ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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大変ご無沙汰しております。およそ5ヶ月ぶりの投稿です。


今回は後半が滅茶苦茶混沌としているので、御了承ください…。主に“中の人ネタ”だったりしたりしなかったり…。


では、本編をどうぞ。




バカは遅れてやってくる

当麻達の暮らしている屋敷の敷地内。以前も述べたように、ここにはちょっとした林もあれば、人工の池もある。そして現在、その林の中で複数の怪しい影が蠢(うごめ)いていた…。

 

 

「ここで間違いないな?」

 

 

「ああ…ここがあの“アイエール”のアジトだ」

 

 

十数ほどの影の内の2つから、そんな会話のやり取りが聞こえてくる。見た目は人間の男性だが…その雰囲気は明らかに“人外”のものだった…。

 

 

「情報通り、奴等はコカビエルの下へ向かったか」

 

 

「ああ。しかし、こうも易々と侵入できるとはな。魔王クラスの神器所有者がゾロゾロ居ると聞いていたが、所詮は出来たばかりの組織…あの程度の結界しか張れないようでは、高が知れるな…」

 

 

アイエールという組織そのものに対し、小馬鹿にするような評価を口にする2人の男達。彼等がここへ侵入してきた目的は…

 

 

「魔力を持たない雑魚達の気配もするが…やはり居るぞ、あの“煌炎の朧姫(ファルプラム)”が…」

 

 

「“大魔王”と互角に渡り合ったと言われている、北欧最強の戦乙女(ヴァルキリー)…。しかし、どうやら病に伏せているというのは事実らしい」

 

 

「病に倒れているのであれば、恐るるに足りん。“最強の戦乙女を捕らえる”絶好の機会だ。その上…女としても相当な上物という話だからなぁ…」

 

 

屋敷の中で床に伏せているサーシャである。しかも片方の男の発言からも分かるように、この男達は俗に言う“下衆”と評価されるような性質の持ち主だった…。

 

 

「そろそろ行くぞ。あちらへ向かった連中が戻ってくる前に、目標を達成しなくては…」

 

 

「分かっている。では…」

 

 

そして、2人の人外の男達が背後にいる仲間と共に屋敷へと突入しようとした…その時、

 

 

 

 

 

「随分と薄汚い蝙蝠(コウモリ)共だな」

 

 

「「ッ!!??」」

 

 

そんな声が何処からともなく響き渡ったかと思うと…そこから蹂躙は始まった…。

 

 

「悪魔の丸焼きショーの始まりだゾ☆」

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオッ…!!!

 

 

『ギイャアアアアアアアアアアアアアアッ…!!?!?』

 

 

背後にいた人外の仲間達の内、ある者達は横から突如放たれた業火に焼かれ…

 

 

「うっさい! いいから黙って始末しろっつーの!!」

 

 

ドシュッ!!×4

 

 

ある者達は水で構成された鋭利な槍で心臓を貫かれる…。

 

 

「地味な連中だ。精々派手に死ね」

 

 

ドガアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

ある者達は上から降ってきたコイン状の物体に押し潰され…

 

 

「本当につまらない相手ですわね。あの堕天使さんの方がまだ愉しく踊れそうな気がしますわ」

 

 

ザァンッ!!×4

 

 

ある者達は西洋剣による一振りで胴を真っ二つに斬り裂かれる。その結果…この場に残ったのは、件(くだん)の2人の男達のみとなった。そして…

 

 

「な、何だこれは…!? 一体どうなっているッ!!?」

 

 

「こうも誘いに容易く引っ掛かるとはな。所詮は自己顕示欲の高い蝙蝠という訳か」

 

 

「ッ! き、貴様は…!!?」

 

 

男達が数秒で全滅した仲間達の姿に驚く中、そこへ1人の人物が姿を現す。それは…

 

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムッ…!!?」

 

 

魔法使いを連想させるような格好をした金髪の少女──キャロルだった。しかも彼女の後ろには、先程の蹂躙劇を繰り広げた4体の自動人形達の姿もある。

 

 

「ば、馬鹿な!? 何故…」

 

 

「何故一切力の気配を感じなかったオレ達がここにいるのか…とでも聞くつもりか?」

 

 

「ッ…!!」

 

 

自身がまさに口にしようとしたことを先に言われ、あからさまに驚愕する片割れの男…。

 

 

「存在を感知させないようにすることなど、オレにとっては造作も無い。あとはノコノコ現れた貴様等を狩ればいい話だ。ここが“もぬけの殻”だと思い込んだ貴様等をな」

 

 

「…我々を誘い込んだというのか?」

 

 

「そう言っている筈だがな。それとも貴様等悪魔は、この程度の内容も理解できない“無能”なのか?」

 

 

ボゴオオオオオオオオオオンッ…!!!!

 

 

キャロルの見下すような発言を聞いた瞬間、人外の…“悪魔”の男2人の内の1人が目の前の地面に拳を叩き付けた。その威力は尋常ではなく、数メートル程の深さのあるクレーターが出来ている…。

 

 

「言葉を慎んだらどうだ? いくら“歴代最強”と言われようが、所詮は人間の域を出ない“錬金術師”…」

 

 

そう言いながら、悪魔の男は両手に魔力を集束し始める。それはもう1人の悪魔も同様だった…。

 

 

「人間に悪魔が劣るなど…断じてあり得んッ!!」

 

 

ズガアアアアアアアアアンッ!!!!

