魔化魍育成日記   作:マデリアン

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 戦闘シーンは意外とノリノリで書けた。でももっと一進一退の攻防が書けるようになりたいれふ。
 そんな第5話どぞー


巻の伍 路地裏の死闘

「今気づいたけど、何逃げてんだ俺?!」

 

 重春はレオに急かされるようにして、自転車をこぎ逃げてきたが。そこでふと気づく。自分はグリードになれるじゃないか、体つきは貧相で弱弱しいけど、俺ならあいつを足止めぐらいは出来たんじゃないか? と考え、ここまで必死こいて逃げてきた自分があほらしく見えてきた。

 

「うーあー! 待ってろレオ!! 今いくぞぉ!!」

 

 近くにあった銀行の前に自転車を止め、路地裏に走りこみグリード体へと変化する。そして人気の少ない道を選び公園まで走っていく。

 

「あと、もう……少し」

 

 ハァハァと息を切りながらいくつ目かの角を曲がり、目的地の公園が見えてきた。そのとき目の前の公園から爆発音が聞こえてくる。

 

「うぉぉ!? あー! もうちょっと待っとけよー!!」

 

 爆発音に足がすくみ動かなくなってしまうが、足を叩き痛みで恐怖心を抑え込み駆けだす。が何者かに足を取られ盛大に転ぶ。

 

「ひげぶっ!」

「ったく、人がせっかく、この町から人外を処理してやってると思ったら……またこんなのかよ」

「だ、れだっ!?」

「喋るな気持ち悪い」

 

 重春が顔をあげようとしたが踏みつけられ、押し当てられた足で誰かが頭を踏みにじる。

 

「…………な」

「あ? 誰が喋って良いっ、うおぉっ!?」

 

 地面に押し当てられた重春は、手からセルメダルを取り出し、額の挿入口に押し込む。入れた瞬間背中からヤミーが這い出て、それに驚いた踏みつけていた人物は後ろに倒れこむ。

 

「俺を止めるなァ! リクガメヤミー!! 俺を踏みつけた奴、をぶっ潰……せ」

「よくもまぁ普通じゃねぇ人以下の存在が、俺をこかしやがったな」

 

 殺す。と呟くその姿は、頭には金の光り輝く2本角、血のように赤い複眼。金のアーマープレート。超越肉体の金と呼ばれるその姿は……

 

「仮面ライダー、アギトォ!?」

「俺を仮面ライダーみたいな、気持ち悪い存在と一緒にすんじゃねぇ!!」

「っ! リクガメヤミー!! 俺を守れ!!」

「フンッ! ハァッ!!」

「ちっ、かてぇなクソ亀……」

 

 アギトが殴りかかるが、そこへ重春の生み出したリクガメヤミーが間に入り、攻撃を防ぐと背中の甲羅をアギトへ向け突進しぶつかる。これは中国拳法の『鉄山靠(てつざんこう)』と呼ばれる技で、攻防一体の攻撃であり、硬い甲羅を持つリクガメヤミーが行う事で、一撃必殺に近い威力を叩きだす。だがアギトはその攻撃を喰らう寸前で後ろに飛び、威力を流す。

 

「待ってください、俺はあなたと戦う気はない。あなたの後ろに見える公園で、俺の友達がピンチなんだ……それを助けたいだけなんです」

「ダメだ、普通じゃねぇ人外は見つけたら、即殺すことにしてるから。遺言はそれだけか?」

「殺す殺すって、あんたそれでも人を守る仮面ライダーか!?」

「知るか、そんなもん! 普通じゃない異常な奴は、みんな消えればいいんだよ。俺はそれをやってるだけだ、あぁどうせ解らないだろうな? しょせん人外の人間以下の存在だしなお前らは」

「普通って何だよ! 普通って!! 何を持って普通とか異常とか決めるんだよ!!」

「あ? あー知るかよ」

「は? いや、おま……そこがはっきりしてなきゃ普通とか言えない、うぐぁ!?」

「黙れ! 大体何説教かましてんだ? あぁ? 人外が何一丁前に人に向かって説教してんだよ! てめぇはそんなに偉いんですか? っつぅんだよ!!」

 

 アギト、いや仮面ライダーらしからぬ発言に、重春は頭が真っ白になりかけるも反論しようとしたが、回し蹴りを浴びせられ、壁にぶつかりめり込む。抜け出そうとしたが、さらにめり込ませるようにアギトはヤクザキックを上から何度もぶつけ、ダメージを与えていく。蹴られるたびに、重春の身体からセルメダルがばらまかれる。

 

「ソコマデダッ! アルジニッ! ソレイジョウ! コウゲキハ! ユルサレナイッ!!」

「クソッ、亀のくせして、なかなか速い攻撃をしてきやがる……おまけに」

「フンッ!!」

「っと……鋭いときた」

 

