魔化魍育成日記   作:マデリアン

4 / 11
 夜更けにこんばんわ、4話お持ちしましたへっへっへ。
 原作1巻『旧校舎のディアブロス(ディアボロス?)』はサックサク進める予定です。それでもちゃんと物語はします。
 ではどぞー。


巻の肆 天のくらげ

『昨日おきました連続車上爆破事件は、奇跡的に被害者を出すことなく、警察と消防の迅速な行動で……』

「うむうむ、さすが我がヤミー。ほれぼれする仕事っぷりだ、これで満足だぜ」

 

 憂さ晴らしにヤミーを作り出し、町に放った元凶の重春は、その事件が報道されているニュースを見ながら、ひとり朝食を食べていた。

 

「でもサイ・ヤミーが帰ってきてないのはなにゆえ? んー考えても仕方ないか。もし消えちゃってもメダルが一枚転がってるだけだし、大丈夫か?」

 

 通常ヤミーは宿主の欲望を叶え、その身にメダルを蓄積していく。だが重春の生み出すヤミーは欲望を満たし、重春へとメダルをワイヤレスで蓄積していくタイプだ。そのため昨日生み出したサイ・ヤミーや、家で家政婦のような仕事をしているゴリラ・ヤミーを倒しても得られるメダルは1枚だけになる。メダルが大量に散らばるならまだしも、たった一枚程度なら人目にはまずつかないだろうと考え、大丈夫か? と結論した。

 

「でも、消えたっていうのがおかしいんだよな~硬いうえに、なかなかしぶというちのヤミーを倒すとなると……凄い力を持った凄い人? 仮面ライダーならなんだかんだで倒せそうなきがす、うわっぷ!?」

「…………」

「『くーちゃん』顔から剥がれてください、目の前が真っ赤です」

「…………」

 

 もしかして仮面ライダーがいるのか? と考え出したところで、重春の顔面に赤い半透明の、半固体のものがへばりつく。それは昨日新たに産み出した『くらげ火』で愛称は『くーちゃん』となった。くーちゃんは顔から離れその場をふよふよと漂う。

 

「朝起きたら、目の前真っ赤でびっくりしたら、顔面に張り付いたくーちゃんで、なぜか腕をすっぱり切られてて、布団が真っ赤だったし。朝から貧血気味ですわ」

 

 斬られた腕は、体内にコアメダルを宿しているせいか、わりと早く回復した。が失った血液は戻らないので、少しふらふらとしていた。

 

「どうしよ、今日学校休もうかな……」

「がぅっ!」

「行って来いって? あーたのせいでしょあーたの」

 

 

 

 

「というわけで、我が家のペットに追い出されるように、学校にやってきましたというわけなのさ」

「ぶっ、はっはっははははは!! おま、お前の、はははっ! 日常って! だっはっはははは!!」

「そこまで笑うかよ」

「すまん、ふふっ……あー腹痛い、ヒヒッ」

 

 同じクラスの『北尾レオ』と休憩時間中に、今朝の事をかいつまんで話したところ、腹を抱えて大爆笑していた。重春はその姿を見ながら、言うんじゃなかったと考えていた。

 

「おら、そこになおれ、脛を蹴っとばしてやる」

「お? やるか? 受けて立つぞ?」

 

 重春と二人、教室のど真ん中で殴るふりや、蹴るふりをして遊ぶ。

 

「ところで、八雲のやつは?」

「放してやった」

「いや、そうじゃなくてさ今日、見かけてないんだけど」

「そういえば、どこいった?」

 

 レオが重春にコブラツイストを決めた所で、いつもそばで突っ込みを入れてくれる友達が、いないことに気が付く。重春は風邪かなんかで休みだろうと答え、無理やり身をねじってコブラツイストから抜け出した。

 

 

「さて、北尾さん放課後です。いかがいたしましょう?」

「ゲーセンで遊びませんか?」

「ゲーセンどうでしょう?」

「……ごめん、俺それ見てないから、ネタに反応できない」

「奇遇だな、俺もだ」

 

 重春と二人乗りで、学校を後にしゲーセンへと向かう。

 

「やってきましたゲーセン、なにするよ?」

「うーん……格ゲー?」

「おっしゃきた、対人戦で勝ったためしのない、おれの実力観とけよー」

「そーれは、自慢にならないです」

 

 二人で開いていた格ゲーの台に座り、キャラを選びゲームをスタートする。重春は猫のようなフードをかぶった、褐色肌の女性キャラ。レオは覆面を被った人形遣いの髭面のおっさん。

 

