ハイスクールD×D ~とある三雄の物語~   作:無颯

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今回で“はぐれ悪魔のディアボロス”編は終了です。


何かユウキの日常の様子を書いてると、微妙に切なくなりますね…。すみません、余談でした。


では、本編をどうぞ。



歓迎

 

旧校舎の部室へと戻ったオカルト研究部一行。すると…

 

 

「イッセーさん! お怪我はありませんか!? もしお怪我があるようでしたら、私が治療します!!」

 

 

1人部室で待機していたアーシアが慌てた様子で駆け寄ってきた。現状この場で怪我をしているのはイッセーだけなので、アーシアはすぐさま自らの神器を使って治療に取り掛かる。

 

 

【回復専門の神器所有者ですか】

 

 

【中々の使い手のようね。“あの娘”には劣るようだけど…】

 

 

【当然です…。その点に関して、“彼女”は別格ですから…】

 

 

その間に雪菜や紗矢華、ヤミが当麻達と同じように頭の中でそんな会話をしていたのは余談である…。

 

 

「どうですか、イッセーさん?」

 

 

「よっと…おーっ! 全然平気だ! ありがとな、アーシア!!」

 

 

「! い、いえ…/////」

 

 

そしてアーシアがイッセーの治療を終え、意味深な反応を見せていると、ここでリアスがあることを尋ねる…。

 

 

「シスター・アーシア」

 

 

「? 何でしょうか?」

 

 

「突然ではあるのだけど…あなた、悪魔として私の眷属にならない?」

 

 

「! ア、アーシアを部長の眷属に!?」

 

 

「ええ…。どうかしら、シスター・アーシア? そうすればこの学園にも通うことが出来るし、生活に関しても私達の方で手を貸せるのだけど…」

 

 

「わ、私が“悪魔”に…? で、ですが…」

 

 

イッセーが驚く中、リアスの勧誘に対して戸惑うアーシア。当然であろう。何せいきなり今とは真反対の存在へと変わることになるのだから…。

 

 

【まあ、誘うのも当然か。回復役がいない眷属の状態を考えれば、アーシアの神器の能力は喉から手が出るほど欲しいだろうしな】

 

 

【ああ。つっても、アーシアがそう簡単に悪魔への転生を受け入れるかどうか…】

 

 

当麻と一護はそれを見ながら、アーシアの返答に注目する。と、ここで、

 

 

「そうね…。じゃあ、こう考えてみてはどうかしら?」

 

 

リアスがそう呟きながらアーシアに近寄ったかと思うと、彼女に耳打ちで話始めたのだ。すると、彼女の表情が次々と変化していき…

 

 

「ぜ、ぜひ悪魔にしてください!!」

 

 

【【【はあ(ええ)ッ!!??】】】

 

 

「ア、アーシア!!?」

 

 

自らそう申し出てきた。これには当麻達3人だけでなく、彼女の隣にいたイッセーも驚かざるを得ない。

 

 

「ふふっ、それなら私達はあなたを歓迎するわ。よろしくね、アーシア♪」

 

 

「はい!」

 

 

【い、一体部長さんは何を言ったんだろう…?】

 

 

そんな周りを他所(よそ)に挨拶をするリアスとアーシアを見て、苦笑いを浮かべながら困惑するリクオ…。

 

 

「それじゃあ、“もう1つの問題”に取り掛かろうかしら」

 

 

「? 部長、何ですか? “もう1つの問題”って…?」

 

 

「決まってるでしょう…。その娘達のことよ」

 

 

イッセーが尋ねてくると、リアスは当麻達3人の隣や後ろにいるユウキ、シノン、雪菜、紗矢華、ヤミ、芽亜に目を向ける…。

 

 

「当麻、一護、リクオ、約束通り話してちょうだい。その娘達は一体何者なの?」

 

 

「! そうだったッ!! お前等、一体この娘達とどういう関係なんだよッ!?」

 

 

「…イッセー、いきなり話の腰を折らないで欲しいのだけど…?」

 

 

「あ、す、すみません、部長…」

 

 

そんなリアスとイッセーの問い掛けに対し…

 

 

「どういう関係って…部長達にも言ったが、こいつ等は全員俺達の仲間だよ」

 

 

「…ひょっとして、その娘達も全員“賞金稼ぎ”なのかしら?」

 

 

「! あ、ああ、まあな…」

 

 

当麻の発言からリアスがそう推測して尋ねると、一護はそれに頷き…

 

 

「まあ、とりあえず自己紹介をしてもらった方が良さそうだな…。お前等、悪いけど軽くでいいから頼む」

 

 

「いいのですか、リクオ?」

 

 

「うん、お願いするよ」

 

 

