ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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今回少しオリジナルな展開にしてみました。多分一瞬で終わりますが…。



主人公達がちょっと戦う……いや、戦ってないに等しいと思います。



では、本編をどうぞ。


討伐

 

翌日…

 

 

「ふ、不幸だ…」

 

 

「ったく、何で同じ家の中でお前だけ課題のプリントを失くすんだよ…」

 

 

「しょうがないよ、一護。当麻のこれは、もう日常に近いんだから」

 

 

「いや、尚更“しょうがない”で済ませたらマズいだろ、それ…」

 

 

日も傾き始めた頃、当麻達3人は大分遅れてオカルト研究部の部室に向かっていた。ちなみにその原因は、課題を失くした当麻が補習を受けるハメになったことだったりする…。

 

 

ガチャッ!

 

 

そしてようやく部室に到着した所で、当麻達の目に飛び込んできたのは…

 

 

「二度と教会に近づいちゃダメよ」

 

 

リアスに厳しく注意されているイッセーの姿だった。

 

 

【な、何だ…?】

 

 

【イッセーの奴、何かやらかしたみたいだな…】

 

 

【どうやら教会に近づいたみたいだね。まあ、確かに悪魔が教会に近づくなんて…かなりマズいことだよね】

 

 

頭の中で3人がそんな会話をする間にも、リアスのイッセーに対する注意は続く。そして…

 

 

「ごめんなさい、熱くなり過ぎたわ…。とにかく、今後は気を付けてちょうだい」

 

 

「はい…」

 

 

そのやり取りを以て、リアスの注意は終わった。すると、

 

 

「あらあら、お説教は済みました?」

 

 

「うおっ!?」

 

 

「「っ!」」

 

 

驚きの声を上げる一護の後ろには、いつの間にか来ていた朱乃の姿があった。これには左隣にいた当麻とリクオも驚く。

 

 

「朱乃? もう帰ったのかと思ったわ…」

 

 

「先程“大公”から連絡が…」

 

 

「! 大公から…?」

 

 

それを聞いて反応するリアスに対し、朱乃は更にその内容を報告する…。

 

 

「この町で、“はぐれ悪魔”が見つかったそうですわ」

 

 

『…!』

 

 

その報告に、リアスと当麻達は思わず眉を潜めた…。イッセーを除いて…。

 

 

 

☆☆

 

 

 

その日の夜。朱乃が受けた連絡は、リアス達グレモリー眷属への“はぐれ悪魔”討伐の依頼だった。場所は町の小高い山の上にある廃屋である。

通常悪魔達は自らの魔方陣を駆使し、目的地へ瞬間的な移動を行う。だが、悪魔以外の者達は当然の如く利用することが出来ないのだ。故に……

 

 

「悪い、遅くなっちまった」

 

 

「仕方無いわ。あなた達は悪魔でない以上、魔方陣を使えない訳だし…」

 

 

「そう言ってくれると、上条さん的には助かるぜ」

 

 

移動の際には当麻達3人のように、自力で移動する以外に無いのである。

 

 

「それじゃあ、行きましょうか」

 

 

リアスの一言を皮切りに、彼女を先頭にして目的地の廃屋へ入っていく一行。ちなみに当麻達3人は最後尾にいる。そして、リアスがその間にもイッセーに悪魔の制度の1つ、“悪魔の駒(イーヴィル・ピース)”の説明をし始め…

 

 

「とにかく今夜は、“悪魔の戦い”というものをよく見ておきなさい」

 

 

「あ、はい…!」

 

 

「それから当麻、一護、リクオ。あなた達も“賞金稼ぎ”をしているなら問題ないでしょうけど、くれぐれも気を付けてちょうだい」

 

 

「ハハッ、分かったよ」

 

 

リアスの指示にイッセーと当麻がそれぞれ返事をした、その時、

 

 

「来た…」

 

 

『!』

 

 

「不味そうな匂いがするわぁ…。でも、美味しそうな匂いもするわぁ…。甘いのかしらぁ…? 苦いのかしらぁ…?」

 

 

小猫の声に全員が反応したかと思うと、何処からともなく不気味な声が聞こえ…その主が姿を現した。女の上半身と、複数の生物が混じったバケモノの下半身を持つそれは、まさに“異形の物体”と呼ぶに相応しいだろう…。

 

 