 

 

悪魔の男達の放った魔力砲は真っ直ぐキャロル達へと向かい、大爆発を引き起こした。前方は一瞬で火の海となり、彼女達の姿は一向に見えてこない…。と、次の瞬間、

 

 

「グエッ!!?」

 

 

「なっ!!?」

 

 

悪魔の男達に異変が襲い掛かった。突如彼等の身体に鋼線が巻き付き、身動きを封じてしまったのだ。すると…

 

 

「醜い誇りだな。醜過ぎて反吐が出る…」

 

 

「「ッ!!??」」

 

 

燃え盛る炎の中からガリィ達自動人形(オートスコアラー)引き連れて、1人の人物が姿を現す。その人物は…露出の高い紫色のプロテクターを身に纏った、見た目20代半ばくらいの女性だった。

 

 

「だ、誰だ貴様はッ!!?」

 

 

「誰だと? 自分が攻撃した相手を忘れたのか?」

 

 

「ッ!? まさか…!!?」

 

 

「本来であれば、貴様等のような蝙蝠共に使う必要など無いのだがな。調整の足しくらいにはなるだろう…」

 

 

悪魔達の目の前にいる女性…それは言うまでもなく、先程悪魔達が攻撃した相手───キャロル・マールス・ディーンハイムである。しかしその変貌ぶりに、悪魔達は信じられない様子で思わず声を上げた。

 

 

「グギギッ…!!??」

 

 

「っ!? ま、待て!! 今すぐに引き上げるし、今後一切お前達に危害を加えるような真似はしない!! だから…!!」

 

 

「…そうか。では…」

 

 

キャロルがそう口にし始めた瞬間、悪魔の男は心の中でほくそ笑む。自身の上辺だけの命乞いが成功したと思ったのだ。そして…

 

 

ザシュッ…!!!

 

 

「失せろ…」

 

 

悪魔達は鋼線によって、物言わぬ無惨なバラバラ死体へと成り下がった…。

 

 

「血の海に沈む悪魔か…。中々派手だな」

 

 

「ふふっ、そうですわね。こちらの姿の方がお似合いですわ」

 

 

「出来ればもう少し焼きたかったゾ☆」

 

 

目の前に広がる凄惨な光景を前にしても、呑気にそんなやり取りを交わすレイア、ファラ、ミカの3人。その一方で、

 

 

「マスターも結構えげつないですねぇ? 1回油断させてから瞬殺するなんて♪」

 

 

「お前だけには確実に言われる筋合いがない。むしろこれはお前の方がよく使う手だろう」

 

 

「あらあら、心外ですよマスタ~? 私がそんなに性根の腐った人形に見えますか~?」

 

 

「むしろ何処に性根の腐っていない要素がある…! まったく、やはりお前の性格が一番堪(こた)えるな…」

 

 

ガリィは相も変わらず性根の腐った性格を前面に出していた。これにはキャロルもそう溜め息混じりに呟かざるを得ない…。と、その時、

 

 

「立体文字(ソリッド・スクリプト)! 爆発(エクスプロード)ッ!!」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

「はあああああああっ!!!」

 

 

ザシュッ!!!×3

 

 

『グアアアアアアアアアアアッ!!!??』

 

 

そんなキャロル達の近くで爆発が起きたかと思うと、黒煙の中から断末魔が聞こえてきたのだ。そして、暫くしてそこから姿を現したのは……

 

 

「! キャロル!」

 

 

「そっちも終わったみたいだね?」

 

 

銀髪ショートカットが特徴の少女―――リサーナと、青髪が特徴の少女―――レビィだった。尚、リサーナの格好は白黒の縞柄の猫を連想させるような露出の高いものとなっており、頭には猫耳も生えている…。

 

 

「お前達か」

 

 

「おー、こっちの悪魔達もちゃんとこんがり焼けてるゾ☆」

 

 

「敷地内に悪魔の反応無し…。侵入した悪魔達の排除は、これで完了だな」

 

 

2人の姿を見たキャロルが素っ気なく呟く一方、ミカとレイアはそれぞれ悪魔の残骸を木の枝で軽くつついたり、悪魔の気配が無いことを確認したりしていた。

 

 

「でも、まさかこんな時に悪魔が侵入してくるなんて…。それに狙いは…」

 

 

「サーシャ…だよね?」

 

 

悪魔が侵入してきたことに加え、その狙いがサーシャであったことに対して表情を曇らせるリサーナとレビィ。それに対し、

 

 

「彼女が病に侵されてるという噂は既に広まっていますわ。恐らくその状態なら物に出来ると踏んで、今回の愚行に及んだのでしょう」

 

 

「ええ、全く御馬鹿にも程があるって話ですよぉ。何しろ、“その噂自体、実は大外れ”なんですからねぇ…」

 

 

ファラとガリィは気にした様子も無く淡々とそう口にした。特にガリィは何処か愉快気に意味深な言葉を口にしていたが…。と、その時、

 

 

<ズガアアアアアアンッ………!>

 

 

『……!』

 

 

遠くの方から聞こえて来た轟音を耳にして、思わずそちらに目を向けるキャロルやレビィ達。その方角にあるのは…

 

 

「学園の方から…。戦いが始まったみたいだね」

 

 

「ミラ姉達のことだから、心配する必要なんて微塵も無いんだけど…」

 

 

「いや、むしろ敵の心配をした方が良いと思うゾ?」

 

 

