魔化魍育成日記   作:マデリアン

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 すいませェん…投下がかなり遅れました。一気に書いてからそれを手直し推敲なんやかんややってたら1時過ぎてました。言い訳ですねスイマセン。
 いつもの如く話がボンボコビュンビュン飛んでいきます。
ではどぞー。


巻の陸 ゴリさん特製焼き飯

 先日、駒王学園2年兵藤一誠が背中に羽を生やした美女によって殺された。そのことは重春とレオしか知らぬ出来事であり、だれにも口外していなかった。しかし現実は

 

「なぁレオ、何で生きてるん? 何で一誠先輩生きてるん?」

「俺に聞くなよ……俺も今絶賛混乱中なんだから」

「しかも今日も翔太は来てないし、先生に聞いたら良くわからないって……」

「あーもうやめだ!! これ以上悩んでいてもらちが明かねぇ!! 重春! 俺を殴れ!!」

「おっしゃぁ!! 必殺、腹パン!!」

「ぐっふ……おま、みぞは、シャレにならねぇ……」

「スマン、つい手が……」

 

 昨日の事は昨日の事、それになぜ一誠が生きているのかは見間違いだろうと思った。二人は今日も来ていない友人の心配をしつつ、平和な一日を謳歌していた。

 

「ちょっといいかしら?」

「はい?」

「ふぁ? ファッ!?」

 

 ふざけ合っていると、横から声を掛けられ振り向くと燃えるような紅の髪を持つ3年の美女

 

「あなたが……北尾レオ君、ね?」

 

 リアス・グレモリーが見る者すべてを虜にしそうな微笑みで立っていた。

 

 

「で、あのあとどーしたよ?」

「あの後な? 呼び出し喰らってホイホイついて行ったらさ、オカルト研究部に入らないか? って」

 

 教室に学園の2大美女の一人である、リアスが現れクラス中の女子と僅かばかりいる男子の興奮した声や黄色い歓声を浴びながら、レオをその場から連れ出し何処かへ去っていった。一人取り残された重春はその場に立ちつくし、疎外感を味わったとか。

 

「あのオカ研に? 入部希望者をことごとく切って、誰も入部できていないわけのわからんあの部に?」

「そうなんだよな~、なんで俺を入れようと思ったんですか~って聞いたら『あなたには我がオカ研の求めるものが備わっているわ! 入るか入らないかわあなた次第……いい返事を期待しているわ』ってさ」

「ファ~」

「ほんとなんだよ急に、昨日は一誠先輩が死んだのかわからん現場に出くわして、今日は今日でリアス先輩にはいらないかって、どうしてこうなった……」

 

 学校からの帰り道、重春はレオにあの後の事を問い詰めていた。が、怒涛のごときイベントの大量発生にレオの頭はパンクしかけていた。

 

「そしてやってまいりました、昨日の公園」

「血の跡とか全部綺麗になくなってる……爆発のクレーターも綺麗に修復されてる」

「ここで、一誠さんが死んだとか、言われても信じられねぇよな……爆発って何?」

「あ?あぁ、えっとな……あーお前を逃がした後、なんか爆弾みたいなものを彼女さんが投げつけてきたんだよ、その爆発の事」

「なーる、ってか良く生きていたな。お前人間かよ」

「……まぁ人間だな、今のところは」

「なんだよ最初の間は、気になる伏線でも張ったつもり? 人間のお前がじつは化け物でしたーとか、予想できないっての」

「そうだな、さて帰るか。ここにいても何にも変わらないし」

「せやな、帰ろうぜ俺腹減った」

 

 レオは昨日戦闘があった公園を見て、あれは現実の事だったのか考えていた、しかしレオの手に残る感覚は、それまで戦闘訓練しかしたことのないレオにとって初の実戦で、命のやり取りと言うものを実感した戦闘でもあった。故に一誠の死、ひいてわ昨日の戦闘も嘘や白昼夢で片づける事が出来なかった。家に帰るまでの間2人は無言のまま歩いた。

 

「んじゃここで、俺こっちの道だから」

「あぁ、んじゃまた明日」

 

 おーう、と明るく声を返してくる重春にヒラヒラと手をあげて返す。やがて重春の姿が見えなくなったところでレオも歩き出す。がすぐに止まり後ろへ振り向く。

 

「なんなんすか? さっきから俺に何か用でも?」

「気づいていたのか、俺がつけていたのを」

「まぁね、重春の奴は全然気が付いていなかったみたいだけどな」

 