 

 

 

 

 

 

「ぶっはー、遊んだ遊んだ。満足ですわ」

「あー疲れたわ~」

 

 ゲーセンからの帰り、2人は自転車に乗らず、ノロノロと歩いて帰っていた。

 

「今度は八雲のやつも誘って遊ぼうぜ」

「いいね~、明日来るかな?」

「どうだろ? この重春の目をもってしても……ん?」

「どうし、た?」

「あれって一誠さん」

「んお?おぉ本当だ、隣にいるのは彼女か」

 

 いつぞや重春が一誠に彼女が出来る瞬間を見てしまった、あの公園でまたも一誠とその彼女を見かけた。

 

「隠れてみようぜ」

「賛成、さてどうなるか……」

 

 二人が茂みに隠れていると彼女がクルリと振り向き、一言何かを喋った後……どこからともなく取りだした光の槍で一誠を貫く。

 

「んなっ!?」

「えっ?」

 

 そして、槍を引き抜かれ地に倒れる一誠。その様子を見て、あざけるように見下しながら笑う一誠の彼女。手には血の付いた光の槍が。そして背から黒い翼を拡げ、羽が散らばる。

 

「これは、ってか、あれ……」

「悪魔? ってやつ? 一誠の魂を取りに来たとか」

 

 顔を合わせて話、もういちど一誠の方へと目を向けた瞬間

 

「そこで、見ているのはだぁれかしらぁ?」

「!?」

「………………」

 

 鋭く冷たい視線が2人に突き刺さった。恐怖で腕が、足が体が動かない。息することさえ許してはくれないほどの重圧だった。だが

 

「逃げろ……」

「え?」

「いいから、早く逃げろ!!」

「いや、おま!」

「俺が何とかする! そのうちに逃げろ!!」

「んな無茶な! どうやってあの悪魔を抑えるんだよ!?」

「いいから! 早く行けぇ!!」

 

 レオの剣幕に押され、慌てて自転車をこぎその場から逃げだす重春。重春が逃げたことを確認したレオは、ゆっくりと茂みから体を出す。

 

「あらぁ?何かと思えば下等生物の人間じゃない、何かしら? 友達の代わりに、身代りにでもなったのかしらぁ?」

「そうだけど、そうじゃねぇよ堕天使風情」

「コイツ、いいわ気が変わったわアンタを殺して、逃げたアイツも殺す。精々命乞いでもしなさい」

 

 血が垂れる光の槍の切っ先をレオへとむける。レオは生唾を飲みカバンの中から、機械で出来たベルトを取り出し、腰に装着する。

 

「なにかしら? もしかしてそのおもちゃでヘ・ン・シ・ンとかしちゃうわけ? アッハハハハ!! 恐怖で気でも狂ったかしらァ!」

「気が狂うなんて……」

 

 レオはポケットから白色の携帯を取り出し、3・1・5と入力する。

 

『STANDING BY』

「とっくの昔に狂いきってるよ、変身!」

『COMPLETE』

「ぐぅっ!? なんっだ? この光は!?」

 

 携帯をベルトのバックルに挿し込み倒す。瞬間レオの身体に青い光の線が走り、体を覆う。まばゆい光に包まれた後そこには

 

「なんだ!それは!! 何かの神器(セイクリッド・ギア)か!?」

神器(セイクリッド・ギア)? 知らねぇナァ、これハ、天の帝王のベルト。名は……」

 

 胸のプサイの紋章が青く輝き、風が吹き荒れる。女は思わず顔を腕で覆う。

 

「『仮面ライダーサイガ』ダ! てめぇに怨みはねぇガ、人を殺した罪……天が許しても俺が許さん!!」

「このガキィ……このレイナーレ様の手で逆に天国送りにしてあげるわ!!」

 

 指をさし、名乗り口上をあげるレオ。そのセリフに完全に切れたレイナーレは飛び掛かり、光の槍を突き立てる。それを半身をきる事で、最小限の動きで避けるサイガ。レイナーレは振り向きざまに光の槍を横一線に薙ぐが、それを左腕で止められ、右ストレートを喰らい後方に吹っ飛ばされる。サイガは右手を一度軽くスナップし、レイナーレに歩み寄る。その姿はまるで死刑宣告を告げにやってきた、純白の死神にレイナーレは見えた。

 

「クソッ! よくも、よくもよくもよくも!! 私の顔を殴ったなァッ!! 殺してやるっ、徹底的にいたぶり、手足を引き裂いて、豚のえさにして泣いて許しを請うまで、ギャァァッ!!」