「ていうか、あんたは行かなくてよかった訳? 3本の聖剣が合体すんでしょ? 御自慢の“剣殺し(ソードブレイカー)”でバラバラにしたいと思わなかったの?」

 

 

「ええ、完全に興味を失くしましたわ。あの程度のモノが3本合わさった所で高が知れますし……

それに、何となく私が出る幕ではないような気もしましたから」

 

 

ガリィの問い掛けに対し、心底どうでもいいといった様子で答えるファラ。そして…

 

 

「用は済んだ。戻るぞ」

 

 

「また部屋に籠って研究? 程々にした方が良いんじゃない?」

 

 

「それはお前の隣にいる本の虫に言ったらどうだ?」

 

 

「っ!? えっと……」

 

 

キャロルとリサーナ、レビィがそんなやり取りを交わす中、全員その場を後にして屋敷へと戻っていく。そんな彼女達の後ろには悪魔の残骸は勿論のこと、戦闘の形跡そのものが全て無くなっていた…。と、その時、

 

 

「た、大変です~…!!」

 

 

「! あら? あれはエルフナインではありませんの?」

 

 

「どこからどう見てもそうだな」

 

 

前方からやってくる小さな人影を見た瞬間、ファラとレイアはその人影の正体がアイエールの技術担当の1人――エルフナインであることに気付いた。

 

 

「はぁ…はぁ…や、やっと見つけました…!」

 

 

「何でお前がここに居るんだゾ?」

 

 

「あのメイドと一緒に聖剣遣いの見張りをしてた筈よね~? ひょっとしてサボりですかぁ?」

 

 

「! ち、違いますよ、ガリィ…!」

 

 

ミカとガリィの問い掛けを聞いて、慌ててそう答えるエルフナインだったが…

 

 

「さっさと本題に入れ。何があった?」

 

 

「! た、大変なんです! 実は……」

 

 

キャロルにそう尋ねられると、慌ててやってきた経緯を話し始めるのだった…。

 

 

☆☆

 

 

 

 

場所は再び戻り、駒王学園での戦いは大きな戦況の変化が起きていた。何故なら…

 

 

『大丈夫──』

 

 

『皆が集まれば──』

 

 

『受け入れて──』

 

 

『僕達を――』

 

 

響き渡るのは魂の声…。かつて聖剣計画によって無慈悲にその命を奪われた、少年少女達の声である…。

 

 

『怖くない──』

 

 

『たとえ、神がいなくても──』

 

 

『神が見ていなくても──』

 

 

『僕達の心は、いつだって──』

 

 

そしてその声を涙を流しながら受け止めていた、今を生きている青年――木場裕斗は…

 

 

「――――1つだ」

 

 

その瞬間、少年少女達の魂は蒼白い光りの奔流となり、裕斗を包み込んだ。すると、そんな光景を見て…

 

 

「ねぇ、シノン」

 

 

「…! 何?」

 

 

「“生きてる”って、大切な事だよね。やっぱり…」

 

 

「…ええ…」

 

 

ユウキが周囲にいるノイズ達を斬り払った所で、近くにいたシノンにそう言ったのだ。しかもそんな彼女の左手には…いつの間にか、紫色の宝石があしらわれた“銀のロザリオ”があった…。

 

 

「同志達は、僕に復讐を願ってなんていなかった…望んでなかったんだ…。でも、僕は目の前の邪悪を打ち倒さなければならない。第二、第三の僕達を生み出さないために…!!」

 

 

「フンッ、愚か者めが…素直に廃棄されていれば良いものを…!」

 

 

覚悟の籠った視線を向ける裕斗の言葉に対し、依然として余裕を崩さない聖剣計画の首謀者──バルパー・ガリレイ…。と、その時、

 

 

「木場ァァァァッ!!! フリードの野郎とエクスカリバーをぶっ叩けッ!!!」

 

 

「! イッセー君…」

 

 

「あいつ等の想いと魂を、無駄にすんなァァァァァァッ!!!」

 

 

イッセーが腹の底から声を出し、裕斗へ激励の言葉を掛けたのだ。更に、

 

 

「やりなさい、裕斗! 貴方はこのリアス・グレモリーの眷属…私の“騎士(ナイト)”は、エクスカリバー如きに負けはしないわ!!」

 

 

「裕斗君、信じてますわよ!」

 

 

「…裕斗先輩!」

 

 

「木場さん…!」

 

 

リアスや朱乃、小猫、アーシアも続けて裕斗にそう声を掛ける。すると、それを見て、

 

 

「俺の前で余所見をする余裕があるのか、リアス・グレモリー!」

 

 

「ッ…!?」

 

 

裕斗に目を向けているリアスに向かって、コカビエルが光の槍を手にしながら迫る。両者の力量差を考えれば、リアスは即座に墜ちていただろう。だが、そうはならなかった。何故なら…

 

 

「余所見をしてるのはテメエの方だ」

 

 

「ッ!!?」

 

 

ザシュッ…!!