 昨日戦ったレイナーレとは別のスーツ姿の堕天使が翼を拡げて立っていた。

 

「ドーナシーク、それが私の名だ以後よろしく」

「北尾レオだ……何か用か?ドーナシークさんよ」

「いや今日は単なる顔見せだけだ。お前はレイナーレの獲物だからな」

 

 さらばだ、と言い残し空へ飛び去っていくドーナシーク。

 

「あいつ俺たちの事ストーカーして、名前名乗っただけかよ……ライダーギア準備して損した」

 

 カバンの中からいつでも取り出せるように、持っていたサイガギアを中に入れ、レオも帰っていく。ちなみにこの後ドーナシークは一誠を襲って、リアスによって追い返されていた。

 

 

 

「昨日のアギトもどきは何だったんだろう」

 

 家に帰りソファに寝転がりながら重春は考えていた。あのときは仮面ライダー自体が侮辱された気がし、その場の感情に任せて拳を振るってしまった。が、世界にはそういう人もいると言う事は知っているし、それはそれで良いのだと思い直していた。みんな違ってみんないい、十人十色、どちらも重春の好きな言葉であり、彼の行動の根幹を示す言葉でもある。ゴロリと寝転がり、家の中を首だけを動かして見渡す。

 

「プスー……プスー……」

「……………………」

「ヨッ、ホッ、トトッ……」

 

 カマイタチの鎌田さんは、お気に入りのクッションの上で寝ていて。くらげ火のくーさんは、ふよふよと家中を飛び回っていて。ゴリラ・ヤミーのゴリさんは重春の代わりに晩御飯を作ってくれて。この家にいる存在は彼含めて、すべて人外で異常で異質な存在だ。だがこれらを産み出した存在としては親のような愛おしさを持っているし、家族としての愛情も持っていた。だからこそ、あのアギトの普通以外の異常は許さないと言うスタンスが、心の奥底で納得できずにいた。

 

「ゴリさんー!」

「ナンダ?」

「いつもありがとね、掃除とか料理とか」

「レイヲイワレルホドジャ、ナイ……コレガワタシノシメイ、デ、アナタノヨクボウ」

「それでもさ、特にゴリさんはこの家きてから掃除を手伝ってもらったり、なんやかんやしてもらったのに、お礼を言ってないような気がして……いつもありがとうございます」

 

 ソファに寝転がった姿勢から少し体を起こし、キッチンで今日の晩御飯(焼き飯)を作ってるゴリさんに重春はありがとうと口にするが、ゴリさんはそっけなく返す。今ではこうして会話が出来ているが、作り出した当初ほとんどしゃべらず、ただ黙々と自分に与えられた作業を行うだけのロボットであった。ただ掃除をしてきれいにするという欲じたいは満たされていったが、それとは別の欲が生まれた。それが『ゴリさんと家族としてご飯を食べたい』ただ、この欲はゴリさんには伝えていない。言ったら必ずイエスと答えて、黙々とご飯を食べてくれるだろう、それでは満足できないのだ。重春は目の前のただのメダルの化け物に、自分と言うものを持ってほしかった。がなかなか進んでおらず、四苦八苦している現状であった。

 

「デキタゾ、ヤキメシ」

「お、ありがとーゴリさん……いただきます」

 

 香ばしい匂いを肺一杯に吸い込み、アツアツのこんもりと盛られた小山程の焼き飯を、ゆっくりと崩しながら口に運ぶ。口内で爆発するかのように、熱さとうまみが暴れ回る。ほろほろと米が崩れ、具として入っていたグリーンピースが噛むごとに弾け、その甘みを出し、小エビがプリンとした食感を奏で、焼き飯にアクセントを加えていた。

 重春が焼き飯を一心不乱に食べ、2杯目に突入したとき

 

「お前か、昨日逃げた奴は」

 

 黒い羽を部屋中にまき散らしながらレイナーレが突如出現した。実は昨日の夜、あの現場を見られたので記憶を消そうとこの家に忍び込んだのだが、ゴリラヤミーと鎌田さんとくーさんにより撃退されていたのだ。だがこのことは彼女のプライドの高さゆえに誰にも言わず、周囲には『記憶を消してきた』と嘘をついた。

 突然、しかも家の中に現れたことで唖然とする人間の姿を見ようとしたが

 

「飯食ってからにして、今はご飯食べたいんだ……話なら後で聞く」

 

