新しい魔化魍がやってきます。あとみんな大好き仮面ライダーも出てきます。
ではどぞー。
駒王学園の変態三人衆、その筆頭に彼女が出来た。しかもかなりの美人。この事は瞬く間に校内中に広がり、一週間もしないうちに、学校関係者の皆が知ることになった。当然鳥居重春も、その噂は耳にしている訳で……
「あの変態に彼女とか、ありえねぇだろ? 普通、さ」
「まぁ奇特な人も、いるんじゃない?」
「いやいや、普通あり得ないだろ」
「そうかな、別に誰と誰がくっついたとか、そもそも興味ないし。自分の事で手一杯っす」
昼休み、隣のクラスの
「何で変だと思うし、俺がよ」
「いや、お前は変だろ? クラスでも浮いてるし、基本1人で動いてる、おまけに民なんちゃら会を作って一人で部活をしてる。これを変と言わずに何を言う?」
「クラスで浮いてちゃ悪いのかよ、自分は1人が好きなんですぅー、あと民俗学研究会な。変人である自覚はしているよ」
「自覚あるんだったら何で直さないんだよ? 浮いてるときついだろ?」
「いや、全然。むしろ一人で活動できて、気分爽快ですわ」
「……やっぱお前変だわ」
うるせーほっとけ、と弁当のご飯を口に入れる。彼ら二人は中庭の木陰のテーブル席で雑談しつつ、昼休憩を満喫していた。
昼休憩から数時間がたち、重春は1人民族研究会の部室で、地図とにらめっこしていた。その地図にはバツ印やマル印、数字の1や、大きな円が描かれていた。これは彼がこの第2の人生で見つけた、新たな趣味、妖怪の生息域である。ただ妖怪と言っても『魔化魍』の生息域ではあるが。
「んー、やっぱし自宅周辺の地理とか長野県の地理ぐらいしかないか、だけどこれからはバイトで金を稼いで、それを元手に日本各地へ飛んで、そこに生息する魔化魍の分布図を作ってやる!」
彼の頭の中では、日本全国の魔化魍分布図を作って、それを出版社に持ち込み、それがミリオンセラーとかになって、ゆくゆくは印税生活を送ってやる! と想像していた。が普通に考えてそんなことは不可能に近かいことから目をそらしていた。まず魔化魍は人を襲い、人を喰って生きているのだ、それだけで害獣認定され、狩り尽くされかねない。そんなことも解っていたが、やはり夢想はしたくなる、自分が偉くなった姿を、偉人になり誰もが知っているような人になった姿を。取らぬ狸の皮算用という言葉が、彼の頭を駆け抜けたがそれもあえて目を逸らした。ロマンには茶々を入れないでほしい、たとえ自分の頭の中であっても。
1人部室でニヤニヤしていると、不意に部室の戸がノックされた。その音に若干驚きながら、慌ててお手製分布マップをカバンに突っ込む。
「はいはいはい! どちら様で、しょう……か……」
「突然すいません。生徒会のものですが、少々お時間よろしいでしょうか?」
「……えっとつまり、部員5名に顧問の先生もいる。だけど俺以外この部室に来た人がいない顧問含む。で、活動してないんじゃないかと思った。てことですか?」
「はい、そのとおりです。最悪この部を廃部にすることになりますが……どうしますか?」
「どうしますっていうと?」
「部員5名をきちんと揃えて、この部に出席していることが解れば、廃部の方向で動かなくてもよいのですが……もしそうならなかった場合、部活動規定に反しているものとして……」
「廃部、ですか」
「はい、そうなります」
目の前に座り重春をじっと見つめる生徒会長『支取蒼那』 彼女の事を一言で表すなら『厳格』『厳しくて優しい』そんなところだろうか、物静かで頭脳明晰、容姿端麗で生徒会長としても、学園のアイドルとしても人気の高い女性である。そんな彼女がわざわざ作りたての部活に来るなどおかしなことであった。だが彼女がわざわざ直々に出向いてきたのにはわけがあった。
「しかしもう一つ、廃部を免れる条件があります」
「なんですか?」
「オカルト研究会への合併です、オカルトと民俗学どちらも似ているので、大丈夫ではないでしょうか?」