 とどめの一撃を放とうとしたアギトに、リクガメヤミーは掌底を突き出し重春から離す。間髪入れずに掌底、山突き、鉄槌、鉄山靠、肘打ちと繋げていく。だがそれを全てアギトは捌き、いなし躱していく。離れ際にリクガメヤミーの放った抜き手は、内から腕を入れることで逸らされ、顔をかすめるだけにとどまった。

 

「ダイジョウブカ? アルジ?」

「あ、ありがとう、リク……ハァ、ハァ……後ろっ!」

「おらァ!」

「グゥッ!? ソノテイド……ワタシノカラダニハキカヌッ!!」

「無駄に硬い体しやがって……手がいてぇだろ!!」

 

 リクガメヤミーの手により壁から抜け出た重春、だが息つく間もなく背後から不意打ちをせんと、拳を振り上げるアギトが見えリクガメヤミーに伝える。がリクガメヤミーはボロボロの主をかばい動けず、アギトのパンチが背中に突き刺さる。がアギトのパンチよりリクガメヤミーの背中の方が硬かった様で、アギトの方がダメージを負っていた。それで完全にキレたアギトは足元に紋章を出現させ、大地から足へと力を吸収していく。

 

「リク! 俺を抱えて横に飛べ!」

「遅いんだよ!!」

 

 リクガメヤミーが動き出すよりも、アギトの蹴りの方が早かった。リクガメヤミーはその背に蹴りを喰らってしまう。そして

 

「ウ、グゥゥ……ア、アルジ、ヲ! マモルッ!!」

「リク! うあぁぁ!?」

「一匹逃がしたか」

 

 リクガメヤミーの身体が爆発する。そして宙を舞うセルメダルがバキンと音を立て粉々になっていく。その様子を爆発する寸前、放り投げられた重春はやけにスローモーションな視界で捉え、地面に転がる。

 アギトは何でもなさそうにもう一度足もとに紋章を出現させ、今度こそ重春を仕留めんと狙いを定めた。重春は痛む体を無理やり起こしアギトを見据え、1つ問いを投げかける。

 

「な、なぁ……一つ聞いていいか? 死ぬ前に一つ聞いておきたいことがあるんだ」

「ん? いいぜ、死ぬ前に何でも好きな事答えてやるよ、でなんだ?何人の女性とヤッたか? とかか? ギャハハハ!!」

「いんや、そんなことじゃない……あんた、仮面ライダーのこと、好きか?」

「はぁ? 嫌いに決まってんだろ? あんなバケモンども、あんなのが人助けするとか、世界を守るとかキモすぎだっつぅーの。そんだけか?」

「あぁそれだけでいい、それで十分だ……」

「あっそ、つまらねー人外は、死ぬ前までつまんねー存在でしたァ!」

 

 俯き拳を握りしめた重春は、その答えで納得したのか拳を開き肩の力を抜く。そこへアギトが紋章の力を最大限溜めこんだ飛び蹴りを放つ。それが当たる瞬間、重春は胸を叩きだし、大地を揺るがすほどの大絶叫ををあげる。

 

「ウォォォォ!!!!」

「なっ!? ガッハァ!? か、体が……う、動かねぇ……お、重いっ!」

 

 ガメルの能力の一つである『重力操作』 効果は実戦で使えないぐらいのものであったが、人の未来の為アギトの為に戦った仮面ライダーとは思えぬ発言、そしてなぶるような相手を舐めた戦い方。そのことが重春の中にある、怒りのスイッチを押してしまった! 結果限定的だがアギトを大地に縛り付けるほどの重力操作が出来るようになった!

 

「ハァー……確かに、仮面ライダーが嫌いだって言う人は世の中にいる。それはそれでいいと思う、どう思うかはその人次第なのだから」

「クソッ、う、ごけ……ねぇ……」

「だがっ! 貴様の行い、発言はそれすらも侮辱する愚かな行為!! そしてわかった!」

「べらべら、しゃべんじゃねぇ!!」

「お前と俺は! 決して分かり合う事、和解することは出来ぬ!!」

 

 やっとの思いで立ち上がるアギト。だが目の前から歩いてくるそれは、見た目こそ貧相極まりない弱弱しいなりだが、その身が纏う風格は王のそれであった。そしてその重圧は一歩歩くごとに足元に小さなクレーターが出来上がるほどであった。

 

「けっ、それっぽい雰囲気出せばひるむと思ってんのか? ビビると思ってんのか? あぁん!?」

「それでいい、逃げるお前など潰す気になれん……正面から殴り潰す!!」

「やってみろよ! 人外ィ!!」

 

 アギトが倍になった重力下の中を駆け寄り、重春へと殴りかかるが、重春は脚を開き四股の構えを取る事でそれをよけ、右ひじの肘鉄、裏拳、アッパーを連続して打ち込む。それをカウンター気味に喰らったアギトはのけぞり姿勢がぐらつく。そこへ背をかがめ、口元に拳を二つ合わせたボクシングの構えで懐に飛び込む。

 

「ふんっ!」

「グゥ、はぁっ!?」

 

