!」

 

 

「ククッ…さあ、帰りますよ? 我々が帰るべき場所へ…」

 

 

そして、調と切歌の身体の粒子化が上半身の所まで達した……その時、

 

 

 

 

 

 

 

「そいつ等の帰る場所は、テメエの所じゃねえ…」

 

 

『ッ…!!!』

 

 

突如として男の背後から、そんな声が聞こえてくる。声の主は“オレンジ色の髪”が最大の特徴の青年…。そう…黒崎一護である…。

 

 

ズバンッ!!!

 

 

「「お兄ちゃん(一兄)…!!」」

 

 

一護は躊躇なく“斬月”で男を真っ二つにすると、すぐさま切歌と調の下へ向かい…

 

 

「ふっ!!」

 

 

ザザァンッ!!

 

 

縛っていた鎖のみを斬り捨て、2人を解放した。そして…

 

 

バッ!!×2

 

 

「ッ…///!?」

 

 

「い、いきなり何してるデスか、一兄ッ////!?」

 

 

「やれ! “ガリィ”!! “ミカ”!!」

 

 

両手でそれぞれ抱き留め、2人が顔を赤くする中でその場を離れながら声を上げたのだ。すると…

 

 

「はいはい、分かってますよ」

 

 

「やっとミカ達の出番だゾ☆」

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!!!!

 

 

周りを取り囲むように待機していたノイズ達が、大量の鋭い氷塊とカーボンロッドによって次々と倒されていく。それを放ったのは…青を基調としたゴスロリ風の容姿をした少女(?)と、赤を基調とした大きな縦ロールの髪型が特徴的な少女(?)だった…。

 

 

「っ! あなた達…」

 

 

「な、何でここに居るデスか…!?」

 

 

「そこにいる男と“マスター”の命令に決まってるでしょう? 好きで“御子様の監視”をする趣味はありませんもの」

 

 

「でも、何だかんだで目を放した隙にこんなことになってたんだゾ☆ これは完全に“失態”って奴だゾ☆」

 

 

「うっせえッ!! 大体誰のせいで監視が中断したと思ってんだ! この“駄燃費人形”ッ!!」

 

 

切歌と調が驚く一方、青を基調とした少女(?)──ガリィ・トゥーマーンと、赤を基調とした少女(?)──ミカ・ジャウカーンはそんなやり取りを交わし始める。と、そこへ、

 

 

「動くなよ! イッセー!! 匙!!」

 

 

「小猫! お前もじっとしてろ!!」

 

 

ザザザザァンッ…!!

 

 

「! 当麻!!」

 

 

「…リクオ先輩…!」

 

 

イッセー達3人の下にはツンツンとした黒髪の青年―――上条当麻と、黒と白の棚引く髪が特徴の青年―――奴良リクオ(夜の姿)が現れ、彼等を拘束していた糸状の物体を一気に斬り裂いた。その手にはそれぞれ愛刀である〝祢々切丸”と…サーベル型の長剣が握られている…。更に、

 

 

「調!! 切歌!!」

 

 

「無事か、お前等!?」

 

 

「! マリア…!!」

 

 

「先輩、それに響さん達も…!」

 

 

「よかった、2人共大丈夫…」

 

 

「という訳ではないようだな…」

 

 

「ああ。響、未来、2人を頼む」

 

 

「「! はい!」」

 

 

そこへマリアやクリス、響、翼、未来も駆け付けてくると、一護は調と切歌を響と未来に託した。もっとも…

 

 

「随分遅い到着ですね~、“ハズレ装者”」

 

 

「! 後で色々聞かせてもらうわよ?」

 

 

「あら~、それは私よりマスターやそこにいる男に聞いた方が良いんじゃないですか~?」

 

 

その間にマリアとガリィが微妙な空気を醸し出したりしていたが…。

 

 

「い、一兄! 私達はまだ…!!」

 

 

「何言ってるのよ。どっちもフラフラじゃない」

 

 

「! 紗矢華さん…皆…!」

 

 

立ち上がろうとする切歌にそう言ったのは、たった今やって来た紗矢華だった。しかもその後ろには、エルザやアカメ達アイエールの学生組もいることに調が気付く…。と、ここで、

 

 

「これはこれは。初めまして、“アイエール”の皆さん」

 

 

『ッ…!!??』

 

 

「もっとも、“皆さん御揃いで”…という訳ではないようですが」

 

 

先程の男が“五体満足の状態”で再び姿を現した…。

 

 

「っ! 嘘ッ!?」

 

 

「どうなってんだよ!? さっき一護が真っ二つにした筈だろ!?」

 

 

「そんな訳ないでしょ? もし本当に生身の体だったら、今頃あの辺りに“真っ赤な血溜り”が出来てる筈だし」

 

 

「い、言ってることが怖いですよ、クロメさん…!(ブルブルブルッ)」

 

 