 

 

「グオッ!?」

 

 

上空から飛んできた斬撃がコカビエルを阻んだのだ。コカビエルは咄嗟に後退したものの、動きが甘かったのか肩口を軽く斬り裂かれている…。そんな斬撃を放ったのは…

 

 

「当麻…!」

 

 

左手にサーベル型の長剣を手にしている青年──上条当麻だった。そしてリアスが思わず声を上げる中、当麻も裕斗に対して声を掛ける…。

 

 

「復讐なんて下らない幻想に囚われるな、木場! そいつ等の願いが分かったんなら、その下らない幻想ごとぶった斬ってこい!!」

 

 

「! 当麻君…」

 

 

「ま、そういうこった」

 

 

「…!」

 

 

当麻の言葉に続けて、最後にリクオがこう言い放つ…。

 

 

「お前の力が何のための物か、これで理解できたんじゃねえのか…? お前の本当の力、ここで見せてもらうぜ? “木場裕斗…」

 

 

「リクオ君…」

 

 

裕斗はその言葉を聞き終えると、より一層覚悟の籠った真剣な表情を見せた。すると、

 

 

「フリード!」

 

 

「はいなっ!」

 

 

スタッ…!!

 

 

「あーあー、なぁに感動シーンなんて作ってんですかねぇ~? あ~、もう聞くだけで御肌がガサついちゃう! もう限界ッ! とっととテメエ等を斬り刻んで、気分爽快になりましょうかね~ッ!?」

 

 

バルパーの呼び声を聞いて駆け付けた“はぐれ祓魔師(エクソシスト)”──フリード・セルゼンは、狂気に満ちた笑みを浮かべながら歪な聖剣を構える。だがその剣を目の前にしても、裕斗は一切動じることなく自らの魔剣を高々と掲げた。そして…

 

 

「僕は剣になる…! 僕の魂と融合した同志達よ、一緒に越えよう! あの時果たせなかった想いを、願いを! 今部長と、仲間達のための剣になる…“魔剣創造(ソード・バース)”ッ!!」

 

 

その瞬間、裕斗の手にしている魔剣が正反対の“黒と白のオーラ”を纏い始め、やがてその姿を変えた。そして裕斗は、こう口にする…。

 

 

「禁手(バランス・ブレイク)、“双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)”…聖と魔を有する剣の力、受け取るといいッ!!」

 

 

「ッ!!? せ、聖魔剣だと!? あり得ない!! 反発する二つの要素が混じり合うなど、ある筈がッ…!?」

 

 

裕斗の持つ剣の正体を理解し、驚愕を隠せないバルパー。一方、こちらでも…

 

 

「へぇ~、ここでその状態に至ったんだ」

 

 

「恐らくあの男の奥底にある復讐心が、それを妨げていたんだと思う。そこから解き放たれたのなら、“禁手”に至るのはむしろ当然だ…」

 

 

クロメとアカメが珍しく感心した様子で裕斗を見ながら話している。と、ここで、

 

 

「リアス・グレモリーの騎士、まだ共同戦線は生きているか?」

 

 

「…だと思いたいね」

 

 

「ならば共に破壊しよう、あのエクスカリバーを」

 

 

「っ! いいのかい?」

 

 

「最早あれは聖剣であって聖剣ではない…“異形の剣”だ」

 

 

「…分かった」

 

 

ゼノヴィアが裕斗の隣に立ち、フリードの持つエクスカリバーの破壊を申し出たのだ。少し驚きながらも、その提案に頷く裕斗。するとそれを聞いたゼノヴィアは、

 

 

ガッ…!

 

 

自らの持っていた破壊の聖剣を地面に突き刺し、右手を真横に向かって突き出したかと思うと…

 

 

「ペトロ、バシリオス、デュオニシウス、そして聖母マリアよ…我が声に耳を傾けてくれ…」

 

 

そんな詠唱を呟いた途端、神々しい光の魔方陣が出現し、そこから一振りの剣が登場したのだ。次元空間から取り出されたその剣は、あちこちを鎖で厳重に繋がれている…。

 

 

「この刃に宿りし聖闘士(セイント)の御名において、我は解放する…!!」

 

 

パキィィィィィンッ…!!

 

 

続いての詠唱によって鎖から完全に解き放たれた剣を手にしたゼノヴィアは、構えながらその剣の名を言い放つ…。

 

 

「聖剣、“デュランダル”ッ!!」

 

 

『ッ…!!』

 

 

“デュランダル”という名を聞いた瞬間、その場に居た殆どの者達が驚きを露わにした。グレモリー眷属は勿論の事……

 

 

「デュ、デュランダルって…!?」

 

 

「エクスカリバーに並ぶ強力な聖剣だ。しかし…」

 

 

「まさかあの娘(こ)が持っているなんてね。ということは、つまりあの娘(こ)は…」

 

 

ルーシィやエルザ、ミラジェーンを始めとするアイエールの面々も同様であった。そしてミラジェーンの言わんとしていることは、すなわち…

 

 

「馬鹿なッ!? 私の研究では、デュランダルを扱える領域まで達してないぞッ!?」

 

 

「私はそいつやイリナとは違う…数少ない“天然物”だ」

 

 

「ッ!! 完全な適性者…“真の聖剣使い”だというのかッ!?」

 

 

バルパーに対するゼノヴィアの発言と全く同じものである。一方、それを見た当麻とリクオはというと…

 

 

【まさかデュランダルの使い手だったとはな…】

 

 

【天界の連中が選抜したのも多少納得だな。だが…】

 

 

【ああ、分かってる…】

 

 

デュランダルを手にしているゼノヴィアを見ながら、久々に頭の中での会話を行っていた…。

 

 

「こいつは触れた物は何でも斬り刻む暴君でね。私の言う事も碌に聞かない…それ故異空間に閉じ込めておかないと、危険極まりないんだ」

 

 

「ッ! そんなのありですかァァァァッ!!!」

 

 

ガキィィィィンッ!!