「はーい♪」

 

 

雪菜達に自己紹介するよう頼んだ。そして、それを聞いたヤミがリクオに確認を取ると、芽亜があっけらかんとした様子で返事をする…。

 

 

「じゃあ、ボクから行くね! 初めまして! ボクは紺野木綿季(こんのゆうき)! “ユウキ”でいいよ! よろしくね!」

 

 

「…朝田詩乃。皆からは“シノン”って呼ばれてるけど、呼び方は任せるわ。よろしく…」

 

 

「あの、初めまして。姫柊雪菜といいます。先輩方がお世話になってるみたいですが、よろしくお願いします」

 

 

「はあ、仕方無いわね…。煌坂紗矢華(きらさかさやか)よ。世話になるかどうかは知らないけど、一応名乗っておくわ。それと私は基本的に男が好きじゃないから、そっちの男2人はあまり近づき過ぎないで。特にそっちのあんたは…雪菜達に変なことしようとしたら、即刻斬り刻むから…」

 

 

「…“ヤミ”と呼んでください。あと、私も“えっちぃこと”は大嫌いなので、その男が該当するような行動を起こした場合は、殺します」

 

 

「じゃあ最後は私だね! 私は黒崎芽亜! 全然似てないとは思うけど、ヤミお姉ちゃんとはちゃんとした姉妹だよ? よろしくねー♪」

 

 

「あのー…何か所々で俺に対する“殺害予告”みたいなものが出てた気がするんだけど…」

 

 

「…ご愁傷様です、イッセー先輩」

 

 

「小猫ちゃああああああああんっ!!! それ全然笑えないから止めてえええええええええええっ!!!!」

 

 

心を抉るような一部の自己紹介とコメントによって、深刻なダメージを受けるイッセー…。しかしそんな男のことなど放っておき、話は続く…。

 

 

「こちらも改めて名乗らせてもらうわ。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主で、この街の管理を任されている者よ。さて…早速だけど、あなた達はこれからどうするつもり?」

 

 

「? どういう意味ですか…?」

 

 

「当麻達から既に聞いてるかもしれないけど、彼等には私と私の眷属で構成されている“オカルト研究部”に入ってもらってるの。監視の意味合いも込めてね。そしてあなた達が人間とはいえ神器所有者である以上、私もこのまま放置してるって訳にもいかないわ…」

 

 

「…つまり、私達にもこの部に入れ…ということ?」

 

 

「理解が早くて助かるわ。それで…どうかしら?」

 

 

ヤミとシノンの問いに対してリアスがそう答えると、ヤミ達6人は一斉に当麻達3人の方へ目を向けた…。

 

 

【あー…悪ぃ、頼む】

 

 

【そう言うと思ってました。まったく、先輩方はどうしてこうも厄介事に巻き込まれるんですか?】

 

 

【えっと…それは当麻に言って欲しいかな】

 

 

【上条当麻、後で覚悟しておきなさい】

 

 

【ふ、不幸だ……】

 

 

頭の中で一護が歯切れの悪そうな様子で頼むと、雪菜と紗矢華はそれぞれ呆れながら言った。そして……

 

 

「…分かったわ。その話、呑ませてもらう」

 

 

「! あっさりと受け入れるのね? 正直意外だわ…」

 

 

「こっちにも色々事情があるの。それに…残念ながら、この男達3人を放っておく訳にもいかないのよ」

 

 

「そう…。まあ、いいわ。これからよろしくお願いね。アーシアと同様、あなた達を歓迎するわ」

 

 

シノンが代表してリアスに入部の意思を伝えた…。

 

 

「でも部活に入るということは、私達もこの学園の生徒にならないといけませんよね…?」

 

 

「そう簡単に編入できるのかしら?」

 

 

「心配しないで。私の父がこの学園の経営に関わっているから、アーシアと一緒に全員編入させるつもりよ」

 

 

雪菜と紗矢華の疑問に対し、余裕の笑みを浮かべながら答えるリアス…。一方、それを聞いて、

 

 

【“父親”が経営に関わってる、か…。まあ、当然と言えば当然だよな】

 

 

【そう考えると、どうして僕達はこの学園に来ちゃったんだろうって改めて思うよね…。当麻もそう思うでしょ?】

 

 

【ほ、本当に返す言葉もございませう…】

 

 

一護とリクオは、微妙にプレッシャーを掛けながら当麻を責めていた…。だが…

 

 

「じゃあ、ボクもこの学校に通えるの!? やったー!!」

 

 

「よかったね、ユウキちゃん♪」

 

 

「うん!」

 

 

【…ま、でもこうやってユウキが喜んでるなら、悪くなかったのかもな】

 

 

【……ああ】

 

 

【そうだね…】

 

 

ユウキと芽亜のそんなやり取りを見て、一護と当麻とリクオは穏やかな笑みを浮かべながら会話をするのだった…。ちなみに、

 

 

「アーシアと合わせて、美少女7人がこの部活に加入するなんて……俺のハーレム王への道が更に加速するではないかッ!! よっしゃーッ!! 改めてハーレム王に俺はな…」

 

 

シュインッ!