ルーシィとナナに対するクロメの発言を聞いて、思わずガクガクと身体を震わせるウェンディ。そんな中、

 

 

「分身……その能力(ちから)、やっぱり“神獣鏡(シェンショウジン)”か?」

 

 

「ククッ…ええ、御明察です」

 

 

「っ!? そんな!?」

 

 

「お、おい、何言ってんだよ!? そんな筈ねえだろ!? だってそいつは…!!」

 

 

一護と男のやり取りを聞いた瞬間、響とクリスは驚きを露わにした。当然である。何しろその神獣鏡は……

 

 

「私の神器の能力を…? どうして……」

 

 

他でもない、未来が現在所有している神器のことなのだから…。

 

 

「対“絶唱機甲(シンフォギア)”戦において絶大な効力を発揮し、“絶唱機甲殺し”と称される最凶の存在…“神獣鏡”…。やはり異名に違わぬ素晴らしい力ですね~」

 

 

「気を付けて…この人は…」

 

 

「“あそこ”の元研究員、デス…!」

 

 

「ッ! まさか…!?」

 

 

「“あの組織”の関係者ということかッ…!!」

 

 

調と切歌から男の素性を聞いた瞬間、マリアはあからさまに驚愕し、翼は強い憤りを露わにしながら剣の切っ先を向ける。

 

 

「お、おい、本当に何がどうなってんだ?」

 

 

「俺にもさっぱり分かんねえよ…。なあ、当麻、リクオ」

 

 

「悪い、イッセー。話は後だ」

 

 

「今はそれどころじゃねえからな…」

 

 

「…リクオ先輩?」

 

 

いつになく真剣な口調で当麻とリクオがそう言うと、小猫は普段とは明らかに違う様子を見て、心なしか不安げな表情を浮かべる…。

 

 

「しかし、これは実にありがたい。こうして“装者”の方々全員を連れてきてくださるとは、まさに鴨が葱を背負ってきてくださったようなもの…」

 

 

「ッ! 何意味分からねえこと言ってやがんだ、テメエッ…!!」

 

 

「おや、そのままの意味だと思いますがねぇ…?」

 

 

今にも攻撃を仕掛けそうなクリスに対し、意味深な発言を続ける男。すると…

 

 

「…狙いは響達“装者全員”か?」

 

 

「ええ。むしろ、それ以外に何があるというんですか…?」

 

 

「っ!? 私達、全員…?」

 

 

当麻の問いに対する男の発言に、動揺を見せる響。そこには…普段の彼女からは決して想像できない、“怯え”の色が見て取れた…。

 

 

「何をそんなに驚いているんですか? 私はただ、“自分の物を取り返しに来た”…と言っているだけの話ですよ?」

 

 

「ッ! “自分の物”って…あんたは響達を一体何だと思ってるのよッ!!?」

 

 

ルーシィが激昂しながら尋ねると、男は笑みを崩すことなく答えた…。

 

 

「何度も言ってるじゃありませんか…。その方々は“我々が生み出した作品”であり…今は“私の所有物”に他なりません」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、この場に居た殆どの者達が戦慄する。男は一切ふざけてなどいない……本心でそう述べていたのだ。それ故に…男はあまりにも危険だった…。

 

 

「では、この場でまとめて持ち帰らせていただきましょう…。やりたいことが沢山ありますから…」

 

 

『キュオオオオオッ!!』

 

 

『ッ…!!!!』

 

 

そして男が再びノイズを出現させ、それを見た響やイッセー達も警戒感を露わにしながら構えようとした…その時だった……。

 

 

 

 

 

 

「黙れ…」

 

 

『…(ゾクッ!!!!)』

 

 

突如その一言が響き渡った瞬間、一触即発だった雰囲気は一気に変化する。今まで反応を見せなかったガリィやミカでさえ、思わず眉を潜ませる程の“殺気”を放ったのは……一護だった…。

 

 

「響達がお前等の作品だと…? ふざけるなよ…〝あの計画”がどれだけ血を流させたと思ってやがる…。あの腐り切った場所で、コイツ等がどれだけ苦しんだと思ってやがる…」

 

 

一護がそう言いながら一歩ずつ前へ出ていくと、それに合わせて周囲の地面が細かく罅(ひび)割れる…。

 

 

「俺は何がなんでもコイツ等を護らなきゃなんねえんだ。テメエには渡せねえよ…死んでもな…」

 

 

「一護さん…」

 

 

一護のそんな言葉を聞き、何故か表情に陰りを見せる響。それは翼やマリアなど、他の“七星の歌姫”達も同様だった。すると、それに対し…

 

 

「クククククッ、勇ましいですね~! 流石は計画を潰した中心人物という訳ですか。いやはや、まったく…」

 

 

男は今まで浮かべていた笑みを捨て……

 

 

 

 

 

「ふざけたこと抜かしてんじゃねえよ、糞餓鬼(クソガキ)が…」

 

 

冷徹な形相を浮かべながら、そう口にしたのだ。口調もこれまでの敬語口調から一転して、非常に粗野なモノへと変化している…。

 

 

スッ…!