「はぐれ悪魔“バイザー”…主の下を逃げ、その欲求を満たす不逞の輩。その罪、万死に値するわ…。グレモリー公爵の名において、あなたを吹き飛ばしてあげるッ!!」

 

 

「小賢しい小娘なこと…。その赤い髪のように、あなたの身体を鮮血で染めてあげるわァァァァッ!!」

 

 

両者のそんな一声を合図に、先頭が始まった…。

 

 

「裕斗」

 

 

「はい…!」

 

 

ザシュッ!!×2

 

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!??」

 

 

裕斗がはぐれ悪魔──バイザーの巨大な両腕を切り落としたのを皮切りに、小猫は右拳一発で軽々と巨体を吹き飛ばし、朱乃は雷属性の魔力攻撃で焼き焦がしていく…。特に朱乃に関しては、ここで“究極のS”ということが判明したのだが…。

そしてその間にも、リアスはイッセーに“悪魔の駒”のそれぞれの特性を説明していた。すると…

 

 

【! おい、当麻】

 

 

【ああ、分かってる…】

 

 

一護から頭の中で声を掛けられると、当麻はここで瞬時にある場所へと駆け出す。その先には…バイザーの切り落とされた右腕が迫っていることに気付いていない、リアスがいた…。

 

 

「シッ!!」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

「っ…!!」

 

 

当麻がその腕を右拳で吹き飛ばした所で、リアスはようやく気付く。

 

 

「新人への説明に夢中になるのは仕方無いと思うけど、あまり隙があるのは上条さん的には良くないと思うぜ、部長?」

 

 

「! あ、ありがとう…」

 

 

当麻の呆気(あっけ)らかんとした注意を聞いて、少し呆けた様子ながらも礼を言ってくるリアス。ちなみにその間にも、当のバイザーはリアスを不意打ちしようとしたことを知った朱乃によって、より激しく焼かれた。その結果…

 

 

「もういいわ、朱乃」

 

 

「もうお仕舞いなんて…ちょっと残念ですわね。うふふっ/////」

 

 

ドガアアアアアアアアアンッ…!!

 

 

バイザーは見るも無惨な様子で地に伏すこととなった。すると、リアスはゆっくりと近づいていき…

 

 

「最後に言い残すことはあるかしら?」

 

 

「…殺せ…」

 

 

「そう。なら、消し飛びなさい…」

 

 

そして…

 

 

「王手(チェックメイト)」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!

 

 

リアスの放った赤黒い魔力攻撃によって、バイザーは跡形もなく消滅した…。

 

 

「終わったわ。さあ、帰るわよ♪」

 

 

「「「はい、部長」」」

 

 

年相応の笑みを浮かべながらリアスがそう言うと、朱乃と小猫、裕斗は揃って頷いた。と、ここで、

 

 

「あ、あの、部長!」

 

 

「? 何かしら?」

 

 

「で、俺は? 俺の駒っていうか…下僕としての役割は何なんですか?」

 

 

イッセーが自分にとって最も重要なことを尋ねると、リアスはこう答えた。

 

 

「“兵士(ポーン)”よ」

 

「! 兵士って、まさか…」

 

 

「そう。イッセー、あなたは兵士。頑張ってちょうだい♪」

 

 

それを聞いた瞬間、イッセーは即座に自身が“一番下”であることを認識し、愕然とした。

 

 

「さあ、行きましょう」

 

 

そして、今度こそこの場を後にしようとした…その時だった…。

 

 

「一護、リクオ」

 

 

「「ああ(うん)…」」

 

 

ガキィィィィィィィィィィィィィンッ…!!!×2

 

 

『ッ!!??』

 

 

突如響き渡る甲高い金属音。その理由は…

 

 

「女の子を“背後から不意打ち”するなんて…」

 

 

「感心しねえな…」

 

 

いつの間にか神器を発動していた一護とリクオが、瞬時に朱乃と小猫の背後にそれぞれ移動し、自らの愛刀である“斬月”と“祢々切丸”で何かを受け止めたからだった。すると、

 

 

「馬鹿な…!?」

 

 

「何故気付いた…!?」

 

 

「っ! 誰…!?」

 

 

一護とリクオの目の前から2つの声が聞こえてきたのだ。そしてリアスが思わず声を上げると、その姿が段々と明らかになっていく。その正体は…緑色を貴重とした体が特徴的で、サーベルを持つ2体の人型悪魔だった…。