 

 

ゼノヴィアがデュランダルについて軽く話していると、苛立ちを露わにしたフリードが斬り掛かったことで戦闘開始となった。フリードは一旦斬りかかった所で後退し、エクスカリバーの能力を駆使して攻撃するが…

 

 

「はあッ!!」

 

 

ザァンッ!!!

 

 

「ここに来ての超展開ッ!!?」

 

 

デュランダルの一閃によって、容易く切り裂かれた。あまりのデュランダルの強さに思わず意味不明な言葉を口にするフリード。

 

 

「所詮は折れた聖剣ッ! このデュランダルの相手にはならないッ!!」

 

 

「ッ! クソッタレがァァァァァァッ!!!」

 

 

シュンッ!!

 

 

「そんな設定、いらねえんだよッ!!」

 

 

今度はゼノヴィアが斬り掛かるが、フリードは再びエクスカリバーの能力を使って素早く回避する。と、そこへ、

 

 

シュンッ!!

 

 

「ッ!?!?」

 

 

「そんな剣でッ!!」

 

 

キィィンッ!! キィィンッ…!!

 

 

今度は裕斗が斬り掛かり、空中で素早い剣戟の応酬となった。だが、それも殆ど一瞬の事であった。何故なら…

 

 

「僕達の想いは断てないッ!!!」

 

 

バキィィィィィンッ…!!!!

 

 

「お、折れたァァァァァァァッ!!??」

 

 

フリードの持っていたエクスカリバーが破壊されたのだから…。受けた攻撃の反動で、堪らず地面に膝を着くフリード…。そして…

 

 

「マ、マジ、ですか…? この俺様が、クソ悪魔如きにッ…!!」

 

 

ザシュッ…!!!

 

 

「ガハッ…!?」

 

 

ドサッ…!!

 

 

「見ていてくれたかい? 僕達の力は、エクスカリバーを超えたよ…」

 

 

遅れてやってきたダメージによってフリードが倒れ伏すと、裕斗は万感の想いを込めながら呟いた…。一方、その光景を見ていたバルパーはというと、

 

 

「何ということだ! 聖と魔の融合など、理論上…!」

 

 

ジャキッ!!

 

 

「ヒィッ!?」

 

 

「バルパー・ガリレイ! 覚悟を決めてもらおうッ!!」

 

 

依然裕斗の手にしている聖魔剣についての考えに浸っていた。フリードを倒し終えた裕斗が自身に切っ先を向けて来たことに気付いて怯えつつも、考えることを止めようとしない。すると、

 

 

「! そうか、分かったぞッ!! 聖と魔、それらを司るバランスが大きく崩れているのであれば説明が付く!! つまり魔王だけでなく、“神”もッ…!!」

 

 

バキィィィィィィンッ!!!

 

 

それは一瞬の出来事だった。上からバルパーに迫ってきた光の槍が、瞬時に移動してきた“或る人物”によって破壊されたのだ。その人物とは…“煌華麟(デア・フライシュッツ)”を手にしている少女――煌坂紗矢華だった。

 

 

「な、何故私を…」

 

 

自身への凶刃を防いでくれたことが理解できないのか、バルパーは思わず呆然としていた…。と、次の瞬間、

 

 

シュンッ!!

 

 

「はあッ!!」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

「グボァッ!?!?」

 

 

突如目の前に現れた少女―――姫柊雪菜の掌底を諸に受け、バルパーは地面を無様に転げ回った。そこには丁度、驚きで少し固まってしまっている裕斗の姿が…。

 

 

「貴方の手でケリを着けてください、木場先輩!」

 

 

「ボーッとしてんじゃないわよ…。あの子達の想いに応えるんでしょ?」

 

 

「…! ありがとう、2人共…」

 

 

雪菜と紗矢華の言葉を聞いて、驚きつつも柔らかな笑みを浮かべる裕斗。そして自身の持つ聖魔剣で…

 

 

「同志達の無念、ここで果たさせてもらう」

 

 

ザシュッ!!

 

 

「ガフッ…!?」

 

 

バルパーを叩き斬り…自らを長年苦しめていた復讐を終えた…。

 

 

「悪ぃな、雪菜、紗矢華。お蔭で助かった」

 

 

「! いえ…」

 

 

「礼を言われる程のことはしてないわよ…。少し思う所もあったし、ね…」

 

 

当麻が一旦降り立って感謝の言葉を口にしたのに対し、何処か複雑な表情を浮かべつつそう返す雪菜と紗矢華。と、ここで、

 

 

「ハハハッ! 今の動きも残像程度でしか認識できなかったぞ!! やはり貴様等との戦いは心弾むモノになりそうだな、アイエールッ!!」

 

 

「! コカビエル、今のは一体何の真似?」

 

 

「フッ、俺はそいつ等やエクスカリバーが居なくても別にいいんだ。エクスカリバーなど、所詮“ちょっとした余興”に過ぎんのでな…」

 

 

「ッ! 余興だと…!?」

 

 

先程の光の槍を放った張本人―――コカビエルがリアスの問い掛けに対して答えると、ゼノヴィアはその答えに不快感を露わにした。まあ、当然であろう。その言葉をそのまま受け取れば、教会の誇る伝説の聖剣を“余興の道具”程度にしか思っていないということになるのだから…。

 

 

「ああ、そうだ。エクスカリバーでは貴様等はともかく、そこにいるアイエールには太刀打ちできる筈が無い。何しろ魔王クラスの連中を裕に2桁も有しているという話だからな…。ならば、こちらもそれ相応の用意をしなくてはならないだろう?」

 

 

「ッ!? まさか、エクスカリバーを超える程の何かを手にしているとでも言うの!?」

 

 

「なッ!? エ、エクスカリバーを超えるモノ…!?」

 

 

続けてコカビエルがそう口にすると、リアスは驚きを隠せない様子で声を上げ、イッセーもまたそんな彼女の言葉に驚きを露わにした。すると、

 

 

キィィィィィィィンッ…!!!