 重春は眼中にないとばかりに、焼き飯をマイペースに食べていた。その様子に拍子抜けしたが、わざわざ自分が出向いてやってるのにとイラッときてしまい

 

「聞け! 私がわざわざ出向いてやってるんだ!! 先ずはこちらの話が先だ!!」

 

 と怒声をあげながら、その大きな翼を羽ばたかせプレッシャーを与える。がしかしそれでも動じず、まるで眼中にないとばかりにご飯を食べている重春。いっそ光の槍で机ごと食器を破壊してやろうかと思った時。

 

「……! おい、あんた」

「ようやく私の話を聞くっ!?」

 

 重春はグリード体に変わっていた。レイナーレはその姿に驚いたのではなく、貧相な体から発する怒りのプレッシャーをじかに受け止め驚いていた。

 

(昨日のこいつからは、こんなプレッシャーを欠片も感じなかったぞ!? だがなんだ!? この息することさえ忘れそうなプレッシャーは!?)

「あんた、名前は?」

「え? な、名前、ですか?」

「そう、名前はなんだ?」

「れ、レイナーレ……です」

「そうか、レイナーレ……そこに座れ、正座だっ!!」

「っ!! は、ハイッ!」

 

 雰囲気にのまれたレイナーレは、いつもの高慢な雰囲気はどこへやら素直に相手の言う事に従っていた。

 

「さて、レイナーレよ、俺が何で怒っているかわかるか?」

「え? いや、わかりません……」

「まぁ解らんだろうな……これを見ろ」

「これは……あなたが食べていた、ものですか?」

 

 重春が差し出したのは食べかけの焼き飯。ただ大量の黒い羽がトッピングされていた。

 

「これは、この羽はなんだ?」

「えっと、私の羽です……」

「なんでここにかかっている?」

「えー、私が翼を羽ばたかせた、から……です」

「そうだ、俺はな?食事中に邪魔されるのが大っ嫌いなんだ……食べ終わるまで待ってくれれば話は聞いたし、満腹でいい気分だから、なんでもはいはいと頷くと思うんだ」

「それが、なにか?」

「それがだと!?」

「ヒィッ! す、スイマセン!!」

 

 腕を組み見下ろしながらレイナーレを見る重春は、娘に説教をかましているお父さんにしか見えなかった。それほどレイナーレは委縮していて、なぜか泣きそうだった。

 説教している間ゴリラ・ヤミーは部屋の掃除をしていた。

 

「あのなぁ! 人様が食べているものの上にゴミ落とすとはどういう事じゃ!! あぁ!? 食べているモノにゴミ落とすなって言われんかったか!? それともお前はそんなことも解らんのか? えぇ、何か言えや!!」

「え、いや、その……」

「はっきり喋れ!! ボケ!! 挙句人の家に勝手に上がって? ゴミまき散らして? 何がしたいんじゃ!!」

「………………グスッ」

「泣けば済む思うたか!? おぉ!? 女やからって泣けば済む思ったか!? 甘いはボケカス!!」

「ごめん、なさ……」

「謝れば済む思ったか!? 人の食べ物、ゴミまみれのゴミにしおって。あー気分悪」

 

 重春はひとしきり怒鳴り終えた後で、焼き飯から羽を取り除きイライラとしながらかきこんでいく。その間ずっとレイナーレは正座で座っていた。

 

(何で怒られてるんだろ……それに、足が痺れて何か痛いし……もうやだ)

(ちょっと怒りすぎたか? いやでもここでしっかり怒っておかないと、この子はまた同じこと繰り返すかもしれないし……でも泣かせちゃったし……)

 

 少し罪悪感に襲われていた重春であった。




 後書きです。
 ご飯の上にゴミをばらまかれたら、誰だって怒ると思います。そんなお話です。
裏話なんですが重春君のあの怒り方のモチーフはうちのお父さんで、レイナーレと同じことをしたら、文中の罵声と共に喋る暇を与えず一方的に殴って、確実にアバラとどっちかの腕の骨、あと顔面も確定で殴ると思うから、頬か鼻骨、目の骨をへし折られているかと。その後病院に連れて行くとかせずに放置プレイされます。
 ここでけ見たらヤバい人ですけど『怒ったら』なんでようは怒らせるようなことしなけりゃ良いんですよね。

 なんかお父さんの事で後書きを書ききった気がする、うごご……ではまた次回ー

 今いる魔化魍
・カマイタチ
・くらげ火
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