 

 

「黙ってください…」

 

 

「す、すみません…(ガクガクガクッ!!)」

 

 

突然騒ぎ出したイッセーに、ヤミが髪の先端を刃物に変形して後頭部に突き付けている光景が、あったりなかったりしたとか…。

 

 

 

☆☆

 

 

 

翌日の放課後……

 

 

「あ! 当麻ー!」

 

 

「! おう、ユウキ」

 

 

当麻と一護、シノン、紗矢華が旧校舎の部室に向かっていると、その途中でユウキ、雪菜、小猫の3人に会った。ちなみにシノンと紗矢華、そしてこの場に居ないアーシアは2年の当麻やイッセー達と同じクラスに転入。ユウキと雪菜、更にこの場に居ないヤミと芽亜は1年の小猫と同じクラスに転入している。

 

 

「クラスの方はどうだった?」

 

 

「すっごく楽しいよ!! クラスの皆も良い人達ばっかりだったし、授業も楽しかった!! でも、挨拶の時に男の子達が凄い勢いで迫って来たのは、ちょっと怖かったかな…」

 

 

「? そうなのか? 雪菜」

 

 

「え、ええ…」

 

 

当麻の問い掛けにユウキがそう答えると、一護は雪菜に確認を取った。すると…

 

 

「大丈夫、雪菜!? 男共に何か変なことされなかった!? されたらすぐに言ってね!? 私がすぐにそいつ等を斬り刻むから!!」

 

 

「お、落ち着いてください、紗矢華さん! 塔城さんがすぐに止めてくれたので、大丈夫です…!」

 

 

紗矢華が凄い勢いで尋ねてきたのだ。それに対し、雪菜は少々戸惑いながらも紗矢華を落ち着かせる…。

 

 

「そうか…。ありがとな、塔城。これから色々ユウキ達のこと、よろしく頼む」

 

 

「…いえ、私もユウキさん達と一緒にいると、楽しいですから…。ところで、リクオ先輩とイッセー先輩は一緒じゃないんですか?」

 

 

当麻の言葉に対して小猫がそう返すと、ここでリクオとイッセーがいないことに気付いて尋ねた…。

 

 

「ああ、リクオはヤミと芽亜を連れて先に部室に言ってる筈だ。それで、イッセーは…」

 

 

「外でノビてるわよ。同じクラスにいる変態仲間2人と一緒に、紗矢華の制裁を受けてね…」

 

 

「そうですか…」

 

 

「…やっぱりイッセー先輩は最低です」

 

 

一護より先にシノンがイッセーの状況を伝えると、雪菜と小猫は心底冷めた表情を浮かべながらそう呟いた…。

 

 

「まあ、アーシアが付き添ってるから、そのうち来るだろ。先に行ってようぜ?」

 

 

「うん!」

 

 

「そうですね」

 

 

そして当麻の言葉にユウキと雪菜が同意した所で、当麻達は部室へと向かう…。

 

 

ガチャッ!

 

 

「よっ! 来たぜ、部長」

 

 

「…こんにちは、部長」

 

 

「ええ、ごきげんよう、皆」

 

 

「木場ももう来てたのか」

 

 

「うん、まあね」

 

 

当麻と小猫が部長と挨拶を交わす一方で、一護は木場とそんなやり取りをする。と、そこへ、

 

 

ガチャッ!

 

 

「す、すみません!」

 

 

「お、遅くなりました…」

 

 

「! 大丈夫よ、アーシア。それとイッセー、一体どうしたの?」

 

 

「い、いえ、ちょっと…!」

 

 

アーシアとイッセーが殆ど誤差のタイミングでやってきた。だがイッセーの様相が明らかに“ボロボロ”なのを見て、思わず尋ねるリアス…。すると、

 

 

「ちょっと色々あったのよね、兵藤一誠?」

 

 

「ッ!! は、はい、そうなんですよ~! あははは……!」

 

 

「そ、そう。まあ、いいわ…」

 

 

紗矢華があからさまなプレッシャーを掛けながら声を掛けると、イッセーは顔を盛大に引きつらせながらリアスの問いにそう返した。ここでリアスが話を流したのは或る意味正解だったと思う…。

 

 

「さて、それじゃあ全員揃ったみたいだし、始めましょうか」

 

 

「? 何を“始める”の?」

 

 

「…それに、リクオ先輩達がまだ来ていませんが?」

 

 

「ああ、リクオ達なら…」

 

 

リアスの発言にシノンと小猫が思わず尋ねた、その時、

 

 

ガチャッ!