「殺す殺すって……うるさいんだヨ、自分の顔面見てみナ、てめぇの方がよっぱど醜い面してるゼ」

 

 背部に装着されたフライングパックを、ブースターライフルモードに切り替え、マシンガンのように一斉掃射する。撃ち抜かれたレイナーレはまたも後方に吹っ飛び、死にかけの虫のように体を震わせる。

 

「俺にゃ、相手をいたぶる趣味はないんでナ……たとえどれほどのクズであってもダ、死まで侮辱する事は無イ……」

「や、やめろ! やめてくれぇ!!」

 

 腰に装着したサイガフォンから、ミッションメモリーと呼ばれるチップを引き抜き、右手に握っていたハンドル部に挿し込む。

 

『EXCEED CHARGE』

「幕引きだ、あの世で反省して来い!!」

 

 機械音が響き、両側から引き抜いたグリップから青い光が伸びていき、トンファーエッジモードになる。ファイティングポーズを取り、レイナーレを見据えダッシュで駆け寄る。右拳を引きフックの要領で切り裂こうとした、瞬間!

 

「……なんてね」

「っ!?」

「この距離なら避けられまい!!」

「ハッ! グァッ!!」

 

 レイナーレは死にかけたふりをして油断を誘い、サイガをおびき寄せる。腹部に手を当て、零距離で光の球を連射した。その攻撃をもろに浴びたサイガは、後ろにのけぞり思わず膝をつく。

 

「フ、フフ……形勢、逆転ってとこかしら?」

「はぁっ……はぁっ……」

「結構本気の一撃だったんだけど、無傷ね。気が変わったわ……あんたを殺して、それを奪うわ。その力さえあれば……アザゼル様は私をきっと、いえ必ず! 認めてくださる!! そして私を見下してきた連中に、裁きを下すことも出来る!!」

「やって、みろヨ……雌鴉」

 

 足に力をこめ、ゆっくりと立ち上がるサイガ。目立つ傷こそついていなかったが、疲労が激しく、荒く肩で息をしていた。ファイティングポーズをとり、レイナーレを見据え、キッと睨みつける。

 

「……それを、よこせぇぇぇ!!」

「……くたばりやがれぇぇぇ!!」

 

 お互い一気に駆け寄り、サイガはトンファーエッジを逆手に持ち、前に突き出し、レイナーレは再度光の槍を右手に出し、押し出すように前に出す。一瞬、お互いの武器の切っ先が触れ合ったと思った瞬間大爆発が起きた。

 

「ちぃ!」

「もう一度ォ!!」

 

 爆発の被害で、お互い少し距離が離れる。反応が早かったサイガが手刀を振り下ろすように、トンファーエッジを振るう。がそこへ横からレイナーレと同じ光の槍が飛び出してき、急ブレーキをかけすんでで止まる。

 

「誰ダ!」

「ドーナシーク!!」

「レイナーレ、目的は果たした。引くぞ」

「だが!」

 

 サイガが横を向くと、そこには黒のスーツ姿の男性が出現しており、背中からはレイナーレと同じ黒い翼が拡がっていた。

 

紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)が近づいてきている。仲間も一緒のようだ」

「厄介ね……くそっ」

 

 地面に唾を吐き、忌々しげにサイガを睨みつける。油断せずサイガは、トンファーエッジを構え、いつ不意打ちされても大丈夫なようにする。

 

「まぁいいわ、そこのボーヤは殺せたし、期待外れだったけどね……そこのあんた、サイガとか言ったね」

「なんダ?」

「次合う時まで、それあずかってておきなさい。それは私のものにするのだから」

「断るっ! いまここで仕留める」

 

 両手のトンファーエッジを逆手持ちにし、前に突き出し最大速度で突っ込む。だがその攻撃はドーナシークが放った光弾の弾幕により、阻止させられた。

 その間に、レイナーレとドーナシークは天高く飛び去り、逃げて行ってしまった。

 

「次は……かならず」

 

 レイナーレ達が逃げ去った空を見上げ、一睨みし倒れている一誠の元へと駆け寄った。




みよ、ガッバガバ小説。後書きです。
 重春君の家に新しくやってきたくらげ火ことくーちゃん。鳴かないから基本『……』になりそう、どうにかしなくては。
 アギトこと翔太君は本日お休みです。きっと風邪で休んでいるのです(目逸らし)
 新キャラ登場レオ君、まぁそのなんだ、彼はね?うん、天のベルトを持っています。

ではまた次回ー

今いる魔化魍
・カマイタチ
・くらげ火
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。