 

 

「さあ、刮目しろ!! これが貴様等のために用意したとっておきの代物だッ!!」

 

 

「ッ! 来るぞッ!!」

 

 

「皆、気を付けてッ!!」

 

 

コカビエルの背後に巨大な魔方陣が展開し始めたのだ。それを見たエルザとミラジェーンはすぐさま警戒するよう促す。そして…

 

 

「これが貴様等のために用意した究極の兵器…!!」

 

 

その代物の全貌がついに明らかとなったのだが…それを見たリアス達の反応はというと…

 

 

『………………』

 

 

何故か一様に“呆然”としていた。何故なら、その代物とは……

 

 

「“ネ○アームストロングサイクロンジェットアームストロング砲”d」

 

 

「「オラアアアアアッ!!!!」」

 

 

「グフォアッ!?!?!?」

 

 

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!」

 

 

え? 何が起こったかって? 当麻とリクオが登場した兵器の紹介をしているコカビエルに瞬時に接近して、渾身の回し蹴りで吹っ飛ばしただけですが?

 

 

バサッ…!!

 

 

「グフッ! い、いきなり随分な挨拶をするではないか? やはりコイツの持つ力に恐怖して…」

 

 

「いや、恐怖してんのは今までのシリアスをブチ壊すような代物を持ってきたテメエにだよ、アホ堕天使。どっから引っ張り出してきた、この“卑猥を体現したようなクソ建造物”?」

 

 

「フッ、教える訳ないだろう。あの全身ワインレッドのタイツを着た、『ホッホホーッ!』などと叫ぶ謎の集団から購入したことなどッ!!」

 

 

「いや何完全にバラしてんの? 何怪しさ以外の何も感じないような組織から購入してんの? 何かいつの間にか“超絶アホ”に成り下がってんだけどッ!? もうツッコミ所多過ぎて上条さんじゃ対処できねえよッ!!」

 

 

「ちなみに決済はクレジットカードの分割払いだ。24回払いでなッ!!」

 

 

「「本当に今までのキャラは何処行きやがったアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」」

 

 

“ネオアーム(以下略)”の登場と共にアホキャラに成り下がったコカビエルに対し、今までのシリアス感を捨ててツッコミに専念するリクオと当麻。一方、こちらでは…

 

 

「ネ、ネ○アームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だとッ!? しかも何て完成度の高さだ…!!」

 

 

「ゼ、ゼノヴィア? あれってそんな驚くようなモノなのか? どう見ても…俺でも『色々とヤバくね?』って思うようなモノにしか見えないんだけど…」

 

 

「ネ○アームストロングサイクロンジェットアームストロング砲…かつての三大勢力の戦争の際、終結の切っ掛けを生み出したと言われている、伝説の兵器!」

 

 

「え、何!? 大昔の三つ巴の戦争って、あんな“超卑猥な感じしかない大砲”のせいで終わったの!? しかもそんな伝説の兵器がクレジットカードで売り買いされてんのッ!?」

 

 

「くっ! しかもあの翼! よりによって第2形態まで進化しているとはッ…!!」

 

 

「いやいやいや、第2形態って何!? どう考えても翼いらないだろ!? あの翼が何のために付いてるのか全然理解できないんだけど!? ていうか、それよりもお前の言ってることが本当かどうかも疑ってるんだけどッ!?」

 

 

“ネ○アーム(以下略)”について力説するゼノヴィアに対し、イッセーが“ツッコミが特徴の某地味メガネ”の如く必死にツッコんでいた…。

 

 

「フハハハハッ!! さあ、見せてもらうぞッ!! 時を超えて復活した、伝説の兵器の威力をッ!!」

 

 

「いや飛び越えてるのは時じゃなくて“作品”でしょうがッ!! いい加減原作通りのキャラに戻んなさいよッ!?」

 

 

「死ねエエエエエエエエエエエッ!!!」

 

 

「いや人の話を聞けえええええええええええええええッ!!!」

 

 

そして、加わってきたルーシィとナナのツッコミも空しく、“ネ○アーム(以下略)”が放たれようとした…その時、

 

 

パキィィィィィィンッ…!!!