 

 

「皆来たみたいだね」

 

 

「さぁ、新人さん達の歓迎パーティーですわよ♪」

 

 

別のドアからリクオと朱乃が入ってきたのだ。しかも、朱乃はオシャレな配膳用のカートを押しており、その上には……

 

 

「お菓子だ!! しかもこれ、ひょっとして…!」

 

 

「うん、僕が作った奴だよ」

 

 

「やったー!! リクオの作ったお菓子ー!!」

 

 

大きめのホールショートケーキと、沢山の種類の1ピースのケーキ、そして…山盛りの“たい焼き”があった。それを見たユウキはリクオの作ったものだと分かると、兎の如くピョンピョンと跳ねながら喜びを露わにしている。すると更に、

 

 

「う~ん♪ やっぱりリクオお兄ちゃんの作るお菓子はおいしいね、ヤミお姉ちゃん♪」

 

 

「そうですね…やはりリクオの作ったものでないと…」

 

 

「あーッ!? 2人共なに先に食べてるの!? ずるいよー!!」

 

 

少し遅れて芽亜とヤミがやってきた。それぞれケーキとたい焼きを食べながら…。これにはユウキも慌てて2人の下へ駆け寄りつつ、自分もカートの上のケーキを食べ始める…。と、ここで、

 

 

「…リクオ先輩、お菓子作れたんですね」

 

 

「! ああ、小猫か。まあね、少し前から料理に力を入れるようになって…気が付いたらお菓子作りもしてたって感じかな?」

 

 

「…私も食べていいですか?」

 

 

「え? ああ、うん、いいよ」

 

 

リクオがそう言うと、小猫は駆け寄って1ピースのケーキを食べる…。

 

 

「ッ…!!! 美味しい…です…」

 

 

「だろうな。リクオの作るモノは今じゃ、一流のシェフやパティシエが束になっても勝てないくらいのレベルらしいし…」

 

 

「ああ。こいつがいつ料理スキルを上げたのかは、未だに謎なんだよ」

 

 

「あはははは……」

 

 

大きく反応する小猫を見て、当麻と一護がそう呟くと、それを聞いたリクオは苦笑いを浮かべた。そして、その後も…

 

 

「う、旨ッ!!! 何だよこれッ!?!? 旨過ぎだろ!!??」

 

 

「私も驚きましたわ。これは少し御教授していただかないと…」

 

 

「ほ、頬っぺたが落ちそうですぅ…」

 

 

「まさかリクオ君がこんなに料理上手だなんてね。本当にビックリだよ」

 

 

「相変わらずね…」

 

 

「ええ。或る意味“女を殺しに掛かってる”わ…」

 

 

「さ、紗矢華さん、それは流石に言い過ぎ…でもないかもしれませんね…」

 

 

リクオのお菓子を食べた者達から、それぞれ色々な反応が起こっていた。ちなみに上から、イッセー、朱乃、アーシア、裕斗、シノン、紗矢華、雪菜のものである…。そんな中、

 

 

「悪いな、色々騒がしくなっちまって」

 

 

「! 当麻…。気にしないでちょうだい。むしろ一番騒いでるのはイッセーみたいだし」

 

 

「あー…確かにそうかもな」

 

 

その様子を少し離れた所で見ているリアスに、当麻が話しかけた。

 

 

「にしても、まさか御丁寧に歓迎パーティーを開くとはな」

 

 

「こんなに部員がたくさん増えたんだもの。このくらいのことはするわ。それとも…余計なことだったかしら…?」

 

 

「ハハッ、それこそあり得ねえよ。あそこではしゃぎながら食ってるユウキや塔城達を見れば、いやでもそう思うさ…」

 

 

不安気に尋ねてくるリアスに対し、軽く笑いながら答える当麻…。

 

 

「こういうのもなんだけど、あんたはよくやってると思うぜ? グレモリー家の次期当主としては勿論……“リアス・グレモリー個人”としてもな」

 

 

「……///!!」

 

 

「? どうしたんだ、部長?」

 

 

「! な、何でもないわ…////」

 

 

「そうか? まあ、ならいいけど…」

 

 

こうして、放課後の新入部員歓迎パーティーは大いに盛り上がりを見せるのだった…。

 

 

「……!」

 

 

「? どうしたの、当麻?」

 

 

「……いや、何でもねえ。気にしないでくれ」

 

 

少しばかり、周りに“陰”をチラつかせながらも……。

 

 

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