「ようは部員がしっかりといるところへ、吸収されてどうぞってことですか」
「まぁそういうことですね。大丈夫ですよ、向こうがの方々は快諾していただきましたし、これまでどうり民俗学研究会としての活動をしても良いと言ってます。悪い条件ではないですし、どうでしょうか?」
「すっげぇ魅力的なんですが、遠慮します」
「何故、ですか? 破格の条件だと思うのですが。もし何か条件があるのでしたらオカルト研究会の部長と親しい私が間に立って、話を進めることも出来ますが」
「それでも遠慮します。吸収されて、傘下に入るぐらいなら自滅します。この部は駒王学園の弱小部活ですが、小さくても俺はこの部の部長で、ある意味では王様です。そんな王様がホイホイと自分の国を見ず知らずの人に、渡すわけないでしょ? そういうことです」
「では、廃部と言う方向で動きますが……よろしいのですね? 本当に」
「えぇ、喜んで自滅しますわ」
では1週間後に民俗学研究会の最終決定を通知しますので、その時までに部室を綺麗にしておいてください。と言い残し支取は出て行った。その姿を横目で追っていた重春はおもむろに立ち上がり、荷物を纏め部室を後にした。
「どうしよ! 変な啖呵切っちゃった!! どうするよ? えぇ、鎌田さん」
「がぅがっ!!」
まっすぐに家に帰り、鎌田さんに今日あった出来事について泣き言をもらす。鎌田さんはいつもどうり話なんて聞かず、腕をガジガジと噛んでいた。
「あそこは普通『はい、よろこんで!』って頷くでしょ~! なに格好つけて『遠慮します』だ! 何がある意味では王様だよ!! 王は王でも裸の王様だよ!! 鎌田さんは相変わらず懐いてくれないしー!!」
「がぅっがぅっ」
床に寝そべり、うねうねと手足を動かす。うぅ……と泣きまねをして自己嫌悪に陥る重春。鎌田さんは気にせず頭に噛みついていた。そのとき重春の頭にひらめきが走った。
「そうだ、新しい魔化魍産み出して、新たな癒しにしよう」
あとヤミーも作って町に放とうと、トチ狂った考えを口にした。そこから行動は早かった、落ちている荷物を集め、鎌田さんと共に自室に入り、速攻で私服に着替え、押し入れの中からフラスコや試験管などを取りだす。
「さて、新しい魔化魍を産み出すわけだが……どんな子にしようか?」
頭の中であーでもないこーでもないと考え、自作した全国の妖怪ノートをパラパラと開き、編み出した結論は
「よしくらげ火にしよう、よろこべ鎌田さん、新しい家族にクラゲがやってくるぞ!!」
「がぁぁ~っふ……」
「あくびすんなや、聞いてよこっちの話」
「すぅ~……すぅ~……」
「もういいもん、1人で作るもん」
目に涙をためながら、両手で水をすくう形にし、その中にふぅっと息を吹き込む。するとその中に水が生まれる。その水をゆっくりと青いテープの張ってある試験管に注ぎ込む。水は液体の様な固体のような粘度で試験管を満たす。その上に右人差し指を試験管の口元に近づけ、種を一つ産み出し、ポトリと液体の中へ落とす。
「でも、くらげ火って言っても……原作にいなかったし、どんな子になるんだろうか……わかんねぇや」
『くらげ火』とは海月の火の玉とも言われ、加賀国(現在の石川県)に伝わる妖怪の事で。分類的には鬼火の一種とされている。調べたところ江戸時代ごろ、古寺を見回っていた武士たちが、生暖かい風と共に火の玉が飛んできたので、それを切ると、手ごたえが無く、糊のようなねばねばした感触の赤く透き通った物体が顔に張り付いたとのこと。その状態で武士が目を開けるとそれを透かして、周囲を見渡せたとのこと。地元の老人に聞くと『くらげが風に乗って来たのだろう』と言った。と文献には書いてありこれだけ読むと、無害な妖怪に思えるが
「魔化魍だからなー、喰うんだろうな~人を」