 

 

「今この場で言っておく…。コイツ等には指1本触れさせねえ…。テメエは俺が、確実に“潰す”…」

 

 

「ハッ、やれるもんならやってみろ。その小娘共は、必ず俺が手に入れる…。テメエをぶち殺した後でな…」

 

 

そして一護が右手を突き出して構える中…それが最後の掛け合いとなった…。

 

 

「破道ノ八十八、“飛竜撃賊震天雷砲”…」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!!!!

 

 

一護の右手から放たれた巨大な光線は、男と周囲にいたノイズ達をあっという間に飲み込み、大爆発を起こす。土煙が消えると、その場は最早……ただの更地と化していた…。

 

 

「や、やったのか…?」

 

 

「やってねえよ。あれもさっき一護がぶった斬った奴と同じ、“分身”だ。本物はどっかで今頃、高みの見物を決め込んでるだろうな」

 

 

「お、おい、目の前の景色には誰も触れないのかよ…?」

 

 

「…同じような景色を前にも見ていますから」

 

 

イッセーの問い掛けにリクオが答える中、匙は小猫の発言を聞いて完全に言葉を失った。ちなみに小猫の言う“景色”が、先日のライザー・フェニックスの婚約パーティーの際のモノである事は……言うまでもない…。と、そこへ、

 

 

「どうやら既に終わったようだな…」

 

 

「み、皆さん大丈夫ですか!?」

 

 

「あら、マスター? こんな時間にようやく来るなんて、横綱出勤もいい所ですわね♪」

 

 

「ガリィ、お前には後で話がある」

 

 

「あら、校舎裏で愛の告白ですか~?」

 

 

「ただの説教だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

 

遅れて3人の人物がやって来た。ガリィとミカにとっての“主人”というべき存在の少女──キャロル・マールス・ディーンハイムと、彼女によく似た少女──エルフナイン、そして……

 

 

「お前も一緒に来たのカ、変態博士?」

 

 

「おや、久しぶりに会って早々“変態博士”とは、酷い言われ様ですねぇ」

 

 

「事実なんだからどうしようもないゾ☆」

 

 

言わずと知れた変態博士──ドクター・ウェルである…。

 

 

「多少派手に暴れたようだな」

 

 

「ああ、一護が少しキレてな…。説明した方がいいか?」

 

 

「必要ない。おおよその見当は付くからな」

 

 

当麻が事の詳細を説明しようとするが、キャロルはそう返しつつ一護や響達の方に目を向ける。

 

 

キィィィィンッ…!!

 

 

「! お兄ちゃん」

 

 

「ああ…」

 

 

ここで突如現れた魔方陣に気付く芽亜とリクオ。しかし警戒をする様子は全く無かった。何しろそれは…彼等のよく知る人物達のモノだったからである…。

 

 

「! 当麻、イッセー…!!」

 

 

「よぉ、遅かったな、リアス」

 

 

「あらあら、どうやら終わってしまったようですわね」

 

 

まず最初に姿を現したのは、オカルト研究部の部長であるリアスと、副部長の朱乃…。

 

 

「これは…」

 

 

「! ソーナ、椿姫」

 

 

「あなた達も来たのね?」

 

 

「ええ、今回は私達にも関係があるようですから…」

 

 

次に姿を現したのは、生徒会副会長である少女──神羅椿姫と、生徒会長を務める少女──ソーナ・シトリーである。ちなみにソーナがエルザとミラジェーンにそう言いながら“或る人物”に目を向けると、その人物は“蛇に睨まれた蛙”のようになってしまったのだが…まあ、気にしなくてもいいだろう…。

 

 

「裕斗君の姿が見えませんが、やはり…」

 

 

「はぐれ神父を追っていったと考えた方がよさそうね、あの聖剣使いの2人と一緒に…。彼女達と一緒なら簡単に遅れも取らないでしょう。問題は…むしろこっちね…」

 

 

朱乃の言わんとしている事を先に言ったリアスは……

 

 

「何があったのか話してもらうわよ? 当麻、イッセー」

 

 

「! は、はい…」

 

 

その問い掛けに対し、やや緊張した様子のイッセー。しかし、当麻達は…

 

 

【当麻】

 

 

【ああ…ここまで来たら話すしかねえだろ。響達には辛いだろうが…な…】

 

 

【…話は俺がする】

 

 

【その方が良いだろうな。何しろお前は…“あの一件”の一番の当事者なんだからよ…】

 

 

何か覚悟を決めた表情を浮かべつつ、頭の中でそんな会話をしている。そして、そんな彼等の目は……今までとは様子が違う、響達7人の方に向けられていた…。

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