 小さく構えた左拳を足腰によるひねりを加えたエネルギーを乗せ、全身の筋肉を使ったリバーブローで左ボディをを撃ち抜く。間髪入れずくの字に折れ曲がり、垂れ下がった顎を撃ち抜くように飛び跳ねるアッパー、ガゼルパンチで跳ね上げる。

 

「ラストォ!!」

「あ……あぁ……」

 

 構えを元にに戻し無限の字を描くがごとく、体を横に振り始める重春。リバー、ガゼル、そしてデンプシーロール……これぞはじめの一歩と言うボクシング漫画で主人公がチャンピオンから日本タイトルを奪取した必殺コンボ!! 回転の力が最高潮に高まり、この戦闘の幕引きである一撃を放つ。

 

「フッ! フッ! ハァッ! ラァッ!!」

「ゴッ!? ガッ! ブッ! グゥッ!!」

 

 アギトの身体が重春のおこす、拳打による小規模な嵐の中でピンボールのように跳ねる。しかし

 

「ぐぁっ!? ぐっ、横から?」

「はぁ、はぁ、はぁ……誰だ?」

 

 5往復した辺りで横から、何かの攻撃を喰らい攻撃が中断してしまう。二人がその方向へ目を向けると……

 

「誰だか知らないけど、リアス・グレモリーの名にかけて……ここで勝手な真似はさせないわ」

「グレ、モリー?」

「体が……動ける!?……今のうちに、逃げなくては!」

「しまっ?! 待て、うわぁ!?」

 

 攻撃が中断したせいか、集中力が途切れ重力が元に戻る。その隙を逃さずアギトが逃げ去っていく。それに気が付き追おうとした重春だったが、リアスの付き人が雷を落とし行く手を阻む。

 

「あらあら、誰が勝手に逃げていいと、言ったかしら?」

「朱乃、そのへんにしておきなさい」

「はい、部長」

「どういうつもりだ?」

 

 朱乃と呼ばれた人物がもう一度雷を放とうとするが、その行動はリアスによって阻まれる。重春はなぜ止めたのか気になり、問いただす。

 

「別に、ただあなたの放つ重圧は上級悪魔……いえ最上級悪魔のそれに匹敵しうるものだったからかしら。悪魔なら私の事……」

 

 知ってるわよね? と観る者すべてを魅了する笑みで重春を見据える。そして重春は一言

 

 

 

「いや、まったく」

「あら?」

「てか、俺悪魔じゃないし。あれをボコボコにしてたのは単なる成り行きだし……まぁ勝手に私有地で暴れたのは謝ります」

 

 すいませんと謝り、頭を下げる重春。その態度に肩透かしを食らったように、間の抜けた顔をするリアス。顔をあげた重春はリアスに問いかける。

 

「それで、ここへは何しに? 今の戦闘を止めるため……ですか?」

「え? あぁ、ち、違うわよ!? ここに来たのはって……あぁ!急がなくちゃ!!朱乃行くわよ!!」

「あらあら、ずいぶんとおっちょこちょいですわね部長」

「う、うるさいわね! イイから、行くわよ!!」

「はい、部長」

 

 何かを思い出したように急いで公園方向に向かって駆け出すリアスと、それを追う微笑んでいる朱乃。そしてその場に置いてけぼりにされた重春は

 

「あ、そうだ俺も公園に行かなくちゃ!!」

 

 元の使命を思い出し、駆けだそうとした。その時ポケットに突っこんだままの携帯がバイブ音を鳴らす。開いて誰か確認すると、すぐさまコールボタンを押し通話を開始する。

 

「北尾! 北尾じゃないか!! 大丈夫か!?」

『落ち着け、こっちは大丈夫だ。ただ……』

「ただ?」

『一誠先輩は死んでた。その後アイツは仲間と一緒に逃げて行ったから、こっちは大丈夫だ。いやある意味大丈夫じゃねぇか……そっちは?』

「あ、あーえーと……家の近く」

『そうか、じゃあ今日は帰ろうぜ。いろいろあって疲れたわ』

「そ、そうだな……じゃあまた明日」

『おう、じゃあな』




 仮面ライダーの戦闘シーンで一番印象に残って、一番影響されたのはクウガのアルティメットVSダグバの殴り合いです。あれは心にぐっと来た。あのシーンは『善と悪』とか笑ってるダグバと泣いている五代とかいろいろ思う事もありますが、一番初めに思ったのは『格好いい』でした。今のライダーにはない要素ですし、血だらけになりながら殴り合うさまは美しいとも感じてました。
 そんなこんなでアギトVSガメルです。重力操作に関してはライダー特有の『不思議な事』で良いですよね!? あとはまぁ仮面ライダーをバカにされたから怒って火事場のクソ力的な奴です。
 最後に重量級のガメルが一歩の必殺コンボって普通死ぬよね?
ではまた次回ー

今いる魔化魍
・カマイタチ
・くらげ火
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