 

 

「ッ!? 何ッ…!?」

 

 

「こ、凍った…?」

 

 

突如“ネ○アーム(以下略)”の砲身が凍り付き、発射を止めたのだ。突然の出来事にコカビエルは勿論、ウェンディを始めとするアイエールの面々も驚きを隠せない。すると…

 

 

「これはこれは、随分騒がしい状況ですね」

 

 

『…!!』

 

 

そんな声が聞こえてきたかと思うと、1人の人物が戦場と化している学園の校庭へ足を踏み入れてきたのだ。

 

 

「まさに“無秩序”と言うべきでしょうか? 実に不快極まりない…。やむを得ませんね。ここは実力行使をさせて頂きましょう」

 

 

「ッ! お、お前はッ…!!」

 

 

その人物を見て驚きの声を上げたのは、当麻だった。だがそれも無理の無い話である。纏っている“青を基調とした制服”、腰に差している“サーベル”、“眼鏡のズレを右手で直す仕草”、そして…“慇懃無礼な口調”…。そう、その男の名は…

 

 

「剣を以て剣を制す。我等が大義に、曇り無s」

 

 

「「「「何してんだテメエは(何してんのよあんたは)アアアアアアアアアアアアッ!!!!??」」」」

 

 

「グフッ!!??」

 

 

ズガアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!

 

 

え? 何が起きたかって? 某“セ○ター4の室長”に成りきっている“変態科学者”が、当麻とリクオ、ナナ、ルーシィの右ストレート&ドロップキックで吹き飛ばされただけですが…。

 

 

「グッ…随分な御挨拶ですね? 色々と曇っているのではありませんか?」

 

 

「いや、曇ってんのはテメエの脳味噌とキャラだろ。マジで何しに来たんだよ、バ科学者?」

 

 

「そのような短絡的な暴言を吐くようでは、程度が知れるというモノですよ? “ホ○ラ”のヤタガラs」

 

 

「サラッと中の人間と結び付けて、テメエの世界観に引きずり込もうとしてくんじゃねぇッ!!」

 

 

依然として某“室長”キャラを保ったままメタ発言をしようとする変態科学者──ウェルに対し、思わず声を荒らげるリクオ。ちなみに、そのメタ発言の内容は…

 

 

奴良リクオ = CV 福○潤 = 八○美咲(某“アルファベット一文字のアニメ”より)

 

 

上記の方程式を見れば明らかだろう…。

 

 

「おや、そこにいるのは“淡○君”ではありませんか。ですが何かが違うようですね? 主に身体の発達具合g」

 

 

ドスッ!!×3

 

 

「何か言いましたか、“室長”?」

 

 

「いえ、何も…(ダラダラダラッ!)」

 

 

え? 今度は何が起きてるかって? シノンの放った矢を諸に受けて血を流しながらも、ウェルが何事もなく眼鏡のズレを直しているだけですが…。ちなみに今度の方程式は…

 

 

朝田詩乃 = CV 沢城み○き = 淡○世理(某“アルファベット一文字のアニメ”より)

 

 

上のモノであることは言うまでもない。そんな中、その光景を見て…

 

 

「…あの、部長?」

 

 

「…何かしら、イッセー?」

 

 

「…ウェル博士って、何なんですかね?」

 

 

「…私が聞きたいわよ」

 

 

訳が分からないといった様子で尋ねてくるイッセーに対し、疲れ切った表情を浮かべながら返すリアス。だが…

 

 

「! おや、死人が生き返っているとは、実に興味深い。ですが私の知る限り、君はそのような“変態”を体現したような人間では無かったように思うのですがねぇ、“十束多○良君”?」

 

 

「いや誰だよそれ!? 誰か知らないけど、絶対出しちゃいけない名前だよなッ!? しかもサラッと貶しただろッ!?」

 

 

「イッセー、あなたまで…」

 

 

何やかんやでイッセーも巻き込まれ、混沌とした状況を形成する一員となってしまった。これにはリアスも疲れ切った表情をより鮮明にする他無い…。

 

 

※兵藤一誠 = CV 梶○貴 = 十束多○良(某“アルファベット一文字のアニメ”より)

 

 

と、ここで、

 

 

「貴様…誰だか知らんが、よくもこの“ネ○アームストロングサイクロンジェットアームストロング砲”の盛大な一発を邪魔してくれたな…!」

 

 

「! ああ、これは失礼。すっかり貴方とその後ろの物体…“ルイ・アー○ストロング”サイクロンジェット筋肉少佐砲の存在を忘れていました」

 

 

「おい、絶対ワザとだろ? 何とんでもねえ間違え方してやがる? 何処の“剛腕の錬金術師”だよッ!?」

 

 

苛立ちを露わにしたコカビエルに対する宗k…ではなくウェルの発言に、青筋を立てながらツッコむリクオ。だが両者はそんなツッコミに触れることなく……

 

 

「だがこの程度の凍結など、この“ネオアーム(以下略)”には大した時間稼ぎにもならんッ!!」

 

 

キィィィィィィンッ…!!

 

 

「止まる気は無しですか。致し方ありませんね…。宗○、抜刀…」

 

 

「ダメです、リクオ。一切聞いている様子がありません」

 

 

「(ピキッ!)コイツ等まとめてぶった切るか」

 

 

「お、落ち着いて下さい、リクオさん…!」

 

 

勝手に戦いの雰囲気を作り始めていた。それを見たリクオはついに“祢々切丸”を構え始めるが、慌ててやってきたウェンディに止められる…。と、そうこうしている間に、

 

 

ダッ!!

 

 

「! 死ねェッ!!」

 

 

宗○…ではなく、ウェルが空中にいるコカビエルに向かって駆け出し始めた。それに気付いたコカビエルはすぐさま光の槍を形成し放つが…

 

 

「フッ!」

 

 

バキィィィィンッ!!!