胡坐をかきながら、試験管の中の大きくなっていく種を観察する。その間にヤミーも作ってしまおうと、台所から持ってきたセルメダルを1枚、額に出来た挿入口にチャリンといれる。と背中から一体のヤミーが羽化する蝶のように抜け出てくる。完全に抜け切り立ち上げったその姿は、頭にサイのような角を生やしたヤミーでゴリラヤミーと同じくごつい体をしていた。
「
「リントの言葉で喋れ、リントの言葉で。えっと何すればいいのか? ってことだろうし…んじゃあ人の乗っていない車を潰してきて」
「ワカッタ、イッテクル」
「いってらー、人に見つかんなよー!」
サイ・ヤミーは窓から飛び降り、走っていく。この鬱憤を晴らすにはちょうどいいでしょ? と重春は考え試験管の中の、魔化魍の幼体を眺める。
「フン!」
サイ・ヤミーは、主人が自分に言いつけた命令を、違えることなく忠実に遂行していった。民家の車を、路上の車を、パーキングの車を、ことごとく自慢の角とサイの名に相応しい突進力で、鉄くずに変えていく。町のあちこちでは火の気が上がり警察や消防が走り回っていた。
「マダ……タリナイ。モットコワ、ス……」
あとどれだけ潰せばいいのか? あといくらほどの車を潰せば主人は満足するのか? そんな事サイ・ヤミーは考えもしない。とにかく潰す、何が何でも潰す、主人が満足するその時まで。
公園の横に止めてあった車を一発で潰し、突進の勢いでめり込んだ壁から抜け出、次に向かおうとすると
「おい、そこのバカ野郎、こっち向けよ」
「ン? ナン、ダァッ!?」
謎の声にサイ・ヤミーが振り向いた瞬間、顔面を殴られ、ぶっ飛ばされる。突然の事に驚くサイ・ヤミー、だが殴り飛ばしたモノは考える隙を与えずに、アッパー気味の殴打で顔面を捕らえ殴り飛ばす。
「ったく、こんな普通じゃねぇことをやってんのはどこの誰だよ、って思ったら全然普通じゃねぇ、バケモンだったとはな」
「オマ、エハ? グゥッ!」
「喋るな人外」
地面に倒れ伏すサイ・ヤミーの背を踏みつけ、軽蔑するようなまなざしを送る。そして踏みつけているモノの足元に6本の角を持った顔の様な紋章が浮かび、足へと吸収されるように収縮していく。
「気持ち悪いんだよ、普通じゃないのは」
消えやがれと一言言い残し、踏みつけた右足に力をこめさらに踏み込む。足元からサイ・ヤミーへ向かって吸収した大地の力を流し込み爆発させる。その瞬間ヤミーが見たのは
「キンノ……カラ、ダ」
「ちっ、胸糞わりー」
爆発した後、セルメダルが転がったが、見向きもしなかった。その体をまばゆい光が少しの間身を包み、光が収まると、少年の姿になっていた。彼は踏みつけた足を、汚物を踏んでしまったような目で見、地面になすりつける。
「くっそ気持ちわりーな! 人外ってのはよぉ! 人以外に憧れとか、恋愛感情抱く奴は異常だ! 虫唾が走るな、普通にできねーのかよ!!」
ダンッと地面を踏みつけ、ポケットから煙草を取り出し、火をつけ煙を吸う。煙が肺を満たし、脳を痺れさせ、イライラが少しはマシになった。そのまま踵を返し歩き去っていく。
「ちっ、俺をこんな世界に送った神とかも、悪魔も天使も堕天使もその他もろもろ全部殺してやる、んでもって普通の世界に戻ってやる!! 何が仮面ライダーだ!正義の味方だ! 人外に守られるとか気持ち悪いんだよ!! それになりたいとか、あー気持ち悪っ! 死ねよそんなやつ、このアギトとかいうのも死ねよ!! クソがっ!!」
彼の名は『八雲翔太』鳥山重春の友達で、彼もまた転生者であった。神にアギトの力を覚醒させられた、人外嫌いの『普通』の少年である。
ね?仮面ライダーでしょ(白目)
2次創作だし、こんなキャラでこんな仮面ライダーが居てもおかしくないだろうな~って考えて作ってみました。怒られそう(小並感)
やっちゃったもんはしゃあねぇ! このまま突っ切る!! ……なんてね。
八雲君がどういう風に物語に絡むかはこうご期待。
そして1話で部活が廃部になった重春君は、やけっぱちでヤミーと魔化魍を産み出しました。
ではまた次回!
今いる魔化魍
・カマイタチ
・くらげ火←new!
※タグに『オリジナル魔化魍』を追加しときました。