 

 

「チッ…!」

 

 

ダッ!!×2

 

 

その内の1体が舌打ちをすると、息を合わせたように2体共その場から一旦後退した…。

 

 

「な、何だコイツ等!?」

 

 

「どうやらはぐれ悪魔のようね。でもこの魔力、まさか…!」

 

 

「ああ。多分あんたの予想通り、コイツ等は“Aランク級”のはぐれ悪魔だよ」

 

 

イッセーとリアスが声を上げる中、ここでそう言ったのは…当麻だった…。

 

 

「この前見た手配書リストに居たな。確か…“レーズン兄弟”、だったか?」

 

 

「「“レイス”だッ!!!」」

 

 

「うおっ!?」

 

 

一護の発言に対し、即座にツッコミを入れる2体の悪魔──レイス兄弟。それを見て…

 

 

「なあ、当麻? ひょっとして一護…」

 

 

「あ、ああ。あいつは人の名前を覚えるのが苦手なんだ…」

 

 

イッセーがそう聞くと、当麻は苦笑いを浮かべながら答えた。まあ、どう考えても“苦手”のレベルではないとは思うが…。

 

 

「貴様等、賞金稼ぎか?」

 

 

「ああ、まあな。一応お前等のことも少しは知ってるぜ? 女の悪魔ばかりを標的に殺しまくり、尚且つその行方を一切掴ませない…。たくさんの賞金稼ぎが挙(こぞ)って狙ってるらしいな」

 

 

レイス兄弟の片方の問い掛けに対し、そう答える当麻。すると、

 

 

「なあ、部長」

 

 

「何かしら?」

 

 

「コイツ等は俺達に任せてくれないか?」

 

 

「! どういうこと…?」

 

 

当麻の提案の意図が分からず、リアスはそう尋ねる。

 

 

「昨日言っただろ? 俺達は色々互いのことを知らないって…。今がそれを1つ解決する良い機会だと思わないか?」

 

 

「…!」

 

 

「まあ、俺達は一応部員な訳だし、決めるのは部長だとは思うけどな」

 

 

当麻にそう言われたリアスは、暫しの間何かを考える。そして…

 

 

「大丈夫なのね?」

 

 

「ああ、保証する」

 

 

「…いいわ。お願い」

 

 

その提案は承諾された。すると、それを聞いた当麻は…

 

 

「一護、リクオ…やれ」

 

 

「「ああ(うん)…」」

 

 

今までとは全く違う低い声で、一護とリクオに指示をした。それに対し、

 

 

「どうする…?」

 

 

「やむを得ん…。全員殺して撤退する」

 

 

ブォォォォォォォォォォォンッ…

 

 

「っ!? き、消えた!? さっきの木場みたいに速いのか!?」

 

 

「いや、違うよ、イッセー君。これは…本当に消えたんだ…」

 

 

レイス兄弟の姿が“消えた”のを見て、イッセーはバイザーとの戦闘の時の裕斗のように、“速すぎて見えない”からだと考えた。だが、それを当の本人である裕斗は即座に否定する…。

 

 

「小猫、どう?」

 

 

「…ダメです。匂いも感じません…」

 

 

「それに、相手の魔力も感じられませんわ」

 

 

「っ! 匂いも魔力も利かないなんて…」

 

 

小猫と朱乃の報告を聞いて、リアスは“ある答え”に行き着く。それは…

 

 

「まさか…“神器”を…!?」

 

 

「ああ、恐らくな」

 

 

相手が“神器の能力を行使している”というものだ。そして、その答えに当麻も同意する…。

 

 

「多分、相手の五感と魔力の感知能力を効かなくする効果が発生してるみたいだな。珍しい能力だし、売れば結構な値段に…」

 

 

「何を呑気なこと言ってるのよ!? こうしてる間にも、あの悪魔達が私達を狙って…!?」

 

 

続けて当麻がそんな推測を立て始めたのを見て、リアスが思わず声を荒げていた…その時だった…。

 

 

ザシュッ!!×2

 

 

『っ!!?』

 

 

突如何かが貫かれる音を聞いた瞬間、オカルト研究部の面々は直ぐ様その方向へ向き…驚愕した。何故なら…

 

 

「な……」

 

 

「何…故……?」

 

 

「何で今こんな状況になってるのか、“意味が分からない”って顔をしてるな。そんなもん…」

 