 

 

「嘘ッ!?」

 

 

「あのコカビエルの光の槍を防いだだとッ…!?」

 

 

ウェルはそれを横一閃で容易く破壊したのだ。自分達よりも遙かに格上の相手の攻撃をウェルがあっさり防いだことに、リアスとゼノヴィアは驚きを隠せない。

 

 

「“堕天使”という種族に相応しい、実に粗野な光ですね。これでは貴方の程度も知れるというもの…」

 

 

「ッ!! 舐めるなよ、下等な人間風情がアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

(いや何サラッと“王”の力使ってんの!? 何かアンタの頭上に見覚えのある“超巨大な青い剣”が見える気がするんですけど!? 何強さまでキャラに引っ張られてんのッ!?)

 

 

コカビエルが怒りを露わにしながら次々と光の槍を降らせても、ウェルは的確に攻撃を捌いていく。その様子を見た当麻が加勢することも忘れて心の中で突っ込んでいるのは…仕方の無い事だろう…。そして、

 

 

ダッ!!

 

 

「ッ!?」

 

 

「剣を以て剣を制す。我等が大義に…」

 

 

ついにウェルが地面を強く蹴り上げ、空中にいるコカビエルに向かって剣を振り下ろそうとした…その時、

 

 

「曇り無s」

 

 

「はああああああああああああッ!!!」

 

 

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!

 

 

『…………………』

 

 

突如キャラの壊れた堕天使と科学者、更には“ネオアーム(以下略)”に巨大な閃光が直撃したのだ。本日2度目の予想外な出来事に、再び呆然とする当麻やリアス達一同…。すると、

 

 

「な、何よこの武器…こんなに強力だったなんて…」

 

 

「ッ! イリナッ!?」

 

 

「! ゼノヴィア!!」

 

 

閃光が飛んできた方向に目を向けると、そこには1人の少女が驚きを露わにしながら立ち尽くしていたのだ。その姿を見たゼノヴィアが即座に自身の相棒の聖剣遣い――紫藤イリナであることに気付くと、イリナもまたゼノヴィアの姿を見て一目散に駆け寄っていく。その一方で、イリナを保護していた筈のアイエールの面々はというと…

 

 

「ど、どうしてイリナさんがここに!? ティッタさん達が傍に付いている筈じゃ…」

 

 

「目を離した隙に逃げられちゃったみたいだね。あの2人にはお仕置きが必要かな…?」

 

 

「め、目が怖いですよ、芽亜さん…!?」

 

 

雪菜と芽亜、ウェンディが見張り役を任されていたティッタとエルフナインについて、そんなやり取りを交わしていたり…

 

 

「あー! あれ、私が作った“バンバンバズーカくん”だ~♪」

 

 

「や、やっぱり姉上の作った発明品か…。つーか、何で姉上の発明品をあいつが持ってるだよ!?」

 

 

「えっと…そういえばお姉様、今日の夜にあれを完成させて、御自分の机の上に置いていたような…」

 

 

「ってことは、アイツが姉上の部屋に入って勝手に持ち出したってことじゃねえか!? 姉上もあんな危ねえ物を机の上に置きっぱにしないでくれよ!?」

 

 

「えへへ~、ゴメンゴメン♪」

 

 

デビルーク三姉妹の面々がイリナの持っている小型ランチャー砲に関して、色々と話をしたりしていた…。ララがちゃんと反省をしているかどうかは、正直微妙な所であるが…。ちなみに、

 

 

「…………(プスプスッ)」

 

 

「シノン、あそこで1人黒焦げになっちゃってるけど、放っておいていいの?」

 

 

「大丈夫よ、ユウキ。あれの生命力は何処かの“黒光りする生き物”と同じくらいだから…」

 

 

「うっ…そんな例え方しないでよ。何か気持ち悪くなってきちゃうから…」

 

 

少し先で真っ黒焦げになったまま倒れているウェルの姿を見て、ユウキとシノンがそんなやり取りを交わしていたのは…余談である…。と、ここで、

 

 

バサッ…!!

 

 

「死に損ないの小娘が…よくもこの“ネオアーム(以下略)”を破壊してくれたなァッ!!」

 

 

「…何? そのセンスの欠片も感じない名前…」

 

 

「あー、悪いけど、そいつのことには一切触れないでくれ。あとこの場を代表して上条さんから言わせた貰うわ…。本当に助かった、ありがとな…」

 

 

「?? ど、どういたしまして…で、いいのかしら…?」

 

 

当麻からの突然の感謝の言葉に困惑しつつも、とりあえず受け取るイリナ…。え? 何に対する感謝の言葉かって? 言うまでもなく、先程までの混沌とした状況に終止符を打ってくれたことに対してである…。

 

 

「全く以て反吐が出る…“仕えるべき主を失っている”にもかかわらず、あれだけ痛め付けても尚この戦場に戻ってくるとはな…」

 

 

「「……!」」

 

 

「“主を失っている”…?」

 

 

「それはどういう意味だ、コカビエルッ!!?」

 

 

ここで突如コカビエルの口からそんな言葉が飛び出すと、当麻とリクオが真っ先に反応する中、イリナとゼノヴィアが咄嗟に尋ねる。それに対し、当のコカビエルは…

 

 

「ククククッ…クハハハハハハッ!! そうだな! これから戦争を起こそうというのに、今更隠す必要など無かったな…!!」

 

 

狂ったような高笑いを始め……そして……

 

 

「先の三つ巴の戦争で、四大魔王と共に“神も死んだ”のさッ!!!」

 

 

こう言い放ったのだった…。

 

 

 

 

 

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