 

「あなた達に答える気はありません…」

 

 

またしても一護が朱乃の右隣に、リクオが小猫の左隣にいつの間にか移動して…消えていた筈のレイス兄弟の身体をそれぞれの愛刀で貫いていたのだから…。そして、

 

 

「オラアッ!!」

 

 

「ふっ…!!」

 

 

ザザァンッ!!×2

 

 

「「ギィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ…!!!??」」

 

 

2人は一旦自らの得物を引き抜いたかと思うと、容赦無くレイス兄弟の体を素早く十文字に斬り裂き…消滅させた…。

 

 

「うし! 終わり!」

 

 

「お疲れだったな、一護、リクオ」

 

 

「全然戦ったって感じはしないけどね…。あ! 当麻、これ」

 

 

「! ああ…」

 

 

2人に労いの言葉を掛けていると、リクオから何かを投げ渡されて受け取る当麻。それは…少し装飾が施されている2つの銀の腕輪だった…。

 

 

「なあ、部長」

 

 

「! な、何かしら?」

 

 

「この神器、俺達の方で処理してもいいか? 今回の報酬の1つとして、馴染みの所で換金してえんだが…」

 

 

「…ええ。実際倒したのはあなた達なんだし、私が口を挟むのも筋違いだわ。好きにしてちょうだい」

 

 

「悪いな、助かるぜ」

 

 

残された神器の処理に関して、リアスとそんなやり取りをする当麻。その一方で、

 

 

「…あの…」

 

 

「ん?」

 

 

「…ありがとうございました、奴良先輩」

 

 

「! ああ、気にしないで。僕が勝手にやったことだし…。あと、僕のことは普通に“リクオ”でいいよ? あんまり名字で呼ばれるのも慣れてないから」

 

 

「…分かりました、リクオ先輩…。あと、それなら私も“小猫”でいいです…」

 

 

「うん、分かった。そういえば、怪我はない?」

 

 

「…平気です…」

 

 

リクオは小猫とそんな会話をしていると…

 

 

「そっか、よかった…」

 

 

「にゃっ……!?」

 

 

「っ! ご、ごめん! 何か僕、少し撫で癖みたいなのがあって…。嫌だったよね?」

 

 

「…! い、いえ…大丈夫です…」

 

 

あやすような感じで無意識の内に彼女の頭を撫でたことで、そんなやり取りへと発展していた。更に…

 

 

「あんたも無事か?」

 

 

「! え、ええ…。あの、先程はありがとうございます。お蔭で助かりましたわ」

 

 

「気にすんな。俺も勝手にやっただけだ…」

 

 

「…意外と紳士なのですわね…(ボソッ)」

 

 

「? 何か言ったか?」

 

 

「うふふっ、何でもありませんわ♪」

 

 

こちらでは一護と朱乃が似たような雰囲気のやり取りを行っていた…。すると、

 

 

「さて…悪いけど、今日のところは先に帰らせてもらってもいいか? コイツの処理も、さっさとやりたいんだが…」

 

 

「…はあ…あなたって、意外と注文が多いのね」

 

 

「ハハッ! まあ、上条さん達にも色々あるんだよ…」

 

 

「いいわ、あなた達の実力もほんの少しだけ知ることが出来たし…。今日はお疲れ様」

 

 

当麻の本日3度目の提案に対し、リアスは溜め息を吐きながら受け入れる。

 

 

「ああ…。行くぜ、一護、リクオ」

 

 

「おう。じゃあな」

 

 

「失礼します」

 

 

そして、その場を後にしていく当麻達3人…。

 

 

(神器を持つ悪魔をあんなに一瞬で倒すなんて、普通の賞金稼ぎに出来ることじゃないわ…。当麻、一護、リクオ…あなた達は本当に、何者なの…?)

 

 

リアスは疑問をより膨らませながらも、そんな3人の後ろ姿を見送るのだった…。ちなみに…

 

 

「リクオぉぉぉぉぉっ!!! お前何小猫ちゃんに羨ましいことしていやがるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 

「えいっ…」

 

 

「ぐふぉあっ!!??」

 

 

ドサッ…!!

 

 

リクオに凄まじい形相で突っ込もうとしたイッセーが、小猫の軽い(?)一撃で沈んでいたのは…多分気のせいである…。

 

 

 

 

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